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『クッキングパパ』の“荒岩流月見ザクラ”を再現!

 春にはお花見、夏にはビアホール、冬にはお正月という絶好の宴会イベントがあるのに、秋には紅葉という格好の題材と、冬に備えて日々旨味を増していく旬の食材が数多くあるにも関わらず、皆で大盛り上がりできるグルメイベントがないのが昔から残念でなりません。
 平安時代だと紅葉狩りの時でも貴族の間で宴会があったそうですが、紅葉は見て騒ぎたくなるというよりは心を落ち着かせる作用があるのか、現代ではとっくに廃れているのが無念です。
 もしかしたら、ある程度「そろそろ今年も終わる」という覚悟ができている冬と違い、秋は「もうそんな季節か…一年終わるの早すぎる」としみじみしてしまって、飲んで騒ぐ気にはなれない方が多いからこれといったイベントがないのかもしれない…と密かに推測しています。

 どうも、ハロウィンが一大宴会イベントになったら洋食&怖いネタメニューが主流になりそうだからそれはちょっと遠慮したいと考えている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が夜のお花見へ出かけた際に作って持って行っていた“荒岩流月見ザクラ”です!
荒岩流月見ザクラ図
 それは、荒岩主任の息子・まこと君がまだ小学三年生だった頃のこと。
 当時、同学年の生徒達の間で「オレたちのあこがれ」「筑紫小のマドンナ」「なんかおじょうさまつう感じ」として密かに有名だった別のクラスの女子・さなえちゃんに、まこと君は淡い恋心を抱きます。
 物語が進むにつれて明るく前向きになっていくさなえちゃんですが、当時はまだ内気でおしとやかな女の子で、九歳とは思えないほど儚げで色っぽい雰囲気が印象的な正当派美少女でした←えっちゃんも同じクラスの女子として初登場していますが、照れ隠しでギャグっぽい行動をしたり騒々しい所がイマイチ異性として見れなかったのか、不憫にも「一緒にいると楽しいけど友達としてしか見れない」的ポジションとして既に固定されてました…つд`)。
 接点が全くなかったので厳しい片思いでしたが、ある日下校途中だったまこと君が転んで怪我したさなえちゃんに応急手当をしたのをきっかけに一目惚れされ、翌朝スヌーピーの便箋に「おつきあいしてください。それとも、もうスキなひとがいますか?あしたへんじ、まってます」と書かれたラブレターを渡されるという、フリーフォール並の急展開を迎えていました←キャラクター付きの便箋で告白とか文通をする世代だったので、読み返してて滅茶苦茶甘酸っぱい気持ちになりました。今だったら、LINEのIDを交換してスヌーピーのスタンプで告白って感じでしょうか;?)。
 口数少なくて大人しそうに見えるものの、実は大胆で肉食系なさなえちゃんの行動力に、ほぼ同年代だった初見時は「すごい勇気!おませさんだな~!」とびっくりしたのを覚えています。
 昔から大好きなのに遠慮して中学三年の夏までずーっとまこと君に告白できず、その後もうまく自分の気持ちに折り合いをつけられずにいた恋愛下手のえっちゃんに比べると、僅か一日で見極め・決心・告白と流れるように的確な判断を下したさなえちゃんはまるで一流の仕事人のように鮮やかなお手並で、女子力スカウターを通したら一体どんな数値を叩き出すのか非常に気になったものです。
小学三年生とは思えぬさなえちゃんのこの色気、未だにすごいな~と思います…
 当然まこと君は大喜びしており、このままだとお二人は順調にカップルになれたはずなのですが、思わぬ悲劇が訪れます…。
 その日の夜、荒岩一家は近所の神社へお弁当を持ってお花見をしに行くのですが、そこで偶然えっちゃん一家と出会って一緒に宴会をする事になります。
 えっちゃんパパと虹子さんはお酒を飲んですっかり意気投合し、賑やかなムードになるのですが、騒がし過ぎて大人達の目が離れた隙にえっちゃんは何と少しだけ飲酒してしまいます『グラップラー刃牙』で未成年の花山薫がワイルドターキーをラッパ飲みするシーンに比べればかわいいものですが、現在は規制があるのでそれでも問題になりそうですね;)。
 おかげですっかり酔っ払ったえっちゃんは、まこと君に密着して積極的に絡みまくるのですが、そこへ間の悪い事に両親とお花見をしに来ていたさなえちゃんにばっちり見られてしまい、かなり気まずい空気のまま立ち去られていました…。
 恋愛シュミレーションゲームだったら、このまま修羅場に突入してもおかしくない失態です(←まだ告白の返事前なので、そこまで荒れていませんでしたが;)。 
 異変に気付いて「どーしたまこと?」と心配する荒岩主任に、「ううん、なんでもない…」と返し、切ない気持ちを無理やり押し隠しているまこと君の様子がいじらしく、大体の初恋はこういうほろ苦い感じで終わるのが普通なんだろうな~としみじみしました。
 それにしても、好きな男の子に絡み酒している自分を見られるなんて結構な黒歴史ですので、このお話を読むたび後々誤解が解けて順調に交際しているさなえちゃんやまこと君よりも、えっちゃんの方が気の毒になります;。
酔ったえっちゃんに絡まれているところを、ばっちり目撃されてました…
 今回ご紹介するのは、荒岩主任が「大人は酒のつまみにコレはどうですか」とえっちゃんのお父さん達に差し入れしていた“荒岩流月見ザクラ”です!
 作り方は簡単で、玉ねぎ・ピーマン・セロリの葉・小ネギ・にんにく・しょうがを二本包丁で細かくみじん切りにし、同じく二本包丁で刻んで塩とこしょうで軽く下味をつけた生食用馬肉へ混ぜ込んでお皿へ丸く盛り付け、仕上げに刻んだ小ネギと卵黄を乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、野菜をみじん切りにする時はいつも以上にかなり小さく切り刻むこと、反対に馬肉は刻みすぎてドロドロにならないよう注意しながら縦横に叩き切りすることの二点で、こうすると口当たりと味がよくなるみたいです。
 荒岩主任曰く、「これを牛肉でやるとタルタルステーキ、つまり馬肉に応用したってわけ」だそうで、ユッケとは違うと説明されていました。
 長年、こちらは基本のレシピで変わった所はないだろうと思い込んでいたのですが、材料をよく見るとユッケやタルタルステーキには絶対に入っていないセロリの葉やピーマンが入っており、逆にごま油やハーブは一切使っていないなどオリジナルの点が多く、興味深いと感じました。
 野菜も程よく取れるのに、肉料理らしい満足感もちゃんとありそうなレシピで、何よりヘルシーなのにお酒にぴったりそうなのが嬉しい料理です。
月見をしながら花見もするのにかけ、月見ザクラを持ってくるなんて風流ですね
 近所のスーパーで刺身用の新鮮な馬肉が入荷されていましたので、これは試してみなくてはと思い再現することにしました。
 作中には詳細なレシピが記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、薬味や野菜類の下ごしらえ。
 ピーマン、玉ねぎ、セロリの葉、小ネギ、にんにく、しょうがをそれぞれみじん切りにし、それを二本包丁を使ってさらに細かくなるまで丹念に刻みます。
※この時の作業が雑だと荒い食感になり、馬肉にもうまくなじまず全体的にバラバラな味になって非常にもったいないことになりますので、要注意です。
荒岩流月見ザクラ1
荒岩流月見ザクラ2
 次は、馬肉の用意。
 生食刺身用の馬肉を横にスライスした後縦にも刻み、ざっくりとしたみじん切り状にしたら二本包丁で細かくなるまで叩き切ります(←あんまりやりすぎるとドロッとして美味しくなくなりますので、「もっと叩けるけど、大体細かい粒になったかな?」「そぼろくらいの大きさっぽい」くらいを目安にやめておいた方がいいです)。
 そこへ塩とこしょうを軽く振り、先程の刻み野菜を加えたら混ぜ合わせながら適度に叩きます。
荒岩流月見ザクラ3
荒岩流月見ザクラ4
荒岩流月見ザクラ5
 馬肉に野菜類が充分行き渡ったらお皿へ丸く盛り付け、中央をくぼませた後に卵黄を乗せ、上から刻み小ネギをパラリと散らし、傍らに汁気をさっときった大根おろしを添えれば“荒岩流月見ザクラ”の完成です!
荒岩流月見ザクラ6
 鮮やかな紅色の馬肉に小ネギの緑と卵黄の黄色が映え、見るからに食欲をそそります。
 今回大根おろしは原作の記述通り横に乗せましたが、淡い白色がどことなく雲を連想させますので、卵黄の隣にちょこんと乗せてみても面白いかもしれません。
荒岩流月見ザクラ7
 それでは、九州ではおなじみのやんわりとろみがかった刺身醤油を回しかけ、つぶした黄身に馬肉をねっとり絡めていざ実食!
 いただきま~すっ!!
荒岩流月見ザクラ8


 さて、味の感想は…お店で食べるユッケに近いクオリティで美味し!それでいて、ちゃんとオリジナリティのある「新・すっきり和風仕立てのユッケ」という味わいで衝撃です!
 こっくりとして少し甘い濃いめの九州刺身醤油、がっつりくるにんにく、キリリとしたしょうがが合わさって生まれた、香味野菜風味のこってり醤油味の味付けがあっさりした旨味の馬肉にぴったりで、ゴマ油がなくてもちゃんとユッケ風になっていました。
 ゴマ油やコチュダレがない分最初の一口にパンチがなくなっているものの、そのおかげで口当たりがさっぱりし、馬肉のほとんど癖がない気品すら感じる甘味と、サラッと溶けていく繊細でくどさがまるでない脂分が引き立っていてよかったです。
 通常、ユッケは細い拍子切りにされている物が多いのですが、細かく微塵切りにする事により、専門店の上級品に比べるとどうしても鮮度や質が落ちてしまう市販の馬肉でも、筋張ってる感じがまるでない舌に沿うようなひたすら柔らかい食感に仕上がっており、極力お店で食べるような旨さになっていたのに感動しました(←正直生肉に限るなら、こんなにしなやかで美味しい赤身はないと断言できます)。
 サクサクしてちょっぴり苦いピーマン、ほのかに清涼感のある香気をプラスしているセロリ、シャキシャキして瑞々しい小ネギと玉ねぎが、決して主張しすぎずあくまでもさりげなく全体を爽やかにまとめているのが秀逸で、馬肉ってこんなに色んな野菜とあうんだな~とびっくりしました(←ユッケには付き物な味の単調さも防いでいるのが地味にすごいです)。
 意外にも、大根おろしのふんわりジュワ~とした甘苦い汁気と、僅かにツンとくるドライな辛味が肉料理の口直しに最適で、刺身のツマみたいな役割を果たしているのがナイスでした。


 以前、カルパッチョ風に仕立てた馬肉料理も作りましたが(←詳しくはこちら)、こちらは純和風で全然違った印象になっていました。
 全然強烈な匂いとかがないのに、それなりに存在感が強いピーマンやセロリの葉が加わってもびくともしない旨味の濃さに、改めてすごい肉だな~と思いました。


P.S.
 無記名さん、はせがわさん、親父.comさん、ゴローさん、AKHさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.09.19 Wed 05:57  |  前のま2つは未完成〜。

あんこさんこんばんは(?)、いつも楽しく拝見しています。
えつこちゃんに関しては…ひたすら気の毒だなー。というのが正直な感想です。想いを寄せていたまことくんはさなえちゃんと結ばれ、行き場のない想いを抱えたまま一方的にアプローチされたみつぐくんに押し切られて付き合うも、現在もまことくんに心は残ったまま。
うえやま先生のストーリー展開では難しいでしょうが、他所から来たまことくん以上に魅力的な男性と結ばれたらいいのに。と思うことしきりです。
関東の自分が住んでいる地域では、馬肉はスーパーなどでは手に入らず、再現料理で馬肉を使われているのがさすが九州!と思います。ジンギスカンが流行ったせいか、羊肉はスーパーにも仕入られるようになりましたが。生の馬肉を使ったおつまみは、クッキングパパでも珍しいメニューですね。これからも再現料理記事、楽しみにしています。では、また〜。

他のコメントを修正しようとしたんですが、上手くいきそうもないので、そのままにしておきました。では、また〜。

  • #-
  • kawajun
  • URL

2018.09.20 Thu 09:45  |  

おいしそう!!見た目も可愛い!! 荒岩主任さすが~!
たたきの薬味にピーマンを入れるって珍しいですね。確かに歯ごたえと苦味がいいアクセントになりそう♪
こちらの地域では馬肉はあまり(というか全然?)売っていませんので、たまに居酒屋で馬刺しを見かけて食べるくらいでなかなか出会える機会が少ない食材なのですが、クセのない独特の風味と、しっとりした肉質、大好物です。
馬肉のカルパッチョもすごくおいしそうだけど、十五夜が近いのもあって今猛烈に荒岩流月見ザクラを食べたいです(笑)

  • #-
  • おもち
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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