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『クッキングパパ』の“荒岩流ヒジキのフルコース”を再現!

 今から約一ヶ月前、ハロウィンイベント中の「俺のフレンチ」に行って限定メニューのかぼちゃ料理を頼んだのですが、くり抜かれたかぼちゃに何とフォアグラやポルチーニソースが詰められていて驚きました。
 未知の組み合わせすぎて、当初は「こういうのってお肉と合わせるんじゃなかったっけ…?」と若干不安でしたが、実際に食べるとすごく重厚でリッチな、臭みが全くないとろけるようなレバークリームのグラタンという感じの美味しさで、感動しました。
 こういう、「あれとこれをあわせたらいけるんじゃない?」という食材の組み合わせを見抜く能力が当管理人には全くないので、プロのセンスってすごいな~と思います。

 どうも、最近いつも行くスーパーでお気に入りの激安鍋用麺が扱われないようになり、何気にショックを受けている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が東山常務と奥さんの為に作って出した“荒岩流ヒジキのフルコース”です!
ヒジキのフルコース図
 『クッキングパパ』初期から現在に至るまで、かなり長く荒岩主任と関わってきた人物の一人に、金丸産業の東山常務がいます。
 偶然荒岩主任のお弁当を食べて以来、「うまいっ荒岩くん。いやあ、いつ食っても最高だね」「これだけ料理のうまい奥さんはめったにいるもんじゃない」(←この頃は虹子さんが料理上手だと誤解されていました;)とその腕前にすっかり夢中になって時々お弁当を交換しあう仲になっており、主任と常務という立場の違いなどもろともせずすぐに親密になっていました。
 トリスおじさんことアンクルトリスに似た小柄でちょっぴり丸い体格と、ちょび髭とツルツル頭がチャームポイントの気がいい食いしん坊なおじさんで、普段は役職柄なのか少々威圧感を出しているのですが、マスコットキャラクターみたいなお茶目なルックスが原因なのかそこまで恐れられていないのが何とも気の毒;←アンクルトリスは繊細な昭和サラリーマンの哀愁をモチーフにしたキャラみたいですが、そういう部分も東山常務にかぶるところがあります)。

 一度、重役出勤をしている事で田中君に影で「いいねえっ。ラクチンだろね重役はー」と噂された時、「それはちがうよ、きみ」「毎晩、連日、接待接待。気はつかうし夜は遅いし…けっこう大変じゃぞ、これも」「昨夜も東京からの客人を中州に案内してな、終わったのは午前3時、ホテルまで送って家に帰ったのは4時過ぎじゃ」と重役ならではの苦労を愚痴ったシーンもあり、読んでいて「大変だな…」と思ったものです(←TVのグルメ番組や旅行番組を見て、「会社のお金で食べたり泊まったりできて、お給料までもらえるなんて羨ましい」と言う視聴者に対し、「そんなうまい話があるか!」と裏側を暴露したくなる業界人と同じ心境でしょうか?)。
 当管理人は仕事が終わったらなるべく定時で帰宅する荒岩主任、もしくは「フグタ君、今夜も一杯付き合わないかい?」を合言葉にアナゴさんと気楽に飲んでから帰るマスオさんの日常の方が断然いいので、とても田中君のように「接待といったらうまいもん食って酒飲んでだろ!?やっぱいいよな」と能天気には考えられないです;。
毎晩接待で飲み歩いて帰りが遅く睡眠不測だと嘆く常務;
 そんな東山常務が、あるお昼休みに荒岩主任の元へ訪れた時の事。
 荒岩主任がひじきの煮物をご飯に乗せたお弁当を食べているのを見て飛びついた東山常務は、一口味見させてもらうなり「うまいっ!!」と目を大きく輝かせます。
 東山常務曰く、「近ごろこういう味に飢えていたような気がする」「わしは会社一のグルメと呼ばれるくらい食い物にはけっこううるさくてな」「和食、洋食、中華―すべてかなりよい店でよい料理を食べていると自負しておるんじゃが」「なんというかこのごろはなにを食ってもかわりばえがせんというか、印象が薄いというか」「今も昼めしをなににしようか考えているうちに、なんだか疲れてしまってな」だそうで、一種のランチ難民と化していた事を明らかにしていました(『孤独のグルメ』の五郎さんのように、「俺にお似合いなのはこういうもんですよ」と言いながら身近なグルメを食べ歩く趣味があったら別なのでしょうが、東山常務みたいに会社勤めで立場があるとそういう訳にもいかないのかもしれません。ドラマ版のイントロに流れる「時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、<自由>になる」ような最高の癒しを毎日堪能できる五郎さんって、改めて現代の貴族なのだと実感します…orz)。

 贅沢な悩みのような気もしますが、確かに当管理人も旅行先で連日連夜外食続きでいた時、「自分で作った適当な具沢山味噌汁を、明太子や納豆乗せただけの炊き立てご飯を、名もなき平凡な手抜き惣菜の数々を、帰ったらすぐに食べたい…!」と最終日付近はギラギラしていた記憶がありますので、それが長期的になったら東山常務みたいになるのも仕方がないかも…と頷いたものです。
 外食も勿論魅力的で美味しいですが、家庭料理は自分と家族の好みや健康に100%合わせて日々飽きないよう特別に拵えた、いわば完全オーダーメイドの特注品みたいな物ですので、そりゃ~色んな意味で最強だろうなと思います(←手作りお菓子だったらもう少しランクアップして、オートクチュールという感じでしょうか?)。
連日連夜贅沢な食事ばかりで、何がおいしいのか分からなくなっていました
 そんな東山常務を見て放っておけなかった荒岩主任は、「今日の夕食にうちのやつにヒジキのフルコースを作らせておきますから、食べにきてください」と誘い、東山常務は喜んで行くことにします。
 この時、荒岩主任が用意したのが“荒岩流ヒジキのフルコース”!
 フルコースは全部で四品で、“ヒジキの炒め煮”、“ヒジキの海賊汁”、“ヒジキサラダ”、“ヒジキ海苔巻き”というなかなかお目にかかれない珍しいラインナップでした。
 作り方はどれも簡単で、“ヒジキの炒め煮”は熱したフライパンへ水で戻したヒジキ・厚揚げ・糸こんにゃく・砂糖・お酒・醤油を入れて炒めて煮るだけ、“ヒジキの海賊汁”は洗っただけでまだ戻していないヒジキを鍋で煮て豆腐・油揚げ・味噌を入れて火を通すだけ、“ヒジキサラダ”は戻した後に熱湯をかけて水気をきったヒジキにマヨネーズ・塩・こしょう・レモン汁を混ぜて生野菜と盛るだけ、“ヒジキ海苔巻き”は炒め煮したヒジキ・ネギ・甘酢らっきょうを白ご飯と一緒に海苔で巻くだけで出来上がりです。
 ポイントは、ヒジキを戻す時は水に浸けて小さなゴミを取ってから二十分かけて戻すこと、“ヒジキの海賊汁”は他に出汁を使わず汁が黒々としてから味噌を加えることの二点で、こうするとヒジキの味がしっかり出るみたいです。

 ヒジキで出汁を取ってお味噌汁の具にしたり、ヒジキ単体でマヨネーズを和えたり、白ご飯と甘酢らっきょうとヒジキを合わせて海苔巻きを作ったりと、今でもなかなか見られないオリジナリティ溢れるレシピには脱帽しますが、中でも地味に驚いたのがどれも他に一切出汁を使わない事。
 ヒジキの炒め煮は味を濃くする為か、必ずと言っていい程他に出汁や旨味の元となる食材を足してから作るのがセオリーとなっているのですが、こちらはヒジキが持つ味わいを大事にする為極力シンプルな味付けにしており、仕上がりが全く想像できないと同時に「面白いなー!」と感心したのを覚えています。
ヒジキを出汁なしで炒めるという、オリジナリティ溢れる調理法どこか懐かしいヘルシーなヒジキ料理の数々に癒されていました
 最近妙にヒジキが食べたくなっていたのと、前々から「どんな味になるんだろう…?」と興味津々になっていたのもあり、再現してみることにしました。
 作中には詳細なレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、“ヒジキの炒め煮”作り。
 油を入れて強火に熱した中華鍋(又はフライパン)へ、水に浸けて二十分かけて戻した後水気をきったヒジキ、コマ切れにした厚揚げ豆腐、塩でもんだ後流水でさっと洗って水気をきった糸こんにゃくを入れ、かき混ぜながら炒めます。
 そこへお酒、砂糖、醤油を加えて中火で数分炒め合わせ、汁気がなくなってくるまで弱火で煮込みます(←時々様子を見ながらかき混ぜたほうが良いです)。
ヒジキのフルコース1
ヒジキのフルコース2
ヒジキのフルコース3
 次は、“ヒジキサラダ”作り。
 水に浸けて二十分かけて戻したヒジキをザルに入れて熱湯をかけ、氷水につけて冷やした後余分な水気をしっかりときっておきます。
 このヒジキをボウルに入れ、塩、こしょう、マヨネーズをかけて全体に行き渡るまで和え、食べやすく切っておいた生野菜と一緒にお皿へ盛り付けます(←レタス、きゅうり、トマト、レモンスライスがおすすめ)。
 仕上げにレモン汁を絞って回しかけます。
ヒジキのフルコース4
ヒジキのフルコース 22
 今度は、“ヒジキ海苔巻き”作り。
 巻きすに海苔を敷いて白ご飯を薄く乗せ、下の方に先程作っておいたヒジキの炒め煮、甘酢らっきょうの千切り、刻んだ小ネギを乗せてくるりと巻きます(←巻き終わりの部分にはのりしろ部分として空きを必ず作っておきます)。
 きっちり巻けたら、包丁でその都度濡らして拭きながら一口大に切ります。
ヒジキのフルコース5
ヒジキのフルコース6
ヒジキのフルコース7
 ここまできたら、いよいよ“ヒジキの海賊汁”作り。
 水で洗っただけの戻していないヒジキを多めのお水と一緒にお鍋で煮込み、約十分程経過してお鍋が黒々としたスープでいっぱいになってきたら、食べやすく切った油揚げと豆腐を加えてさらに煮ます。
 具材に火が通ったら味噌を溶き入れ、器によそって刻んだ小ネギをぱらりと散らします。
ヒジキのフルコース8
ヒジキのフルコース9
ヒジキのフルコース10
 それぞれのヒジキ料理を器へ盛り付けてテーブルへ運べば、“荒岩流ヒジキのフルコース”の完成です!
ヒジキのフルコース11
 ヒジキだらけのせいか食卓が磯の香りに包まれ、「ヒジキって見た目は目立たないけど、それなりに個性が強いんだな~」と苦笑しました。
 炒め煮はともかく、他三品は全く未知の品ですので、一体どんな味がするのかとても楽しみです!
ヒジキのフルコース12
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
ヒジキのフルコース13


 さて、感想ですが…同じヒジキなのにどれも印象が違ってて面白い味わい!ヘルシーなおいしさで体も舌も嬉しいフルコースです!
 “ヒジキの炒め煮”は、ヒジキ自体から出ている濃い磯の風味が効いてあっさりした、シンプルな甘辛醤油味がしみじみ美味。
 色んな出汁が合わさったオーソドックスな炒め煮もいいですが、こちらは他の出汁がない分ヒジキの旨味が何一つ消される事なくしっかり活きているのがよかったです。
 ヒジキの出汁が染みてこっくりとした深みが出た厚揚げ豆腐と、クニクニした弾力がたまらない糸こんにゃくが程よいアクセントになっており、地味ながらも飽きません。
ヒジキのフルコース14
 “ヒジキの海賊汁”は、勇ましい名に反してかなり優しいほっこりする味の味噌汁で衝撃。
 出汁なしで心配だったんですが、意外にもヒジキの戻し汁には玉ねぎの味噌汁に似た自然ながらも力強い甘味の出汁が出ており、それでいて野菜にはない淡い潮の香りが後口でふわりと香る素朴で心和む一品でした。
 正直、海草系の出汁では一番甘いかもしれません。
 そのままだとやや淡白なのを、油揚げと豆腐がコクのある油分をプラスしてまろやかな旨さを出しているのがよかったです。
ヒジキのフルコース15
 “ヒジキサラダ”は、洋風な味付けがヒジキとびっくりするくらい合っており、市販されてないのが不思議な程。
 塩コショウマヨネーズのこってりクリーミーな味付けと、レモンの爽やかな香りがヒジキの癖をいい意味で隠しており、海草というよりはシャキシャキザクザクした歯応えが楽しい新種の野菜みたいな味わいになっています。
 レモンマヨのさっぱりしたコクがヒジキをぐっと垢抜けさせ、野趣溢れる風味を品よく万人受けしそうな味にまとめているのに感心しました。
ヒジキのフルコース16
 “ヒジキ海苔巻き”は、白ご飯を使っているのにらっきょうの甘酢のせいかほんのり酢飯みたいな味付けになっており、おにぎりと海苔巻きの中間みたいな不思議な美味さが特徴的。
 ヒジキの武骨なまでに強い磯の旨味と、らっきょうのシャリシャリした歯触りや甘酸っぱさはとても相性がよく、噛むごとに奥行きが生まれるのがたまりません(←例えるなら梅の実ひじきみたいな組合わせ。酸味とヒジキはよく合います)。
 海苔とヒジキがダブルで濃厚な海の香りを出しているせいか、華やかではないものの海鮮巻きって感じがちゃんとしました。
ヒジキのフルコース17


 日頃こういう地味系料理にあまり感心がない夫も、「どれもおいしい」とパクパク食べてくれました(←健康診断に引っかかったからというのもあるでしょうが;)。
 中でも驚いていたのが“ヒジキ海苔巻き”で、「え~、らっきょう?イカでも巻けばいいのに」と思いながら食べたそうなのですが、意外にぴったりだったと喜んでくれていました。


P.S.
 kawajunさん、無記名さん、コメントして下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2018.12.02 Sun 12:35  |  No title

ひじきのサラダ、小さな施設で給食作るお手伝いをしていた頃に拝借して作ったのですが、人気でした。意外な美味しさですよね。また作りたくなりましたし、唯一作っていない海苔巻きもチャレンジしたくなりました。

  • #-
  • ふにゃふにゃ
  • URL

2018.12.05 Wed 22:35  |  No title

あんこさんお久しぶりです、こんばんは。

今回のクッキングパパの話、ひじきのフルコースを食べときの常務さんのほっこり顔がとても印象に残っています。

ひじきを入れた炊き込みご飯が大好きなので、海苔巻きを今度作ろうかな~。(らっきょを挟むのには驚きましたが、食感と甘酢の風味は確かに巻き寿司に良く合いそうですね。)

それでは、今後も無理をなさらずに…。

  • #-
  • キンメ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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