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『クッキングパパ』の“荒岩流中華ちまき”を再現!

 先日近所を散歩すると、桜の開花はまだだったものの梅の花・雪柳・椿が満開で咲いているのを見つけ、その愛らしさに頬がゆるみました。
 桜よりも地味なのであまり注目される事のない花々ですが、小さくとも凛と咲き誇る姿はどれも美しく、色彩の欠けた冬の世界にやっと春の兆しが見えてきたと嬉しくなりました。
 この季節になると、故郷から遠く離れて移り住んだ訳でもないのに「東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」という菅原道真の歌が脳裏に浮かび、春になると足を運ぶ太宰府天満宮の事も思い出します。

 どうも、雨が降ると「春雨や 猫に踊りを 教える子」という小林一茶の句を思い出し、外出をやめて猫と遊ぶ事が多い当ブログの管理人・あんこです。


 本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任がお花見の席で金丸産業の皆さんに差し入れしていた“荒岩流中華ちまき”です!
荒岩流中華ちまき図
 ある春の日、梅田君はまだ二十歳そこそこの新妻・ユミちゃんから「今日は2年前、コーラスのサークルで2人がはじめて出会った記念日でしょっ」という理由で今夜はお祝いしたいと言われ、早く帰ってねとリクエストされます(←海外では初めて付き合った日よりも、初めて出会った日の方を大事にする傾向にあるそうなので、まるでアメリカンホームドラマのカップルみたいだな~と思いました;)。
 お二人は元々同じサークルの先輩後輩の関係だったというのは知っていましたが、まさか出会って二年もしない内にスピード結婚したとは思ってもみなかった為、梅田君って意外と情熱家なんだな~と妙に感心したのを覚えています。
 しかし、そんな奥さんとラブラブな梅田君でしたが、雨で中止になるはずだった金丸産業のお花見が急な天候回復で開催される事になって帰りが遅くなると決定した上、お昼の内からお花見の場所取りをする任務まで引き受ける事になります。
 体育会系の部活然り、マガジンの不良漫画然り、労基スレスレのブラック企業然り、面倒な雑用は問答無用で新人に押し付けられるというルールは古今東西で共通しているとはいえ気の毒でしたが、人のいい梅田君は二つ返事でお花見の名所・西公園へ向かい、ベストな所を確保していました。

 けれども、梅田君は真面目で誠実ないい子でありつつも、自分とプライベート最優先なゆとり世代を先取りしたような社員でもあった為、「どうせ夕方までこうやってボケーッとしてるなら」と考えてユミちゃんを公園に呼び出し、「ああやって帽子置いとけばいいよネッ」とゆるく判断してゴザから離れ、ローカル旅番組みたいに周囲をぶらり散歩していました;。
 不運にも、夕方近くにユミちゃんと大濠公園でボートに乗っているのを休憩中の田中君に見つかってあえなく御用となっていましたが、サボりをバレないようにするならこっそりデートをすればいいものを、近場にある公園のど真ん中の池でキャッキャはしゃいで目立ちながらボートを漕ぐなんて色々迂闊すぎで、この頃の梅田君は本当に世間知らずなお坊ちゃまだったんな~と感じました;(←もし梅田君が現代のサラリーマンだったら、うっかりインスタで写真をアップしてサボりが発覚してしまうようなリア充的バレ方をしてそうです)。
新妻・ユミちゃんを喜ばせる為、つい離れて遊んでしまった梅田君
 もしかしたら場所を取られているかもしれないと焦った田中君は、梅田君と一緒にダッシュでゴザの元へ戻るのですが、嫌な予感は的中し、既に他の人達が別のシートを上から被せて盛り上がっていました。
 そこにいた方々は、『北斗の拳』ではお馴染みの準レギュラーであるモヒカン集団みたいなガラの悪い人達で、梅田君が「あ、あのぅすみません。この場所僕がとってたんですけど…」「ホッ、ホラそこに帽子を置いて」と言っても「あーっ!なんだとーっ」「おーっ、そりゃあちっとも気づかなかったぜーっ」「オレたちゃあここが気に入ったのヨッ。消えなっ」「キサマーッ、やるかっ」本家通り小物臭がプンプンする威嚇をされ、話になりませんでした(←余談ですが、「ちっとも気づかなかった」の下りを見た時、『ジョジョ』四部で絶賛仮面夫婦中だった人妻・しのぶさんが、帰宅した夫に「あら帰ってたの。ちーっとも気付かなかったわ」としれっと大嘘をついていたシーンが脳裏に蘇りました;。言葉自体は普通ですが、マウントを取りたい相手に対して意地悪して使うケースの多いセリフだと思います…)。

 双方一歩も引かなかった為、危うく乱闘ありの大喧嘩に発展しそうになるのですが、そこへタイミングよく現れたのが荒岩主任!
 物腰は丁寧ながらも、「お楽しみのところまことに申し訳ありませんが、場所を移動してもらえませんでしょうかっ!!」と有無を言わせぬ迫力で圧倒し、無法集団を早々に追い払っていました。
 普段は分かりづらいですが、実は荒岩主任は身長180cm体重80kgというラグビー選手顔負けの堂々たる体格で、力も相撲大会で大将を務める程ずば抜けている剛の者。
 例えるなら、集団で「ヒャッハー!」と弱者から略奪する事しかできないモブのモヒカン達と、どう見ても縮尺がおかしい見上げる程に巨大で筋肉モリモリの鋼の肉体を持つウイグル獄長並に力の差がありすぎるので、そりゃあっさり逃げたくもなるかと苦笑しました;。
 世紀末なバトル漫画で敵側から定期的に提唱される思想・「力こそ正義」ですが、あながち間違いではないのかもしれません。
おかげであっさり場所をとられてしまい、焦る田中君と梅田君;やっぱり喧嘩に有利なのは、強面と体格と、有無を言わせぬ迫力ですね!
 ようやくほっと一息ついた荒岩主任達は、お得意先も招いての大掛かりなお花見会を無事開く事に成功します。
 この時、周囲に料理が好きな事をまだ秘密にしていた荒岩主任が、「空腹の人にはコレを買ってきました」と差し入れていたのが“荒岩流中華ちまき”です!
 作り方は簡単で、干しエビ・醤油・みりん・油を入れて炒めたもち米、水で戻したキクラゲ・干し椎茸・うずらの卵・小ネギ・醤油・みりん・ごま油を炒めて用意した具、七味唐辛子で味つけした高菜、栗の甘露煮を竹の皮に包んでタコ糸で縛り、蒸し器で約一時間蒸したら出来上がりです。
 ポイントは、もち米と干しエビは一晩水に浸けて使うこと、もち米を炒める時はやや多めの油を使用すること、竹の皮は水に浸して柔らかくすること、具を詰める時は隙間を作らずきっちり詰めることの四点で、こうすると竹の皮は破れずふっくらと蒸しあがると説明されていました。

 通常、中華ちまきと言うと肉なり海鮮なり食べ応えのある具が必須で、タケノコ・にんじん・長ネギといった野菜類も入れ、オイスターソースや中華スープなどで濃い目の味付けにするレシピが多いのですが、荒岩流はあえてあっさり食べられるシンプルな味わいにした模様。
 お花見では冷めても美味しい事が重視されるせいか、唐揚げ・フライドチキン・いなり寿司・サンドイッチといったしっかりした味の主食や揚げ物系が多くなりがちな為、こういう温かで優しい味わいの料理は喜ばれやすいだろうな~と思いました(←桜の季節は夜だとまだ冷える事が多いので、尚更身に染みそうです)。
 旨味は乾物から出る深い出汁のみで補い、辛い高菜や甘い栗といったオリジナリティのある具で味にメリハリをつけるなど、個性を出しにくいはずの中華ちまきでも自分らしさを出せているのが、さすが荒岩主任という感じです。
みんな荒岩主任お手製の中華ちまきに舌鼓を打ち、大満足!
 先日、ずっと探していた竹の皮を近所の100均で見つけたので再現する事にしました。
 作中には詳細な絵付きのレシピがしっかり記載されていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、お米の下ごしらえ。
 中華鍋(又はフライパン)にやや多めの油をしき、水で戻した干しエビを入れて炒め、香ばしい匂いがしてきたら、洗った後一晩水に浸けておいたもち米を投入して炒め合わせます。
 全体に油がなじんで透き通ってきたら、醤油を鍋肌に沿わせながら回しかけて混ぜて火を止め、みりんをふりかけてざっと混ぜ合わせます(←焦げ付かないように注意して下さい)。
※もち米は炒める三十分前にザルにあけ、余分な水分をきっておきます。
荒岩流中華ちまき1
荒岩流中華ちまき2
荒岩流中華ちまき3
 次は、具の準備。
 ごま油をしいたフライパンへ、水で戻して軽く絞った後千切りにした干し椎茸とキクラゲ、茹でて殻をむいたうずらの卵を入れて炒め、醤油とみりんを加えて混ぜます。
 味付けが終わったら、細かく刻んだ小ネギを投入してさっと和えます。
荒岩流中華ちまき4
荒岩流中華ちまき5
荒岩流中華ちまき6
 今度は、詰め作業。
 水に浸して布巾で水分をふき取った竹皮の下部分を折り曲げてポッケを作り、そこへ炒めたお米を入れてスプーンで上からきっちり押さえます(←隙間を作らないようにご注意!)。
 この上へ先程の具、千切りにした後七味唐辛子をまぶしておいた高菜、栗の甘露煮を入れ、それらを覆うようにしてまた炒めたお米を入れ、きっちり詰めます(←栗が季節柄みつからなかった為、甘栗を自分で煮て自家製を用意しました)。
※中華ちまきの詳しい巻き方やコツは、こちらに載っています。
荒岩流中華ちまき7
荒岩流中華ちまき8
荒岩流中華ちまき9
 全て詰め終えたらタコ糸か竹皮糸などでしっかり縛り、既に火にかけて湯気がもうもうと立ち上った蒸し器へ並べ、約一時間かけて蒸し上げます。
荒岩流中華ちまき10
 時間が経過して中のお米がきちんと蒸せたのを確認したら火からおろし、そのままお皿に盛ってテーブルへ運べば“荒岩流中華ちまき”の完成です!
荒岩流中華ちまき11
 手先が不器用なのが災いし、お店の物みたいにキレイな三角形には巻き上がりませんでしたが香りは本格派で、目をつぶると中華レストランに来ている感覚に陥ります。
 基本の具や調味料が使われていないのでどういう仕上がりなのか少し心配ですが、荒岩主任を信じて食べてみようと思います!
荒岩流中華ちまき12
 それでは、熱々ほかほかの内に竹皮をほどいて、いざ実食!
 いただきまーすっ!
荒岩流中華ちまき13


 さて、感想は…「中華仕立ての山菜おこわ風ちまき」と呼びたくなる美味しさでうっとり!ネギの香味がいいアクセントになってます!
 噛むごとにスプリングの効いたベッドのようにグンと弾むもっちりした弾力のご飯は、あっさり優しい醤油味の和テイストな味付けが特徴的で、干しエビの香ばしい出汁が行き渡った滋味深い旨さ。
 外側は蒸したおかげで、余分な水分が残ってネバついた所が一切ない餅米らしいしっかりとした歯応えですが、内側はしっとりと水分が浸透した柔らかで透明感のあるコシがあり、アルデンテとは正反対の仕上がりだと思いました(←外はパリッ&中はふんわりなフランスパン的食感)。
 一旦炒めて油を染み込ませた為、日本のおこわと違い米自体に濃いコクがあり、一粒一粒が口の中でハラリと簡単にほどけていく舌触りが印象的で、「ものすごく噛み応えがあって粘り強い和風ピラフ」というイメージです。
 この旨味が強いご飯と、七味唐辛子の華やかな香りが効いたピリ辛酸っぱい高菜はばっちりの相性で、脂っこくない高菜炒めご飯を食べている気分になりました。
 炒めた具はゴマ油の芳しい風味が濃厚に香るせいか、ご飯とは正反対の中華風なこっくり甘辛い味わいで、乾物ならではの練れた奥深い旨味エキスがじわじわと溢れてくるのがしみじみ美味で、煮詰めていなくて瑞々しい佃煮を食べている感じ。
 油で半揚げしてパリサクッとした干しエビ、生とは一味違ってクニクニシコシコした歯触りの干し椎茸、コリコリした食感のキクラゲ、プリプリほっこりしたうずらの卵がいいおかずになっていて、派手さはないものの心癒されます。
 この塩気がやや強い具の中、栗の甘露煮のお菓子みたいにねっとりした甘さと、ふかし芋のようにホクホクした口当たりが程よいアクセントになり、より全体の味が引き立つのがよかったです。


 蒸しあがってすぐに食べるのが一番お勧めですが、時間が経って冷めた後でも味が落ち着き、また違った醍醐味があってナイスでした。
 そこまでもち米料理が好きな訳ではない夫にも好評で、お酒にも合ったようです。
 オーソドックスな中華ちまきもいいですが、見た目は地味でもこういうほっと落ち着く味わいの中華ちまきもいいなぁ~と思った再現でした。


P.S.
 Sullaさん、ほーりーさん、コメントを下さりありがとうございます。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2019.03.31 Sun 00:49  |  お花見〜🎵

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見しています。桜の季節ですね。関東の僕の住んでる所でも桜の満開宣言が出て、お花見盛りです。急がないと散ってしまうので、月曜日の昼間にでも九段下の靖國神社へ行こうかな…。夜は例年に習い冷え込むことが多いので、夜桜見物は辛いです。ニュースでビニールシートの下にホットカーペットを仕込んで夜桜宴会に興じる会社の人々が報じられていました。そこまでしても人は桜を愛でながらお酒を飲みたいのですね。
荒岩さんはガタイや腕っぷしで押し通せそうな場面でも、力ずくをよしとしないところに男の美学を感じます。まあ、無理矢理追い出しても後々の揉め事の原因になりそうですし、社会人として非常にスマートな対応だったのでは、と思います。
お花見に、いなり寿司や巻き寿司ではなく中華風ちまき(しかも出来立て)なのがすごいです。テイクアウトやケータリングサービスが盛んな昨今ですが、ちまきは盲点とも言えるメニューですね。冷めても美味しい、もちもちのしっかりした味付けご飯はまさに日本人好み。餅米の食べ応えと、バラエティ豊かな具がお酒のお供にありがたい。あまり濃すぎないというのも良いですね。竹皮を準備しての再現料理お疲れ様でした^_^ 初期の「クッキングパパ」には今見ても魅力的なメニューが多いので、何回も読み返してしまいます。
これからも再現料理記事、楽しみにしています。では、また〜。

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プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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