『じったんの時短レシピ』の“肉巻き谷中しょうが”を再現!

 先日東京へ行った際、様々な飲食店で飲み食いして食いしん坊万歳な生活を送っていたのですが、その時うっすら気づいたことがあります。
 それは、餃子の皮の厚さと焼き鳥のタレが福岡とは少し異なるということ!
 福岡は本格中華のお店でない限り餃子の皮はほとんどがピラッと薄く、焼き鳥のタレもどちらかといえばサラサラ系で肉に絡めてそのままパックに入れるという感じなのですが、気のせいか東京の餃子の皮はもうちょい厚めでむっちりめ、焼き鳥のタレも比較的濃い目でとろみもあり、パックに入れる時もお玉で注いでから渡してくれる感じで、当初は「些細だけど、何となく違う!」とびっくりしました(←数店しか食べ比べしていませんので、一概には言えないかもしれませんが…)。
 当管理人的にはどちらもおいしくて好みで、帰宅後しばらくは餃子も焼き鳥もダイエットを気にせずもっと食べればよかったな~と嘆息していました;。

 どうも、金子半之助の秘伝甘辛ダレと胡麻油の香りが効いた絶品江戸前天丼を食べて以来、「全ての天丼に半熟玉子天が標準装備されたらいいのに…」と真剣に考えている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『じったんの時短レシピ』にて傷心の珠里さんがあるお土産を使って作った“肉巻き谷中しょうが”です!
肉巻き谷中しょうが図
 二十×歳、彼氏いない歴三年半に一刻も早くピリオドを打ちたい珠里さんは、ある初夏の日に新しい男性と東京下町デートをします。
 実を言いますと、珠里さんはアクセサリー会社のチーフとして忙しい日々を送っている割には結構チャンスが多い方で、一巻から二巻にかけて少なくとも七回は出会いや恋愛のきっかけがあるなど、そこそこ恵まれている方(←某恋愛シュミレーションゲームばりにイベントが豊富だと思います)。
 今回デートする男性も、何と読者が知らない内に知り合って休日に二人きりで会う仲にまで行きついていたという、まさに時短の極みな進行をしており、初見時はそのあまりの展開の早さに目を白黒したものです(←個人的に、『究極!!変態仮面』で主人公が初期からいるお嬢様ヒロインではなく、途中から転校してきたサブヒロイン的チャイナ娘といつの間にか結婚していた時に近い衝撃でした)。
 しかし、何かしっくりこない事でもあったのか、デートも佳境に入ろうかという夕方近くにいきなり「…ごめん。珠里さんとは付き合えない…」と男性は告げて去ってしまい、登場ページ僅か半ページというあまりに時短過ぎる恋の終わりに珠里さんは呆然と立ち尽くします…。
 ちなみに、お二人が話していた場所は夕やけだんだんという夕焼けの絶景スポットで、この日も美しい夕焼けの光が階段を照らしていたのですが、失恋したばかりの珠里さんの目には眩し過ぎたようで、「夕日が目にしみるぜ…」と遠い目でたそがれていました(←失恋直後のヒタヒタと押し寄せて徐々に濃くなっていく絶望感と、次第に色を失っていく夕焼けのグラデーションって、どことなく似ていますよね…orz)。
 はたから見てると出会いが多いのは華やかで楽しそうですが、考えてみれば交際に至らなければ間接的にも直接的にもフラれる機会が増え続けるという事でもありますので、ありんこメンタルな当管理人だったらとっくの昔に押しつぶされてそうです;。
夕焼けだんだん名物の美しい夕日を、一人で見る羽目に…
 その後、大泣きしながら自宅に帰った珠里さんは「谷中ぎんざで手に入れたのは…このデートで手に入れたのは…彼氏じゃなくて谷中生姜だけ!!!」と叫び、涙を流しつつも失恋の痛みを癒す為に晩酌の準備をします(←何だかんだで既に立ち直りつつある珠里さんのたくましさを尊敬します;)。
 珠里さん曰く、「江戸時代は谷中の特産品だったんだよね…この<葉しょうが>というものは生でも食べられるほど…辛みも少ない!!」だそうで、勢いのあまり洗わずそのままパキィッとかじっていました(^^;)。
 調べたところ、谷中生姜は収穫時期がお盆に重なっていたのもあってお坊さんからお中元として贈られることが多かったらしく、その美味しさから「盆生姜」とも呼ばれ段々広まって有名になったとの事。
 ニンニク・タマネギ・ネギ・ニラ・ラッキョウのように力の出る野菜を禁止されていた中、生姜は強い風味で元気をつけてくれる貴重な香味野菜だったんだろうな~と色々考えさせられます。
 けれども、実は生姜は古代ローマで何と媚薬として使われていた恋愛ハーブだそうで(←中枢神経を刺激して全身の血行がよくなる=体が熱くなり恋の意欲もわいてくるという理屈で、現代のフランスでも普通に媚薬扱いされているのだとか…)、この知識が江戸時代に普及して禁止されてなくてよかったな~と思わず胸を撫で下ろしました;。
 この余計な豆知識を得て以来、谷中生姜を片手に下町デートというプランが色っぽく思えてなりません;。
江戸時代、谷中の特産品だったといわれる谷中生姜が唯一の戦利品
 この時、その谷中生姜を使って珠里さんが作ったおつまみが、“肉巻き谷中しょうが”!
 作り方はすごく簡単で、葉を切り落とし皮を取った谷中生姜の下部分に豚の薄きり肉を巻き付け、油をひいたフライパンで両面を焼いた所に醤油・みりん・砂糖を混ぜて作った調味液を入れて煮詰めつつ絡めたらもう出来上がりです!
 ポイントは、谷中生姜の皮を取る時はスプーンで優しく軽くこそげ取る程度に留めること、火入れは豚肉に火が通るくらいにしておくことの二点で、こうする事により生で食べられる生姜の旨さを存分に活かせるそうです。
 砂糖とみりんを一緒に使う上、原作レシピの割合だとなかなか甘めに仕上がりそうですが、生の谷中生姜という味の濃い食材と組み合わせるなら、それくらいがちょうどいいのかも…と思いました。
 実際に食べた珠里さんが言うには「甘☆辛ぁ!!」「わはは!タレの濃い味がしょうがのスッキリ感で中和され…ついつい手ののびるうまさ!」な一品だそうで、ビールにもってこいな味わいみたいでした(←日頃はキリンの一番搾りやサッポロ黒ラベルが好みですが、こちらの料理には珠里さんがセレクトした通りアサヒスーパードライのような辛口ビールが合いそうです)。
 作中にて描写されている「シャクシャク」という擬音がおいしそうで、読み返すたびにお腹がすいたものです。
豚肉のこってり味を生姜がすっきり緩和!ビールにぴったり!
 東京から福岡に帰る際、スーパーに並ぶ谷中生姜を見て「これだ!やっと挑戦できる!」と購入し、帰宅早々再現することにしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、谷中生姜の下ごしらえ。
 流水で谷中生姜の泥を落としつつ食べやすい大きさに折り、茎を約十センチ程残して切り落としたら、皮をスプーンで軽くこそげ取ります(←あんまり神経質に取りすぎなくて大丈夫です)。
 ここに、豚肉の薄切りをぐるぐるっと巻き付けておきます。
※作中にはどこの部位なのか明確な指定がありませんでしたので、豚ロース肉と豚ばら肉の薄切りをそれぞれ使ってみました。今回は味の違いを食べ比べてみたかったので別々にしましたが、両方巻いてみるのもいいかもしれません。
肉巻き谷中しょうが1
肉巻き谷中しょうが2
肉巻き谷中しょうが3
 次は、焼き作業。
 熱したフライパンに油を薄くひいて先ほどの谷中生姜を並べて焼き、片面に焼き色がついたらすぐにひっくり返してまたこんがり焼きます(生でも食べられる生姜ですので、肉に火が通りさえすればOKです)。
 豚肉が全面焼けたら、醤油、砂糖、みりんをよく混ぜ合わせて作った調味液を回しかけて煮詰めながら焼きます。
 この時、谷中生姜にタレを絡めるようにして焼くと見た目的にも味的にもいい感じになります。
※せっかく手に入れた東京ならでは食材、醤油の違いで味が変わったらいけないので、今回は甘くないキッコーマン醤油を使いました。
肉巻き谷中しょうが5
肉巻き谷中しょうが6
 全体にタレが染みたら火からおろしてお皿へ盛り付け、最後にフライパンに残ったタレをまんべんなくかければ“肉巻き谷中しょうが”の完成です!
肉巻き谷中しょうが7
 照りっ照りに仕上がった豚肉のこげ茶色に、谷中生姜の艶やかな紅色と鮮やかな緑色が美しく映え、見るからに食欲をそそります。
 味の記憶も残らないほど大昔、焼き魚に添えられていた小さいはじかみ生姜を食べた記憶はありますが、谷中生姜を食べた事は恥ずかしながら一度もない為、どんな味がするのかとても気になります…!
肉巻き谷中しょうが8
 それでは、焼きたてほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきま~す!
肉巻き谷中しょうが9


 さて、味の感想は…日本の夏を象徴するような、キリリとした粋な美味しさ!これほど旬を感じる照り焼きはそうそうありません!
 生姜を丸ごと食べた事はなかったので正直怖かったのですが、確かに生姜らしいピリッとシャープな辛さはあるものの生でも全然いけるくらいのちょうどいい塩梅の辛味で、腹の底から力がわいてくる食べ味です。
 固いのにサクサクシャキッと簡単に歯が通り、瑞々しいすっきりとした汁気が噛むごとにジュワ〜ッと溢れてくる感じはちょっとヤングコーンに近いですが、そちらよりも圧倒的に実が詰まったような存在感の強い食べ応えは他に類をみない感じで、癖になりました。
 ここにやや甘めの甘辛照り焼きダレと、豚肉のジューシーで濃厚な肉汁が加わるとさらに生姜のすっきりした味わいが際立ち、後を引きます。
 スタンダードな生姜焼きとそっくりな味付けですので親しみはありますが、こちらの方が生姜の比率が大きい分より洗練された酒の肴へと進化しており、谷中生姜の旨味が強いあまり「生姜の豚肉添え」というような完全に主役が逆転してしまった観がありました。
 豚ロース肉だとしっとりあっさりした赤身肉が生姜を引き立てるヘルシー系の旨さ、豚ばら肉だとこってりしっかりした脂で生姜を引っ張っていく骨太な旨さで、意外と使う部位によって味が変化したのも面白かったです。
 一応お肉料理なのに、生の生姜を丸ごと使うせいか肉サラダともいうべきかなり爽やかな後口なのが印象的でした。


 生でもいけますが、当管理人的にはちょっとだけ熱が通った方がさらに食べやすい気がしましたので、こちらのレシピはまさにうってつけでした。
 たったあれだけの調理工程なのに、こんなにおいしくて栄養満点で、尚且つビールにもぴったり…福岡では手軽に入らないのがものすごく残念です(つд`)。


P.S.
 おもちさん、オーロラさん、???さん、kawajunさん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『じったんの時短レシピ』 岡村みのり/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.07.15 Sun 02:06  |  関東ローカル

あんこさん、こんばんは!いつも楽しく拝見しています。
じったんこと珠里さんは、色々素敵な男性から好意を抱かれてる割に、今までの失敗経験から恋愛に対して複雑怪奇に捉え過ぎて余計に臆病になり、中々上手くいかない様が涙と笑いを誘います( ;∀;) でも、優しい友人達の後押しもあり、ハッピーエンドをむかえられて良かったですねww
さてさて、東京グルメを満喫されたようでなによりです。確かに言われてみると自分の住んでる辺りでも、九州の鉄鍋餃子とかに比べると餃子の皮はもっちり厚く、焼き鳥のタレは甘くトロリとしてますね。近所の行きつけのお店で、卵黄に絡めて食べるタレのつくねはたまりません(*≧∀≦*)
それと、全然意識していませんでしたが、他の地方で見かけない関東ローカルの野菜もありますね!鎌倉野菜とか下仁田ねぎとか。谷中生姜はこの季節のものですし、買えてラッキーでしたね。焼き魚の付け合わせとかでよく食べるので、普段は珍しいものとの意識はありませんでしたが…。
取り留めのない話を長々と失礼しました。これからも再現料理記事を楽しみにしています。では、また〜。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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