『マリー・アントワネットの料理人』の“牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し”を再現!

ちょっと前からPSゲーム「レガイア伝説」をプレイしているのですが、後もう少しでラスボスの所にたどり着けそうです。霧によって侵食されていく世界を救い出すことが目的のRPGで、かなり前の作品なのですが結構面白いです。
こんにちは、霧のゲームというとどうしても「サイレントヒル」を思い出すあんこです。

今日再現する漫画料理は、『マリー・アントワネットの料理人』にて主人公・小次郎がとある料理対決で出した前菜“牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し”です!
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し図
『マリー・アントワネットの料理人』とは、十八世紀にルイ十六世の皇太子妃としてフランスへ嫁いできたばかりのオーストリア皇女、マリー・アントワネット(十四歳)お抱えの料理人・磯部小次郎がマリーの為に天才的な料理の腕をふるうというストーリーの、歴史兼料理漫画です。
元はといえばこの主人公、将軍家の凄腕御鷹匠料理番として出世も地位も思うままな立場にいたのですが、当時の日本では何もかもが狭くてしきたりに縛られていた為(牛乳を使った料理を「格がない」「生臭もの」と言って嫌う描写あり)料理を極めるのに限界があると悟って単身渡欧し、その神業の如き料理を出すことによってオーストリア王家の料理人として雇われ、最終的にマリーの力になるようマリア・テレジア女王からお願いされてフランスへついて来たのだそうです。
最初読んだ時は、「料理漫画でもっともスケールのでかい主人公だ…(゜Д゜;)」「もしかしたら荒唐無稽な地雷漫画かも…」とおっかなびっくりでしたが、割り切って読んでみると中身はなかなかまともで面白く(「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」の新解釈、当時の外交状況の説明など)、以来密かに応援しながら読んでいます。個人的に、大抵は「浪費好きで軽薄、国を背負う自覚がない女性」と書かれやすいマリー像が、この作品では「無邪気で心優しい、国を背負う決意がある女性」と一新されて書かれていたのが実に興味深かったです。
今回再現する“牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し”は、そんなマリーがメノルカ島を賭けた料理勝負の為に小次郎に作ってもらった一品目の料理で、鶏卵・うずらの卵・牡蠣の燻製で取った出汁とで作ったシンプルな洋風茶碗蒸しです。作中で、熱々でとろけるような味わいだと言われているのがとてもおいしそうで、いつか作ってみたいとずっと考えていました。詳しいレシピはありませんが、何とか再現してみようと思います!
茶碗蒸しの作り方

そういう事で、レッツ再現調理!
まずは、燻製牡蠣の出汁作り。作中にあるような牡蠣の燻製を探してみたのですが、オイル漬けになったものしか見当たらなかったのでそれを購入し、オイルをふき取って水から煮出します(調べてみると、どうやら燻製した牡蠣は乾燥を防ぐ為にオイル漬けにされる事が多いのだそうです)。段々お湯が白くなって出汁が出きったら火を止め、清潔な布巾で綺麗になるまで漉したら出汁の出来上がりです。想像した以上に濃い出汁だったので、びっくりしました;。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し1牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し2
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し3
出汁を冷ましている間に、今度は卵液作り。
うずらの卵をボウルへ割り入れて重さをはかり、続けてうずらの卵:鶏卵=5:5の割合になるよう鶏卵を別器で溶いておいた物を加えて、泡だて器でよく混ぜます。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し4牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し5
卵のコシがなくなったら塩、冷めた出汁を投入してさらに混ぜ、漉し器で何度か漉せば卵液の出来上がりです。この卵液を、茶碗蒸し用の器へ流しいれます。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し7牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し8
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し9
味を比べてみたかったので、鶏卵のみで作った卵液(出汁や分量は全く同じ)も一緒に作ってみました。ちなみに左がうずらの卵入りの物で、右が鶏卵だけの物です。うずらの卵入りの方が、ちょっと色が濃かったです。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し10
これらの容器を三センチくらいの水が入った大鍋にセットし、スが入らないようにゆっくり蒸します。気のせいかもしれませんが、はじめ中火で徐々に弱火にすると、スがない茶碗蒸しに仕上がりやすいように思いました。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し11
蒸しあがったら鍋から取り出し、水滴を拭いて机へ運べば“牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し”の完成です!
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し12
一応スなしに出来たのでほっとしました。香りは作中で言われている通りあたたかなでいい匂いで、フタを取った途端一気にふわっと牡蠣が香ります。不思議な事に、燻製臭はかなり弱かったです。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し13
それでは、冷めないうちにいざ実食!いただきます。
牡蠣出汁の洋風茶碗蒸し14

さて、味の感想はというと…出汁がきいていておいしいです!
牡蠣の燻製から取った出汁を使用したせいか、一般的な和風茶碗蒸しと違ってほのかなコクがあり、より力強い感じの旨さです。牡蠣の濃厚な潮の旨味がなめらかな舌触りの蒸し卵とよく合っており、熱々の内に口の中へ滑らせるとまたたくまに溶けていくのが何とも言えず美味でした。作中で言われている通り、具が全く入ってない分牡蠣と卵のみを純粋に楽しめるのが嬉しかったです。
あと、鶏卵のみの茶碗蒸しと比べてみた感想ですが、うずらの卵入りの方がわずかながら卵の風味が強かったです。出汁の分量も卵の合計グラム数も同じになるよう作ったはずなんですが…驚きです。「うずらの卵黄は意外と存在感があるな~」と感じました。普通に食べていたらまず気になりませんが、それでも気分的に濃いめを堪能したいならうずらの卵入り、あっさりめが好みなら鶏卵のみがいいかと思います。

一巻には収録されていませんが、去年雑誌にて掲載されていたトマトのスパゲティがすごくおいしそうだったので、それを再現するためにも早く二巻が出て欲しいです(^^)。

●出典)『マリー・アントワネットの料理人』 原作:白川晶 作画:里見桂/集英社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.02.23 Tue 17:07  |  

う~ん、今回も美味しそう。卵と潮の豊穣な香りが写真から伝わって来そうです。

今回の原作漫画のことはまったく存じませんでした。マリー・アントワネットといえばかの傑作「ベルサイユのばら」でのイメージが強いですが、それらと大きく異なるキャラ付けに俄然興味が湧いて来ました。
まあ、パンが無ければお菓子を~の発言は実際にマリーが言ったわけではなく、当時の貴族の誰かが発言したものが、いつのまにかマリーの発言として定着してしまったらしいですが。これもベルばらの影響ですかね?

出汁だけで味付けた具の無い茶碗蒸しといえば、美味しんぼでも以前あんこさんが再現された牛肉どんぶりと一緒に登場してましたね。
うずらの卵が鶏卵より栄養価が高いという話も、美味しんぼでやっていたと思います。

  • #dZ2c3wmQ
  • 大鳥
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2010.02.23 Tue 19:43  |  大鳥さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

今回の再現料理も褒めていただけて、すごく嬉しいです(^^)。
内心蒸し上がりが心配でしたので、うまく出来た時はほっとしました。
実を言いますと、私自身『ベルサイユのばら』が大好きでコミックスを何度も読んだ為、最初はそちらの方の印象が強かったです(ただ、池田理代子先生は『ベルサイユのばら』を書く時に丹念に資料を調べたらしく、「パンがなければお菓子を食べればいいのに」という言葉は作中で言わせていなかった為、このセリフは別の文献で知ったのだと思います)。
ちなみに今の所、「パンがなければお菓子を食べればいいのに」というセリフはルイ十六世の叔母が言ったという説が一番有力らしいです。ただ、お菓子というのはブリオッシュというパンを指している可能性が高く…と、ここから先は『マリー・アントワネットの料理人』の記述が詳しいので、これくらいにしておきます(余計な事をペラペラと話してすみません…;)。

出汁だけというと物足りないと思われがちですが、『美味しんぼ』の中で言われていた通り、確かに卵好きには喜ばしい味でした(´∀`*)。
しかし、うずらの卵の方が栄養価が高いというのは完全に読み落としていたので、少し反省ですorz(ご指摘してくださり、感謝です)。次回からは大鳥さんのように、きちんと作品を隅々まで読み込もうと思います!

これからも色んな再現料理をアップしていきますので、お手隙の際にまた見て頂けると幸いです。

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  • あんこ
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2010.02.23 Tue 20:05  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
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 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
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