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『クッキングパパ』の“荒岩流カボちゃんライス”を再現!

 個人的に、捌く作業が一番好きな魚介類はイカで、うろこや小骨取りがなく素手で簡単に解体できるのが楽しい為、安売りされている時はよく夕食に出します。
 イカは刺身も煮付けも炒め物もイカ飯も好きなものの、近頃むしょうに“イカのゴロ焼き”が食べたくなっており、ワタがたっぷり入ったスルメイカをスーパーへ行く度探しているのですが、福岡はやりいか主流&旬の問題もあるせいか輪切りにされたものしか見つかっていませんorz(←やりいかは内臓が非常に小さいので、ワタがメインの料理には向いていません)。
 とはいえ、イカはどのイカでも大好物なのには変わりない為、最近はやりいかの刺身と焼きイカ七味マヨ添えで旬の味を堪能することにしている今日この頃です。

 どうも、イカとかぼちゃの夫婦煮という料理があるのを知り、「どこに夫婦の要素が…!?」と気になって仕方がなくなっている当ブログの管理人・あんこです。
 

 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任があるロック歌手志望の青年の為に作った“荒岩流カボちゃんライス”です!
カボちゃんライス図
 それは、梅田君が金丸産業に入社してしばらく経った頃のこと。
 仕事が終わって飲みに行こうとする田中君達に「今夜コンサートに行きませんか!?」「ロックだと本人はいうんですが、じつは僕の幼なじみなんです!!」「お願いします、彼の歌聴いてやってくださいっ」と頭を下げ、あるライブ会場へ誘います。
 当初、田中君はかわいいアイドル歌手じゃないと嫌だといいう素振りを見せていたのですが、かわいい後輩の頼みが断れなかったらしく、結局荒岩主任・夢子さん・けいこちゃんと一緒にライブへ付き合う事になっていました←田中君は昔からかわいい女の子を応援するのが好きですので、今の時代だったら地下アイドルにハマッていたかもしれません。夢子さんと結婚している今はともかく、独身時代なら「会いにいけるアイドル」なんて聞いたら絶対興味を示していたと思います;)。
 梅田君の幼なじみの名前は川口淳君、博多で地道に一人でライブ活動をしつつロック歌手を目指している苦労人だそうで、聞きにきてくれた荒岩主任達の前で必死に歌うのですが、そこそこ経験を積んでいる割にはものすごく緊張してギクシャクしており、その様子を見ていたみんなは少し戸惑います。
 そのせいか、「彼の歌どうでした?」と梅田君が無邪気に聞いた時も、けいこちゃんと夢子さんは「そっ、そうね悪くないんじゃないっ」「うっうん、いい歌だと思う…声が迫力ね~ッ」と奥歯に物が挟まったような感想しかいえず、困った反応をしていました(←緊張のあまり上ずってしまう叫び声を「迫力」と言い換える夢子さんのナイスフォロー、読むたびに出来る人だな~と感心します;)。
 上手でも下手でもない、何ともいえぬ微妙なラインが一番反応に困るのは皆同じなんだな~と苦笑いするシーンです(←まるで当管理人の料理みたry)。
地道にアマチュアバンド活動をしている川口君
 実は川口君曰く、小さい頃から人前に出るとどうしてもあがってしまう極度のあがり性で、これでも今日は小さいライブハウスだからまだマシな方、ちょっと大きなホールだったら歌詞は忘れるわコードは間違うわ無残なライブになってしまうと自嘲していました。
 マキシマム ザ ホルモンの川北亮さんの名言で「バンドてのは、いやロックてのは必死さが伝わってしまったらそれはもうロックではないのだよ。売れる為に血眼に<必死>になってるバンドマンよ。<必死>なんかいらない。<必殺>だけあればいい」という言葉があるのですが、川口君は必死さと自信のなさが相まって負のオーラを出し、落ち着いてやれば<必殺>になるはずの武器を自分で壊してしまっているように感じました。
 そして、それは親友である梅田君も痛いほど分かっていたようで、今度の日曜市民会館で行われるアマチュアコンサートに参加するのを今になって怖気つく川口君に「だっだめだよそんなんじゃ、おまえ歌はいいんだからさ」と励ましていました(←心臓に毛が生えていている田中君は川口君の気持ちが全然分からなかったようで、横で「へっ、情けねえ」と他人事全開で飲んでいましたが、数年後に夢子さんの両親に挨拶する時かなりあがって失態を演じたのを読者は知っている為、ぬるい笑顔で見る事が出来ます^^)。
 それから数日間、梅田君は川口君を勇気付けようと頑張るのですが、電話口で夜もろくに眠れないと言う川口君の憔悴しきった様子に焦って「だめじゃないか今ごろからそんなことじゃ」「ほらっ、てのひらに人という字を書いて飲んだらあがらないとかいうだろ」などと言い含め、最終的には「それから<観客はカボチャだと思えっ>とかさっ。なっ」と言い聞かせていました(←初登場時は弱々しいマザコン青年だった梅田君がここまでしっかりするなんて、長年の友だった川口君もさぞびっくりしたと思います;)。
「観客はかぼちゃと思え」という言葉で閃く荒岩主任
 こうして日曜日、相変わらずガッチガチに緊張した川口君は控え室で「うう、カッカボチャだ、カボチャなんだ、カボヂャガボヂャうううう」と順調に追い詰められていくのですが、そこへ荒岩主任が「昼めしは食ったかい?」と言いながらやって来ます。
 その際、荒岩主任が食事も喉を通らず絶食状態だった川口君に差し入れしたのが、この“荒岩流カボちゃんライス”です!
 作り方はそこそこ手がこんでおり、かぼちゃの上部分を切り取って中の種とワタを取った後バターを塗りこみ、その中へバター・油・にんにく・鶏肉・しめじ・椎茸・もち米・塩・こしょう・醤油を炒めて作った具を詰めてスープを注いでフタをし、蒸し器で全体に火が通るまで蒸しあげたら出来上がりです。
 ポイントは、鶏肉やきのこ類は熱が通りやすいよう五ミリ角の大きさにそろえて切ること、もち米は外側が透き通るまで火を通すこと、味付けは濃い目にすること、スープはヒタヒタに入れるのではなくかぼちゃの半分以下ほどの量に留めることの四点で、こうすると何も味付けしていないかぼちゃと相性ぴったりのふっくらしたご飯に仕上がるとの事でした。
 かぼちゃもちは聞いた事がありますが、もち米のまま、それもかぼちゃに入れて丸ごと蒸すなんて前代未聞な為、初見時はあまりの大胆さに度肝を抜かれたものです(←別に炊いたご飯を詰めてドリア風にしたり、プリン液を流し込んで丸ごとプリンにした事はあるのですが;)。
 その後、「かぼちゃ、かぼちゃ!」と自己暗示中状態だった川口さんはすんなり受け入れて食べる事が出来、おかげでお客さんをみんなかぼちゃだと思い込んで緊張する事なくライブを成功させていました。
緊張をふっとばすダメ押しで、かぼちゃ丸ごと料理!
 かぼちゃともち米を一緒に蒸す事は本当に可能なんだろうかとずーっと悩んでいましたが、小学四年生くらいに初めて読んだ時から抱いていた好奇心を抑えられず、再現することにしました。
 作中には詳細な手順つきのレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、かぼちゃの下準備。
 かぼちゃの表面を流水でよく洗い流して汚れを落とし(←以前、八百屋さんから「かぼちゃの皮は結構汚れてるからしっかり洗ったほうがいい」とアドバイスされた事があります)、水気をふき取ったらヘタのある部分を下記写真のように小さい包丁等で丸くえぐり取り、中の種やワタをスプーンで丁寧にかき出します。
 かぼちゃの内側がキレイになって実だけになったのを確認したら、バターを手で塗りこみます(←外側には塗らなくて大丈夫です)。
 これで、かぼちゃは準備万端です。
※注意!!→かぼちゃに包丁を入れて切り取るのは結構力がいる上、包丁を抜く時勢いあまってスコッと手が吹っ飛びがちですので、想像通り危ない作業です。怪我には気をつけて、慎重すぎる程慎重に作業したほうが良いです。
カボちゃんライス1
カボちゃんライス2
 次は、具入りもち米の用意。
 バター、油、みじん切りにしたにんにくを入れたフライパンを弱火で熱し、いい香りがしてきたら中火にして五ミリ角に切った鶏もも肉を加えてざっと炒めます。
 鶏もも肉に火が通ってきたら、研いで水に一晩浸した後水切りをしたもち米を投入し、混ぜ合わせます。
カボちゃんライス3
カボちゃんライス4
カボちゃんライス5
 そこへ、同じく五ミリ角に切ったしめじと椎茸を入れて炒め合わせます。
 やがて、もち米が透き通って全体的に火が通ってきたら、塩、こしょう、醤油でやや濃い目に味付けし、よく混ぜます(←かぼちゃには味がついていませんので、かぼちゃと食べてちょうどいいくらいの塩梅がベストです)。
 これで、具入りもち米は用意OKです。
カボちゃんライス6
カボちゃんライス7
 ここまできたら、いよいよ蒸し作業。
 かぼちゃの器へ先程の具入りもち米を軽めに詰め、上から固形スープの素を煮とかして作ったスープをかぼちゃの半分以下くらい注ぎ、取っておいたかぼちゃのヘタでフタをします(←もち米は多いとかぼちゃが割れたり火が通りにくかったりし、スープが多いとベチャベチャになりますので要注意です)。
 このかぼちゃを蒸し器へ移し、中火~強火で中に火が通るまでじっくり蒸しあげます。
カボちゃんライス8
カボちゃんライス9
カボちゃんライス10
 かぼちゃに火が通り、もち米の芯が無くなって蒸しあがったのを確認したら蒸し器から取り出し、そのまま器へ盛り付ければ“荒岩流カボちゃんライス”の完成です!
カボちゃんライス11
 「かぼちゃを丸ごとなんて、本当に蒸しあがるのかな…」と不安でしたが、意外とすぐにほっこり蒸しあがりました(←むしろ、中に詰めたもち米の方が苦労しました~!なかなかいい具合に火が通らなくて…orz)。
 香りはかぼちゃの甘やかな匂いと、にんにく醤油の濃厚な香りが入り混じってなかなかおいしそうで、味は果たしてどんな感じなのか、全く予想がつかないだけにワクワクします!
カボちゃんライス12
 それでは、食べやすいサイズに切り分けていざ実食!
 いただきまーすっ!
カボちゃんライス13


 さて、味の感想は…予想していたよりも遥かにパンチの効いた大人味のおいしさ!かぼちゃエキスが染みたご飯が美味で、一口ごとに力がわいてくる一品です!
 ホクホクに蒸し上がったかぼちゃは、皮はほっくり中はねっとりと口の中でとろける柔らかさで、すぐにペースト状になってご飯に絡む為一体感がすごいです。
 かぼちゃ本体にも塗ったりご飯からも溶け出しているおかげでバターの芳しい風味がかぼちゃの内側に染み込み、尚且つ醤油の香ばしい塩気もしっかり浸透しているせいか、最初はただの蒸しかぼちゃだったのが、よく噛んでいるとかぼちゃの洋風煮物ともいうべきしょっぱ甘い味へと変化していくのが面白いです。
 中のご飯はガーリックバター醤油味のきのこおこわという感じで、椎茸やしめじから出た深い旨味出汁がガツンと効いたコクのある味わいが特徴的で、やや柔らかめでもっちりとした優しい口当たりに癒されました。
 バター醤油ならではのこってりまろやかな塩気が、素朴ながらもこっくりとした甘味のかぼちゃと抜群の相性で、濃いめのご飯を何も味付けしていないかぼちゃがうまく緩和させていてバランスがよかったです。
 正直、にんにくや醤油で濃いめに仕立てた味付けとかぼちゃが合うのか心配でしたが、そのままだといまいちおかずにならない所をガッツリ系甘辛照り焼き風な旨さにして飯が進む味わいへと仕上げており、これはありだと思いました。


 手間がかかって体力(←かぼちゃをくりぬく作業;)も必要ですが、それに見合う目新しさとボリューム、そしておいしさがありました。
 ただ、夫は「この組み合わせは、あまり…」という感想でしたので、かぼちゃともち米の組み合わせに抵抗感がある方にはちょっと難しく、人を選ぶ料理だと思いました。


P.S.
 無記名さん、kawajunさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.08.05 Sun 23:33  |  

夫婦煮、夫婦炊きは似た者同士を煮る料理の事を言いますが、イカとかぼちゃ、、
何でしょうね とても気になります

  • #-
  • 椅子
  • URL

2018.10.01 Mon 21:44  |  No title

いつも楽しく拝見しています!

夫婦煮、水を使わないで調理すること=「水入らず」から来ていると聞いたことがあります〜。

  • #-
  • うぱ子
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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