『風流つまみ道場』の“しめサバホイル焼き”を再現!

約二週間ほど前から、「王将」のとある支店で作られている天津飯の虜になっています。トロフワした卵と白ご飯のバランスがよく、ちょうどいい塩梅の醤油あんと一緒にすくって食べると至福の時を味わえます。しかし、不思議な事に他の支店ではそれ程でもない味(特に卵)です。あくまでも、その支店のある人の物でないとがっかりしてしまいます。やはり、卵料理はレシピよりも個人の技能が物を言う特殊な料理なんだなと実感しました。
こんにちは、未だに卵料理をマスターしきれていないあんこです。

本日再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんが晩酌用のおつまみとして用意した“しめサバホイル焼き”です!
しめサバホイル焼き図
漫画『風流つまみ道場』とは、おつまみ作りの達人である独身若手サラリーマン・錦之介こと錦ちゃんが主人公の、呑兵衛専用料理漫画です。ちなみに、作者は『酒のほそ道』を描かれている事でもおなじみのラズウェル細木先生です。
ラズウェル細木先生の前書きによると、本書は「疲れて帰ってきた自分へのささやかなご褒美としての、ひと手間かけたつまみを作る一助になれば幸いであります」という精神で作り上げている作品との事で、事実、その言葉通り様々なおつまみが紹介されています。
『酒のほそ道』と大きく違う所は、徹底しておつまみにスポットライトを当てているという点と、漫画の中に出てくる料理=創作的で詳しいレシピつきであるという点です。ある意味、『酒のほそ道』よりも料理漫画らしさは上だと思いますので、飲む事よりも食べる事がお好きな方には自信を持っておすすめしたい漫画です。
『風流つまみ道場』主人公・錦ちゃん
今回再現するのは、第五話目で錦ちゃんがお隣に住む色っぽくて美しい未亡人・マユミさんと、その新しいダーリン・辰五郎さん(一見そっち方面の怖い人に見えますが、実はウナギや飛行機が怖い臆病な一般人さん;)と一緒にお酒を飲む際におつまみとして作った“しめサバホイル焼き”。本当は自分一人でのんびり食べるはずだったのに、後からやって来た辰五郎さんに震え上がって成り行き上食べてもらったという、錦ちゃんにとって苦い思い出の一品です(^^;)。
作り方は、しめサバと玉ねぎを切ってガスレンジのグリルで焼き、最後に調味料をかけるだけという手軽さ!何でも、この料理は市販のしめサバの強烈なすっぱさや少々脂が勝ちすぎている身を和らげておいしく食べる為に、錦ちゃんが特別に発明したものなんだそうです。
市販のしめサバを使ったおつまみ
しめサバ大好き人間なので、初めて読んだ時から「これは試してみないと!」と考えていました。せっかくなので、ラズウェル細木先生が推奨する市販のしめサバで再現してみようと思います(ただ、そのまま食べるんだったら手作りが一番との事ですので、秋になったらお手製のしめサバを作ってみようと思います)!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。玉ねぎは薄くスライスし、アルミホイルにしいておきます。
※普通の玉ねぎでも新玉ねぎでもOKですが、面倒な場合は省略してもいいみたいです。
しめサバホイル焼き1
しめサバはパックから出した後にキッチンペーパーで余分な酢を丁寧に拭き取り、食べやすい大きさに切ります。私の場合、作中の絵を見ると約一センチ幅の細切りに見えましたのでそれに従いました。
しめサバホイル焼き2しめサバホイル焼き3
しめサバホイル焼き4
このしめサバを、先程用意していたアルミホイルの玉ねぎの上へそのまま乗せて包み、ガスレンジのグリルで焼きます。五~七分前後焼いて玉ねぎがシナッとしてきたら、三十秒程アルミホイルを開け、しめサバの表面だけを軽く炙らせて焼き目をつけます。この時、サバの中にまで火を通さず半生っぽく仕上げるのが最大のポイントです(玉ねぎから出ている水分が多い場合は、ティッシュかキッチンペーパーで吸い取らせておいた方が水っぽくならなくていいです)。
※オーブンレンジのグリルモードやオーブントースターで作っても大丈夫だと思いますが、その際はサバに熱が入り過ぎないよう、くれぐれもご注意を!
しめサバホイル焼き5
しめサバホイル焼き6
焼きあがったらすぐに取り出し、そこへこしょうを好きな量だけパラパラふりかけます。
しめサバホイル焼き9
こしょうでお好みの辛さになったらマヨネーズを横一文字に絞り出し、アルミホイルごとお皿の上へ乗せれば“しめサバホイル焼き”の完成です!
しめサバホイル焼き10
この料理にはビールがぴったりとの事でしたので、つい缶ビール一杯分を注いだグラスも添えちゃいました。焼きサバに酷似した香ばしい香りが部屋中に広がり、夏だというのに秋になったかのような錯覚に陥ります(気温が熱いので、瞬時に我に返りましたが;)。
しめサバホイル焼き11しめサバホイル焼き12
それでは、熱々の内にいざ実食!いただきま~す!
しめサバホイル焼き13

さて、味はというと…びっっくりする程、激ウマです。ビールとの相性が、半端ではないくらいいいです!
マユミさん、上機嫌!
香ばしく炙られた表面と、熱で活性化したサバの脂がジューシーで甘い玉ねぎと一緒にジュワッととろけ、絶句する旨さです。上にかかっているマヨネーズがまた特大級のいい仕事をしており、ガツンと濃い卵由来のコクが全体をうまくまとめていました。しめサバなのに洒落た洋風の味わいになっているので、食べた時のギャップが楽しいです。こしょうのストレートでピリッとくる辛さが適度にきいているのでダレる事もありませんし、よく出来た調理法だな~と感嘆しました。
外側のパリッとした部分と、中心のほんのり生な部分との対比が見事で、一口で二種類の味を堪能出来ます。サバの旨味エキスが染み込んでしんなりした玉ねぎが絶妙で、箸もビールもクイクイッと進みました。しめサバの甘酸っぱさにマヨネーズのまろやかさが意外な程マッチしており、居酒屋さんで出て来てもおかしくないクオリティだと思います。適度に脂分が抜けているので決してくどくないですし、大満足でした。

198円の特売しめサバでこの味を作れるとは、驚きでした。前書きでラズウェル細木先生が言っていた「自分で作ったつまみというのは、わが子のようにいとおしく、かつ、うまく感じるものです」という言葉を、心から理解した気分です。『酒のほそ道』と『風流つまみ道場』のおかげで、安くておいしいおつまみのレパートリーが急激に増え、当分嬉しい悲鳴を上げる日々が続きそうです。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.06.11 Fri 15:54  |  おいしそう!

あんこさん、こんにちは。

以前毎日新聞に『王将』の社長のインタビューが載っていましたが、王将では社員(店員)は全て料理人として扱っているのだそうです。他のチェーン料理店やファミレスなどと違い、「料理のマニュアル」的なものは存在せず、各々が料理人として料理の作り方を学び料理人としてのスキルを上げていく…。看板メニューの餃子も作り置きせず、注文を受けてから包み、調理するとのこと。だから他と違い味で勝負できるのだと。上記の話から推測するに、あんこさんを虜にした天津飯は、その支店の料理人の腕前のたまものではないのでしょうか。

う~ん、それにしてもサバ…おいしそうですね! 思わず作りたくなってきてしまいました。今日は仕事の帰りにシメサバを探してみようかな…。これビールにとても合いそうですけど、よく冷えた日本酒にも良さそうですね! これからも再現料理楽しみにしています。では~。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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  • Edit

2010.06.11 Fri 22:48  |  kawajunさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

社員や店員の全員が料理人…そこはかとなくプロ精神が感じられてかっこいい方針ですね~!
大学時代、日本料理店で少しだけアルバイトをし、身近で料理人修行の現場をチラチラと覗き見をしていたので、確かに各々が各々の料理人としてのスキルを作り上げていくという考え方は、何となく理解出来るような気がしました。
マニュアルだけでは、本当の意味での料理の仕方は身につきにくそうですよね…(現に、マニュアルのみの調理を担当した私が身につけたのは、野菜の切り方くらいの物でした^^;)。
もちろん、料理人としての技能を各自で身につけるのは至難の業でしょうし、中には「いっそ全部しきってくれ!」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、きつい分得る物は多そうですね。
何だか、あの支店の方をさらに応援したくなっちゃいました(←何様?って感じに聞こえたらすみません!)。天津飯、これ以後もちょくちょく食べに行こうと思います(^^)。

今回再現したしめサバホイル焼きは、個人的にイチオシな料理です!
しめサバを半生に仕上げられたら後はもう勝ったも同然で、一口食べるとびっくりなおいしさに出来上がります。
確かに、今から思えばビールの次には冷やした日本酒が合いそうでした。うまい肴であればある程、合うお酒の幅が広まる感じがします。今度作ったら、早速相性を確かめてみますね!

応援のお言葉を下さり、感謝です。
これからも色々な漫画料理を再現していきますので、お手隙の時にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.06.11 Fri 22:56  |  

「一手間」が難しいんですよね。ついつい買ってきた食材は、そのまま食べてしがちですから。
本当は、マグロも切り身になっているのではなく柵で買ってきて自分で切れば、ちょっとは安いのに。
私も一手間を惜しまないで、つまみや料理を作りたいと思います。

  • #-
  • oguogu
  • URL

2010.06.11 Fri 23:25  |  oguoguさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

私自身、今の時期は暑さでぐったりするので「このまま切って食べるだけでいいか…」とつい思いがちです(^^;)。
考えてみれば、「ひと手間」は「余裕」であり、しいては「食材や自分への愛情」に通じる物があるのかもしれません。
確かに、サクからお刺身を切り出してみるとかなりの枚数が出来たりするので、サクの方がお得だな~と感じます。
ただ、同時に「キレイな断面でちょうどいい厚さのお刺身に切る」という技術の難しさをも痛感する為、もっと切り方の勉強をしなければ…とも思います;。
ともあれ、自分で作るおつまみにはラズウェル細木先生が言うように、何ともいえないいとおしさを感じるのは事実なので、私も面倒臭さにめげずおつまみ作りを頑張りたいです(^^)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、お手隙の際はまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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