『キングスウヰーツ』の“アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム”を再現!

先日、「マヨネーズの代わりにヨーグルトを使用、入れる具はきゅうりのみ」というポテサラのレシピをある本で知り、思わず戦慄しました。しかし、あちらの方からすると「ポテサラは、マヨネーズを滝の如く注ぎ込む料理」という発想の私の方こそ許せない存在なのかもしれないと、ふと思いました。
こんばんは、せめてこれからはカロリー1/2マヨネーズで自重しようと反省したあんこです。

今日再現する漫画料理は、『キングスウヰーツ』にて主人公・赤川アラタ君がヒロイン的女性・杏カオリさんにお詫びとして作った“アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム”です!
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム図
漫画『キングスウヰーツ』とは、幼い頃に自分のせいで事故にあって記憶喪失した上に行方不明になってしまった天才お菓子職人の父親と、その記憶を取り戻させる為に必要な「お菓子の王様」を探して日本中を放浪するパティシエ・赤川アラタ君(22歳)が様々なケーキを通して成長していく情熱系料理漫画です。
一巻では、手がかりを探してブラブラしていたアラタ君が偶然テレビ番組に乱入して受けたケーキ勝負で大勝利する所から、姿を消してしまった父・赤川次郎が最後に働いていたケーキ屋で働くまでの流れやフランス菓子の知識がこれでもかというくらいに詰め込まれている為、読み応え十分な出来に仕上がっています。おまけに、全巻を通してとってもおいしそうなオリジナルケーキに和菓子、そしてパティシエ業界の現実が分かりやすく丁寧に描かれているので、お菓子が好きな方にはかなりおすすめな作品です(^^)。
中でも、一番最初に私が「面白い!」と目をつけたのがこの“アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム”を紹介するくだり。ケーキ屋への入店試験に悩んでよそ見をしていたアラタ君が、失恋直後でお菓子のヤケ食いしようとしていたメガネっ子ヒロイン・杏カオリさんにぶつかって持っていたシュークリームを台無しにしてしまい、そのお詫びとして新しいシュークリームを彼女の台所で作るんですが、シュークリーム作りの色んなコツが具体的に書いてあるのですごくためになります(実はアラタ君にケーキ勝負で敗れたパティシエが元彼で、失恋したのもアラタに負けてしまったパティシエがフランスへ修行をやり直す事にした為。要するに、彼女が振られたのは間接的にアラタ君のせいであったという、非常にややこしい人間関係です;)。
アラタ君が言うには「シュークリームは出来立てが最高においしいんだよ」との事で、焼き上がったばかりのシュー皮を手で割ると「シュー(フランス語でキャベツ)」という名を体現するかの如くバリバリッとした音がしてかなりおいしいのだそうです。
シュークリームはできたてが一番!
シュークリームの由来
それも、単に一般的な肌色に焼くのではなく五分間余分にオーブンに入れておいて焦茶色に仕上げるというのがポイントで、こうする事によって最高の食感と香ばしさを併せ持ったシュー皮が出来るのだとか。ちなみに、こういうシュー皮には作りたての温かいカスタードクリームが抜群に合うというのがアラタ君の持論でした。
最後の五分
今まで食べてきたシュークリームは時間がたって冷めた物ばかりでしたので、熱々シュークリームがおいしいという新事実には相当驚きました。作中での記述によると、お店では他のお菓子との兼ね合いや量の多さもあってそういうシュークリームは滅多に食べられないとの事でしたので、こうなったら早速作中のレシピ通りに自分で作ってみようと思います!

そういう事で、レッツ再現調理!
まずは、シュー皮作り。作中の記述によると、どうやら普通のバターよりもワンランク上の発酵バターを使っていたようですのでそれを用意し、やや小さめのサイズに切ります。これを水、塩と一緒に小鍋に入れて中火にかけ、木ベラで混ぜながら溶かします。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム1アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム2
バターが溶けきってフツフツしてきたら火を消し、一~二回ふるいにかけておいた薄力粉を投入してガーッと混ぜながら再度中火にかけます。この時、粉っぽさがなくなるまでしっかり火にかけるのがポイント一です(ただし、火にかけすぎるとあっという間に焦げてしまうので要注意です)。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム3アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム4
粉っぽさがなくなったらすぐに火からおろし、そこへ溶き卵を少しずつ加えながら適度な柔らかさになるまで根気よく練り混ぜます。ポイント二は、生地を木ベラでゆっくり持ち上げる際に透けるような逆三角形に仕上げる事!これで、シュー皮の生地はほぼ出来上がりです。
※この作業は本っ当に腕がきつくなるので、「明日筋肉痛でもいい!」という覚悟が必要です;。
逆三角形ならパーフェクト
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム5アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム6
出来上がったシュー皮の生地が乾いてしまわない内に直径十ミリくらいの丸口金をつけた絞り袋へ入れ、クッキングシートを敷いた天板に約三~四センチの大きさに絞り出します。生地を出しきったら、水をつけた指かフォークで形を整えて上からアーモンドダイスを散りばめ、二百度のオーブンで二十五分~三十分かけて焼きます(途中でオーブンを開けると、温度が下がる上にしぼんでパリッとしないので絶対に開けない方がいいです。これが、ポイント三)。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム7
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム8
次は、カスタードクリーム作り。作中ではジャージー牛乳やバニラビーンズが使用されていたので、それを準備します。牛乳はそのまま、バニラビーンズは包丁で中身をしごいてから種もさやも小鍋に投入して中火にかけ、沸騰したらすぐさま火を消して冷まします。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム10アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム11
その間、ボウルへ卵黄と砂糖を入れて泡だて器で白っぽくなるまでよく混ぜ、そこへ小麦粉を加えてダマにならないようさらに混ぜます。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム12アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム13
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム14
大体混ざったら、目がやや粗い漉し器ごしに先程冷ましておいたバニラビーンズ牛乳を注ぎ入れ、まんべんなく混ぜ合わせます。このカスタードクリームの素を小鍋に移して中火にかけ、焦げに注意しながら泡だて器で絶えずかき混ぜて火を通します。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム15
クツクツと沸騰して重い手ごたえになってきたら火からおろして新しいボウルに移しかえ、仕上げに発酵バターを加えてよく混ぜます。やがてクリームにいいツヤが出てきたら、カスタードクリームの出来上がりです!
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム16
この前後に、シュー皮がタイミングよく焼きあがりました。確かに見た目は焦げ気味なので少し不安になりますが、作中でアラタ君が「信じてよ」と自信を持って言っていた事ですし、そこんとこは目をつぶろうと思います(^^;)。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム9
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム18
出来立てほやほやのシュー皮をお皿へ積み重ねながら盛り付け、その傍らへ同じく出来立てほかほかのカスタードクリームを入れた容器を添えれば“アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム”の完成です!
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム19
手に取るとじわ~~とぬくもりが伝わり、バターの芳香が冷めたシュークリームの数倍強かったのにびっくりしました。これなら期待が持てます。熱を感じるお菓子なんてホットケーキくらいしか経験がないので、果たしてどんな感じなのか非常に興味深々です。
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム20アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム21
それでは、シュー皮を真っ二つにパリパリッと割ってカスタードクリームをたっぷり乗せて、いざ実食!いっただっきまーすっ!
アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム22アラタ流シュー・ア・ラ・クレーム23

さて、味はというと…うっとりする程おいしいです(´Д`*)。当分、作り置きのシュークリームが食べられなくなりそうです…。
メガネっ子ヒロイン
外側も内側も熱々なお菓子を食べるのは初めての体験だった為恐る恐る試食したのですが、完成して五分と経っていないシュー皮とカスタードクリームは全てにおいて鮮烈そのもので、まさに五感が震えるような感動を覚えました。改めて、「出来立てはひと味違う」という常識を再確認させられます。温かいとより舌へ違和感なく溶けていってなじみやすいですし、生地とクリームの一体感がさらに高まっているように思いました。旨味が濃い材料を使ったせいか、あっさりというよりはどっしりしたおいしさで、これぞフランス菓子!という貫禄を見せつけられた気分です。
最初の一口は、その名通り生キャベツをザクザクバリッとかじっているような食感、途中からはまるで焼き立てのクロワッサンを噛み締めているみたいな豊かな後味に変化する感じで、バターや卵の香り高くてコクある旨さを心ゆくまで堪能出来ます。そこへ、ねっとりトロトロとなめらかで温かなカスタードクリームが優しく絡んで混ざり合い、例えようがない程ぴったり調和していました。また、上にかかっているアーモンドダイスがサクサク香ばしいアクセントを全体につけているのもよかったです。

お菓子を作るのはなかなか難しいのであたふたしますが、出来上がるとその苦労が一気に報われるので嬉しいです(^^)。何だかやる気が出てきましたので、今度はカスタードクリーム入り水饅頭を再現したいと思います!

●出典)『キングスウヰーツ』 大石普人/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.05.15 Sat 23:21  |  おぉ~!!・・・

再現度が半端ないです!!スゴイ!!!
実際に『キングスウヰーツ』を読むまでは、シュークリームは冷たいモノだと思ってましたし…
読んでからも、暖かいシュークリームはホントの所はどんな感じなのかな?と、全く想像が出来ませんでしたけど…

うっとりする美味しさですか~(^^*)
しかも、シュー生地の食感に加え、たっぷりのクリームをすくって食べるなんて、その贅沢さも美味しさにプラスされてるんですね!

暖かいシュークリーム…
確かに、時間や出来上がりのタイミングの関係上、お店での販売は難しいかもですね。
何だか、勿体無い気がします。

こうして自分がおススメした漫画が再現されるのは嬉しいです(^^)
次の水饅頭も楽しみにしてますね♪

  • #-
  • ミトナリ
  • URL

2010.05.15 Sat 23:53  |  ミトナリさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

再現度が半端ないと言って頂けると、非常に嬉しいです(^^)。料理再現&記事作成で結局丸一日かかりましたが、疲れが一気に心地よい物に変わりました。こういうお言葉や拍手があると、本当に更新してよかったなと思います。
私も『キングスウヰーツ』を読むまでは温かいカスタードクリームは考えもしませんでしたが、実際に食べると「フレッシュなのに、同時に複雑な旨味も兼ね備えてる…」と恍惚状態になりました。全体的な完成度を考えるなら一晩寝かせた方がいいかもしれませんが、この衝撃を味わうにはやはり作りたてしかないって感じでした。
ミトナリさんのおっしゃる通り、シュー皮に目一杯カスタードクリームをすくって幸せ気分になりました。普通のシュークリームだとはみ出て落ちる不安感がありますが、この方式だとフタがない分崩れる心配がなく、贅沢になめらかクリームを楽しむ事が出来ました(ただ、手が汚れるのでお世辞でも優雅とは言えませんね;)。
個人的に、難しい事は承知で「こんなシュークリームをお店で気軽にイートイン出来たらな~」と思いました。
なるべく水饅頭が似合う季節までにカスタードと餡子の水饅頭も再現しますので、よろしければお待ちして下さると嬉しいです(´∀`)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、お手隙の際にまた読んで頂けると幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.05.17 Mon 23:27  |  いつも楽しみにしてます

出来立てのシュークリームは私の夢の食べ物です。
冷めたモノであの美味しさなら出来立ては半端ない旨さだとずっと思っていました。
それを手作りでこしらえてしまうなんて、あんこさんは素晴らしいですね!

市販のお菓子も出来立てなら旨さ3割り増しになると思いマス。
いつか出来立てのポテチやパイの実を食べてみたいですね。

これからも無理せず続けてください。

  • #JUGsyThY
  • ほくほく
  • URL
  • Edit

2010.05.18 Tue 00:14  |  ほくほくさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

いつも楽しみにして頂いているとのお言葉、大変光栄です。
出来て間もないシュークリームは、本当に、本っ当ーーに!すごく美味でした(^^*)。
温かいカスタードクリームはより卵の風味が際立って感じられますし、焼きたての生地もこの上なく香ばしい食感ですので、一見ならぬ一食の価値はあると思います。
作中のアラタ君のアドバイスが的確なおかげで、ぶきっちょな私でも何とか作る事が出来ました。
それにしても、出来たてのポテチやパイの実も夢の味ですね~。香りだけでも断然違いそうです。パイの実はともかく、ポテチなら何とか叶えられそうなので、いつか試してみたいです。

これからも無理のない範囲で色々な漫画料理を再現していきますので、お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL
(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/556-9929c06d
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ