『ねずみのつくったあさごはん』の“森の朝ごはん”を再現!

回転すし屋で、お皿をたくさん積み上げる事を「恥ずかしい」「見られたくない」という女性が過半数を占めると知り、大ショックを受けました。というのも、私は十皿ずつになるようにお皿を数えて積み上げ、「こんなに食べられました!」と思うのが普通だったからです…orzアホデスミマセン。こんなだから「何か変」「おかしい」と呆れられてしまうんだと、ちょっと落ち込みました。
こんにちは、大方の想像通り体重はヘビー級、心臓はノミ級のあんこです。

本日作ってみる再現料理は、『ねずみのつくったあさごはん』にてねずみさんの大家族が朝に総出で作った“森の朝ごはん”です!
ねずみのつくったあさごはん図
『ねずみのつくったあさごはん』とは、今は分かりませんが十年以上前に国語の教科書に載っていた愉快な短編です。読んだ事がない方の為にあらすじを書くと、以下のようになります↓。


主人公は、小さな町の外れにこれまた小さな歯科医院を開き、たった一人で働いている若い歯医者さん。腕はいいものの、今以上の立場を望まずに細々と暮らしています。
そんなある日曜日、定休日の病院へちょこんとした小さいねずみ(大家族のお母さん)が「虫歯を直してください、お願いします」と言ってやってきます。専門外のお客さんに最初は少し困ったものの、涙ながらに「森の奥で子ねずみを八匹かかながら縫い物のお仕事をして働いています」「糸きり歯がだめになっては、暮らしていけなくなります」などと切々語りかけられた為、優しい歯医者さんは無償で歯を治してあげます。感謝したお母さんねずみは、せめてものお礼に穴の開いた靴下があったら縫いたいので、夜中の内に外へ出して置いてくださいとお願いし、歯医者さんはそれを聞き入れて眠りにつきます。
その翌朝、歯医者さんはすっかり元通りになった靴下を外に見つけて浮かれた気分になり、早速はいてみました。すると、不思議な事に急に散歩がしたい気分になってスキップをしながら森へ向かい、何らかの力(実はお母さんねずみの魔法)に導かれるようにして、ねずみの大家族が待っている森の奥の秘密の住処にたどり着きます。「ようこそいらっしゃいました」と喜ぶお母さんねずみは、子どもたちと一緒になって山の幸をふんだんに使った朝ごはんを作り、歯医者さんにご馳走するのでした。
心のこもったおいしい料理の数々に歯医者さんは感動し、ついおかわりまでしてしまいます。そして帰る際には、「こんな朝ごはんでよかったら、いつでもこしらえますから」「その靴下を履いて外へ出れば、また来れますよ」というお母さんねずみの言葉に「ありがとう、また来るよ」と答えつつ、九匹のねずみ達の小さいけれど優しくて温かな手と握手するのでした。


文才に欠ける私が無理やりまとめてしまったせいで分かりにくくなっていますが、原文はしみじみとしたいい文章でまとめられており、すらすらと読み進められる名文です。個人的に、未だに心の奥深くに残っているお話です。
作中での説明によると、この時の献立は「ふっくりと炊きたてのご飯に、山うどの味噌汁。厚焼きの玉子に、菜の花のおひたし。つくしのごまあえに、たけのこの煮付け。そして最後に、さくらんぼが三つ」との事で、絵を見てもそのどれもが格別にウマーそうでうっとりします。
また、作っている時の描写がよく、小さなねずみさん達一家がちょこまかしながらせっせと料理の歌を歌いながら作業をしている様子はかなりの名シーンだと思います(石のかまどをその場で作ってご飯を炊いたり、何人がかりかで一生懸命ごまをすり鉢ですったり…^^)。
春だからこそ味わえる材料がまだ手に入る今、早速再現してみようと思います!

そういう事で、レッツ再現調理!
本当は同時進行で作ったのですが、それだとごっちゃになって分かりづらくなってしまいますので、料理工程を一つずつ順々に書いていく方式にしてみようと思います。
まずは、つくしのごまあえ。つくしは緑っぽい胞子・泥・はかまを丹念に取り除いてきれいに洗い、熱湯で軽く茹でてアクを抜いたらキッチンペーパーで水気を拭きます(本当は近くにつくしが群生している野草の聖地があったのですが、近年野良猫たちの集会所になっているのでやめた方がいいと聞き、泣く泣くお店で買ってきました…)。
ねずみのつくったあさごはん1ねずみのつくったあさごはん2
ねずみのつくったあさごはん3
この下ごしらえしたつくしを、フライパンで香ばしく炒った白ゴマをすり鉢ですって昆布出汁・砂糖・醤油で味付けした調味料の中へ投入し、よ~く和えます。これで、つくしのごまあえの出来上がりです。
ねずみのつくったあさごはん4ねずみのつくったあさごはん5
ねずみのつくったあさごはん6
次は、菜の花のおひたし。
菜の花は塩少々を入れたお湯でさっと茹でた後に冷水に入れて冷やし(菜の花は思ったよりも火が通りやすいので、茹ですぎに注意です)、ぎゅっと絞って余分な水分をきっておきます。
菜の花から水っぽさが消えたら三等分に切り、昆布だし・醤油・みりんを混ぜておいた調味液のボウルに加えて数十分間置いておきます。ちょうどいい具合に浸かったら、菜の花のおひたしの出来上がりです!
ねずみのつくったあさごはん7ねずみのつくったあさごはん8
ねずみのつくったあさごはん9
その合間に、山うどの味噌汁作り。
山うどは皮をむいてやや細めの短冊切りにし、水に何時間かつけてアクを取っておきます。あらかたアクが抜けたらザルにあけ、かつお節の出汁と合わせ味噌で作っておいた味噌汁に投入して煮ます。山うどに熱が通れば、山うどの味噌汁の出来上がりです。
ねずみのつくったあさごはん10ねずみのつくったあさごはん11
ねずみのつくったあさごはん12
今度は、たけのこの煮付け。
米ぬかと鷹の爪で皮をむいたたけのこを下茹でし、アクが取れたら流水でぬかを洗い流します。その後、穂先は真っ二つ、中心や根元は半月形に切り(小さいサイズのたけのこを使用したので結構大きめにきりました)、かつお節と昆布のだし汁・砂糖・お酒・醤油・みりんを合わせておいた小鍋に加えてくつくつ煮つけます。
数十分したら火を消し、冷まして味を染みこませたら、たけのこの煮付けの出来上がりです!
ねずみのつくったあさごはん13ねずみのつくったあさごはん14
ここまで用意したら、いよいよ出汁巻き玉子作り。
ボウルに卵を割りいれてざっと溶き、そこへ塩、お酒、醤油、昆布出汁を加え、卵白のコシを切るようにしてお箸で混ぜます。大体混ざったら、油をしいて熱した卵焼き器に卵液の三分の一を流し入れてかき混ぜ、向こう側へ寄せるという動作を残り二回繰り返して巻きます。
全体に火が通ったら巻きすに乗せてクルクル巻き、形を整えてから切れば出汁巻き玉子の出来上がりです!
ねずみのつくったあさごはん15ねずみのつくったあさごはん16
この間に、前日に精米して吸水させといたお米を文化鍋で炊きます(ちなみに、お米の銘柄は「コシヒカリ」です)。
あと、さくらんぼの代わりに準備したいちごを水で洗い、キッチンペーパーで水滴をふき取っておきます。本来ならさくさんぼを是非とも手に入れたかったのですが、さくさんぼの旬である五月を待っているとその他の食材が手に入らなくなる恐れがあったので、断腸の想いで諦めました。
ねずみのつくったあさごはん17
これらの料理全てを器に盛り付け、机へと順番に並べていけば“森の朝ごはん”の完成です!
ねずみのつくったあさごはん18
この時期にしか食べる事が出来ない材料ばかりなので、何だか贅沢に感じます(^^)。どれもこれも素朴なのに食欲が出てくる料理ばかりな上、色合いや味のバランスが取れていた為、お母さんねずみの細やかな心遣いに改めて感服しました。
ねずみのつくったあさごはん19

それでは、いざ実食!
なお、今回は調理法や工夫に目新しい物はない為、簡単に素材と料理の特徴のみを記しておくだけにとどめます(手抜きをしてしまってすみません)。
一番目は、山うどの味噌汁。いただきまーす。
ねずみのつくったあさごはん20
見た目通り、大根に似た味わいでさっぱりしていました。ただ、大根と違うのはややエグミがある事と(アク取りがたりなかったかもしれません…orz)、もっと水気が多い身質である事です。柔らかいのに一本芯が通っている印象で、味噌とも相性がよかったです。

二番目は、出汁巻き玉子。いただきます!
ねずみのつくったあさごはん21
熱々を頬張るとあっという間にフワッとほどけ、最強に贅沢な味わいでした。今回はうまく焼けなかったのでさほどではありませんでしたが、もっと上達したら上等な和菓子のように絶品になるのだと思います(←母の出汁巻き玉子がまさにこれです)。単純でありながらも玉子の良さを一番堪能出来る、素晴らしい調理法だと思いました。

三番目は、菜の花のおひたし。いっただっきま~す。
ねずみのつくったあさごはん22
わずかな苦味と甘味がおいしく、お出汁ともばっちりの相性でした。ザクッとした茎としっとりした花の食感が絶妙で、噛むごとに野草本来の旨味がにじみ出てくるのがいいです。春ならではの味覚といった感じで、優しく香り高い味わいがよかったです。

四番目は、つくしのごまあえ。いただきますっ!
ねずみのつくったあさごはん23
シャキシャキした歯触りと何とも言えないほろ苦さが美味で、つい箸が進んでしまいます。ゴマの香ばしさと醤油味がつくしにこれ以上ないというくらい合っていました。ゴマの濃厚な油分がつくしに新たな旨さを付け足しているのが嬉しいです。

五番目は、たけのこの煮付け。いただきま~す。
ねずみのつくったあさごはん24
茎と姫皮の新鮮なサクサクという小気味良い歯応えが魅力的です。噛み締めると繊維が押しつぶれ、出汁がじゅっと出て来るのがたまりません。頼りないようでしっかりしたパワーを感じるので、「これぞ春の恵み」と感謝したくなるおいしさです。

六番目は、ご飯。いっただっきまーす!
ねずみのつくったあさごはん26
ふっくりツヤツヤとしていて、おかずなしで食べてもすごくよかったです!やはり、精米したてのお米とお鍋で炊くご飯は炊飯器のご飯の何十倍も甘くて香りもよく、最高でした。ごはんが美味だと、おかずの味までさらに引き立てられるので助かります。

七番目は、いちご!いただきまーす。
ねずみのつくったあさごはん25
甘いいちごの果汁で、さっぱり口直しが出来ました!今日は奮発して朝摘みいちごを買ってきたせいか、スーパーで買ういちごの倍以上フレッシュで実の甘味が強かったです。作中ではさくらんぼでしたので少し心残りでしたが、これはこれで華やかな気持ちになれてよかったです。

再現料理を始めた当初からずっと憧れていた料理でしたので、現実に再現できてとっても嬉しかったです!食べる本人が作ってこの味わいなので、実際にねずみさん達が自分の為に協力しながら作った朝ごはんは、これをはるかに上回るおいしさなんだろうなと歯医者さんを羨ましく思いました。

●出典)『光村ライブラリー』 監修:樺島忠夫、宮地裕、渡辺実/光村図書出版
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.04.13 Tue 22:28  |  

初めまして。
毎日更新を楽しみにさせていただいています。
私も料理漫画が大好きなので、あんこさんの再現料理、とっても楽しいです。
『ねずみのつくったあさごはん』、懐かしいです。
この話大好きだったんですよ~。
当時何度も何度も読み返しました。
思わず嬉しくなってしまって勢いでコメントをしてしまいました。
これからも更新&再現料理頑張ってくださいね。

  • #aIcUnOeo
  • イチコ
  • URL
  • Edit

2010.04.13 Tue 23:01  |  イチコさん、初めまして。

こんばんは、当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

まだ未熟な身ですが、更新を楽しみにして下さっているとのお言葉を頂けてとても嬉しいです(^^)。
私も『ねずみのつくったあさごはん』は大好きで、授業中はもちろん家に帰っても読み返してほのぼのしていた事を、つい昨日の事のように思い出します。
今にも湯気が立ち上ぼってきそうな朝ご飯の描写や、五月のクローバー畑を楽しげに散歩するシーン、そしてねずみ一家のみんなが見送りをしてくれる場面は特に好きで、今回の再現をする際にはついニヤニヤしてしまいました;。
挿絵がまたノスタルジーな感じで、どの絵も色鮮やかなのがすごくいいです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、お時間が空いた時にまた読んで頂けると幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.11.03 Wed 23:17  |  

昨日あんこさんのブログを見つけ、楽しく拝読しています( ´∀`)
あの、三月の美味しんぼ再現「鮭づくし定食」でも思ったのですが、
ご飯とお汁の配膳が逆になっています。
「汁 飯 配膳」でググると、いろいろ出てきますのでご参考までに…

  • #-
  • 通りすがり
  • URL

2010.11.04 Thu 18:17  |  通りすがりさん、初めまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

楽しく読んで頂いているとのお言葉、大変嬉しかったです(^^*)。
ご飯とお汁の配膳、間違えてしまっていて申し訳ございません。
我ながら自らの教養のなさに恥じる思いですorz。
以後、気をつけさせて頂きます。ご指摘感謝致します。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2016.04.24 Sun 21:14  |  教科書レシピ

教科書掲載作品の料理だったら、
たしか光村図書の2年に「サラダでげんき」っていう角野栄子先生の作品があります。
サラダ単品なので再現には向かないかもしれませんが、
低学年の子でも作れそうな(包丁使うとこだけは心配ですが…)レシピです。

  • #mQop/nM.
  • 国語すき
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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