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『クッキングパパ』の“シソの実キーマカレー”を再現!

 先日、ある食品カタログを眺めていると「牛肉は、風水の世界では<貯蓄>をあらわす食材」と書かれており、気になって調べてみました。
 すると、どうやら風水には「お金は西で呼び込み、北で貯める」という考えがあるそうで、北北東に位置する牛(丑)はお金を貯めるパワーがあるとの事でした(←「南天は難を転ずるに通じるから縁起がいい」というダジャレっぽい語呂合わせ理屈に似ているなと思います)。
 なお、悪運を振り払いお金を呼び込みたいなら西に位置する鶏(酉)がいいのだそうで、古代に祭祀用としても飼育されていたのはそういう意味もあってかな~と思いました。

 どうも、外食で鶏肉を食べるのは大好きなものの、家で鶏もも肉をさばくのは黄色い脂肪取りや筋処理が面倒でなかなか買わない当ブログの管理人・あんこです。


 今回ご紹介するのは、『クッキングパパ』にてある熟年夫婦の奥様が頂き物を使って晩御飯に作った“シソの実キーマカレー”です!
『クッキングパパ』の“シソの実キーマカレー”図
 ある日、営業で外出中の田中君は「立ち食いうどん1杯じゃ全然足りんかったなー」という理由でファミレスに向かい、本日二度目の昼食を取る事にします。
 この時、田中君にとっては「軽~~く」のつもりだったそうですが、照り焼きハンバーグLサイズのセットご飯大盛りコーヒー付きというなかなかボリューミーな注文をし、ウエイトレスさんから驚かれていました。
 某ファミレスのメニュー表で調べた所、ゆうに1000キロカロリーは超えるオーダーらしく、まるで「こんなコバラベリーには、案外ちょうどいいかもしれぬ」と言ってお昼過ぎにLサイズのミックスピザを食べた『孤独のグルメ』の五郎さん並に胃が強いな~と苦笑しました。
 けれども、確かに「完全に食欲を我慢するより、少しだけ食べた方がかえって飢えて余計に食べてしまう」現象はよくある話な為、田中君が過食に走る気持ちも分かったものです(『賭博破戒録カイジ』で、最初はペリカを貯めようとしていたカイジを、たった一本の135mlビールで篭絡した大槻班長がそれを見事に立証していますね)。

 そんな時、たまたま隣に座っていて一部始終を見ていた熟年の奥様二人が「あの人お昼2度目げな…バカよね…」「ちょっとぉ聞こえるわよ~」「あんなの亭主にしたら大変よ~」「ホントホント」などときつい噂話をし出し、田中君は「しっかり聞こえてるんですけど~(^^;)」とタジタジになります(『月曜から夜ふかし』で癖の強い一般人に容赦なく突っ込むマツコ・デラックスさんばりに毒舌で、ちょっとしたデジャブを体験)。
 誰が見て聞いているのか分からないのに正直過ぎる感想を公共の場で暴露する姿は、SNSで荒れそうな発言や画像をうっかり投稿しては炎上する利用者を目の当たりにするような気分で、読んでてハラハラしました;。
 そして、お二人は「よ~う食べんじゃあねーっ。うちのもよ~う食べるとよ」「うんうん、うちのもよ」と一通り田中君をネタにした後、徐々に旦那さんネタの方に話をシフトし、気になった田中君はつい聞き耳を立ててしまいます。
お昼も大分過ぎた頃に入ったファミレスで、田中君は強烈な奥様方と遭遇;
 それによると、お二人はほぼ同時期に定年退職した旦那さんが家にずっといるようになり、『クレヨンしんちゃん』みさえみたいな気ままなお昼タイムを過ごせなくなって鬱憤が溜まっていたようで、お互いの旦那さんの愚痴を延々と話し続けます。
 奥様が言うには、「今までは子供がおってやっと成長して出て行ったと思ったら、今度は代わりに亭主がデ~ンとおるけんねー」「まいったねー」との事で、まるでラスボス戦を終えたと思ったらまだラスボスがいてゲッとなったRPGプレイヤーみたいだな~と思いました『FF』シリーズ『DQ』シリーズに顕著な展開。プレイした当時は、クッパを倒したら終わりという『スーパーマリオ』の単純明快さを見習って欲しいと心底願ったものです…)。
 なお愚痴の内容は、旦那さんの高速道路での運転の仕方が荒いorトロいから一緒に車に乗りたくない、自分が運転したら「なぜ行かん、今行けたじゃないか」と教官気取りでイラッ☆とした、野球中継の時はリモコンを離さず贔屓のチームが負けたら八つ当たりしてきてうんざり、自分の作る料理を一度も「おいしい」と褒めた事がないなど、みんな一度はヤ○ー知恵袋や発○小町で見た事があるような内容で、リアルすぎて笑いました(←何個か当管理人の母の愚痴が混ざっているので、尚更…)。

 おかげで、顔を合わせたらすぐ険悪なムードになる為、「うちはなるべく顔を合わさんようにしとうよ。顔合わすと何か言いたくなるし、向こうも何かいいたそうやし…」「そうやね、すぐケンカになるもんね。こげんして別行動してあんたと話しとうほうが、よっぽどよかたいね」と早くも円満(?)な改善案を考え出しており、なるべくケンカしないで済むよう過ごしているようでした。
 一見、非生産的な枯れた会話に聞こえるかもしれませんが、考えてみたら二十代の頃から彼氏への軽い不満は周囲も自分も鉄板のネタで、本当は好きだけれども素直にのろけるのも気恥ずかしいのであえてお笑い話風の愚痴にして現状報告している節がある為、いくつになっても女子トークの内容はさほど変わらない物なのかもしれません(←『東京タラレバ娘』で主人公・倫子さんは「女同士つるんでいるからダメだ。つるんでいる女はいい女じゃない。 バカ言わないでよ。あれが楽しいんじゃない。だから私はこれからもつるんでやる」と何歳になっても女友達とのぬるま湯なおしゃべりは大切でやめられないと言っていますが、名言だと思います)。
一見違うように見えても、抱えている不満の元凶は同じの友達
 それから、お二人は夕方になるまでたっぷりとファミレスで命の洗濯トークをした後、「そろそろ帰らなくっちゃね」「そうね、帰ってうちのにご飯作ってやらなくっちゃね」と言い合いながら重い腰を上げ、帰宅します。
 その後、のんびり屋で無口な旦那さんを持つソバージュヘアの奥様が、実家の兄より頂いたシソの実を使ってチャッチャッと作った夕食が、この“シソの実キーマカレー”です!
 作り方は簡単で、オリーブオイルで生姜と牛挽き肉を炒めた所へ半量のシソの実と炒め玉ねぎを加えて混ぜ合わせ、全体がなじんだらコンソメの素を溶いたお湯を注いで煮込み、カレー粉・塩・こしょう・醤油・ウスターソース・ケチャップを入れて味つけし、水気がある程度飛ぶまで煮たら残りのしその実を入れてざっとかき混ぜ、ご飯の上に乗せたら出来上がりです。
 ポイントは、玉ねぎは粗くみじん切りにして食感を残すこと、あらかじめ玉ねぎはオリーブオイルで透き通るまで炒めておくこと、そのままフライパンは洗わず牛挽き肉や生姜を炒めるのに使うこと、シソの実は半分ずつ使うことの四点で、こうすると具に味がよく染みてシソの実の風味がちゃんと活きるのだとか。
 シソの実というと刺身の飾りや佃煮というイメージでしたが、調理次第でパスタやトーストなど洋風な料理にも合うみたいで、小さいのにすごいな~と思いました。
 ちなみに、奥様は黙って食べる旦那さんに「おいしかね?」と聞いていましたが、旦那さんは「んー、おいしかたい…」と初めて言葉に出して認めており、それを聞いて奥様は嬉しそうな顔をしていました。
 一見、チグハグな組み合わせなのに阿吽の呼吸で成り立っている熟年夫婦は数多いので謎に感じますが、数十年共に過ごしてきた中で独自のルールと世界観が構築され、他者からは見えない絆で結ばれているから長続きしているのだろう事が予想されますので、改めて夫婦は奥深いと思います(←作家・永井路子先生は小説の中で「夫婦というものは、どうもそのくらいなずれがあるものらしい。それでいてどこかでふしぎに帳尻のあっているところが、夫婦なるものの奇妙なところであろう」という一文を書いていますが、本当にその通りです)。
何だかんだ言っても、ちゃんと早く帰宅して晩御飯を手作りするよき奥様シソの実は旬が短いので、何気に貴重な夏の味だったりします
 ずっと手に入らなかったシソの実がやっと手に入ったので再現する事にしました。
 作中には分量とコツが明記された詳細なレシピが載っていますので、早速その通りに作ってみようと思います!


 ということで、レッツ再現調理!
 まずは、素材の下ごしらえ。
 シソの実は茎から実をしごいで外し、ざっと水洗いしてよく水切りします。
 玉ねぎは荒くみじん切りにし、オリーブオイルをしいた中火のフライパンで全体が透き通ってくるまで炒め、一旦別の容器に取り出しておきます。
シソの実キーマカレー1
シソの実キーマカレー2
シソの実キーマカレー3
 次は、炒め煮作業。
 先程のフライパンにオリーブオイルを足して熱し、細かくみじん切りにした生姜と牛挽き肉を加え、香ばしくなるまでしっかり炒めます。
 牛挽き肉から透明な肉汁が出るようになったら、半量のシソの実と別容器の玉ねぎを投入してよく炒め合わせ、全体がなじんだらコンソメの素を溶いておいたお湯を注いで煮ます。
シソの実キーマカレー4
シソの実キーマカレー5
シソの実キーマカレー6
 クツクツと沸騰してきたら、カレー粉、塩、こしょう、醤油、ウスターソース、ケチャップを加え、味を調えながらさらに煮込みます。
 水気がある程度飛んできたら、残り半量のシソの実を入れてざっとかき混ぜます。
シソの実キーマカレー7
シソの実キーマカレー8
シソの実キーマカレー9
 カレー全域にシソの実が行き渡ったらすぐに火からおろし、そのまま炊き立てご飯を盛ったお皿へたっぷりかければ“シソの実キーマカレー”の完成です!
シソの実キーマカレー10
 カレーの芳しい香りの湯気に、ほのかに旬のシソらしい若々しい風味が入り混じり、何とも夏らしい仕上がりになっています。
 生のシソの実を、それもカレーに入れて食べるのは初めてですので、一体どんな味がするのか楽しみです!
シソの実キーマカレー11
 それでは、熱々の内にいざ実食!
 いただきまーすっ!
シソの実キーマカレー12


 さて、味の感想は…びっくりする程「和」を感じさせる香味豊かな味わい!夏向きのすっきりしたカレーです。
熟年夫婦には不思議な意思の疎通があると思います
 牛挽き肉100%なせいか、今まで食べたどのキーマカレーよりもこってり深い味わいで、本格的なビーフカレーに匹敵する重厚なコクがあります。
 やや硬めで噛み応えのある挽き肉は、焼き肉みたいな香ばしい脂分でコーティングされており、細かいミンチ状とは思えぬ食べ応えがありました。
 荒く刻んだ玉ねぎのサクサクした食感や優しい甘味と、生姜のキリリとした風味がいいアクセントになっています。
 ケチャップ・醤油・ウスターソースの隠し味のおかげで、さっと煮込んだけなのに熟成したような深みがほんのり出ているのが印象的でした(←気のせいか、ちょこっとだけタコライスに似た後口)。
 シソの実がプチプチパリッとフレッシュに弾け、後からじわじわと趣のあるほろ苦さが口の中に広がるのが美味で、この優しい苦味は菜の花に少し煮ていると感じました。
 噛むごとに鼻から清々しい和のハーブの香りがふわっと抜けていくのが爽快で、牛ベースの濃いめなカレーの中で一服の清涼剤となっているのがよかったです。
 とんぶりのプチプチ感を少し思い出しましたが、あちらよりも弾ける時に勢いがある感じで、個性的な食材の中でもはっきり主張しているイメージでした。
 シソは味も口当たりも癖があるので好き嫌いが分かれますが、こちらはカレー味に煮込まれてえぐみだけ緩和されている上、種には葉のようなもっさり感がない為、万人受けしそうな仕上がりになっているのが特徴的です。


 始めに大量に入れるとどうしても香りが飛んでしまいますので、香り重視の方は仕上げに入れる量の方を多めにしたほうがいいかもしれません。
 翌日になって食べると、カレーにシソの実がなじんでまた違った美味しさになっていました。
 癖のある食べ物が得意でない夫も「うん、うまい!!」と喜んでおかわりしていましたので、香草系が苦手なかたにもおすすめしたいカレーです。


P.S.
 キンメさん、末摘花さん、kawajunさん、無記名さん、コメントを下さりありがとうございます。
 前回の前置きでご紹介したのは、ご推察通り絶対正義な551蓬莱の肉まんの事でしたが(←ふかふかでモチモチの生地と甘い玉ねぎが絶品!)、もう一種類、三宮一貫樓の肉まんの事も指していました。
 後者も夫の大阪土産で、「何故大阪に行ったのに神戸の肉まんを…?」と頭が混乱しましたが、こちらもジューシーで豚肉の旨味がでていたので、こちらもおすすめです。


●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
※レシピの分量や詳しい内容は、以前こちらでご説明した通り完全非公開に致しております。

Comment

2019.09.11 Wed 02:43  |  金欠には牛を

あんこさん、こんにちは。

この夏は個人的にインドカレー屋さんに凝っていたので、珍しいカレーの再現とても興味深く拝見しました(*゚▽゚*)
シソの実は漬物しか食べた事なかったのでカレーに入れても美味しいなんてかなり驚きました。
残暑の時期にすっきりできそうなお料理ですね!

さてさて、このあんこさんの再現を読んで、冒頭の、風水的にお金を引き寄せるパワーがある食べ物は牛であるという情報に魅せられて?しまい、すぐさま地元の銘柄牛(常陸牛)を購入したのですが、マイナーとは言え一応ブランド牛のため100グラム500円から600円を下らず、お金を引き寄せるためにお金を引き離すというオチになりまし…いやいやいやいやいやいや(>人<;)
きっと数倍になって返って来てくれることと思いますので美味しく頂きました笑笑
次はシソの実を手に入れてカレーにしたいと思います。

次回も楽しみにしております。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『どんぶり委員長』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『ミスター味っ子』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『BAR・レモンハート』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』


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・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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