『美味しんぼ』の“ホワイトソース仕立ての鍋”を再現!

十一月になると、年末に向かって一気に時が過ぎていく気がしますが、こういう感覚嫌いじゃないです。何かをやり残したような寂しさや戸惑いと、クライマックスへ駆け足で近付いていってるような興奮を味わえるので、なかなか味があるな~と昔から思ってました。あと、大晦日の夜のほっとするようなドキドキするような感じも好きです。
どうも、ご近所さんのクリスマスイルミネーションをワクワクしながら待っているあんこです。

今回再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて山岡さんが海原雄山との鍋対決に挑む前に試作品として料亭・岡星で作った“ホワイトソース仕立ての鍋”です!
ホワイトソース仕立ての鍋図1
ホワイトソース仕立ての鍋2
「誰もが喜ぶような究極の鍋料理を作る!」と意気込んだ山岡さんが考案した新しい鍋料理で、これまで定番だった和風鍋の常識を覆すような洋風鍋です。
鍋の出汁は、牛乳とバターと小麦粉で通常通り作ったホワイトソースを、仔牛の骨から取ったスープで薄くのばしてバターと塩を加えたもの。そして具は、玉ねぎ、白菜の具を細切りにした物、生ガキ、ヒラメです。食べ方はというと、玉ねぎと白菜の茎は最初から鍋に入れて煮るのに対し、生ガキやヒラメはしゃぶしゃぶにして食べるという別々方式で、こうする事によってそれぞれの具材の味を最高の状態にまで高められるのだそうです。
ちなみに鍋のシメは、具や溶き卵も入れない極めてシンプルなおじやでした。特に薬味はなく、各取皿で自由に振る調味料として一味唐辛子とこしょうが添えられてるくらいです。
鍋の具と食べ方
実を言うと、この料理自体よりも食べた人間達の迷言の方がとても有名で、特に栗田さんがヒラメを食べた時に口走った「シャッキリポン!」という表現は、ネットの一部ユーザー達からカルト的人気を得たほど(京極さんの「あひゃあ!」も結構いい線いってます)。何と、はてなキーワードにまで登録されているとの事で、改めて『美味しんぼ』の影響力を実感しました(^^;)。
色んな意味で新しい鍋料理なのでネット上でも賛否両論でしたが、私は非常においしそうだなと思いました。久々に読み返していると実際に試してみたくなったので、早速再現してみます!

そういう事で、レッツ再現調理!
最初に取り掛かるのは、鍋の具の準備。白菜は葉を切り除いて茎だけにし、細く切ります(葉は後日、スタッフが湯豆腐に加えておいしくいただry)。玉ねぎは細いくし切りにします。
ホワイトソース仕立ての鍋1ホワイトソース仕立ての鍋2
ヒラメ…は予算の問題で用意できなかったので、鯛の刺身で代用することにしました。最近、原作に忠実でなくてすみませんorz。この鯛を、さらに薄く切ります。
ホワイトソース仕立ての鍋3
生ガキは生食用の物を用意し、流水でさっと汚れを洗い流してザルにあけ、余分な水気をきっておきます。
ホワイトソース仕立ての鍋4
それぞれの具材が準備できたら、大皿にキレイに盛り付けます。これで、一応は鍋の具の出来上がりです!
ホワイトソース仕立ての鍋5
具の次は、ホワイトソース仕立ての出汁作り。
フライパンにバターと小麦粉を入れて弱火で炒め、粉っぽさがなくなってもったりしてきたら火を消して牛乳を一気に投入して混ぜます。塩とこしょうを加えて中火で炒め、沸騰したらベースのホワイトソースは出来上がりです。
ホワイトソース仕立ての鍋6ホワイトソース仕立ての鍋7
子牛の骨から取ったスープはBSE問題で手に入りにくかったので、やむなくコンソメスープの素で作ったスープで代用する事にしました。またまた再現度が低くなってしまいすみませんm(_ _)m。
ホワイトソース仕立ての鍋8ホワイトソース仕立ての鍋9
このスープで土鍋に入れたホワイトソースを薄くのばし、塩、バターを味見しながら加えて混ぜたらホワイトソース仕立ての出汁のできあがりです!
ホワイトソース仕立ての鍋10ホワイトソース仕立ての鍋11
ホワイトソース仕立ての鍋12
鍋を熱して沸騰させたら机に運び、その横に鍋の具材や調味料を添えれば“ホワイトソース仕立ての鍋”の完成です!
ホワイトソース仕立ての鍋13

ここまできたら、いよいよ鍋の具を入れていきます。
グツグツたぎっている鍋の中に、玉ねぎ、白菜の茎を入れ、あらかた火が通るまで待ちます(卓上コンロがなかったので、冷めてきたらガスコンロへ運んで温めなおしたりしながら熱を保ちました)。
ホワイトソース仕立ての鍋14ホワイトソース仕立ての鍋15
ホワイトソース仕立ての鍋16

野菜類が煮えてきたら、いざ実食!
まずは、カキからしゃぶしゃぶ。半生の状態まで火を通したら、いっただっきまーす!
ホワイトソース仕立ての鍋17ホワイトソース仕立ての鍋18
…とっさに言葉が出てこないくらい、すごく美味です(´Д`*)シアワセ。
噛み締めた瞬間、カキの旨味が詰まったエキスがジュワワ~ッと飛び出して来て、濃厚な磯の風味が一気に舌の上に広がります。ホワイトソースとの相性も良く、カキのクリーム煮をもっと贅沢にした物を食べているみたいだなと感じました。ツルンとした身が心地よく、いくらでも食べられそうです。
京極さんが「カキの身の甘いジュースが、口の中にジュッと…!」と言うのを内心大袈裟だと思っていましたが、実際に食べてみるとこれだけ的確な表現はないように思います。正直、カキがこんなに肉汁(?)豊富だとは知りませんでした。
カキと京極さん
あと、山岡さんが勧めていたように一味唐辛子をふって食べても目先が変わってよかったです。もちろん、完全に火が通るまでしゃぶしゃぶしてもプルッとしていて旨し!カキ万歳!

次は、同じく半生になるまでしゃぶしゃぶした鯛!いただきまーす!
ホワイトソース仕立ての鍋19ホワイトソース仕立ての鍋20
これも負けず劣らずウマー(゜Д゜)!
鯛を使ったせいか「シャッキリポン!」という食感こそしませんでしたが、ホロッとほどけつつプリプリした弾力のある身がたまらなくおいしかったです。熱を加えたおかげで脂が活性化しており、生で食べては味わえないような上品なコクを堪能出来ました。
ヒラメと栗田さん
当初はホワイトソースと鯛は合うのかどうか不安でしたが、意外とピッタリだったのでびっくりです。淡白で繊細な身だからこそ何にでも合うんだなーと、感心しました。

魚貝類をあらかた食べた後は、白菜と玉ねぎです!煮ている内に見分けがつかなくなってしまったので(^^;)、一緒に取り分けて食べます。では、いただきます!
ホワイトソース仕立ての鍋21
さて、味の感想はというと…同じに見えますが、結構味が違います。それぞれおいしいです!
玉ねぎの方は、トロトロと溶けそうなくらい柔らかくて甘く、ホワイトソースと一番調和してます。全体にうまくなじんでいて、互いに引き立てあってる感じでした。
一方白菜の茎はというと、シャクシャクした歯触りが小気味よく、一歩間違うと重くなりがちなホワイトソースの後味を爽やかにさせるのに役立ってます。味自体は特にないですが、いいアクセントだと思いました。

具を全部食べ尽くしたら、最後にシメのおじやにします。
ホワイトソース仕立てのおじや
流水ですすいで粘りを取り、水気をきっておいたご飯を土鍋に投入し、軽く煮立てたらおじやの完成です!
ホワイトソース仕立ての鍋22ホワイトソース仕立ての鍋23
それでは、器に取り分けていただきます。
ホワイトソース仕立ての鍋24ホワイトソース仕立ての鍋25
想像していたよりも、遥かに優しい旨さ。す~っと落ち着きます…。
強いて言うとホワイトソースのドリアと似た味なんですが、それよりもずっとあっさりしていて、サラサラと滑らかです。クリーム系のリゾット程濃くもなく、かといって薄い訳でもなく、スルスルと胃の中に収まりました。
一口すするごとにバターと牛乳の何ともいえないような風味とコクが口の中に溢れ、体中があったかくなります。ホワイトソースと言うとどっしりしてそうなイメージがありますが、この鍋の汁はスープで程よく割られているので軽く食べる事が出来ました。
作中で栗田さんが言っていたように確かに違和感がなく、全ての具の旨味成分がご飯やホワイトソースに溶け込んでいる感じです。シメとは言っても洋風仕立てなせいか今までに食べた事がないような味で、何だか癖になりそうです(´∀`)。

「単なるシチューじゃないか」という意見をネット上で拝見しましたが、食べてみるとそうでもなかったです。確かに作り方も味も似てはいるんですが、スープで大分薄めにのばされていたせいかどこか違います。例えるとするなら、とろみがあまりないクリームポタージュみたいでした。
反論はあるかもしれませんが、食べてみると理にかなっていてちゃんとおいしく、そこそこ鍋っぽかったので、個人的にこれはこれでありだと思います。ただ、やはり具の種類が少ないのが寂しかったので、色々具を増やして試してみた方がいいかもしれません(食べてみて合いそうだと感じたのは、豚の薄きり肉、鮭、ホタテ、きのこ、白菜などです)。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.09.29 Wed 22:13  |  

こんばんは!
検索で辿りついて見てるんですが、、、
すごいですねwww
本当に美味しそうです!

ブログを見るだけで
なんだか幸せな気分になりました!

ずっと応援してます!

  • #-
  • 木崎
  • URL

2010.09.30 Thu 19:40  |  木崎さん、初めまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

小規模なブログで普段はひっそりしていますが、検索でたどりついたとのお言葉を聞き
嬉しくなりました。こういう些細な事でご縁が出来るのは、とてもありがたいです(^^)。
「本当においしそう」という一言が明日への糧になりますので、感謝です。
普段は独りよがりな再現ばかりしている身ですが、少しでも幸せになって頂けたのでしたら
これ程嬉しいことはございません。こちらこそ、ありがとうございました。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2012.03.03 Sat 12:00  |  

昨日作って食べてみました。。。魚は私も予算の都合でチヌになってしまいましたが。。。
美味しくい頂きました^^

  • #-
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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 …『BAR・レモンハート』
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