『華中華』の“牛タンチャーハン”を再現!

深夜のお笑い番組『あらびき団』に出てくるリー五世という芸人さんの「シバイタロカーッ!」という片言混じりの鉄板ネタが最近お気に入りです。あの激しいノリが好きですし、赤鬼のような顔をして力いっぱい言う所がナイスです。
こんにちは、久しぶりに短い前置きに挑戦してみたあんこです。

今日再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが職場の先輩・ブーちゃんの為に考え出してあげた“牛タンチャーハン”です!
牛タンチャーハン図
ブーちゃんというと、前回のお話のせいで意地悪な先輩三人組の一人といった感じのイメージが強いかもしれませんが、その反面天然ボケで親思いな所もあり、普段はなかなか憎めないキャラクターとして描かれています。
今回のお話は、そんなブーちゃんがある冬の寒い日に関帝廟(横浜中華街に存在する関羽を祭っている廟。ハナちゃんと楊貴妃さんが初めて出会った場所でもあります)へ神頼みをしに行き、その現場に楊貴妃さんが居合わせたところから始まります。興味を持った楊貴妃さんがブーちゃんのお願いを神様に成りすまして聞いた所によると、何とブーちゃんは仙台で中華料理店を経営している両親が近々新装開店をすると聞いてつい見栄を張り、「満点大飯店では一人前の料理人になっているから、実家の店の名物になるような料理を考えてやる」と約束してしまって困っているとの事でした。
楊貴妃さんは思わず「プッ!お前はまだ下に見習い(注:ハナちゃん)が一人いるだけの下働きではないか」と笑ったり、ブーちゃんがもう全然ダメだと弱音を吐くと「バカタレ~ッ!まず、お前がシャキッとせい!!」と怒りのあまり渇を入れたりしますが;、何だかんだ言いつつも上海亭に行くがいいとアドバイスし、ハナちゃんに「チャーハンの新メニューを考えるのには、テーマがあった方がいいだろ?」「寒がりのブーちゃんと、仙台の人達の身も心も温まるやつを作ってごらんよ、ハナちゃん!」と新しいチャーハン作りをお願いします。
困ったぶーちゃん
それにしても、いつも温厚でニコニコしているハナちゃんが「…もう、楊貴妃さんったら勝手なんだから…」と珍しく口を尖らしてすねるシーンは後にも先にもこの時くらいのものなので、ついほほえましく感じました(^^*)。まあ、そのすぐ後に「日頃は厳しくもされているけど、先輩は先輩…いっちょやってみるか!!」とやる気を出しているので、ハナちゃんはやっぱり優しいいい子なのだと思います。
何打かんだ言って優しいハナちゃん
そして、上海亭にておじいさん・おばあさんの三人でアイディアを出しつつ、仙台名物になるような新チャーハンを試行錯誤しながら作ったのがこの“牛タンチャーハン”です。
仙台名物である牛タンをメインの具にする事で仙台らしさをアピールし、なおかつ体を温める効果があるしょうが・ネギ・キャベツをたっぷり使う事によって寒い冬でも瞬時に体が温まる効果もプラスされているという、相当に優れたチャーハンです。その上味がおいしい事もあり、上海亭のお客さんやブーちゃんにも大好評!その後、上海亭ご夫妻の計らいのおかげでチャーハンのレシピが書かれたメモを手に入れたブーちゃんは無事ご両親に作り方を教え、実家の中華料理店を盛況させる事に成功するのでした。
実は当初、ハナちゃんはしょうがの代わりにカプサイシンが豊富な唐辛子を使おうとしていたのですが、試食した楊貴妃さんから「ハナちゃん、こいつはいけないよ。この辛さ、平気な人もいるけど、苦手な人も多いから…」と欠点を指摘され、続けて「内臓に負担をかけずにいい感じで温めてくれるようになるには、江戸のご先祖様が食べ始めてから七世代くらいかかるらしいんだ」「日本には日本人の体に負担を与えずに体を温めてくれる物が、他にもあるんだよ」という豆知識を授けられ、唐辛子の代用として日本に古来から伝わっている食材・しょうがを薦められます。『華中華』にはチャーハンのレシピだけではなく、こういう栄養学的な事も時折詳しく書かれている為、非常に勉強になります。
楊貴妃さんの豆知識
先日ようやく牛タンを置いてあるスーパーを見つけて再現可能になりましたので、早速レシピ通り再現してみます!

そういう事で、レッツ再現調理開始!
まずは、材料の下ごしらえ。キャベツは流水で洗った後に二センチ角に切ってザルへあけ、ネギは大き目の小口切りにし、しょうがは新鮮な物を丹念に洗って皮をむかないまま多量にすりおろしておきます。
牛タンチャーハン1牛タンチャーハン2
牛タンチャーハン3
牛タンはスライスされている物をさらに一センチ角へと切り、醤油、清酒、ごま油と一緒にボウルへ入れて下味をつけます。味がなじんだらしょうがを半分だけ加え、よくもみこみます。これで材料の下準備はOKです!
牛タンチャーハン4牛タンチャーハン5
牛タンチャーハン6牛タンチャーハン7
次は、具作り。フライパンであらかじめしょうがの香味油を作った後に牛タンを投入して炒め、火が通ったら多めのキャベツとネギを加え、サッと炒めてお皿に一旦取り出しておきます。この際炒めすぎてしまうと、キャベツとネギから水分が出てしまって後々チャーハンがべたついてしまうので、あまり熱を通さない事を推奨します。
牛タンチャーハン8牛タンチャーハン9
牛タンチャーハン10
今度は、いよいよチャーハン作り。最初にこちらで紹介した基本チャーハンを作っておき、最後の最後で仕上げる前に先程作った具、残り半分のしょうがを投入し、ざっと炒めてあおります。
牛タンチャーハン11牛タンチャーハン12
チャーハン全体に具としょうがが混じったら急いで火からおろし、お皿へ盛り付ければ“牛タンチャーハン”の完成です!
牛タンチャーハン13
しょうがの優しい香りが鼻に心地よく、見るからに体が温まりそうです。春キャベツを使用したせいか濃い緑色が彩りを添えていますし、これは期待が持てます。
牛タンチャーハン14
それでは、熱々の内にいざ実食!いただきまーすっ!
牛タンチャーハン15

さて、味ですが…牛タンの旨さが効いててすごくおいしいです!
中華風のはっきりした味付けと、柔らかいようでグイグイ歯を押し返してくるような弾力が魅力的な牛タンとが意外にもよくマッチしており、基本チャーハンと見事に調和しています。今まで牛タンといえば焼き肉屋さんで塩をふって焼いて食べるというのが普通だったので、醤油味にするのはちょっと不安だったのですが、いざ食べてみるとびっくりする程合っていました。しょうがをふんだんに使っているせいか、清々しい香りな上にとても爽やかな味わいで、体が徐々にポカポカ温まっていくのがいい感じです。
甘いキャベツのザクザクとした瑞々しい食感や、さり気ないものの抑え所をしっかり抑えているネギの風味が全体へ程よいアクセントを与えており、一回食べ出すと止らなくなるくらいおいしかったです。牛タンの肉汁が行き渡っていて十分コクがあるのにしょうがのおかげでさっぱりした後味でしたし、しょうががこんなにチャーハンの食材として向いているとは新発見でした!

楊貴妃さんが指摘していた通り、ごく自然にゆっくりと体温を上昇させる事が出来ました。最近ではすっかり「体を温めるなら唐辛子をいっぱい入れた辛い物が一番!」という風潮が広まっている為、地味なしょうがはどちらかと言うと影に隠れがちですが、日本人にとってずっと身近であり続けているしょうがに思いを馳せつつ、優しく体をぬくめるのもおつなんじゃないかな~と思いました(元々しょうが派な方が見ていらっしゃいましたら、偉そうに語ってしまってすみません;)。

◎追記
ちょうどあともう一人分くらいのチャーハンが作れる牛タンが残ったので、作中では「この辛さは本来日本人には合わない」と評されてボツになった唐辛子バージョンの牛タンチャーハンも再現してみました(ちなみに、辛さは一味唐辛子と豆板醤でつけています。しょうがの部分を唐辛子に置き換えるだけで出来上がります)。
確かにビリリと辛味が強いので好みはわかれそうですが、こっちはこっちでおいしかったです。唐辛子の刺激的な風味でキャベツの甘味やチャーハンの旨味がぐっと際立ち、辛い物好きな方には喜ばれそうな味わいでした。
牛タンチャーハン16牛タンチャーハン17

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.04.30 Fri 13:06  |  目からウロコ

あんこさんこんにちは。
先日美味しんぼの“豚のバラ肉丼”をあんこさんのレシピを参考に(原作持っていないので)作ったらとっても、うまし!で美味しんぼとあんこさんに感謝しているりくですv

牛タンチャーハンですか!牛タン塩焼き大好きなので、なんだかとってもぜいたくなメニューの気がします・・。
でもとってもおいしそうですね。
それに唐辛子ではなくしょうがを使うこと、しょうがが昔から日本人の体をあたためていた・・ということに目からウロコです!
唐辛子も大好きですが、これからはしょうがもいろいろ料理に使ってみたいな~と思いました。

  • #-
  • りく
  • URL

2010.04.30 Fri 19:04  |  りくさん、こんにちは~!

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

『美味しんぼ』の豚ばら肉丼を再現して頂けたとの事で、とても嬉しかったです(^^)。内心、「これでりくさんも再現料理の同志だ!」と勝手に盛り上がってしまいました(すみません;)。
おいしい豚肉であればある程、脂身と醤油と大根おろしがいい仕事をしてくれるので、私もこれは大好きです。
その為、りくさんの「うまし!」は光栄だったですw。

牛タンを大胆に切って使うチャーハンというと一見もったいないように見えますが(^^;)、しょうがの爽やかな風味とあいまってかなりおいしく仕上がる料理なので、おすすめです。特に、牛タンが大好きな方でしたら絶対喜ばれると思います。
私もしょうがは普段調味料として少量しか使わないのでどっさり使うのは心配でしたが、確かにあまり刺激がない割には自然とぽかぽかしてくる感じがしてよかったです。先人の知恵に感謝した再現でした。
ただ、唐辛子を使用した物も全く違ったおいしさなのでお気に入りです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、お時間が空いた時にまた読んで頂けると幸いです。

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  • あんこ
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

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