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『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”を再現!

 最近、ドイツでは生食用豚の挽き肉が売られていると知り、驚きました(←もちろん、厳重に管理した衛生環境で加工・販売している商品です)。
 安全に食べられるよう法律で細かい規定まで定められており、香辛料や生玉ねぎなどを練りこんでパンに塗るのが一番ポピュラーな食べ方だそうで、味は癖がなくてまろやかなネギトロみたいなのだとか。
 日本人は魚介類、ドイツの方々は豚肉と対象こそ異なりますが、生でも安全によりおいしく食べられるよう長年努力し続けてきたのは双方同じだと考えると、とても親近感を感じました。

 どうも、猫用生肉は実は健康にいいと知って取り寄せようとしたものの、茹でたささみに興味を示さずカリカリまっしぐらな野生の欠片もないうちの猫にはハードルが高いかも…と諦めた当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて山岡さんと栗田さんが社員食堂の命運の為に考え出した“中華風炊き込みご飯”です!
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”図
 まだ山岡さんと栗田さんが結婚前で微妙な関係だった頃、久々に社員食堂運営委員会の会議に出席することになります。
 今回の議題は「社員食堂の利用率」についてで、責任者の一人である相川料理長は「今の世の中不景気だから、外のレストランで食べるより、安上がりですむ社員食堂の利用率が上がって当然なのに、逆なんですよ。うちの食堂がよっぽど魅力がないんでしょうかねぇ、自信喪失に陥りますよ」と嘆いており、利用率アップの為に何かいいメニューの案を出して欲しいとお願いしていました。
 それを聞いた山岡さんは色々意見を出すのですが、「俺は北京ダックと願いたいね」「ちょうど新米の季節だし、新米で松茸ご飯なんて最高だね」と冗談なのか本気なのか分からない提案をしており、みんなから「真面目にやってよね!」と袋叩きにされます;。
 山岡さんが言うには「何かいい案を考えるときは、最初から枠を決めたら駄目だってば!自由な発想で次々に出して、実現出来るかどうかはあとで決めればいいんだよ!」との事で、意外と核心をついているかも…と思いました(『中間管理録トネガワ』でも会議は「発言しやすい空気づくりが肝要」って言われてましたし、山岡さんはあえて場を和ませて会議を盛り上げようとしたのかもしれません…多分)。

 最近では社員食堂を重視する企業は増加傾向にあり、早くて安いだけではない、健康に良くて味もおいしいメニューや、レストラン並に贅沢な高級メニューを取り揃えて利用率が増加している所は多いそうですので、自由な発想で目新しいメニューを入れるのはいいアイディアだと感じました(←有名なタニタ食堂を始め、国際薬膳師による薬膳料理・自社農園栽培の有機野菜ランチ・各国料理のビュッフェを出す社員食堂などが人気が高いのだとか。詳しくはこちらこちら)。
 ちなみに、さすがに北京ダックや松茸ご飯を出している所は見つかりませんでしたが、目の前でカッティングするローストビーフのランチやマグロの解体ショー付き海鮮丼といった桁外れのメニューを出す社員食堂は実在しましたので、山岡さんは先見の明があったんだな~と感心しました。
社員食堂の利用率がなかなか上がらず、会議を開くことになった相川料理長
 こうして山岡さんが体を張って盛り上げた結果、「ファストフードの店で、ご飯もののメニューが人気だって聞いたわ」という栗田さんの発言がきっかけで、新しい炊き込みご飯と混ぜご飯を社員食堂に取り入れる事が決定したのですが、そこに待ったを入れたのが大原社主!
 大原社主曰く、「ご飯に何か炊き込んだり混ぜたりするのは不純であるし、その精神がよくない」「そういうふうに何もかもいい加減に混ぜこぜにする精神が、日本人を駄目にしているのだ」「混ぜご飯を食べてると、精神まで混ぜこぜのデタラメになるから、いい加減な紙面作りになって帝都新聞に勝てないのだ!」だそうで、社員食堂で炊き込みご飯と混ぜご飯を出すのは禁止にすると強引に決めていました。
 これまで大原社主は、女性は家庭を守るべきだと託児所を認めなかったり、新巻鮭を贈った山岡さんに「塩分過多で殺す気か!殺人未遂だ!」と怒ったり、無茶な指令を出す時「社主という字はな、人偏に無茶と書くんだ!」と宣言したりなどワガママなシーンがちらほらありましたが、今回の炊き込み&混ぜご飯禁止令はその最たる物で、大抵の事には慣れっこの山岡さんも「そんなおかしな理屈、聞いたことがないよ!」と叫んでいました;。
 こんなに釈然としない気持ちになったのは、『キン肉マン』でウォーズマンの「100万パワー+100万パワーで200万パワー!!いつもの2倍のジャンプが加わり、200万×2の400万パワー!!そして、いつもの3倍の回転を加えれば、400万×3のバッファローマン!お前をうわまわる1200万パワーだーっ!!」という謎理論を見た時以来かもしれません。
 個人的に、大原社主には「卵かけご飯は、混ぜご飯に入るでしょうか?」と恐る恐る質問したいところです(←「バナナはおやつに入りますか?」のノリで)。
混ぜ込みご飯や炊き込みご飯は不純として、大原社主から禁止令がでてしまいます
 けれども、山岡さんはピンチをチャンスに変える秘策を思いつき、翌日社内掲示板で「大原社主の横暴を許すな!炊き込みご飯と混ぜご飯を我らの手に!」という手作り新聞を貼り付け、来週の月曜日に団体交渉をするという意思表示をします(←とはいえ、本気で怒っている人は誰もおらず、「ま~た大原社主と山岡が何かやらかすぞ」的な空気だったのが地味に笑えました;)。
 当然、槍玉に挙げられた大原社主は激怒して山岡さんを呼び出すのですが、「あれは洒落だってこと、みんなわかってますよ。社主は人気がありますからね」とごまかし、結局社員一同に詳しい事情をする場として団体交渉を許可していました。

 そして月曜日、団体交渉で集まった面白半分の野次馬社員の方々に、山岡さんと栗田さんは「皆さん、社主は実にしぶとい。このような手強い敵を相手にするのに、空きっ腹では勝ち目がない」「ここらで栄養補給といきたいと思います」と言い、様々な炊き込みご飯と混ぜご飯を配ります。
 その際、出てきた内の一つがこの“中華風炊き込みご飯”です!
 作り方は簡単で、もち米とうるち米を混ぜていい具合に水加減した炊飯器へ、ういきょう(八角)を利かせて味濃く煮た鶏肉、中華風ソーセージ(台湾腸詰)、銀杏を入れてフタをし、炊き上げたら出来上がりです。
 ポイントは、もち米7:うるち米3の割合になるよう調合することで、こうすると癖の強い具を相手にしてもがっちり受け止めるご飯に仕上がると作中で語られていました。
 中国や台湾では、腸詰をご飯に入れて炊き込む菜飯がポピュラーみたいで、山岡さんや相川料理長はそれをモチーフに生み出したのかな?と思ったものです。

 最初の内は我慢していた大原社主ですが、あまりに美味しそうなご飯の数々を前に堪えられず「ばかもん!昔は何か願を立てたら願がかなうまで、お茶を断ったり塩を断ったりしたのを知らんのか!」「いかにもうまい炊き込みご飯と混ぜご飯を断って、帝都新聞打倒のために社員全員力を尽くしてもらおうと思って、心を鬼にして社員食堂のメニューに加えることを禁止したんじゃないか!」(←社員一同「エゴだよ、それは!」とアムロ・レイばりにツッコミたかったと思います)と訴えますが、「美味しいものをたっぷり食べたほうが闘う気力は湧いてくるはずだ。茶断ち、塩断ちの精神は、時代遅れだな」と華麗に手の平返しをし、炊き込みご飯と混ぜご飯を食べていました;。
 おかげで大原社主の禁止令は解け、新メニューの炊き込みご飯と混ぜご飯を食べた社員の口コミで社員食堂の利用率が上がり、まさに一石二鳥に終わって満足した山岡さんでした。
隣で炊き込みご飯を食べまくり、散々大原社主と小泉局長を煽ります;
 中華風ソーセージ(台湾腸詰)が手に入らなかったので長年放置していたのですが、先日やっと買えたので再現することにしました。
 作中には大体の作り方が書かれていますので、それに『美味しんぼDSレシピ集』にあった炊き込みご飯のレシピを組み合わせつつ、自分なりに作ってみようと思います。


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、鶏肉の準備。
 強火のフライパンで両面をこんがり焼いた鶏もも肉、お酒、砂糖、醤油、八角(ういきょう)を小鍋に加えて弱火~中火の火加減で煮込み、中に八割方火が通ったら鶏肉を取り出して冷まします(←後で煮ますので、フライパンで焼く時はさっと程度で大丈夫です)。
 その間煮汁は少し煮詰めておき、冷めた後に小さく切った鶏肉と一緒にボウルへ入れ、そのまま漬け込んでおきます。
※煮物は冷める最中に味が染みますので、出来る限り柔らかく味濃く仕上げる為に漬け込み方式を採用しました。しっかりした歯応えでいい場合は、最初から鶏肉を切って煮詰めてそのまま冷ましてもOKです。
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”1
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”2
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”3
 次は、炊き込み作業。
 もち米7:うるち米3の割合で研いだ後、水気を切っておいたお米を炊飯器に入れます。
 そこへ、斜めに薄くスライスした台湾腸詰(中華風ソーセージ)、先程の鶏肉(八角と煮汁ごと入れます)、銀杏、お水、塩、みりんを加えます。
 風味が足りない場合は醤油を足して味の微調整をし、フタをして普通に炊きます。
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”4
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”5
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”6
 炊き上がったら八角を取り出し、全体をしゃもじでさっくり切るように混ぜ合わせ、冷めない内にお茶碗へよそえば“中華風炊き込みご飯”の完成です!
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”7
 炊飯器を開けた途端、一瞬蒸篭か何かを開けたのかと勘違いする程、何ともいえない異国の香りが湯気と共に舞い上がり、混ぜながらうっとりしました。
 野菜系の具をほとんど入れない、肉々した炊き込みご飯は珍しいのでちょっと心配でしたが、個人的にいい香りの時は99%の確率で当たりでしたので、山岡さんたちを信じて食べてみようと思います!
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”8
 それでは、炊きたてほやほやの内にいざ実食!
 いただきま~すっ!!
『美味しんぼ』の“中華風炊き込みご飯”9


 さて、味の感想は…和中折衷ではなく、完全に中華っぽい本格的な仕上がりになってて美味し!八角ともち米がいい仕事をしてます!
 台湾腸詰は普通のウインナーと違ってやや甘く、炊き込んだ後だというのに十分ジューシーで肉の旨味が抜けきっておらず噛めば噛むほど味が出てくる感じで、例えるとするなら「チャーシュー味のソーセージ」というイメージでした。
 この台湾腸詰の濃厚な脂を帯びた肉汁と、鶏肉から出た滋味深い出汁がご飯にこれでもかというくらい染み込んですごいコクが出ており、一口食べると止まらなくなる魅力があります。
 中華版かしわ飯ととも言うべき優しく甘辛いご飯と、シナモンをちょっと連想させる甘やかでスパイシーな芳香がハマると病み付きになる旨さで、日本人好みの味付けなのにどこまでもエキゾチックな仕上がりなのに感心しました。
 うるち米を混ぜ込んだからかおこわに比べて少し粘りがないですが、おかげで「もちもち感が強くてほんのりおこわ風の炊き込みご飯」という若干軽い味わいで、かえって食べやすかったです。
 それでいてもち米ならではのどっしりした食べ応えはちゃんと残っている為、個性の強い八角や台湾腸詰にも負けない力があり、全部一つにまとまって調和していました。
 銀杏のホコホコした食感やわずかな苦味がもっちりした中華風のご飯と相性がよく、中華ちまきをあっさりシンプルにさせたような味だからどこか懐かしく感じるのかな~と思いました。


 大げさですが、目をつぶれば台湾や中国の飯店で食事している気分に浸れるくらい本場っぽい美味しさで、わざわざ台湾腸詰を指定したのも分かった気がしました。
 冷めても柔らかくおいしいので、おにぎりにしてお弁当にしてもいいんじゃないかな?と思った再現でした。


P.S.
 kawajunさん、たまさん、コメントを下さりありがとうございました。
 ご指摘されて単行本を読み、「確かにしてる…!やっぱり悪いお兄さんだったか、阿倍一郎さん(←流れるような手の平返し)」と今更ながら気付きましたので、感謝致します;。
 皆様の、再現を楽しみにして当ブログを読んで頂いているとのコメント、大変励みになっております。
 この場にて、改めて御礼を申し上げます。


●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
●参考資料)『美味しんぼDSレシピ集』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/ナムコ
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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