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『なんちゃって駅弁』の“有田焼カレー”を再現!

 先月、一度も行った事がないもののおいしいと評判の居酒屋で家族と飲んだのですが、そちらのお品書きに「松田さんの笑顔(レア出勤)」という謎のメニューが載っており、その場にいた全員頭の中がはてなマークだらけになりました;(←念の為、仮名にしています)。
 一瞬、昔マクドナルドにあった「スマイル ¥0」みたいなものかな?と思ったのですが、こちらは¥7,800(税込)という妙に強気な価格設定で、ネタで頼むにはリスキーな分ものすごく気になりました…。
 結局、その日は勇気が出なくて注文出来なかったのですが、今度行ったら「今日、松田さん来てますか?」と夜のお店で指名するかの如くスマートに問いかけてみるつもりです。

 どうも、某漫画のように「“笑顔”ですね…かしこまりました、こちらへどうぞ」と合い言葉的に別室へ通されたら面白いのにな~とちょっとワクワクしている当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『なんちゃって駅弁』にて森口さんと宮本さんが元気をなくしている亀さんの為に作った“有田焼カレー”です!
有田焼カレー図
 それは、主人公の一人である宮本寿乃さんがまだ入社してまもなかった頃のこと。
 七十歳になったばかりの亀さんは、周囲で不幸が重なったり、胸焼けや食欲不振といった体の不調のせいでイマイチ気分が優れない日々を過ごしており、とうとう息子である専務から病院での検査をすすめられます(←頑丈そうに見えますが、こう見えて歯痛・ぎっくり腰・胃潰瘍でひと騒動起きた事あり。一度など、家族団欒の夢を幸せ気分になっている隙に亡くなった奥さんからあの世へ連れて行かれそうになるという、いい話風に見えてホラーな臨死寸前体験までしています;。あやうく、「奥様は魔女」ならぬ「奥様は死神」になる所でした (((( ;゚Д゚)))ガクブル)。
 しかし、あまり深刻に考えていなかった亀さんは「そんなヒマはない!まあそのうちいくよ」と適当に返すのですが(←本当は行く気がない時の常套句;)、内心心配していた専務は「…お父さん!そろそろ引退を考えられたらどうですか?」「あなたはもう年だ、老人です。会社も若返る必要があるんです!」とついきつい言葉で引退を迫り、その結果「お前にはまだ無理だ!」「無理なのはそっちでしょ」「会社は譲らん、クビだ!」「次の取締役員会で引導をわたしてやる!」と喧嘩になってしまいます。
 会社の今後が関わっている話なので深刻かつ壮大な内容に見えますが、言い合いの内容は「お前の母ちゃんでべそ!」レベルの他愛ない家族喧嘩で苦笑します;←専務は推定四十代~五十代くらいなので充分頼りになると思うのですが、亀さんからしたらいくつになっても「まだまだ頼りない子ども」という存在なんでしょうね…)。
 リアル系バトル漫画界やスポーツ選手界だと、体力や持久力が若い頃と同じではないと数値や感覚で分かりやすいせいか、実際に戦って負けた時に「後は頼んだ!」とすっぱり引退出来る方が多い印象ですが、亀さんの場合は現場を駆けずり回る体力勝負がない分衰えが実感しづらく、それで「まだ引退しなくても大丈夫!」となるのかな?と思います(^^;)。
いまいち体調が優れない父に対し、少々きつめに譲位をお願いする息子さん;
 その時、宮本さんと森口さんは「このところ社長、まるで元気がないのよ。お昼に駅弁を食べるのが唯一の楽しみだって言ってたのに…」「確かに心配だな。あの食い意地の張った人が食欲がないなんて…」と話し合っており、珍しくお弁当をいらないと言い出した亀さんを心配していました(←駅弁大会があると、まるで大量の戦利品で崩壊寸前の紙袋を両手に持って帰るコミケ参加者状態になる亀さんですので、そう言いたくなる気持ちは分かります。同人誌と違ってお弁当は日持ちしないのに、一人であれだけ買い込むなんて天晴れと言う他ありません;)。
 どうやったら亀さんの食欲が出るのか、二人して考えるのですが、その時宮本さんが妙案を思いつきます。
 それは、特製カレーの差し入れ!
 宮本さんが小さかった頃、ウイルス性胃腸炎にかかって治ってるんだか治ってないんだか分からない程苦しんだ時期があったようなのですが、そんな時お母さんがカレーを作ってくれたそうで、匂いを嗅ぐ内に食欲が湧いてやっとご飯を食べられたとのこと←病気で意識が朦朧としている時にやっとの思いで食べる温かな食事って、特別感があるせいか妙に印象に残る気がします。当管理人の場合、治りかけると出てくるご飯入りの鍋焼きうどんが好きでした^^)。
 一番きつい時だったらかえって逆効果かもしれませんが、確かにカレーは病み上がりで食欲不振をズルズル引きずっていても一気にお腹をすかせるパワーがありますので、ナイスアイディアだと思いました(←とても存在感のある香りの為、食べる場所によっては新幹線でジェットボックスシウマイを温めた五郎さんの如く「ジェットのせいで歯車がズレたか…」状態になりかねない危険性がありますが)。
 実際、薬膳料理でもあるカレーは刺激や油脂に気をつけさえすればいい回復料理になるみたいで、最近では喉の痛みを和らげる効果まであるのが判明しているのだとか。
幼い頃、病気が治りかけている時にカレーの香りをかいで食欲が湧いた宮本さん
 こうして、森口さんと宮本さんが亀さんの食欲を取り戻そうとして二日がかりで作ったなんちゃって駅弁が、この“有田焼カレー”です!
 作り方は手が込んでおり、玉ねぎ・牛スジ肉・赤唐辛子・にんにく・生姜をホール状のスパイス類と一緒に圧力鍋で約二時間煮込んで特製スープを作り、そのスープに赤ワイン・砂糖・カレールー・デミグラスソースを入れて一晩寝かせ、翌日に紫ウコン・クミン・コリアンダー・チリパウダー・山椒・インスタントコーヒーを加えてさらに煮込み、ご飯にチーズと一緒に乗せてこんがり焼いたら出来上がりです。
 ポイントは、カレールーもチーズも二~三種類ブレンドして使うこと、ホールスパイスは割ったり潰したりしてから入れること、ご飯を盛る時はふんわりではなく少し固めるようにしてよそうことの三点で、こうするとより本物に近くなると作中で語られていました。

 有田焼カレーとは、2007年に地域活性化を願って有田駅で発売されて以来、年間約10万個を売り上げる人気ぶりで様々な賞を受賞している、日本初にして唯一のカレーの駅弁。
 28種類のスパイスをブレンドして一週間煮込んだ本格的な味わいが特徴で、ついてくる器も本物の有田焼なのでお得感があります(←毎年新しいデザインの器に変わるのがコレクター心をくすぐります)。
 特筆すべきは、欧風カレーなのにちっとも胸焼けしないところで、マクロビと薬膳の知識を活かして「おいしい」と「体にいい」を両立した味に仕上げ、薬効の高い紫ウコンやレモングラスの力で健康食といっていい程のカレーを実現されたのだそうで、まさに弱っている亀さんにぴったりな駅弁だと感じました。

 おかげで、体調不良と喧嘩が重なって不機嫌だった亀さんは、「いやーっ、うまい!熱くて辛くてスパイシーで!!」と一転して食欲を取り戻し、やっと元気になっていました。
 ちなみに、この時使った器は有田焼カレーの器ではなく、専務が一晩中車を飛ばして実家へ取りに行った、幼き日の亀さんが使っていたキレイなカレー専用のお皿。
 亀さんにとっては、今は亡き母との思い出が詰まった特別なお皿で、その話を覚えてわざわざ取りに行ってくれた専務に感謝し、無事仲直りするのでした(←憎まれ口ばかりで素直にごめんを言えない分、行動で思いやりを示したんだろうな~と思うとほっこりします)。
ちょっと値は張りますが、器は本物の有田焼ですごく使い勝手がいいです!カレーには珍しく炒め作業は一切なく、ひたすら煮込んで作りますわざわざ一晩かけて静岡の実家へ行き、亀さんお気に入りのカレー皿を取りに!
 ずっと気になっていたものの、色々と材料が不足していて作れなかったのですが、最近やっとスパイスや調理器具が揃ったので再現する事にしました。
 作中には詳細な分量つきのレシピがきっちり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、ルーのベースとなる特製スープ作り。
 圧力鍋へホールのシナモン、カルダモン、クローブ、ローリエ、ローズマリー、ケッパー、レモングラスを入れてきっちり縛った小袋とお水を加えて火にかけ、少し煮込んでスパイスの香りをお湯に移します。
※ホールスパイスは手で適当な大きさに割ったり千切ったりしてから入れた方が、より鮮烈な香りがにお湯に溶け出るようになります。
有田焼カレー1
有田焼カレー2
有田焼カレー3
 いい香りが漂ってお湯が色づいてきたら、縦に薄くスライスした玉ねぎ、下茹でして洗った後ザク切りにした牛スジ肉、赤唐辛子、みじん切りにしたにんにくと生姜を投入します。
 こまめにアクを取りながらさらに煮込み、アクが出なくなったら圧力鍋のフタをしっかり閉じて加圧していき、二時間以上かけてじっくり煮込みます。
有田焼カレー4
有田焼カレー5
有田焼カレー6
 時間が経ったらフタをあけてザルでスープと肉&玉ねぎ片に分け、スープは計量カップで正確な量を計り、肉&玉ねぎ片はなるべく小さくなるようざっくりほぐしてから再度お鍋に戻し入れてまた火にかけます。
 これで、特製スープは準備完了です。
有田焼カレー8
有田焼カレー7
有田焼カレー9
 次は、カレー作り。
 特製スープへ赤ワインと砂糖を加えて煮溶かし、沸騰してきたら一旦火を止めてカレールーを少しずつなじませながら合わせていき、デミグラスソースも投入してよく混ぜ合わせます。
 調味料が行き渡ったら火をつけて約十五分程煮込み、荒熱が取れたら冷蔵庫に入れて一晩寝かせておきます。
※作中のレシピでは、カレールーは市販の物を二~三種類ブレンドして使う事を推奨されていました。ですので今回、ネットでお勧めされていたハウスのザ・カリー(辛口)グリコのZEPPIN(中辛)の組み合わせを採用してみました。普段はジャワカレー派ですが、たまには他の味も試してみたかったので…;。
有田焼カレー10
有田焼カレー11
有田焼カレー12
 翌日お鍋を火にかけ、煮立ってきたらパウダー状の紫ウコン(←別名:ガジュツ。生薬として使われることが多いスパイス)、クミン、コリアンダーを少しずつなじませながら合わせ、インスタントコーヒーを加えてかき混ぜます。
 この時、辛味が物足りなかったらチリパウダーと山椒をお好みで投入して味の微調整を行い、コトコト煮込みます。
有田焼カレー13
有田焼カレー14
有田焼カレー15
 ここまできたら、いよいよ焼き作業。
 やや硬めに炊いた白ご飯をお好みの有田焼カレーの器へよそい、優しく形を整えながら丸く固めて盛り付け、上から熱々のカレーをまんべんなく注ぎます。
 この中央に二~三種類ブレンドしたとろけるチーズを乗せ、高温に熱したオーブン(又はオーブントースター)へ入れて三分前後かけて焼きます。
※当管理人の場合、ごく普通のピザ用チーズに、スライスタイプのモッツァレラチーズをブレンドしてみました。濃い目のカレーなので、淡白で癖の少ないチーズが向いていると思います。
有田焼カレー16
有田焼カレー17
 こまめに焼き具合をチェックしてチーズがとろけてきたらすぐに取り出し、そのまま急いでテーブルへ運べば“有田焼カレー”の完成です!
有田焼カレー18
 チーズの色合いが微妙に違ってしまいましたが、それ以外は見た目といい香りといいほぼ同じ感じに仕上がり、ほっとしました。
 本物の有田焼カレーは既に五回以上食べていますが、一向に飽きないというすごい魅力の美味しさですので、なんちゃっての方は一体どんな感じなのか非常に楽しみです!
有田焼カレー19
有田焼カレー20
 それでは、チーズがトロトロの内にいざ実食!
 いっただっきまーす!
有田焼カレー21


 さて、感想は…かなり本物に近い美味しさで感動!プロのカレーと遜色のない出来映えで満足です!
思いがけぬカレーの駅弁に、体調悪もふっとんで喜んで食べる亀さん
 格式高いレストランで出される本格欧風カレーという感じのこれ以上ないくらい濃厚なコクが特徴的で、牛肉の旨味がたっぷりと贅沢に効いたこってりした王道の味付けにうっとりします。
 具はコンビーフみたいに柔らかい繊維状になり、簡単に舌でほどける程ホロホロになった牛すじ肉と、ほぼ溶けてトロトロのペースト状になった玉ねぎのみですが、両方ともしっかりした味なのでむしろこれがちょうどいいくらいで、口の中で白ご飯と合わさって噛み締めると程よく中和し、渾然一体となって絡み合うのがたまりません。
 本物を食べる時、まるで老舗洋食屋のビーフシチュー風カレーと言いたくなるような圧倒的に深い甘辛さと、重厚なのにとろけるようなまろやかさに圧倒された物でしたが、それは牛すじ肉の骨太な出汁とデミグラスソースの熟成された旨さのおかげだったんだなと実感しました。
 ここにまったりとした酸味と複雑な塩気が効いたこんがりチーズが加わると、これ以上ないくらいリッチでスパイシーなビーフカレードリアになる感じで、ルーの濃さがやや緩和する為そのまま食べるよりもかえって甘味や美味さが引き立つのがナイスです。
 こんなにも濃い味わいなのに、紫ウコンを始めとする漢方薬チックなスパイスや油を極力控えた調理法のせいか不思議と胃にもたれない為、見た目によらず体に優しい後口なのが印象的でした。
 焼いて表面から水分が飛ぶと、少し煮詰められる分ルーがキリリと締まって味がぐっと凝縮される感じで、何とも言えない香ばしさがプラスされているのがよかったです(←お皿のハンバーグと鉄板ハンバーグの違いみたいなイメージ)。


 よーく味わうと、個々のスパイスの割合が少しずつ異なって微妙に違う風味になっていたり、こちらの方がやや辛めだったりと細々した差異はありましたが、家でここまで肉薄した物が作れるならたいしたものだと思います(←改めて、レシピを作り上げた原作の守靖ヒロヤ先生を尊敬!)。
 正直、近頃は濃い欧風カレーを食べるとやや胃が重くなっていたのですが、こちらのカレーはびっくりするくらい負担がかからず、最後までおいしく頂く事ができました。
 夫にも確認した所、「本物とそっくりで旨い」と喜んでいました。
 手間と時間と費用がかかるのでそう頻繁には作れませんが;、時々無性に食べたくて仕方がなくなる味です。


P.S.
 ましろさん、鯵仙人さん、無記名さん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『なんちゃって駅弁』 原作:守靖ヒロヤ 作画:上農ヒロ昭/実業之日本社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

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