『クッキングパパ』の“卵の春巻き”を再現!

 去年、近所のスーパーがかーさんケットという商品を新しく扱うようになったので、どういう味なのか事前にネットで調べたのですが、何と天ぷらにするとおいしいという驚愕情報が目に入り、「ん!?」と目が釘づけになりました;(←※かーさんケットは素朴なビスケットです;)。
 詳しく調べた所、どうやら岩手県西和賀町で発祥した食べ方との事で、味はモチモチしていも天のように甘く、しっとりして美味だとご紹介されていました。
 天ぷらの衣というよりはホットケーキのタネのような衣につけてふっくら揚げるのがポイントだそうで、当初はただただびっくりするだけでしたが、最近では「少し怖いけど、食べてみたい…」と妙に気になっています。

 どうも、こういうトンデモ調理法は一体どういう経緯で思いつくのか不思議で仕方がない保守的な当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて梅田君の奥さん・ユミちゃんが作った夕食メニューの一つ“卵の春巻き”です!
卵の春巻き図
 それは、江口君が営業二課にやって来てしばらく経った頃の事。
 結婚式が重なったり、学生時代の友達と会って飲み歩いたりするのが続いた結果、月末までまだ日があるというのにすっからかんになってしまった江口君は、思い切って上司の田中君に「先輩っお金貸してください!」とお願いします(←常に金欠だった独身時代の田中君にそっくりです;)。

 しかし、結婚後も無駄使いを改めない田中君は既に残金五千円になるまで使いこんでおり、情けない師弟二人に呆れたけいこちゃんは、江口君に一万円を貸していました(←主任という責任ある立場についた以上、「これからふたりでパチンコに行ってこれを増やそう!増えたら貸してやろう!」「わーっ、おもしれ~っ!スリル満点ですねー」という危ないやり取りを聞いていられなかったんだと思います;。まさに、「混ぜるな危険!」を体現する二人組です;)。
 とはいえ、特に節約技術も調理技術もない江口君にとっては一万円でもギリギリだったらしく、悲壮な表情で「なんとかこの一万円で、細々生きときます…」と呟くのですが、傍で一部始終を聞いていた梅田君は気の毒に思い、「よかったら今日はうちに夕食食べに来ないかい?」と誘い、江口君を大喜びさせます。

 これは、過去に工藤君の担当教官になった際にも感心した事ですが、梅田君は一見気弱で頼りなく見えるものの、普段は優しく丁寧に指導する上気配り上手で、必要な時には感情的にならず適度に怒る事が出来る事が出来る為、部下側からすると非常に理想的な上司だと感じています(←田中君も同僚としてなら楽しそうですが、上記のような対応の仕方といい感情的に怒鳴ったりといい、正直上司としては今一つ扱いにくくて頼りづらいな~と思います;)。
 日頃は地味であまり目立たず、営業能力もずば抜けているという訳ではないのですが、こういう「部下の育成」に秀でた社員も会社には必要不可欠だと、しみじみと実感させられます。
入社当初は頼りなかった梅田君ですが、今ではしっかりいい上司をやっていて頼もしい限りです
 しかし、その昔梅田君のうちへ遊びに行ってユミちゃんの料理のすごさを知っていた田中君は、「江口ーっ、ぜひよばれろ、おもしれ~から梅田ンとこはー」と悪気なく笑います。
 というのも、実は結婚当初、現役の女子大学生だったユミちゃんはお菓子や豪華な料理を作るのは得意でしたが、日常のご飯作りは大の苦手で、とんでもない献立を出しては梅田君や会社のみんなを驚愕させていたため;。 
 一部例を挙げると、白いご飯のおかずとしてプリンを組み合わせたり、揚げ物を爆発させて営業二課のメンバーへ鉄砲のように降り注がせたり、アップルパイと味噌汁のセットを夕食として出したりなど、その独創的なメニューはかつて田中君を泣かせたくらいで、当管理人も初見時は戦慄したものですorz。

 決して料理の腕前は悪い訳ではなく、むしろ味も見た目もうまい部類なのですが、洋菓子が大好きなユミちゃんは三食全てが甘い物でも構わないせいかどうしてもチグハグな組み合わせになるみたいで、初期は夫の梅田君を何度もずっこけさせていました;。
 なお、梅田君はそういう時でも怒らず苦笑いするだけで、ユミちゃんの成長を根気強く待ってくれていましたので、漢だな~と感じます(←頭ごなしに怒るのではなく、「おいしかったよ、今度は○○も食べてみたいな~」とさりげなく伝える「北風と太陽」作戦だったからこそ、ユミちゃんも前向きにやる気を出したのかもしれません。荒岩主任がかつてみつぐ君に言った、「男はな、作ってくれた料理はぐだぐだ言わずに何でもおいしく食べる!これが一番カッコイイんだぜ!」という名言を彷彿とさせます)。
ご飯のおかずにプリンが出てくるという、甘党もびっくりなメニューを田中君に出します;
 けれども、そんなユミちゃんも結婚して約十数年。
 その間、きんしゃい屋へパートに出て色々教わったり、荒岩係長や大平課長の奥さんに料理を習ったりする内にどんどん成長し、遂には梅田君に心の中で「今ならいつものユミちゃんの料理で十分OKだ!」と強く信頼されるまでになります(←ちなみに、荒岩係長がユミちゃんに教えた料理はこちらこちら)。
 事実、洋菓子が好きなのは変わりませんが、最近は家庭菜園を始めて育てる楽しさに目覚めてからは野菜にも興味を抱き、「生き物の命を預かっている」という自覚が芽生えた影響で大分しっかりしてきたみたいで、今では毛虫を手で即座に潰せるたくましい奥さんになっています;。

 梅田君からお昼過ぎに「今日さー、一人客を連れて帰っていいかな?江口くんなんだけど…金欠でこの頃ろくなもの食べてないっていうんだ」とイレギュラーな電話があっても、かつては田中君並に食費をあっという間に使い果たしていて「どうしよう、大変!」と困っていたのに(←一度、荒岩一家へこっそり借金した事も;)、「ああ江口くんね、よーし張り切っちゃおうっ!」と逆に喜んでいましたし、これなら梅田君が安心してお願いするのも分かる気がするな~とこちらまでほっとしました。

 それにしても、入社当初は極度な偏食&マザコン疑惑で世間知らずの坊ちゃん扱いされていた梅田君と、初登場時は「キャピィ」という擬音付きで魚の目を「いや~ん、お魚こわ~い、目がにらんでる~っ」と叫んでいたユミちゃんのご夫婦がここまで大人になるとは…感無量です;。
これまで成長してきたユミさんの料理の腕前を知っている梅田君は、自信満々でした
 それから、江口君の他に興味津々な田中君も食事会に参加する事になったのを電話で知ったユミちゃんが、「よーし。じゃあ、もう一品増やしましょうかね」と手早く用意したのが、この“卵の春巻き”です!
 作り方は少し手間がかかり、ノリ代わりの水溶き片栗粉を四隅に塗った薄焼き卵へ、キャベツ・椎茸・玉ネギ・たけのこ・豚ひき肉・塩・こしょうを練った物と、塩茹でした菜の花とにんじんを置いてクルクル巻き、160度に熱した揚げ油で五分程揚げたら出来上がりです。
 ポイントは、薄焼き卵の卵液は破れにくく仕上げる為にあらかじめ片栗粉や塩を加えて溶くこと、春巻きの皮っぽくするためになるべく卵焼き器で薄焼き卵を焼くこと、包む時はぴっちり隙間なく包んで綴じ目は爪楊枝で止めることの三つで、当初は薄焼き卵で春巻きを作るとは…!とその発想力に驚きました。
 「春巻き」という名前通り、菜の花やたけのこといった春らしい食材を使ったり、見た目的にも色の取り合わせが美しそうなのが素敵な一品で、こんなアイディア料理を即興で作れるユミちゃんは、もはやベテラン主婦だな~と尊敬したものです。

 その後、梅田君の家に到着した江口君は、ご飯・味噌汁・煮魚・白和え・ハムサラダ・“卵の春巻き”がずらりと勢揃いしているテーブルを見て歓声を上げ、その味にも「メチャクチャうまいっス!」「全部うまいっス!」と感動しており、夢中になってかっこんでいました;。
 が、田中君は昔食べた奇天烈料理を食べたかったようで、「おもしろくないーっ」「すっかりまともになってよくできてて、ちっともおもしろくないぞ」と妙な野次を入れていますが(『愛のエプロン』で、インリンさんが料理をうまく作ったら物足りなく感じるのと近い気持ちでしょうか;?)、すぐに「ユミちゃんステキ!」とグラスを傾けて乾杯します。
 ユミちゃんのおもてなしスキルの高さを実感した回でした。
田中君が来ると知り、即興で卵を割り春巻き作りを始めていました。奥様力高杉です;江口君はすっかりユミちゃんの料理を好きになり、田中君はあまりの成長ぶりに感心していました
 最近、スーパーで菜の花が出回るようになりましたので再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、薄焼き卵作り。塩と片栗粉を入れて溶いた卵液を、油をひいて中火に熱した卵焼き器へ薄く流し込み、片面に火が通ったら裏返して軽く焼きます。
 この細長い薄焼き卵を何枚も焼いたら、春巻きの皮は準備完了です。
卵の春巻き1
卵の春巻き2
 次は、具作り。
 みじん切りにしたキャベツ、椎茸、玉ネギ、たけのこが入っているボウルへ、豚ひき肉と塩こしょうを投入し、全体に粘りが出るまでよく練り混ぜます。
 その間、皮を剥いて縦に細長く切ったにんじんと、ちょうどいいサイズに切りそろえた菜の花を沸騰したお鍋でさっと塩茹でにし、しっかり水気をきっておきます。
卵の春巻き4
卵の春巻き5
卵の春巻き6
 ここまできたら、いよいよ揚げ作業。
 冷ましておいた薄焼き卵の片隅へ先程のひき肉のタネを一部広げ、その真ん中ににんじんと菜の花を乗せます。
 この薄焼き卵の四隅へ、硬めに溶いた水溶き片栗粉をのり代わりにつけてクルクルと隙間なくぴったりと巻き、閉じ目を下にして爪楊枝を刺しておきます(←少し経つと、より密着してくっついてくれます)。
 この春巻きの元を、160度に熱した揚げ油で約五分間揚げ、ほんのりきつね色に染まってカラッと揚がったらキッチンペーパー等で余分な油をきっておきます。
卵の春巻き7
卵の春巻き8
卵の春巻き10
 あらかた油が落ちたら爪楊枝を取り除いて包丁で斜めに二つ切りにし、そのままお皿へ盛り付ければ“卵の春巻き”の完成です!
卵の春巻き11
 面白いことに、包丁を入れるまでは普通の春巻きと見た目がそっくりで、言われなければ分からないな~と感心しました(←揚げている最中は皮のパリッとした感じも似ていましたので、より見分けるのが困難でした;)。
 二つに切ると、薄焼き卵の黄色い皮から、菜の花の緑とにんじんのオレンジがちらりと見えるのがきれいで、否が応にも味への期待が高まります。
卵の春巻き12
 それでは、辛子醤油につけていざ実食!
 いっただっきまーす!
卵の春巻き13


 さて、感想はと言いますと…従来の春巻きよりもヘルシーで、ほんわかした穏やかな美味さ!卵でもちゃんと皮になっていて感心です!
 通常、春巻の皮は表面パリパリ中しんなりという感じで食感はきっちり分かれているんですが、薄焼き卵だと外側の隅っこはサクサクカリッとしてるものの、それ以外は香ばしくもふんわりと柔らかく、それでいてシコシコむっちりとした優しい弾力のある口当たりで、ほっと癒されます(←一番近いイメージを挙げるとするなら、包んで揚げ焼きにした生春巻の皮)。
 中の餡はあっさりした塩味で非常にシンプルなんですが、豚ひき肉のジューシーでコクのある肉汁、椎茸の奥深い風味、キャベツと玉ネギの強い甘味、筍のコリコリした歯触りが相まって旨味が倍増しているせいか、肉まんの具を彷彿とさせる馴染みある味わいになっていた為、かえって病み付きになります。
 正直、これだけだったらやや単調になっていたかもしれませんが、菜の花の瑞々しいほろ苦さと香り高さ、にんじんのサクサク感としっとり甘いエキスが程よいアクセントをプラスしていたので、最後まで飽きずに頂けました。
 その名通り、野菜たっぷりで爽やかな後口がとても春らしい一品です。
 この餡に、辛子酢醤油のさっぱりして酸っぱ辛い塩気がぴったりで、まるで野菜たっぷりでヘルシーな餃子を食べているような気持ちになりました。


 辛子醤油の他には、ポン酢やわさびを合わせてもそこそこよかったです。
 なお、これは蒸してもよりさっぱりした感じでいけるとの事でしたので、また試してみたいと思います。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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