『将太の寿司』の“洋風魚介のおじや”を再現!

社会人になって結構たちますが、未だにどう返答していいのか反応に困るネタふりがあります。それは、「俺、昔ワルだったんだよね」(別バージョンでは「不良だった」)。…「すごいですね」と言って欲しいのか、それとも「え~見えません」と言って欲しいのか判断がつきかねるので、今の所は「はあ、そうですか」と言って無言になるようにしています。
こんにちは、空気の読めなさはナマケモノ以上なあんこです。

本日再現する漫画料理は、『将太の寿司』にて主人公・将太君が鳳寿司のみんなにまかないとして振るまった“洋風魚介のおじや”です!
洋風魚介のおじや図
一見豪勢ですごく手が込んでいるように見える為、上司兼兄貴分である小政さんから「材料費は大丈夫だったか?」と心配されますが、将太君が言うには具は生食できなくなった魚の切れ端、出汁は白身魚の頭や中骨を煮込んで取ったもので、おかげで費用はほとんどかかっていないとの事でした。ちなみに、使用した魚はマグロ・白身・エビ・イカで、これだけ具沢山だったらさぞかしおいしいだろうな~と思わせるラインナップ(´Д`*)。
味付けは洋風にしてチーズも加え、味の決め手には念入りに炒めて甘味を引き出した玉ねぎを加えているというなかなかよく考えられた洋風おじやで、普段から鍛えられて舌が肥えている鳳寿司の兄弟子達や親方にもかなり好評でした。
おじやの材料おじやの味付け
実を言うとこの“洋風魚介のおじや”、将太君がまだ小さかった時に育ち盛りでお腹をすかせていた妹・美春ちゃんの為に、一生懸命知恵を振り絞って作ったという思い出の料理。北海道で暴利をむさぼっていた笹寿司の嫌がらせのせいで限られた材料しかなく、一日一食白いおじやと漬物しか食べられないという過酷な環境の中でも、幼くしてこんな創意工夫に満ちた料理を考え出せる将太君にはやはり天性の才能があったんだろうな~と思います。
幼き日の将太君
小学生の頃に初めて読んだ時から「食べてみたい…」と憧れていたので、個人的にとても思い入れのある漫画料理です。細かいレシピはないので自分で考えるしかないですが、何とか頑張って再現してみます!

そういう訳で、レッツ再現調理!
まずは、白身魚の出汁作り。作中では肝心の魚の名前が書かれていなかったので色々と予想してみたのですが、絵を注意深く見ると鯛に似ているような気がしたので、思い切って鯛の頭と中骨を用意しました。
この鯛のアラに塩を薄くふって三十分~一時間放置し、臭みが汁となって滲み出てきたらザルに入れて熱湯を回しかけます。軽く熱が通ったら、水で洗い流しつつ血・ウロコ・内臓・汚れを丁寧に取り除きます。これで、鯛の下ごしらえは完了です。
洋風魚介のおじや1
洋風魚介のおじや2
大鍋に多量の水とお酒(本来なら清酒でいいのですが、洋風とあったので白ワインにしました)をドボドボ注ぎ、そこへ先程の鯛のアラを加えてやや強めの中火で煮込みます。
洋風魚介のおじや3洋風魚介のおじや4
大体出汁が出きったら火を止め、キッチンペーパーとザルできれいに漉せば出汁の出来上がりです。
洋風魚介のおじや5
次は、他の材料の準備。
玉ねぎはみじん切りにしてバターで丹念に炒め、甘さを十分に出しておきます。
洋風魚介のおじや6洋風魚介のおじや7
マグロ・サーモン・イカ・タイは一口大に切り、白ワイン、塩、こしょうをまぶします(今回、出汁に使った鯛の中骨からほじった身や、買った時についてきた鯛の皮も使用する事にしました)。
洋風魚介のおじや8洋風魚介のおじや9
エビは、片栗粉、酒、塩と一緒にボウルへ投入してよくもみ、汚れが浮き出てきたら流水でさっと洗って水気をきっちりふき取ります。ここまでくれば、具は準備OKです。
洋風魚介のおじや10
今度は、いよいよ仕上げの煮込み作業。
土鍋に鯛のアラ出汁を入れて火にかけ、沸騰し始めたら具を全て加えてアクを取りながら中火で煮ます。この時、玉ねぎから漂うバターの香りが既に洋風らしさをアピールしていました。
洋風魚介のおじや11洋風魚介のおじや12
塩、こしょうで味を整えた後に冷やご飯を入れてほぐし、ご飯がお出汁と一体化したらチーズも投入して煮込みます(水でパラパラにした冷やご飯でもおいしいのですが、私の中ではそれは「雑炊」ってイメージだったのであえてそのまま入れてしまいました^^;。ちなみに、私はおじやも雑炊も好きです)。
洋風魚介のおじや13洋風魚介のおじや14
最後に味見をしてちょうどよかったら火を止め、色味としてアサツキの小口切りを真ん中に散らせば“洋風魚介のおじや”の完成です!
洋風魚介のおじや15
見た目は和風、香りは洋風って感じです。正直に白状すると材料費は千円以下ですんだのですが、黙って出したら気づかれないかも(?)しれません。バターとチーズのとろけるような匂いが、お腹を激しく刺激してきます…。
洋風魚介のおじや16
それでは、器へ適度に盛り付けていざ実食!いただきま~す!
洋風魚介のおじや17

さて、味の感想は…贅沢な味でウマー!まかないどころか、変わり種商品として出したら絶対売れそうです!!
鯛のアラから存分に煮出した上品かつ力強い潮の出汁が全体にしっかりときいており、その旨味がご飯や具材にもまんべんなく浸透しています。再現前は、チーズと鯛の出汁は果たして合うのか少々心配でしたが、試してみると意外にも相性がよく、むしろ互いが互いを引き立てて更なる美味を生み出しているっていう感じでした。豪快であると同時にきめ細やかな味わいで、玉ねぎの甘味とおじやの塩気が程よく交差してるのが特徴的です。また、洋風の味付けとして加えた白ワインやバターの風味が魚の臭みを見事に消しており、純粋な魚介エキスのみをおじやへ活かすようになっているのにも感心しました。
鶏肉と牛肉をあわせたような不思議な味がするマグロ、プリッとした弾力のエビ、淡白な旨さのサーモン、シコシコした食感のイカ、控え目な脂やしっとりした肉質がいい鯛、そしてプルプルとゼラチン質が豊富な鯛皮など、様々な具がおじやと調和していておいしかったです。作中で大政さんが「おじやというよりはリゾット」と例えていますが、どっちかというと魚介おじやとリゾットを足して二で割った料理と言った方がより近そうな一品です。スープの素を使わず、魚だけで作ったとは思えないくらいリッチで本格的な仕上がりでした。

これまでは「鯛のアラで取った出汁は、和食に使うのがいい」と頑なに信じていましたが、このおじやがきっかけで洋食に使ってもいいのかも…と思いました。柔軟に様々なジャンルの料理へ変身できるという意味でも、鯛はまさしく魚の王様だと実感した再現でした。

●出典)『将太の寿司』 寺沢大介/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
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