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『ミスター味っ子』の“味吉陽一特製超極厚カツ丼”を再現!

 先日、実に十数年ぶりくらいにプールへ泳ぎにいったんですが、思っていたよりも体が泳ぎ方を覚えていてびっくりしました(←夏休み限定のスイミングスクールへ通わせてくれた両親に感謝)。
 ただ、泳ぎ方は分かっていても悲しい事に体力の衰えは隠せず、小学生の頃だったら何時間でもスイスイ泳げていたはずなのに今は数十分経つともたついた泳ぎしか出来なくなっており、最後の方は水中ウォーキングを主にしていましたorz。
 おまけに、家に帰ると早くも筋肉痛がきて体がだるくなるという情けない有様で、今度は基礎体力をしっかりつけてからプールへ行こうと固く決意しました。

 どうも、その昔プールの匂いがまだ抜け切っていない手で食べる肉まんがひと泳ぎした後の密かな楽しみだった当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『ミスター味っ子』にて主人公・味吉陽一君が初対面の味皇こと村田源二郎さんに作った“味吉陽一特製超極厚カツ丼”です!
味吉陽一特製超極厚カツ丼図
 漫画『ミスター味っ子』とは、14歳という若さで母・法子さんと共に亡き父から引き継いだ「日之出食堂」を切り盛りしている天才少年料理人・味吉陽一君が、日本料理界のトップに位置する味皇・村田源二郎さんに見出され、様々なライバル達と料理勝負して磋琢磨しつつ成長していく過程を描いた、熱血料理バトル漫画です。
 主人公の陽一君はいうなれば料理漫画版・悟空という感じで、ある時など「ほかのことはどうでもいい!!ただ!!料理だけは!!料理のことに関してだけは!!どんな人にも負けるのはいやだ!!たとえそれがどれくらいの名人だったとしても!!神様にだって 負けたくないんだよ!!」(文庫版『ミスター味っ子』10巻より抜粋)と叫ぶほど料理に対して負けず嫌いで、その熱気に引き寄せられてかライバル達も皆情熱的な人ばかりですので、内容は近年の料理漫画ではまず見られないほどかなり熱いです;。
 けれども、作中に出てくる独創的で奇想天外ながらも魅力的な料理・個性的でどこか惹きつけられる登場人物達・王道ながらも目が離せないストーリー展開で次第に目が釘付けになり、単行本を一冊を読み終える頃にはその熱さがすっかり癖になること請け合いです。 

 料理勝負のテーマとなる料理はラーメン・カレー・ハンバーグ・お好み焼き・ピザ・アイスなど身近な物ばかりで味の想像がしやすいのですが、それでいて自分では思いつかない目新しいアイディアで毎回全く違った印象の一品に変身するのが特徴的で、「試したらどうなるんだろう?」と絶妙に好奇心を刺激するものばかりでバランスがすごくいいです。
 アニメ版・漫画版共にリアクションが大きく独特なことで知られていますが(東の『ミスター味っ子』・西の『中華一番!』と勝手に心の中で番付してます)、内容は料理物としてもバトル(?)物としてもピカ一で、色んな方にお勧めすることが出来ます。
日之出食堂を引き継いだ若き天才料理少年・味吉陽一君が主人公です
 今回ご紹介するのは、陽一君が初めて味皇こと源二郎さんとその秘書・垂目さんと運命的な出会いを果たした、記念すべき第一話!
 その日、あるオープンしたてのレストランを付き合いで訪れたものの、「三十点…」「完全な落第点だ!」「いくらいい材料を使ってもそれを調理する技量がなくては何にもならん!」と酷評した源二郎さんは、口直しとばかりに偶然目に入った日之出食堂で食事することにします(←まるで辛口ピーコのファッションチェック並に容赦ないコメントですが、一応気を使って支配人の前ではお茶を濁していたり、初期のロックだった海原雄山氏みたいに「なんだこの店は!」「だから私は食事に呼ばれるのは嫌なんだ!人を呼んでおいて、こんなものを食わせるとは!」と言って料理をお皿ごと払いのけるようなパンクな行為はしていませんので、まだ優しいのかもしれません;)。
 しかし、ちょっと荒っぽいお客さんに一張羅を汚され、料理人がまだ中学生くらいの陽一君だったのに腹を立てた垂目さんが「子供の作った料理なんぞ食えるかあっ!!」と思わず言ってしまったのにカチンときた陽一君は、「ま、無理にとはいわないけどさ」「一口食べてみなっ。腰抜かすほどうまいもの作ってやるよっ。料理の文句は食べ終わってからにしてもらおうじゃん!」と挑発し、お二人に料理を評価してもらうことになります。
 『ミスター味っ子Ⅱ』では35歳になって清濁併せ呑む大人になった陽一君ですが、やはりこの頃はまだまだ子どもだったんだな~とついニヤニヤします(←ちなみに成長した陽一君は、接客業をしていると自然と身につくスキル・「馬耳東風」が備わったせいか、すっかり飄々とした性格になっています;)
記念すべき出会いですが、残念ながら不穏な空気の内に始まりました;
 こうして、陽一君が自信を持って出したのが日之出食堂の看板商品である“味吉陽一特製超極厚カツ丼”です!
 作り方は意外とお手軽で、小麦粉・卵・パン粉をつけた極厚の豚ロース肉を二度揚げし、玉ねぎや丼つゆと一緒に卵でとじてご飯の上へ乗せるだけで出来上がりです。
 ポイントは、豚ロース肉は普通のとんかつ用のお肉よりも数倍分厚いものを使うこと(アメリカの1ポンドステーキレベルでちょうどよし!)、小麦粉にはすりおろした山芋を溶いて使うこと、そして高温の油と低温の油で二度揚げすることの三つ!

 何故とんかつをここまで分厚くしたかというと、「トンカツの旨味は肉から出る肉汁の多さで決まります!!」「肉汁が多ければ多いほど、まろやかでやわらかい極上のトンカツになります!!」と言う垂目さんと同じ考え方を陽一君もしていたからで、そんなに分厚かったら中まで火が通りにくくなるという問題も、高温で中の肉汁をさっと固め、低温の油で内部までじっくりと温めるという工夫でいとも簡単に解決していました←その一方で、『美味しんぼ』では山岡さんが「肉の旨味と衣の旨味が調和するのは5ミリが限度、それ以上厚いとバランスが崩れる」という『ミスター味っ子』とは正反対の持論を展開していた為、昔は「どっちが正しいんだろう…?」と大分混乱したものです;)。
 尚且つ、小麦粉に山芋に使ったのも、そうした方が小麦粉だけにするよりも揚がった時にふんわりサクサクした風味のいい衣になるからだそうで、初見時は脇役の衣にすらそんな細心の注意を払ってるとは…と感心したのを覚えています。
二度揚げすることによって、極厚のカツにも均一に火が通ります!
 ずーっと気になっていたものの、既に多くの方が見事な再現記事をアップされていたので躊躇していたのですが、稚拙で不器用な当管理人でも作れるという記事があったらかえって参考になる方もいらっしゃるかもしれないと思い、再現してみることにしました。
 作中には大体の作り方が書かれていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、とんかつ作り。
 常温に戻しておいたとびきり分厚い豚ロース肉を包丁の背などで全面を軽く叩き、筋に軽く隠し包丁を入れた後塩とこしょうで下味をつけます。
※肉が厚すぎて反り返る心配はまずありませんので;、大きい筋を断つくらいでOKです。
味吉陽一特製超極厚カツ丼1
味吉陽一特製超極厚カツ丼2
 豚肉全体に小麦粉と山芋粉をブレンドしておいた物をまんべんなくまぶして軽く粉をはたき、続けて山芋粉を混ぜておいた溶き卵にくぐらせ、パン粉をしっかりつけておきます(←本物の山芋を使うとつき具合にどうしてもムラが出やすいので、乾燥させた粉タイプを使用しました)。
 衣がなじんだら、強火(約180度)に熱した油へ入れてさっと揚げます。
※寺岡先生の別作品『喰いタン』で、「カツ丼はカツをだしと玉子でとじる時に衣があまりもったりしないように小さなパン粉を使うんだ」というセリフがありましたので、比較的きめの細かいパン粉を使用しました!
味吉陽一特製超極厚カツ丼3
味吉陽一特製超極厚カツ丼4
味吉陽一特製超極厚カツ丼5
 数十秒くらいで一旦引き上げて休ませ、その間に油の温度を弱火(150~160度くらい)になるまで下げ、再度豚肉を入れてじっくり揚げます。
 10分経ち、油の泡の音が小さく高い音になってきたくらいが揚げ上がりですのでその時に引き上げ、余計な油分をきると同時に肉を休ませるためにも四~五分程休ませておきます。
 これで、とんかつは準備万端です!
味吉陽一特製超極厚カツ丼6
味吉陽一特製超極厚カツ丼7
味吉陽一特製超極厚カツ丼8
 次は、カツ丼作り!
 フライパン(又は丼鍋)へだし汁、醤油、砂糖、みりんを入れて火にかけて煮溶かしたところへ玉ねぎを投入して少し煮て、中央に食べやすいサイズに切ったとんかつを入れて煮汁を全体にさっとなじませます(←あんまりやりすぎると衣がべシャッとなりますので、丼つゆでちょっと湿ったかな?程度がいいです)。
 煮立ってきたら溶き卵を回しかけてすぐにフタをし、一分くらい立ってから火を消して数十秒蒸らします。
味吉陽一特製超極厚カツ丼10味吉陽一特製超極厚カツ丼9
味吉陽一特製超極厚カツ丼11
 卵がいい具合の半熟状になっているのを確認したら手早く丼ご飯の上へつゆごと移し、急いでテーブルへ運べば“味吉陽一特製超極厚カツ丼”の完成です!
味吉陽一特製超極厚カツ丼12
 上からだとよく分かりませんが、横から見るととんかつの厚みとでかさが桁外れなのが丸分かりで、思わずテンションが高くなります。
 実は丼へ移す時、とんかつが大きすぎて器からはみ出しまくり、大慌てしました(←結局、下へ微妙に押し込むことで何とか解決しました…規格外すぎです;)。
 カツ丼というよりは「黄金の雲に浮かぶ雄大なとんかつ大陸」という感じで、これは味にも期待が持てます!
味吉陽一特製超極厚カツ丼13
味吉陽一特製超極厚カツ丼14
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
味吉陽一特製超極厚カツ丼15


 さて、味の感想は…今までの食べてきたカツ丼とは一線を画す美味さ!一級のカツを口一杯に頬張る喜びを思う存分享受できます!
全てにおいて完璧なカツ丼に、味皇は大喜びします
 とにかく豚肉の厚みがものすごく、冗談ではなく噛むごとにジューシーな肉汁がジュバジュバと岩清水の如く溢れだしてきます。
 普通の厚さのとんかつは衣と具の存在感が強く、サクサクギュッとした口当たりですが、こちらは肉が圧倒的に主張してくる為衣というよりは薄皮という感じな上、歯応えもザクザクギュムギュムガシガシというもはやアメリカの特大ステーキ級の食べ味で、丼というよりは肉料理を食べている感覚に陥りました。
 どこをかぶりついても豚肉の旨味エキスでしっとり柔らかく潤っているのですが、特に脂身がすごく、歯を通すとトロトロ〜とすぐにほどけて濃厚なコクで口中を満たしていくのが絶品です。
 この豪快なカツに、半熟トロトロで甘辛い卵と玉ねぎが絡み、程よいアクセントを足しているのがナイスでした(←ただ肉が偉大すぎて、対等な具というよりはサポートするソースというイメージ)。
 あと、肉の比率があまりに大きいせいかカツの後口は予想以上にあっさりしており、塩コショウを効かせたつもりでも中まで浸透せずそこそこ薄味だったのが特徴的で、濃いめの丼つゆが染みたご飯や衣と一緒に食べて初めて味の調和がとれ、一応はギリギリ丼物として成り立っているのが印象的でした。
 また、衣は山芋効果なのか小麦粉のみの衣よりさっくり軽く、しかも油切れもよくてカラッとしており、とんかつ屋のカツというよりは串カツ屋さんチックな衣だなーと思いました。


 味付けや材料を大幅に変更せず、ただとんかつを分厚くするだけで味がここまで変わるとは思わなかった為、なかなか衝撃を受けました。
 確かにお肉の方が衣よりも際立っていたので山岡さんの言いたいことは分からなくもないですが、それはそれで美味でしたし、何より衣も見合うようそれなりに厚くすれば解決する問題だと思いましたので、今度試してみようと思います。


P.S.
 りんごさん、コメントを下さりありがとうございます。
 ご質問頂きました分量の件ですが、恐れ入りますが以前こちらでご説明している通り完全非公開に致しております。お力になれず、誠に申し訳ございません。


●出典)文庫版『ミスター味っ子』1巻 寺沢大介/講談社
     文庫版『ミスター味っ子』10巻 寺沢大介/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.07.21 Sat 21:15  |  

当日に筋肉痛になるならまだまだ大丈夫です。
再現開始当初はそうだったのかもしれませんが、今ではもう稚拙で不器用だなんて謙遜しすぎだと思いますよ〜。私が作ったら生焼けになるの確定ですorz

とっても美味しそうですけど、ですけど!……この重量は翌日の胃に来そう

  • #-
  • URL

2018.07.23 Mon 01:51  |  

あんこさん、こんばんは。
こちら関西では連日猛暑が続きますが、こういう時こそパワーの出る料理を食して体力を付けたいな~と感じております。
ミスター味っ子、今思えば少年漫画らしい(?)大胆で豪快(ハチャメチャ)な料理が多かったですが、妙に記憶に残るものが多いです。(胡椒粒のままハンバーグや焼きそばボールなど。)

そういえば、クッキングパパの初期にも同じような特大カツ丼の作り方がありましたね。

今後とも無理をなさらずにお願いします。

  • #-
  • キンメ
  • URL

2018.07.23 Mon 09:53  |  

とーんかつ!とんかつo(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)oワクワク
とんかつは大好きだけど普段あまり食べないので見ただけでワクワクします!
それだけお肉がしっかりしていると、個人的にはたっぷりの千切りキャベツと赤出汁お味噌汁を添えたとんかつ定食に惹かれてしまう…♪

あんこさん、料理お上手で本当に素敵です☆
漫画飯の題材を目指してきちんとそこに辿り着くのがすごいっ!
これからも楽しみにしております♪

  • #-
  • おもち
  • URL

2018.07.25 Wed 09:50  |  管理人のみ閲覧できます

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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