『華中華』の“旬のアサリと春キャベツのチャーハン”を再現!

 先日、電話で得意先の方とお話していたんですが、「よろしくお願いします」で話を終えようとした時、相手の方が何かを言いけたのを察す→とっさに黙ろうとする→何故か「く」と「お」の発音が混ざる→結果、「よろしこ」と失言するというカオスな事態にorz。
 幸い、すぐに言い直すと相手の方は快く許して下さったんですが久々に汗だく状態になり、内心「キムタクか!」と自分にツッコミを入れました。

 どうも、見通しの甘さとうっかりさ加減は昔から変わらないままの「頭脳は子ども、体は大人!」な当管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが義実家の春キャベツと旬のアサリを組み合わせて作った“旬のアサリと春キャベツのチャーハン”です!
アサリと春キャベツのチャーハン図
 それは、2012年のある春の日の事。
 毎年、この季節限定で作っている三浦半島産春キャベツのチャーハン(こちらこちらこちらとはまた別です)を300円で上海亭のお客さんにお出ししたハナちゃんは、例年通り好評を得ます。
 幸い、この年はタイワンリスの被害がほとんどなかった為、義実家から春キャベツを大量に仕入れる事が出来ていたのですが、ハナちゃんは新作チャーハンを考案するにあたり、また新たな難題に直面する事になります。
 その問題とは、ずばりチャーハンの価格。
 これまでハナちゃんは材料費をギリギリ節約したり、細かな工夫を加えたり、代用品を使ったりして予算を低く抑え、何とか300円という低価格を実現していたのですが、この時ハナちゃんが思い描いていたチャーハンは春キャベツだけではなく国産あさりも使う特製レシピだった為どうしても高くついてしまい、このままだと一皿500円でないと赤字がでてしまうという危機的状況に追い込まれます。

 いつもの上海亭でしたら、春キャベツの割合をあさりよりぐっと増やす事によって解決しそうな問題ですが、ハナちゃんが言うには「せっかくの旬のアサリだから、<食べた感>のある量を使いたいの」だそうで、それだと如何に今が盛りで比較的安価なあさりとはいえ、300円で利益を出すのは無理だと語っていました。
 普段は当たり前のように予算を守れているのですっかり忘れていましたが、300円チャーハンを始めたばかりの頃におじいさんが掲げた「確かに、うちは金儲けでやってる訳じゃねぇ。材料費も全て赤字でお客さんにご奉仕もできる!」「でも、俺達がやっているのは商売だ!遊びじゃねぇ。だから、あくまで俺達が損をしない範囲で300円のチャーハンをやっていくべきだ」という商売人としての理念と、ハナちゃんの「今が旬の春キャベツとあさりを組み合わせたら、きっと美味しいチャーハンが出来る」という料理人としての向上心を両立させることは、かなり難しいことなのだと改めて実感させられます。

 元々上海亭のチャーハンの価格設定は500円で、それでもお客さんは結構な数が来ていた為、事情さえ分かればすぐに納得してくれるのでは…と思わなくもないのですが、それでもいきなり200円も値上げをするのは勇気がいりますので、ハナちゃんの迷いも分かる気がしたものです(←去年末、某牛丼チェーン並盛を80円値上げしただけでも大反響でしたので、その二倍以上も値上げとなると…ちょっと反応が怖いですね;)。
春キャベツとあさりを使った旬のチャーハンを作りたいものの、「300円の壁」にぶつかります
 けれども、そんなハナちゃんをおじいさんは「ハナちゃんは何も気にせず新しいチャーハンを作るんだ」「前々から考えてはいたんだが、これを機会に以前の値段…一人前500円に戻してみようと思う」とあえて背中を押し、ハナちゃんはありがたさと申し訳なさで胸がいっぱいになりながら試作に取り掛かります。
 こうして翌日、おじいさんが仕入れた剥きあさりと春キャベツを組み合わせて作り上げたのが、この“旬のアサリと春キャベツのチャーハン”です!
 作り方は簡単で、ごま油を引いて熱したフライパンへにんにく・剥き身のあさり・春キャベツ・日本酒・塩を入れて蒸し炒めにし、基本チャーハンへ混ぜ込んだら出来上がりです。
 ポイントは、春キャベツはあさりと大きさを合わせて1.5㎝幅の角切りにすることと、春キャベツとあさりは七分目の炒め具合に加減してチャーハンに合わせることの二つで、春キャベツの食感を活かすのが最大のコツのように感じました。

 にんにくとごま油という中華料理の基本を押さえて本格的かつ香ばしく味付けし、たっぷりのあさりと春キャベツでボリューム感と味の満足感を実現させた一品です←ただ、本場ではさらに唐辛子かオイスターソースか紹興酒を足してこってり系にするのが王道らしいので、今回は和の要素も入れてややあっさりめにアレンジしたっぽいです)。
 調べた所、あさりの旨味が濃い塩気はキャベツの自然な甘みを引き立ててくれるので相性抜群で、昔から「出会い物」としてなじまれているとの事で、これは確かに一度試してみたくなってもおかしくないと思いました。
今回のチャーハンは、にんにくとゴマ油を使って中華風の味付けに仕上げていました。
 その後、お店で出す前にハナちゃんはおじいさん・おばあさん・丸山君の三人に試作品を食べてもらうのですが、「うん、こりゃあ旨い!」「ホント、500円でも安いくらいよ」と大喜びで、いつも通り上海亭の屋上でこっそり試食していた楊貴妃さんも「これは本当に美味しいチャーハンだねぇ」「ハナちゃん、傑作だよ。これならきっとお客も…」と珍しく手放しで絶賛していました。
 …しかし、意気揚々と開店したものの、お客さん達は「旨そうなんだけどなぁ」と考えつつも唐突な値上げに戸惑いを隠せず、その多くは上海亭を素通りしてしまいます…orz←個人的に、事前に張り紙か口頭かで徐々にお伝えしていたら、若干結果は違っていたと思います。少額ではありますが、やっぱり当日急に値上げを知るのはきついだろうな~と感じずにはいられません)。

 幸い、辛うじて何人かは足を止めてお店に入り、「これ旨いね、今年最高のチャーハンじゃないかなぁ…」「うん、これなら500円以上の価値はあると思うよ」と褒めてくれるのですが、如何せん数が圧倒的に少なすぎて、ただでさえ足が速い剥きアサリが大量に余っちゃってました。
 口コミが行き渡るのを待とうにも、春キャベツが出回るのはせいぜい二か月くらいで、十分魅力が伝わるころには旬が終わっていて出せなくなっている可能性が高い為、「そんなにおいしいチャーハンが日の目を見ないなんて、勿体ないな…」と気の毒になった物です(←宣伝や広告の重要性を、改めて再確認させられました)。 

 果たして、ハナちゃんはこの窮地をどうやって脱出するのか…次回、その続きをご紹介しようと思います!
お客さんのほとんどはおいしそうだと思っていましたが、急の値段変更に戸惑いが隠せない様子でした
 春キャベツもあさりも手ごろなお値段で買えるようになりましたので、再現する事にしました。
 作中には分量つきの詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、具の用意。ごま油を引いて弱火で熱したフライパン(又は中華鍋)へ薄くスライスしたにんにくを入れ、焦がさぬよう気を付けながら香りが立つまでゆっくり炒めます。
 段々いい匂いがしてうっすらきつね色になってきたら強火にし、剥き身のアサリを投入してざっと炒め、1.5㎝幅の角切りにした春キャベツを加えて混ぜ合わせます。
アサリと春キャベツのチャーハン1
アサリと春キャベツのチャーハン2
アサリと春キャベツのチャーハン3
 そこへすぐに日本酒と塩を振りかけて味付けし、七分目くらいに火が通るまでふんわりと蒸し炒めにします(←日本酒を入れた時に出る蒸気で、キャベツを蒸すような感じです)。
 このキャベツとアサリの炒め物を、出来立てほやほやのハナちゃん流基本チャーハンへ投入し、軽く炒め合わせます。
 ※火を通し過ぎると春キャベツがしなしなになりますので、要注意です!
アサリと春キャベツのチャーハン4
アサリと春キャベツのチャーハン5
アサリと春キャベツのチャーハン6
 チャーハン全域に春キャベツとアサリが行き渡ったら火からおろし、そのままお皿へ丸く盛り付ければ“旬のアサリと春キャベツのチャーハン”の完成です!
アサリと春キャベツのチャーハン7
 大ぶりに切った春キャベツの目にも鮮やかな緑色と、にんにくの香りがダブルで食欲をそそります。
 にんにく風味の春キャベツ炒めは食べた事がありますが、それをアサリと一緒にチャーハンにするのは初めてですので、どんな味か楽しみです。
アサリと春キャベツのチャーハン8
 それでは、熱い内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
アサリと春キャベツのチャーハン9


 さて、感想はと言いますと…しみじみ美味なあさりがメリハリのある旨さに!春だからこそ堪能できる初々しい味わいです!
 一口食べると、最初はあさりの奥深いまろやかな濃厚エキスと、春キャベツのミルキーな甘味がじわりじわりと押し寄せる為「あっさりして品がいい和風仕立て」と感じましたが、途中からにんにくのがっつりワイルドな風味が漂い、見た目によらず「こってり力強い中華風」に変化していくのが印象的でした。
 シコシコした弾力のあさりの身と、あさりの出汁をほんのり吸ったチャーハンを噛み締める度、磯の香りと共に海のミネラルを凝縮したような潮の味わいが溢れるのが美味で、食べ進めるにつれて口の中が甘じょっぱいあさり一色に染まっていくのが嬉しいです。
 この芳しい酒蒸し状になったふっくらあさりに、ゴマ油の香ばしいコクが入り交じると旨味がさらに倍増する感じで、派手さはなくとも安定したおいしさに仕上がっていました。
 しなやかに柔らかいものの、どこか芯があってしゃっきりと爽やかな食感の蒸し焼き春キャベツは、チャーハンの具というよりはイタリアン風温野菜サラダみたいで、後口を軽やかにするのに役立っています。
 例えるとするなら、「春キャベツ入りボンゴレ風チャーハン」というイメージの味付けで、和と中と伊を足して三で割ったようだな~と感じました。


 全て国産の食材でこのクオリティなら、500円でも十分お得だと思います。
 春キャベツだからこそ生まれる美味しさですが、どうしても手に入らない場合は普通のキャベツでもいいと思います(→ただ、それだとやはり一味物足りない出来栄えになります;)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
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