『中華一番!』の“マオの四川風焼き餃子”を再現!

冬が近づくと、風に氷のような匂いが混じるのが好きです。九州は滅多に雪が降らないので、こういう些細な事で冬を感じとろうと努力する今日この頃。
こんにちは、寒い日に食べるアイスは夏とはまた違った趣があっていいと思うあんこです。

今回再現する漫画料理は、『中華一番!』にて主人公・マオが餃子大会で優勝する為に作って出品した“マオの四川風焼き餃子”です!
マオの四川風焼き餃子図
一見ただのオーソドックスな餃子に見えますが、その実マオが試行錯誤を重ねて生み出した工夫があちこちに潜んでいます。
一つ目は、差し水。一般的に差し水はお湯か小麦粉入りの水と相場は決まっているんですが、マオの場合、差し水に豚の骨を割って煮込んだとんこつスープを使用しています。こうする事によって皮にしっかりと味がつき、全体の旨味をも増すのだそうです。その為、マオの餃子は焼き餃子にしては珍しく、酢醤油やタレをつけずにそのまま食べられます。
餃子の皮の秘密1
二つ目は、餃子の皮。生地を練る際にすった山芋を入れることによって、粉っぽくなくサクサクした爽やかな食感の皮になるのだという説明がされてました。
餃子の皮の秘密2
三つ目は、餃子のあん。あん自体は特に工夫をしていない味付けの物でしたが(強いて言うなら、よく練るのがポイント)、そのあんを皮に包む時に一緒に入れる物が普通じゃありませんでした。
それは、香油ダレに漬け込んでおいた豚の背脂!この香油ダレは、八角、肉桂、香味野菜、芝麻醤、酢、ラー油などを合わせて作った辛~い四川風の味付けの物です。直接入れておくだけでは辛すぎて味を壊す為、程よい量だけ染み込む豚の背脂を漬けた物を用いたとの事でした。こうする事によって、焼いた時の熱で脂と一緒に全体にまんべんなく行き渡るのだそうです。
餃子のあんの秘密
久しぶりに読み返していると、あまりにおいしそうだったので無性に食べたくなってきました。色々と面倒くさそうですが、何とか頑張ってみようと思います。

と言う訳で、レッツ再現調理!
まず最初に作るのは、四川風香油ダレに漬けた豚の背脂。
作中にあった通り、八角、肉桂、香味野菜(にんにく・しょうが・ネギと解釈)、芝麻醤、酢、ラー油を合わせ、そこへさらに豆板醤、醤油、ごま油、砂糖、酢を加えてよく混ぜます。これで香油ダレの出来上がりです。
マオの四川風焼き餃子1
この香油ダレに、豚ロース肉から取り外しサイコロ状に切って用意した脂を漬け込み、約二日放置しておきます(脂がなくなったロース肉は、その後スタッフが炒め物にしておいしくいたry)。
マオの四川風焼き餃子2マオの四川風焼き餃子3
これが二日経過した後に取り出した豚の背脂です。思っていた以上に染み込んでいたので、ほっとしました。
マオの四川風焼き餃子4マオの四川風焼き餃子5
次は、皮の準備。
強力粉、塩、ぬるま湯をボウルに入れてなめらかになるまで練り、皮の生地を作ります。
マオの四川風焼き餃子6
生地があらかた練れたら二つに分け、その内の一つに山芋の粉をたっぷり加えて練ります(山芋入りと山芋なしとではどう違うのか確かめたかったので、二種類作る事にしました)。
マオの四川風焼き餃子7マオの四川風焼き餃子8
表面がスベスベになるまで練ったら棒状に伸ばしてラップに包み、約三十分寝かせます。
マオの四川風焼き餃子9
その間に、餃子のあん作り。
ボウルに豚挽き肉と塩こしょうを入れて練り、粘りが出てきたらオイスターソース、砂糖、醤油、ごま油、にんにく、しょうがを投入してよく混ぜます。豚挽き肉に調味料がなじんだらキャベツのみじん切りを加え、よく練ったら餃子のあんの出来上がりです(ちなみに、私はいつも こちらの方のレシピで餃子を作っています^^)。
マオの四川風焼き餃子14マオの四川風焼き餃子15
皮の生地にツヤが出ていたら、今度は皮を形作る作業。
ラップを外し、生地を包丁で十二等分に切り分けます。生地同士がくっつかないように打ち粉をたくさんふりかけたら、生地を回しながら麺棒で丸くなるように形を整えます。
どうにか格好がついたら、打ち粉をかけながら一枚一枚重ね、餃子の皮は出来上がりです。
マオの四川風焼き餃子10マオの四川風焼き餃子11
左が山芋入りで、右が山芋なしの生地です。パッと見は区別がつきませんが、よ~く見てみると、山芋入りのほうがちょっと黒ずんで見えました。キレイな円状にするのが難しかったので、少しグチャッとしています(^^;)。
マオの四川風焼き餃子12マオの四川風焼き餃子13
この皮の上に、餃子のあんと香油ダレに漬けた背脂を乗せ、一つ一つ丁寧に包んでいきます。包み終わったら、打ち粉をしておいたお皿かまな板の上に置いておきます(左が山芋入りで、右が山芋なしです)。
市販の皮と違い、手触りが柔らかく優しい感じだったのが印象的でした。
マオの四川風焼き餃子16
マオの四川風焼き餃子17
ここまできたら、いよいよ仕上げの焼き作業!
フライパンに油を多めに入れて熱し、煙が立ちそうなぐらいになったら餃子を並べます。
マオの四川風焼き餃子20
餃子の底がこんがり焼けてきたら、ラーメン用とんこつスープを餃子の半分くらいが浸かるまで注ぎ入れ、素早くフタをして蒸し焼きにします(液体タイプのとんこつスープをお湯で戻した物を使用)。この時、豚の背油が溶けやすくなるよう、通常より長めの時間をかけて焼きました。
とんこつスープをフライパンに注いだ瞬間、ものすごく香ばしい香りがしてうっとりしたのを覚えています(´∀`*)。
マオの四川風焼き餃子18マオの四川風焼き餃子19
マオの四川風焼き餃子21
水っぽい音が聞こえなくなったらフタを取り、強火で最後の水気を飛ばします。餃子の表面がカリッとしてきたら火を消し、お皿に盛り付ければ“マオの四川風焼き餃子”の完成です!
マオの四川風焼き餃子22
不思議な事にとんこつ臭さはほとんどなく、むしろにんにくの香りの方が際立っていました。皮がスープで茶色く色づいているのが食欲をそそってくれます。
マオの四川風焼き餃子23
それでは、熱々の内にいざ実食!いっただっきまーす!
マオの四川風焼き餃子24

さて、味の感想ですが…肉汁たっぷりでウマーーー(゜Д゜)!
マオの四川風焼き餃子25
香ばしくもムチムチツルンとした皮を噛み破ると、なめらかでとろけるような豚ひき肉のあんとたっぷりの肉汁が一気に舌の上に広がります。ご飯に合うというよりは単品でおいしいといった感じで、濃厚でボリュームがある餃子でした。
最初は、「とんこつスープの差し水だけで、本当にタレなしで食べれる味が皮につくのかな?」と疑っていましたが、しっかり味付けされてました。噛めば噛む程スープの旨味が滲み出てきます。手作りなせいか皮の比重が大きく、程よい歯ごたえを楽しめるのもいい感じでした。
あんの方も、奇想天外な発想の割にかなりまともなおいしさでした。背脂やあんの肉汁がすごく、一口食べるとジュッと大量に飛び出してくるので、豚肉の旨味とコクで口の中がいっぱいになります。ピリリとして刺激的な風味の香油ダレも全体にいいアクセントを与えており、餃子に新しい魅力を付け加えていました。作中でローウェン大師が言っていたように、背脂に染み込んでいる分だけなので量もちょうどよく、絶妙なバランスで全体が調和していました。
ちなみに、山芋ありのとなしのとで注意深く食べ比べてみた感想ですが、山芋ありの方がやや舌触りが良く粉っぽさもなくてウマーでした。ただ、作中で言われていたようなサクサクした歯ざわりではなかったです。焼き餃子じゃなくて、水餃子だったらもっと差が出たかもしれないと思いました。

お酒に合いそうな濃い味の餃子だったので、夜に作ってビールをやりつつ食べればよかったな~とちょっと後悔した再現でした。

●出典)『中華一番!』 小川悦司/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2015.12.04 Fri 00:20  |  どれも楽しい

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見しています( ´ ▽ ` )ノ
更新ペースの遅れを気にされているようですが、全然大丈夫!だってこんなにたくさんの記事があるんだもの!という意味も込めて、過去の記事からコメントさせていただきます。
久しぶりに触れる作品の料理は、どれも美味しそうでお酒のアテにもバッチリです(´Д` ) 「中華一番!」の料理は、ライバル達のものも含めてどれも魅力的ですね。餃子兄弟の火焔餃子や、特級厨師試験に出て来た牛肉麺のあんかけそばや、柿の実入り青椒肉絲などどれもゴクリです。
久しく忘れていた料理の数々を、時々のエピソードと一緒に思い出させてくれる、あんこさんのブログはやはりありがたいですよ。
焦らずのんびりと続けていただけたらハッピーですー(≧∇≦)長々失礼しました。では、また〜。

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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『夢色パティシエール』


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