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『クッキングパパ』の“荒岩流もやしの味噌汁”を再現!

 フードだけでは飽き足らずCIAOちゅ~るやカツオ節を要求したり、物を蹴散らしながら部屋をグラウンド代わりに駆け回ったり、そのくせ人間が別の部屋へ行こうとすると急に「構え」と要求してくるなど、まるで殷の紂王のような暴君生活を送る我が家の猫達ですが、フワフワな体ですり寄られて甘えられると全てを許してしまいます。
 その昔、ワガママなヒロインに振り回されて大変なのに満更でもなさそうな漫画の主人公を見るたび、「何故…?ひょっとしてマゾ?」と理解できない気持ちになったものでしたが、いざ自分が同じ目にあってみると「これはこれで…」と映画版『究極!!変態仮面』のお父さんみたいな心境になっており、一応飼い主だというのに逆に調教されつつある今日この頃です。

 どうも、布団の中でしっとり温まった猫の手触りはとろけた求肥に似ていると思う当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任がまこと君の所属しているサッカーチームの為に作った“荒岩流もやしの味噌汁”です!
荒岩流もやしの味噌汁図
 ある日曜日、まこと君はみつぐ君達と一緒にサッカーチームの試合へ参加する事になるのですが、その際荒岩主任は「練習試合勝ったらさ、またこの前みたいに焼肉が食べたいっ!!」とリクエストされます。
 子ども好きな荒岩主任は快くOKし、その日行きつけのお肉屋さんでサーロインが特売されていたのもあり、奮発してステーキパーティーをしようと計画します←以前荒岩主任がおにぎりを差し入れした時、近所のハンバーガーショップがハンバーガーを無料配布していると聞くや一斉におにぎりを残して去って行った子達なのに、この尽くしっぷりは天使過ぎて泣けます)。
 しかし、買い物を終えて試合を見に行くと、一点差をどうしても縮められないまま負けているという非常に切羽詰った状態で、みんな必死な表情でボールを追っていました(←『キャプテン翼』「たのむ!1点…1点とってくれ。50点だのなんだの、もうでかいことはいわん。たのむ、1点とってくれ」という手に汗握る名言を思い出します。同時に、「そもそも50点とかバスケじゃあるまいし無茶な。野球で112対3という超展開があった『逆境ナイン』か」という突っ込みも蘇ります)。

 こうして試合終了まであと五分という時、意地を見せたみつぐ君がボールを奪ってゴール前まで走り抜けるものの相手チームに囲まれ絶体絶命となるのですが、運よく一人だけノーマークだったもやし農家の息子でチームメイトのとおる君を発見し、パスをします。
 こういう場合、大抵のスポーツ漫画だと見事成功して大団円となるものですが、とおる君は不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったようでもはや芸術的なまでに空振りシュートを放ってしまい、無常にもそのまま試合終了になっていました。
 すると、怒ったみつぐ君が「おまえがもやしばっかり食っとうけん、けりきらんたい。このもやしっ子」と昭和のいじめっ子のテンプレみたいなセリフをとおる君に言ったのをきっかけに、取っ組み合いのケンカが勃発(←「おれたちのこの怒りはボールにぶつけよう」と言った翼君に比べると、やはりまだ子どもですね。ボールは友達だったんじゃ…と突っ込みたいですが)。
 行き場のない怒りに燃えて「俺はもやしなんか大っ嫌いだ!!なまっ白くてヒョロヒョロしてフニャフニャして」と当たり散らすみつぐ君に対し、とおる君は「悪かったたい、僕が失敗したけんたい、ばってんもやしの悪口いわんでもよかろうもんっ!!」「うちのもやしはうまいんだぞっ!」と激昂し、最終的に「じゃっ、うちに来いよっ!!とうちゃんが作ったもやしば食わしちゃるけん―っ!!」と、まるで『美味しんぼ』初期のお約束である山岡さんの「明日もう一度ここに来てください。本物の○○を食べさせますよ」みたいな挑戦状を叩きつけていました(←自分の失敗は潔く認めるけれど、父が愛するもやしを侮辱するのは許さないなんて、いい子だな~と思います)。
もやしをみつぐ君に馬鹿にされて怒った通君は、取っ組み合いの喧嘩をします
 当初は「あげんまずかもん食わんでも」と相手にしなかったみつぐ君ですが、荒岩主任が間に入って仲裁し、そのままとおる君の家にてステーキ&もやしで残念会を開く事になります(←一瞬「?」となる組み合わせですが、考えてみればリーズナブルなステーキハウスではもやしが付け合せになっているケースが多いので、そこまで違和感はないですね;)。
 そして、パーティー前にとおる君のお父さんに挨拶をしようと工場へ会いに行くと、そこには膨張したもやしに吹っ飛ばされて生き埋め状態になったお父さんの姿が(←足の向きが上なら完全にスケキヨ状態)!
 生き物を扱う仕事には危険がつきものですが、一見大人しそうに見えるもやしも一歩間違えば雪崩の如く人間を襲う恐ろしい野菜になるとは思いもしなかった為、初見時は衝撃を受けたのを覚えています(突然変異した巨大殺人トマトが襲い掛かるカルト映画もあるくらいなので、今さら殺人もやしが出てきても何らおかしい事はないのかもしれません)。
 幸いとおる君のお父さんに怪我はなく、いざとなればプラスチックの板や鉄の棒をも簡単に跳ね飛ばす力を秘めたもやしの生態についてまこと君達に詳しく説明し、「もやしを食べるということは、その生命力を食べるっていうことなんだよ」と食育をしていました。
 かつて、範馬勇次郎「漫然と口に物を運ぶな。何を前にし―何を食べているのかを意識しろ」「強くなりたくば喰らえ!!!」という名言を残しましたが、ひ弱に見えるもやしでもこんなに力を秘めているのを知ると、もっともな言葉だと実感します。
もやしの山に吹き飛ばされ、全身が埋もれてしまっていたお父さん;もやしの生命力について熱く語る、カッコいいお父さんでした。
 その後、荒岩主任は最初にステーキを焼いてまこと君達に食べさせ、牛の旨味がたっぷり溶けたフライパンを使ってスペシャルなもやし料理を作ります。
 それが、この“荒岩流もやしの味噌汁”です!
 作り方は簡単で、牛肉などを焼いておいてフライパンに良質な油を出し、その油でもやしを塩とこしょうで味つけしつつさっと炒め、あらかじめ作っておいた昆布出汁の具なし味噌汁へ投入し、最後に一味唐辛子をお好みで振ったら出来上がりです。
 ポイントは、もやしは質も鮮度も最上の物を用意すること、油はステーキ肉や焼肉を焼いた後の物を使用すること、もやしを炒める時は強火で白い所が残るくらい短時間に留めること、味噌を溶く時は沸騰直前にすることの四点で、単純な料理な分、細かい決まりをきっちり守って作るのが美味しさのコツのようでした(←ただ、肉がない時はバターやごま油で代用しても大丈夫だそうです)。

 作者のうえやまとち先生が仰るには、元ネタは北九州のもやし製造業の方から教えて頂いたレシピとの事で、「もやしのうまさをばっちり味わえるのがこの料理だ!!」と語られていました。
 自他認めるブラック企業・帝愛の社員食堂で出されるもやしの味噌汁は、アンチアカウントから「もやしパワーでがんばれ社畜!」と煽りの燃料にされるくらい微妙だったみたいですが、荒岩主任のもやし味噌汁はもやし嫌いのみつぐ君が「うっ、うめえっ!!」「わるかったな。ごめんよーっ、もやしの悪口いって」と目を輝かせるくらい絶品だったそうで、その場にいた全員が大鍋一杯を完食していました。
何と、ステーキを焼いたフライパンでもやしを炒めて入れてました
 比較的お得なお値段でいいもやしとお肉を手に入れられたので、再現する事にしました。
 作中には詳細なレシピが図解できっちり記されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、肉を焼く作業。
 熱したフライパンへ常温に戻しておいたステーキ肉や焼肉用の切り身を並べていき、両面をこんがり焼いて脂分をたっぷりフライパンへ出させます。
 焼きあがったらお皿へ移し、そのまま好きな味付けをして普通に食べます。
※非常にシンプルな料理なので、もやしだけではなくお肉もなるべく上質な物を使ったほうがいいです。その為、今回は清水の舞台から飛び降りる覚悟で国産のいい物を使用しました(←夫はステーキも焼肉も大好物なので、「やったー!」とむしろ大喜びで食べていました;)。
荒岩流もやしの味噌汁1
荒岩流もやしの味噌汁2
荒岩流もやしの味噌汁3
 次は、味噌汁の準備。
 お鍋に水と昆布を入れて少し浸しておき、弱火にかけてお出汁をとります。
 出汁が充分に出切ったら昆布を取り出し、沸騰しないよう火加減に気をつけながら味噌を溶かします(←昆布はお鍋の具にしたり、そのまま食べたりしてもおいしいです)。
荒岩流もやしの味噌汁4
荒岩流もやしの味噌汁5
荒岩流もやしの味噌汁7
 ここまできたら、いよいよ仕上げ作業。
 先程お肉を焼いたフライパンを強火にかけ、煙があがるくらい熱したら流水でさっと洗った後しっかり水気をきったもやしを投入し、ざっと数秒だけ炒めます。
 塩とこしょうで軽く味つけし、全体に油が絡んだら汁ごとすぐに味噌汁の中へ加えます(←フライパンに味噌汁を入れ、肉の旨味をまんべんなく溶かしこんでからお鍋に戻す作業をするとより風味が強まります)。
※もやしは白い部分が残ってて「全然生だな」と思うくらいの炒め具合がちょうどいいです。
荒岩流もやしの味噌汁6
荒岩流もやしの味噌汁8
荒岩流もやしの味噌汁9
 味噌汁を数回かき混ぜ、肉汁を全体に行き渡らせたら手早く器へよそい、上から一味唐辛子をパラリと散らせば“荒岩流もやしの味噌汁”の完成です!
荒岩流もやしの味噌汁10
 味噌汁というよりは肉料理と言いたくなるくらい焼けたお肉の香りがぷんぷん漂う出来栄えで、フライパンに残った肉汁だけでもここまで主張するものなんだな~と感心しました。
 一見質素で大人しそうな汁物な為、猛々しい香りとのギャップに戸惑いますが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
荒岩流もやしの味噌汁11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
荒岩流もやしの味噌汁12


 さて、感想は…味噌汁よりももやしの方が主役で美味し!見た目で想像した味と、実際の味がこんなにかけ離れた料理は滅多にありません!
 一口啜ると昆布の優しいまろやかな甘味が効いた和風味が最初にくるのですが、そのすぐ後にまるでステーキや焼き肉その物を食べているかのような重厚な牛肉の旨味が舌に染み渡り、味噌汁とは思えぬパンチの強い旨さに圧倒されます。
 強引に似た味を探すとするなら豚汁ですが、具に本物の肉が入っていないにも関わらずこってりした飲み口といい、牛脂特有のとろけるように甘やかな脂のコクといい、こちらの方が断然肉の存在感を感じました。
 市販の牛出汁とかだともっとあっさりした味わいでむしろ上品な感じですが、こちらは強火のフライパンで焦がすようにして焼いた肉のエキスや脂分がダイレクトに効いているせいか、汁物にあるまじき薫り立つような香ばしさが特徴的で、この鼻をダイレクトに刺激する芳しい仕上がりはオニオングラタンスープに匹敵すると思います。
 例えるなら「ステーキ風味の無限もやし味噌汁」というイメージで、ラーメン屋のもやしナムル並に病み付きになるのにそれ以上にさっぱりしており、一味唐辛子のピリッとした辛味がいいアクセントになっていくらでも食べられそうでした。
 白い部分がほんのり残って中央にパキッとした芯が残ったもやしはアルデンテっぽい仕上がりで、シャクシャクシャキシャキした瑞々しい食感と、噛むごとに溢れるフレッシュな汁気が美味で、「もやしってこんなにおいしい野菜だったんだな~」と目からウロコでした。


 あっさりそうな外見をいい意味で裏切る一品で、途中何度も追いもやしをする事に;。
 普段、あまり味噌汁の味を細かく気にしない夫も「これ、何か肉とか入れたでしょ?」とすぐに見抜き、あっという間に食べきっていました。
 貧乏性な為、ステーキを焼く時にフライパンに残る肉汁をガーリックライス以外にも何か使えないかな~とずっと考えていたのですが、これならヘルシーに再利用できるので大満足しました。


P.S.
 kawajunさん、恭さん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2019.03.25 Mon 21:48  |  作りました!!

あんこさんこんにちは。

前回は旦那様との出会いのエピソードが聞けてとっても嬉しかったです(*゚∀゚*)
そして、今回は、昨日ブログを読みまして、さっき同じもやしの味噌汁を作りました。
もやしを炒めるときのお塩は無しで作りましたが、未体験なお味噌汁で美味しかったです。こちらは地元の常陸牛の後ですが、あんこさんのお家のお肉は大変美味しそうです笑笑

このもやし農家のお話は何度も読み返してて、いつもいい話だよなぁと思ってました。小さな子たちにも勉強になる気がします。
見かけでは分からない事が沢山あるよって事を。

またあんこさんの再現真似してみたいと思います。次回も楽しみです。

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プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
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