『クッキングパパ』の“ドラオム”を再現!

 先日、妹や母と浅草でもんじゃを食べたのですが、コテを鮮やかに使いこなしながら土手作りをした妹の手際のよさに感嘆しました(←「カカカカカカ!」と鋭い音を鳴らしながらコテで具を刻んでいく姿は、OLというよりまさに熟練の職人!)。
 具は定番の明太子もちチーズで、絶妙な焦げ加減のパリパリ部分といい、お腹がいっぱいでも不思議とするする入るちょうどいい軽さといい、大好きになりました。
 ただ、そばで見ていてもんじゃは「反射神経のよさと器用さを求められるおやつ」だと実感しましたので(小さいコテで何度も自分の手を鉄板焼きしそうになったとろくさい当管理人は論外)、次に東京へ行く時までにはせめてコテくらいまとも使いこなせるようにならないと…と新たな使命感を感じたものです。

 どうも、胃袋の容量問題で結局頼まなかったガクトもんじゃ(GACKTさん考案のもんじゃ。牛すじ・ネギ・キムチ・辛みその組み合わせ)がずっと気になってて後悔している当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が休日に大平課長と息子さんに作ってあげた“ドラオム”です!
ドラオム図
 それは、荒岩主任がまだ若手で料理上手だという事実を隠していた頃のこと。
 同じ職場の上司である大平課長が、ある日喫茶店のショーケースでオムライスを見かけて以来、すっかり頭の中がオムライス一色になってしまいます←こういう「○○が無性に食べたい!」モードってすごく分かります…他の食べ物がどんなに美味しそうでも、目に入らなくなるんですよね。個人的に、カレー・お好み焼き・ラーメンなど味が濃いジャンク系な食べ物が多い気がします)。
 そこで、夕飯時に奥さんにお願いしたり、お昼タイムにお店で頼もうとしたりするんですが、家族からは「きゅうになにをいいだすのかと思ったら、オムライスだなんてーほほ…」「なーに小学生みたいなこといってんだよ、とーさん」と笑われてひっこめたり、たまたま居合わせた田中君に「課長、ここのAランチいーすよ。スープにコーヒーもついてるし」と勧められて断りきれなかったりとどうもタイミングが悪く、そのままオムライス心を満たされないままズルズルと数日が経過する羽目になります…。

 今でこそ、オムライスはコンビニや専門店で気軽に食べられるようになりましたので、こっそり食べるのも難しくなくなりましたが、このお話が掲載された昭和61年はまだそこまで普及しておらず、「子どもの食べ物=大人が食べてたら浮く」という感じの食べ物でもありましたので、大平課長もさぞかし居心地が悪かったろうな~と気の毒になりました;。
 気のせいかもしれませんが、今から数十年前は結構人の好みにうるさいというか、「男のくせに」「女のくせに」という考え方がまだまだ大手を振ってまかり通っていた感じで、それこそオムライス一つ食べるのも自由に出来ない雰囲気が根強かったように思います。
 けれども現在、グルメブームで食の多様化も進み、『孤独のグルメ』を始めとする一人飯ブームもあって「好きなものを好きなように食べていいじゃん!」 みたいな開放的な空気になってきており、食の好みを主張しやすい時代になっていますので、ある意味今が一番ご飯を一人でおいしく食べられる時代なのかもしれません。 
あるお店に見本として飾ってあったオムライスで昔を思い出します
 ちなみに、何故大平課長がそこまでオムライスを食べたかったのかというと、それは青春時代を彩る思い出の一食だった為。
 何でも貧乏学生時代、バイト料が入るとおんぼろアパートを飛び出して近所の大衆食堂で奮発して食べていたのが大きなオムライスだったそうで、二十数年経って仕事も家庭も落ち着いてきた今、妙に恋しくなって食べたくなったと荒岩主任に語っていました。
 がむしゃらで若さだけはあった時は当たり前で気にもしなかったことが、気が付けば遠くなっていて、いとおしむように懐かしく思い返すようになる…という機会は年を経るごとに当管理人も多くなっている為、大平課長の気持ちが分かるような気がしたものです。

 しかし、外食で何度も食べようとしても運悪く食べられなかった大平課長は一念奮起し、「そーだ明日の日曜うちのヤツでかけるってたな。昼にでも自分で作ってみるか」「そーだよ自分で作ればいーんだ、なあ荒岩くん!」「これでも学生時代は自炊してたんだからな。なーにオムライスなんてチキンライスを卵で包めばいーんだろ」とフラグ立てまくりの宣言をしていました。
 当然、オムライスの難しさについて熟知している荒岩主任も失敗の予感がヒシヒシとしていたようで、「私が作ってあげましょーかー(^∀^)/」と心の中でずっとうずうずしていましたが、結局その日はそのまま別れていました(←心の中ではフットワークが軽くて気さくで馴れ馴れしいなのに、口下手で臆病なのが邪魔して何も言えぬまま終わる…内弁慶あるあるですね、よく分かりますorz)。 
 確かにチキンライスは料理初心者でも簡単に作れますが、その「卵で包めばいーんだろ」がどんなに難しいか…何だったら包まないタンポポオムライスだって、キレイにおいしく作るのは最初どれだけ手こずるか…こりゃ~台所が荒れて帰って来た奥さん激おこパターンだぞと読み返していてヒヤッとしました;。
 失敗だらけで失意のまま取り掛かる台所の片付けは、料理の何倍もHPを削ります。
 けれど、面倒だからといって荒れたまま放置した台所は、命がとられることはありませんが心は死にます。

注文しにくいなら、自分で作ればいいと決意する大平課長でしたが…
 そして翌日、野球クラブに出かける息子さんの分と自分の分のオムライスを作ろうと大平課長は頑張るのですが、やっぱり卵をうまく包めずグチャグチャの焼き飯状になってしまい、焦ります。
 が、そこへ心配になってやって来た荒岩主任が「いや、ちょっとうちのヤツからオムライスのコツを聞いてきたので」(←いくら奥さんに詳しく聞いたとはいえ、すぐ作れるようになるものなのか?というツッコミはなしでお願いします;)と台所に参戦したおかげで、無事オムライスを完成させて大平課長を満足させていました。
 この時、荒岩主任が若くてまだ甘い味わいに郷愁を感じない息子さんの為に作ってあげたのが、“ドラオム”(ドライカレーオムライスの略)です!
 作り方は結構簡単で、にんにく・豚ばら肉・にんじん・玉ねぎ・ピーマン・パセリ・ご飯を炒めた所にカレー粉・醤油・ウスターソースで味付けしてドライカレーを作り、砂糖と塩を混ぜてバターで焼いた卵で包み、仕上げにパセリを飾ったら出来上がりです。

 ポイントは、卵は砂糖たっぷりで甘めに&ご飯はカレー粉多めで辛めにして正反対の味付けにすること、ご飯を入れた後は強火にかけてべちゃつかせないことの二点で、当初は「オムライスの卵に砂糖?!」と驚きましたが、たんぱく質の凝固を遅らせる力を持つ砂糖によってよりふわふわになって味もコクが生まれるそうで、感心しました。
 上にかけるソースがウスターソースだけというのも潔く、ケチャップを使うよりかえってあっさりして食べやすいかも…と思います。
 こういうオーソドックスな料理でも新たな発見があるのが『クッキングパパ』のすごいところで、読んで楽しく日常でもちゃんと役に立つのが非常にありがたいです。 
まだ若くノスタルジーを感じない息子さんには、ピリッと辛いドライカレーオムライスを!
 オムライスとドライカレーという組み合わせは以前から魅力的だと感じており、偶然材料も揃っていたので再現してみることにしました。
 作中には詳細なレシピもきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、ドライカレー作り。
 油をひいて弱火に熱したフライパンへみじん切りにしたにんにくを入れて軽く炒め、いい香りがしてきたら中火にして小さめにカットした豚バラ薄切り肉を加えて炒めます。
 肉から油分が出て脂身がカリッとしてきたら、みじん切りにしたにんじんを投入し、ざっと炒め合わせます。
『クッキングパパ』の“ドラオム”1
『クッキングパパ』の“ドラオム”2
『クッキングパパ』の“ドラオム”3
 そこへ、みじん切りにした玉ねぎを加えて透き通ってくるまで炒め、続けてみじん切りにしたピーマンとパセリを入れてさっと混ぜ合わせ、軽く塩とこしょうをふりかけます。
 ここで強火にして冷やご飯を投入して手早く炒め、味見をしながら塩加減を調整します。
『クッキングパパ』の“ドラオム”4
『クッキングパパ』の“ドラオム”5
『クッキングパパ』の“ドラオム”6
 ご飯に具と油が行き渡ってしっとりしてきたら、カレー粉、醤油、ウスターソースを入れて味付けし、しっかり混ぜ合わせます(←醤油とウスターソースは隠し味程度がいいですが、濃い目がお好きな方は加減して下さい)。
 これで、ドライカレーの準備はOKです!
『クッキングパパ』の“ドラオム”7
『クッキングパパ』の“ドラオム”8
『クッキングパパ』の“ドラオム”9
 次は、卵焼き&包み込み作業。
 よく熱したフライパンへバターを入れてなじませ、全部溶け切る前に砂糖と塩で調味してかき混ぜた卵液を一気に流し込み、菜ばしでさっと混ぜます。
 やがて、外側が焼けてきて内側は半熟状になったら、すぐに片側へドライカレーを半月状になるように乗せ(ラップであらかじめ成型しておくとやりやすいです)、お皿へ滑らせながら包みつつ移します。
 ※包むのに時間がかかると非常に焦げやすいので、あらかた卵に熱が通ったことを確認したら火は消してから作業した方がいいです。
『クッキングパパ』の“ドラオム”10
『クッキングパパ』の“ドラオム”11
『クッキングパパ』の“ドラオム”12
 オムライスを成型し終えたら上からウスターソースをかけ、最後に傍らへパセリを飾り付ければ“ドラオム”の完成です!
『クッキングパパ』の“ドラオム”13
 原作通りのドーンとしたボリュームを出そうと四苦八苦した結果、なんとも不恰好なおばけオムライスに;。
 ソースがケチャップではなくウスターソースなのも見た目的にちょっと寂しい感じで、この時ばかりはパセリ様の鮮やかな緑色に感謝しました。
 しかし、肝心なのは味!果たしてどんな感じなのか…ワクワクします!
『クッキングパパ』の“ドラオム”14
 それでは、冷めない内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
『クッキングパパ』の“ドラオム”15


 さて、味の感想は…甘い辛いのバランスが絶妙で美味!まさに大人向けの洋食で、レストランというよりは昔の喫茶店を連想させる粋な味わいです!
 たっぷり入った野菜の凝縮された甘い旨味エキスや、ウスターソースの複雑な香辛料が何とも言えない深みを出しているせいか、即席とは思えない程コクのある本格的なドライカレーに仕上がっています。
 淡白な鶏肉ではなくジューシーで濃い肉汁がでる豚バラ肉、そしてガツンと力強い風味のにんにくを使っているおかげでよりパンチがあって切れ味の鋭いピリ辛味になっており、食べ応え満点な味付けになっていました。
 正直これが塩味の卵だったら飽きるというか口の中が疲れてきたと思うのですが、こちらは関東風の卵焼きのような昔懐かしい優しい甘味とバターの艶かしい風味が効いた、まるで西洋菓子のようにとろけそうなふわふわ半熟卵で、辛味を柔らかく包みこんでクリーミーに緩和させ、程よい甘辛さになっていたのが良かったです(←炒り卵と肉そぼろの丼を食べる醍醐味に似ている気がしました)。
 にんじんのカリカリした心地いい歯触り、パセリの香草らしい清涼な風味、ピーマンのほろ苦さとジャクッとした口当たりがいいアクセントになっており、後を引く味わいになっているのもナイスです。
 あと、当初はウスターソースをかけるだけなんて乱暴だと思ったんですがこれがぴったりで、ドライでスパイシーなカレーと甘やかな卵の旨さを損なわずスカッとした酸味の刺激だけプラスしているのに感心しました。


 オムライスに甘い卵がこんなに合うとは予想もしていなかった為、目からうろこでした。
 夫も初めてだったそうですがすごくおいしいと喜んでおかわりまでしていましたので、大人の男性相手でも十分通用する組み合わせだと思います。
 ケチャップ味のチキンライスだとまた印象が違いそうで面白そうですので、近々実験がてら作ってみるつもりです。


P.S.
 kawajunさん、てけとうさん、キンメさん、ちやまさん、銀猫さん、温かいお言葉を下さりありがとうございます。
 ちょうど留守中に大雨が直撃する形になったのですが、幸い自宅、両実家、親戚宅に被害はありませんでした…しかし、今回の甚大な被害には心が痛んでおります(←もう大分昔になりますが、大雨や台風で自宅に被害が出た事があります)。
 西日本で大雨被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.07.09 Mon 09:41  |  

おぉ~包むのお上手!
こんなきれいなオムライスが出てきたらテンション上がっちゃいます♪
ドライカレーのオムライスは食べた事ありますが、ウスターソースとは意外ですね。私も今度やってみます!
ガクトもんじゃ、それ絶対おいしいやつ(じゅるり)食べてみたい。しかし明太餅チーズは絶対にはずせないですよね(`・ω・´)
私は半分ぐらい食べ終わって以降あたりの頃合いの、水分が飛んでもっちりパリパリしてくる時が超美味だと思ってます♪

  • #-
  • おもち
  • URL

2018.07.09 Mon 21:16  |  

クッキングパパのこの回のオムライス、美味しそうだなーと思いながら当時読んでました!こちらのブログでお目にかかれて嬉しいです!美味しそうですね!私も練習を兼ねて作って見ようかな……なんて(笑)

  • #-
  • オーロラ
  • URL

2018.07.10 Tue 04:24  |  これも時代

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見しています。
豪雨で大きな被害なく、何よりでした。広島や岡山などの方々は今も大変で、心が痛みます。
この頃の荒岩さんは「みんなに美味しいものを食べてもらって、笑顔になってもらいたい!」という現在も変わらない料理に対する信念はあるものの、その当時の「え〜ていうか、何で男が料理するのぉ〜」とギャルっぽいツッコミが入るような時代だったため、料理男子(?)であることをひた隠しにしていて、料理指導が変化球で面白いですよね。オムライスの中身がドライカレーというのは、今も珍しく、考えつきそうなのに誰もやってなかった!と単行本で読んだ当時お腹を鳴らしたものですwwウスターソースのオムライスは未だに食べたことがないので、ちょっと作りたくなってきました。ヽ(´▽`)/
長々と失礼しました。では、また〜。

  • #jkZ6tFIc
  • kawajun
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  • Edit

2018.07.12 Thu 12:25  |  

美味しそ〜&懐かし〜!初めてこの話を読んだのは25〜6年前ですが、カラーで見るとより美味しそうです!!

旦那さんとの仲も良好なようで、羨ましいですね〜

  • #-
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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