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『夜廻り猫』の“サンマの蒲焼き缶詰丼”を再現!

 先日、実家のお墓参りをする為に両親と夫共々遠出したのですが、高速道路を走る途中寄ったサービスエリアで「ご当地名物 博多ラーメンまん」という商品を発見し、思わず足を止めました。
 何でも、博多ラーメンをそのまま肉まんに包み込んでしまった名物肉まんとの事でしたが、一応ご当地住民であるはずの当管理人や家族は初耳で、困惑。
 一度、怖いもの見たさに試してみようかどうか迷ったのですが、結局暑さで食欲がないのもあってさつま揚げ串を買い食いし、帰宅しました。
 後々気になって画像を調べたところ、どうやらラーメン風の味付けというお茶を濁した商品ではなく、本物の麺やスープが皮に包まれていたガチの商品だったようで、「本物の博多ラーメンに対抗できる逸材かどうか、確認しとけばよかった…」と少し後悔しました。

 どうも、大河ドラマ「西郷どん」の影響でお土産コーナーがあの有名な肖像画だらけになっているのを見て壮観だな~と感じた当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『夜廻り猫』にて遠藤さんがスーパーで困っていたある女性に作り方を教えていた“サンマの蒲焼き缶詰丼”です!
サンマの蒲焼缶詰丼図
 前回、『夜廻り猫』は料理がうまい猫が多いと書きましたが、主人公の遠藤さんは困っている人にレシピを教えて作ってもらういわば講師タイプの料理上手で、実は直接作ったことは一度もありません;(←実践的なレシピが多いので、本当は自分でも作れるはず!)。
 ただ、夜廻り見習いのワカル君は自分で作って困っている人に振舞う出張料理人タイプの料理上手で、おっちょこちょいでたまに失敗はするのものの、作るご飯はみんなおいしそうで手先が器用なんだな~と感心します。
 とはいえ、どこのご家庭も都合よく材料が揃っている訳ではなく、ある時は缶詰と青じそだけ、またある時はキャベツと卵だけ、またまたある時は霜のついた冷凍ハンバーグだけなど、一体何を作ればいいのか途方に暮れるラインナップの時も多々あります(←どんな場所でも依頼人の気に入るように料理出来る『ミスター味っ子』の出張専門料理人・久島健男さんなら、何とか出来るんでしょうか…)。
 それでも、ワカル君は買い足しに行く事もなく悩みごとを聞きながら手際よく料理し、青じそで巻いたツナマヨおにぎり、めんつゆで味付けして卵でとじたキャベツ丼(七味唐辛子を添えて)、小さく切ってチューブにんにくと醤油で炒めた冷凍ハンバーグをご飯に合わせた混ぜご飯など、聞いただけでもおいしそうだな~と食欲をそそる料理をちゃちゃっと用意しちゃうんですから、恐れ入ります。
 ワカル君の口癖はその名通り「わかります~」「そぉですよね~」で、一見適当なのでみんな最初は半信半疑で受け入れるのですが、のんびりした口調で「それでそれで~?」と話を聞いてもらい、ビールをぷしゅりつつ温かいご飯を食べていく内に段々気分がほぐれていく過程は、読んでいてまさに「わかります~」な感じで、こちらも癒されます(←身に覚えのある相槌と雰囲気だな~と思いましたが、学生時代電話で相談に乗ってもらっていた女友達のノリだとすぐに分かりました;。今では夫、又は母や妹と飲みながらこんな感じで憂さ晴らししている感じで、歳を取っても似たような愚痴り合いや励まし合いをしているのに我ながら苦笑です)。
実は、実際に料理の腕がうまくて自作したりするにはワカルくん;
 今回ご紹介するのは、ある秋の日に遠藤さんが出会った若い女性のお話。
 恐らく付き合いだしてまだ日が浅い彼氏さんの家で、秋といえば焼きサンマと自然に連想した女性はサンマを焼いて夕食に出すのですが、彼氏さんは「魚焼いたの!?」「家で焼いた魚って初めて、うまい!」と喜んでサンマを食べます(←旬の物を食べるって、今この瞬間を大事にしているって感じでいいですよね)。
 女性曰く、彼氏さんのお母さんは働くシングルマザーで、小さい頃は余裕がなかったと以前聞いていたようなのですが、彼女はごく普通の家庭出身でその言葉の意味がよく分かっておらず、焼きたてのサンマに驚く彼氏さんを見て「余裕がないってそういうことだったのか…」と思い至っていました。
 普通に過ごすだけならあまり家庭環境の違いってそんなに表に出てこないものですが、食べ物や行事系は日常に色濃く直結している為、ふとした時に表面化しては驚いたり驚かれたりする事がこれまで多かったな~と、このシーンを見るたび懐かしく思い出します。
 ちなみに、当管理人は小さい頃友達とスーパーへアイスを買いに行った時、「あ、これうちでよく食べるやつだー」とビエネッタ(希望小売価格550円、北海道マスカルポーネ入りバニラアイスとチョコが何層にも重なったケーキ風アイス)を指差された時、初めて家庭の格差を意識した記憶があります。
何気ない会話で家庭環境が浮き彫りになる瞬間って、結構あります
 そして、「これからは飽きる程焼いたげる!」と燃えた女性は後日スーパーへ買い出しに行くのですが、残念ながらサンマはもう時期が過ぎていて店頭からは消えており、がっかりします(お隣の国の方々がサンマの美味しさに気付いてしまって漁獲量が激減して以来、値段も価値もウナギ上りになっていますから、そういう意味でも気楽に手に入れられなくなってますorz)。
 しかし、その様子を見ていた遠藤さんは「大丈夫、料理は気持ちだ」と励まし、代わりにサンマの蒲焼きの缶詰を買うことを勧めます。
 その後、遠藤さんが女性の傍でレシピを教えて作ってもらったのが、この“サンマの蒲焼き缶詰丼”です!
 作り方はとても簡単で、サンマの蒲焼きの缶詰を汁ごとフライパンにあけて火を通し、そこへ醤油をじゃっとかけて味付けしてから汁ごと丼ご飯の上へ乗せ、七味唐辛子・刻みネギ・卵黄をトッピングしたら出来上がりです!

 ポイントは、蒲焼きのタレは焦げやすいので強火ではなく中火以下の火力にすること、ネギは長ネギではなく青ネギを使うことの二つで、あまった卵白は味噌汁にしたらいいとちゃんとフォローしているのが作る側としては助かりました(←当管理人は大雑把な為、何か炒めた後のフライパンで卵白をスクランブルエッグ状に炒めて食べてました。そこそこ美味なものの見た目が悪いのがネックでしたが、味噌汁なら見た目もよく栄養がさらにプラスされるのがいいですね!)。
 サンマの蒲焼き丼のレシピはこれまで色々見てきましたが、生の卵黄を落とし、山椒ではなくあえて七味唐辛子を使うレシピは初めてだったので味の想像がつかず、「これは食べてみたい!」と思ったものです。
一昔前は安く買えましたが、何故か高くなりましたよね…サンマの缶詰
 最近は缶詰でもあまり見かけなくなりましたが、少し前にセールで安く手に入れたサンマの蒲焼き缶があったので、いい機会だと思い再現することにしました。
 作中には大体のレシピが記載されていましたので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、焼き作業。
 油をひいて熱したフライパンへ、サンマの蒲焼きの缶詰を汁ごとあけて火にかけ、表裏をひっくり返しながらじっくり熱を通していきます(←強火で一気にすると焦げやすいですので、ちょっと強めの弱火くらいにして中にもゆっくりと熱を通した方がいいです)。
サンマ蒲焼き缶詰丼1
サンマ蒲焼き缶詰丼2
 サンマに火が通ってふっくら柔らかくなってきたら、醤油を鍋肌に沿わせるようにして入れて軽く混ぜ、汁と醤油が一体化させつつ少し煮詰めます。
 汁にとろみがついたらすぐに火を止め、炊き立てご飯をよそっておいた丼へ汁ごとサンマを乗せます。
サンマ蒲焼き缶詰丼3
サンマ蒲焼き缶詰丼4
 そこへ小口切りにした青ねぎと七味唐辛子を好きなだけ散らし、最後に卵黄をサンマの中央に落とせば“サンマの蒲焼き缶詰丼”の完成です!
サンマ蒲焼き缶詰丼5
 焦がし醤油とサンマの匂いが組み合わさった湯気が胃袋をゆさぶり、すぐにでも食したい衝動に襲われます…(←サンマの塩焼きもいいですが、こちらはより強烈な感じです)。
 サンマの缶詰だけだと見た目的にちょっとさびしいのを、青ネギの緑と卵黄の黄色が美しく彩っているのがよく、味の方はどんな感じなのか気になります。
サンマ蒲焼き缶詰丼6
 それでは。お箸で卵黄を突き崩していざ実食!
 いっただっきまーすっ!
サンマ蒲焼き缶詰丼7


 さて、味の感想は…何にも手間をかけていないのに、それに見合わない程美味し!缶詰特有の癖があまり感じられない素敵な丼です!
 ふっくら柔らかくて脂の旨味が濃いサンマの蒲焼きと白いご飯の組み合わせはまさにゴールデンコンビで、箸が進みます。
 醤油のちょい足しで風味が少し蘇り、姿は見えずとも大量のサンマの存在を感じさせるエキスが効いた深い甘辛醤油味がご飯にねっとり絡み、味がどこまでも広がりそうなのを七味唐辛子の香り高い辛さがピリッと引き締めてくれるのがたまりません。
 ともすればくどくなりがちな蒲焼きダレを、黄身がまったりマイルドに緩和してくれるのがナイスで、パクパクいけました。
 新鮮なシャキシャキねぎのアクセントも、飽きを防ぐのに最適です。
 以前作った“オイルサーディン丼”と似た味わいですが、あちらは元々いわしに醤油味がついていない上にレモンで風味付けしている分、ペペロンチーノを思わせるさらっとした洋風タレで後味もすっきり爽やかなのですが、こちらはサンマや缶汁自体に香ばしい醤油の下味がしっかりついている分よりこってり感が強調された味付けになっており、焼き鳥ダレを思わせるねっとりしたとろみで甘味が強い和風ダレがドシンとくる食べ応えにしているのが特徴的でした。
 生のサンマで一から作った蒲焼きと違い、缶詰はホロホロになった骨ごとおいしく頂けて食感に変化があり、味も出来立てにはない練れた感じがあるのがよかったです。


 蒲焼きダレがこってりしている分、七味唐辛子は割りと多めにかけた方がちょうどいい感じで、途中本物の蒲焼風に追い山椒をしてみてもおいしかったです。
 作中でおすすめされた卵白味噌汁も淡白ながらもいい箸休めになってましたし、生サンマの代用品どころかこれはこれで十分魅力的ななんじゃないかな?と思った再現でした。


P.S.
 ともちさん、無記名さん、こうたさん、AKHさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『夜廻り猫』 深谷かほる/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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