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『クッキングパパ』の“パン丼”を再現!

 少し前からコッペパン専門店ブームが来ていると「ガイアの夜明け」で知り、世の中何が流行るか分からないものだな~と面白く思いました。
 個人的にコッペパンは給食に出てくるレトロなパンというイメージでしたので、大掛かりに取り上げられているのを見ると、学生時代は地味だった近所の子が上京して有名になったのを聞き、「あの目立たなかった子が、立派になって…」と目をしばたたかせるおばあちゃんのような気持ちになります。

 どうも、その昔隠れキリシタンが小麦粉とイースト菌を混ぜた生地を蒸して作った蒸しパンを「ふくれもち」と称して食べたと聞いて感心した当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任の息子・まこと君の友達であるオサム君が用意した料理を元にして作った“パン丼”です!
パン丼図
 それは、まこと君がまだ中学校に進学したばかりの頃。
 日曜日の朝早くに少し遠い競技場でサッカーの試合が行われることになったまこと君は、当日にバタバタ集まるよりはと、土曜日から荒岩家に少年サッカーチームの仲がいい友達を泊める事になります。
 ちなみに、その面子は皆さんご存知のトラブルメーカー・みつぐ君、無邪気な大家族の五男・ヒロ君、料理博士と呼ばれる秀才・ヒロユキ君、ちょっとニヒルな一面があるマイペース少年・オサム君の四人で、小学生の時よりも背丈が伸びている描写に「大きくなったな~」としみじみしました←親戚のおばちゃん的発想で恐縮ですが、自身も周囲も時が経つごとに老化する世代ばかりで、数年経過しても衰えるどころかより良く成長する世代って生命の神秘を感じる貴重な対象な為、そうとしか言いようがないんですよね;)。
 しかし、荒岩主任や虹子さんは土曜日の夜に屋台BARえびちゃんのホームパーティーに呼ばれてたのもあり、気を使ったまこと君の提案もあって、土曜日の夕食は自分達で用意する事になっていました。

 正直、普通の中学生の子なら「大丈夫かな…?火事は極端でも、ちゃんと作れるかな?」と不安になる所ですが、まこと君は小学生の時から荒岩主任の監督の下とはいえ、大好きなさなえちゃんに“フルーツ春巻き”“荒岩流雪いちご”を作ったり、風邪をひいた荒岩主任に“荒岩流ポパイシチュー”を作ったり、野外で道具まで用意して“スペアリブ炊き込みカレー”を作ったり、ホワイトデーのお返しに“スープハンバーグ”を作ったりと、女子力がカンストしてもはや主婦力まで身につけようとしている料理の極み中学生ですので、心配するだけ野暮って感じなのが頼もしいです(←こんなに料理上手で完璧な彼氏だと彼女としては肩身が狭そうですが、共働き夫婦になるんだったらこんなに有難い存在はないと思います。社会人になったさなえちゃんを見ていると、東京でキャリアウーマンになりそうな気配が濃厚ですので、荒岩家のようにまこと君がバリバリ働くさなえちゃんを支えながら兼業主夫する未来もありですね)。

 ほぼ同年代である『ミスター味っ子』の陽一君も料理上手ではありますが、採算度外視で食費と手間のかかりそうな料理ばかり作ったり、バレンタインにチョコをくれた後輩女子(←後の妻;)に「何だこのチョコレート!!オレならもっとうまいチョコが作れらい!!」とすごい暴言を言ったり、大人になってからは味修行で七年行方不明になったりとかなりの問題児で、母・妻・家を預ける身のどの立場でも激しく不安になる為、そういう意味でもオールマイティーに信頼できるまこと君最強だな~と感じます。
 子どもの頃は「まこと君って真面目でいい子過ぎて、身近に感じにくいな…」と思っていましたが、親世代になると「理想の息子NO1」という感じに見る目が変化しており、我ながら遠くへきたものだ…と苦笑したものです。
まこと君の同級生で友達でもある名物四人組!
 こうして当日を迎え、夜になって出かける荒岩主任達を見送ったまこと君達は「さーて夕食は何作ろうかね」とむしろウキウキしながら話し始めるのですが、オサム君だけはマイナス思考で「めんどうくさいな~っ。ボク、料理なんか好きじゃないのにー」「ちゃんとおいしいものできる?ボクまずいの食べたくないよ。家で食べてくればよかったな~っ」と嫌がり、「やる前から文句言うなよ、なんでもやればできるってー」と励ますみつぐ君に対しても「そうかなーっ。みつぐの作ったへ~んな料理食べておなかこわしたりしたらいやだからな」と言い返し、あわや喧嘩に発展しそうになってました(←オサム君もあんまりな言い様ですが、確かにみつぐ君の料理スキルはえっちゃんも「全然だめだったじゃない、大丈夫?」と心配するレベルで、あの『OH!MYコンブ』に出てくるデンジャラスな料理よりは何とかマシかな?状態でしたので、そう言いたくなる気持ちも分からなくはないかな…と思いました;)。
 けれども、幼くして既に人格者なまこと君が「まっまっ;」「とにかくやってみようよ」と何とかなだめ、昨夜の残りの肉じゃがをさらに煮込んでご飯にかけた“肉じゃが丼”を作った事をきっかけに、みんなオリジナルの丼作りの楽しさに目覚めて色々と作り出します。

 料理博士の血が騒いだヒロユキ君は、ポテトチップスにキャベツやソーセージなどを足して溶き卵でとじた“ポテチ丼”(←大分前に作りましたが美味しかったです!)。
 みつぐ君が最近一つだけマスターしたと言ってこしらえた立派なジャンボ卵焼きに、醤油やみりんで作った餡をかけて仕上げた“卵焼き丼”。
 ヒロ君が大好物だと話して作ったうどんたっぷりのすき焼きを、さらに甘辛く味付けし直して三つ葉を散らし、溶き卵でとじてさらにゴージャスにした“う・丼”。
 料理と言うよりは調理実験みたいなカオスさで、オサム君も「なんだかメチャクチャになってきたな~っ」と呆れていましたが、こういう「トリビアの種」的な、「世間ではバカバカしくてやっていないけど、実際に試したらどうなるんだろう」という疑問を解決する為に料理をするのはくだらなくもテンションが高くなるので、読んでいるこちらまでワクワクしたものです。
子ども達だけで料理を始めますが、段々カオスなことに…!
 その後、オサム君は「つき合いきれんからボクはパンにするよ!!オシャレーにフレンチトースト作るから」とやっと重い腰を上げて料理します(←料理なんか好きじゃないと言いつつ、インスタ映えしそうなかわいい料理をさっと作れるなんて、何気に女子力が高くてびっくりします;。新しい萌えジャンル・無愛想デレを開拓するつもりでしょうか?)。
 が、一連の面白丼作りですっかりハイになったみつぐ君達が乱入して「よーし、それも丼にするぞーっ」と手を加えた為、哀れにもオシャレ女子からモテモテのフレンチトーストは、ゲテモノ扱いされかねない異色の丼へと魔改造されてしまってました…orz。
 この時出来上がったのが、“パン丼”です!
 作り方はとても簡単で、卵・牛乳・砂糖・塩を混ぜた液に耳を切った食パンを浸けてバターで両面をこんがり焼き、塩とこしょうで炒めた玉ねぎ・出汁・砂糖・醤油を入れて煮立てた丼鍋へ移して溶き卵をかけて蒸らし、ご飯の上に乗せて刻みネギを散らしたら出来上がりです。

 ポイントは、卵液を作る時は越し器にかけてなめらかにすること、食パンを浸ける時は長時間かけて中央にまで卵液を染み込ませること、たっぷりのバターで焦がさぬよう弱火でじっくり焼くことの三点で、そうすると薫り高くて美味しいフレンチトーストになるのだとか。
 甘いおかずでご飯を食べるという事だけでも敬遠されやすいのに、パンでご飯を食べるという現代においても前代未聞な組み合わせに、初見時は「うわ~…(´д`;)」とドン引きしたのを覚えています。
 しかし、よくよく考えればお好み焼きライス・ラーメンライス・焼きそばパン・コロッケうどん・そばめしなど、炭水化物+炭水化物の組み合わせはハマれば意外に美味しい事も確か。
 それに、作中でヒロユキ君が言っている「カツ丼のトンカツもまわりはパン粉と卵!パン丼は肉のないカツ丼と思えばいいんだ」という理論はごもっともですので、オサム君が「うん、うまい…」「なんだかだんだんたのしくなってきたよ」と喜んでいたのも、不思議と説得力があるように感じたものです。
何だかんだ言いつつフレンチトーストを作れるおさむ君は女子力高いです!
 頭では理解していたものの、「フレンチトーストをご飯に乗せる」という響きに長年怖気付いてずっと試せずにいましたが、十数年以上迷うのも段々飽きてきたので、思い切って再現することにしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、フレンチトースト作り。
 ボウルに卵、牛乳、砂糖、少量の塩を入れて泡だて器でよく混ぜ合わせ、漉し器で越して滑らかな卵液に仕立てます(←普通のレシピの分量通り砂糖を入れちゃって大丈夫です)。
 この卵液に耳を切り取った食パンをまんべんなく絡めて浸し、卵液がパンの隅々まで浸透するまで冷蔵庫で寝かせます。
※柔らかくてそこまで厚くないパンだったら、数時間寝かせるだけでも充分染みこみますが、一晩寝かせたら確実に浸透するのでそちらの方をお勧めします。
パン丼1
パン丼2
 弱火にしてバターを溶かしたフライパンへ、先程の卵液でヒタヒタになった食パンをそっと入れて焼き、こんがりとした焼き色がついたらひっくり返して両面とも焼きます(←弱火じゃどうしてもカリッとしない時は、焦げないよう気をつけながら中火でさっと焼くのもありです)。
 これで、フレンチトーストは準備完了です。
※耳もフレンチトーストにすると美味しいので、関係ないですが一緒に焼いちゃいました;↓。
パン丼3
パン丼4
 次は、丼作り。
 フライパンへ薄く切った玉ねぎを加えて炒め、塩とこしょうで軽く味付けしたら、合わせ出汁、砂糖、醤油を投入してそのまま煮ます。
パン丼5
パン丼6
 玉ねぎに丼つゆの味が染みてきたら、食べやすい大きさに切ったフレンチトーストを上に並べてなじませ、その周りに溶き卵を回し入れてフタをし、卵が半熟状になるまでさっと蒸し焼きにします。
パン丼7
パン丼8
 溶き卵がいい加減の半熟になったらすぐに火からおろし、ご飯をよそっておいた丼へ汁ごと移して仕上げに刻んだ小ネギを散らせば“パン丼”の完成です!
パン丼9
 香りはほぼほぼ卵丼って感じですが、よーく注意して嗅いでみるとほんのり甘いバターの香りが立ち上る感じで、普通の和風丼じゃないというのが分かります。
 パッと見はカツ丼風でそこまで不自然ではないですが、味の方は一体どうなっているのか…ちょっと怖いですが、食べて確認してみようと思います!
パン丼10
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
パン丼11


 さて、味の感想は…炭水化物同士なのに、まるでそばめしみたいにそこまで違和感がなくて衝撃!本当に肉抜きのカツ丼って感じの旨さです!
 外側はほんのり丼つゆを吸って和風の塩気があるのですが、内側はギリギリまで卵液を含んでいるせいか全然染みておらず、フレンチトーストその物の優しい甘さが活きています。
 しかし、その甘さは丼で浮く所か丼つゆの奥深くて甘辛い出汁醤油味を程よく引き立てる役割を果たしており、フレンチトースト自体にそこまで強烈な個性がないおかげですんなり具として馴染んでいました(←めんつゆ風味のバターご飯っぽい味がするので、初めて食べる気がしないのも抵抗感を感じない理由の一つ)。
 ふわんふわんでしっとりシュワシュワととろけるように柔らかいフレンチトーストを噛みしめると、芳しいバターの香りとリッチなコクがふわっと溢れるのが少し洋風で、揚げ衣ではないせいかカツよりもあっさりしてる印象すら受けます。
 物はパンですが、元の食感は皆無で別物のようなほんわりした口当たりになっている為、肉抜きとは言っても肉が外れて情けなくなった衣の固まりとは違い、「複雑な甘味のある疑似肉風お麩入り玉子丼」というイメージで、それ単体で充分美味なのが特徴でした。
 くったり煮えた玉ねぎのしんなりシャキシャキした歯触りと、小ネギの爽やかな風味がちょうどいいアクセントを足して単調さを防いでおり、パクパクいけちゃいます。


 パンとご飯というのは今でもそうそう見られる組み合わせではないので半信半疑だったのですが、実際に試してみるとすんなり受け入れられてびっくりしました。
 食に対してチャレンジャーな訳でもない夫も「おいしい」と言っていましたので、食べてみないと分からないものだな~と感心した再現でした。


P.S.
 ねじさん、ノリスケさん、ふにゃにゃさん、たきあさん、コメントして下さりありがとうございます。
 非公開コメントでねじさんから頂いた件ですが、当ブログでよろしければどうぞご使用されて下さい(←当管理人の作品ではありませんので、こう書くのもおこがましく恐縮ですが…)。わざわざご連絡頂き、ありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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2018.11.08 Thu 15:26  |  管理人のみ閲覧できます

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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