『華中華』の“真ん丸ゴーヤチャーハン”を再現!

大島弓子先生の名作『綿の国星』を読むと、日々の疲れが吹っ飛ぶような心持ちになります(『バナナブレッドのプディング』『さようなら女達』も好きです)。漫画界に「猫耳」という概念を初めて世に送り出したというだけでもすごいのに、一話一話の出来まで上質なので「さすが巨匠だな~」と頭が下がります;。ただ、本作はもちろん時折単行本の後ろに載っている別の読み切りもかなり面白く、特に『たそがれは逢魔の時間』は未だに忘れられない一作です。
こんばんは、小さい頃から華々しい物語よりも切ない物語の方に心惹かれるあんこです。

今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんがスタミナ不足に悩んでいたビーチバレー選手・深尾さんの為に作った“真ん丸ゴーヤチャーハン”です!
真ん丸ゴーヤチャーハン図
ハナちゃんが満点大飯店の夏限定・湘南ビーチハウスで“湘南チャーハン”を発明した数日後、今度はとある著名なビーチバレー選手・深尾美佳さんとひょんな事で知り合います。
深尾さんは数多い選手の中でも一、二を争う程の美人な上にビーチバレーも凄腕の強さを誇っているという将来有望な選手なのですが、スタミナ不足という唯一にして最大の弱点を持っている方でした(『ミスター味っ子』に出てくる野菜嫌いでバテ気味な某野球児を思い出しますね;)。その為、本来ならとっくに五輪へ出場出来る実力を持っているのに後半戦の肝心な時に粘りが出せず、それをしつこくつっついてくる心無い週刊誌によって「万年三位」というあだ名で呼ばれ続けてしまってます(蛇足ですが、『華中華』にはこういう嫌なキャラが結構多いです;)。
それを聞いて例の如く放っておけなくなったハナちゃんは「私がスタミナのつく料理を作ります!といっても、チャーハンですけど…」と深尾さんに約束し、翌日炎天下の中行われた新日本ビーチバレーリーグ大会へこっそり差し入れをしに行きます。
その時、ハナちゃんが深尾さんに渡したのがこの“真ん丸ゴーヤチャーハン”です!
後で体力がつくチャーハンを差し入れする約束
楊貴妃さんが言うには、ゴーヤは中国に伝わる五行思想の酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味の中で最も五臓の「心」(血と汗を管理する場所なので、夏場には一番気を配りたい臓器)に効果的とされている苦味が多量に含まれている野菜で、体内の熱を冷ます上に湿も乾かすという夏に最適なスタミナ食材なんだそうです。おまけに、ゴーヤには夏に失われやすい免疫力UPの栄養素・ビタミンCをレモンの三倍以上も保有している為、この時期の体力増進にはまさに打ってつけと作中には書かれていました。
スタミナをつけるならゴーヤが一番
作り方はちょっと手が込んでいて、ゴーヤ・ネギ・卵・ご飯で作る特製チャーハンをおにぎりにして生の豚ひき肉で丸く包み、片栗粉と小麦粉を半量ずつまぶして揚げれば出来上がりです。
実際に食べてみた深尾さんの感想を引用すると、「私の軟弱な心がピンと引き締まるような気がする」味との事で、ゴーヤの苦さがうまく活かされた料理みたいです。おかげで深尾さんペアは見事決勝で勝利し、無事五輪への参加権を勝ち取ることに成功するのでした。
ゴーヤチャーハンをひき肉で包み込むのがポイント
最近夏バテ気味な日々が続いていますので、それを吹っ飛ばす為にも早速作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、ゴーヤの下ごしらえ。ゴーヤを縦半分に切ってスプーンで中の種やワタを取りだし、また半分に切り分けたら食感が残る厚さに刻みます。個人的に、五ミリがおすすめです。
真ん丸ゴーヤチャーハン1真ん丸ゴーヤチャーハン2
真ん丸ゴーヤチャーハン3真ん丸ゴーヤチャーハン4
とても苦いのが好きだったり、特にスタミナをつけたい時は刻んだ時点で準備完了ですが、そうじゃない場合は塩もみした後に軽く湯がいて苦味を減らします。湯がき終えたら、ザルにあけて余分な水気をきっておきます。
真ん丸ゴーヤチャーハン5真ん丸ゴーヤチャーハン6
真ん丸ゴーヤチャーハン7
このゴーヤを塩とホタテエキスで味付けしながらフライパン(又は中華鍋)でしっかり炒め、火が通ったら別皿に取っておきます。
真ん丸ゴーヤチャーハン8真ん丸ゴーヤチャーハン9
次は、チャーハン作り。以前にご紹介した作り方で基本チャーハンを作り、そこへ先程のゴーヤ炒めを投入して手早くあおって混ぜ合わせます。こうしてゴーヤチャーハンを作り上げたらバットか大きいお皿に平たく広げながら移し、人肌くらいの温度になるまで冷まします。
※ゴーヤチャーハンがちょうどよく冷めたら、丸いおにぎりの形に握っておきます。試してみた結果、そのまま手で握るよりもラップできゅっと握った方がきれいにまとまりやすかったです。
真ん丸ゴーヤチャーハン10真ん丸ゴーヤチャーハン11
真ん丸ゴーヤチャーハン12真ん丸ゴーヤチャーハン13
その間、ボウルへ豚ひき肉、塩、こしょうを入れ、白っぽい色とねっとりした手触りになるまでよーく練り混ぜます(この時は作中の作り方に準じましたが、塩とこしょうを加える前にそのまま百回くらい手で混ぜた方がいい粘りが出ます)。
真ん丸ゴーヤチャーハン14真ん丸ゴーヤチャーハン15
この豚ひき肉をラップに薄く伸ばし、その上へおにぎりにしておいたゴーヤチャーハンを乗せ、ラップごと真ん丸に握ります。厚さはお好みで、五ミリ~一センチ程にしておいた方が無難です。但し、あんまり薄すぎたり厚過ぎたりしても破裂しやすいので、要注意です。
真ん丸ゴーヤチャーハン16真ん丸ゴーヤチャーハン17
真ん丸ゴーヤチャーハン18
出来る限り繋ぎ目が目立たないようにツルツルな表面に仕上がったら、その回りに小麦粉と片栗粉を半々ずつ入れて混ぜておいた粉をがっちりまぶし、180度の油で揚げます。最初の内はなるべく触らず、底に近い部分が固まり始めたのを確認してからコロコロ転がした方が失敗は少ないです(…と、四個中二個を破裂させた人間が言ってみますorz。あと、粉をつけたら間髪入れずに高温の油へ入れた方がいいです)。
真ん丸ゴーヤチャーハン19真ん丸ゴーヤチャーハン20
豚ひき肉にきっちり火が通ったらキッチンペーパーの上にあげ、余計な油分をきっておきます。
真ん丸ゴーヤチャーハン21
表面から油が十分に抜け、触っても火傷しない程度の温度に下がったらアルミホイルの上に乗せて“真ん丸ゴーヤチャーハン”の完成です!
真ん丸ゴーヤチャーハン22
真ん丸に揚がったチャーハン玉を少しずつ切った時、あまりにも漫画の完成図通りだったので思わず歓声を上げてしまいました(^^;)。持ち運びに便利なので、お弁当として持たせるのに向いてそうです。豚挽き肉のそそる焦げ茶色に、ゴーヤチャーハンの緑と黄色の色合いが映えてすごく食欲が湧きました。
真ん丸ゴーヤチャーハン23
それでは、出来立て熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
真ん丸ゴーヤチャーハン24

さて、味の感想ですが…これは旨し!食べるごとに元気が出て来るような、パワフルな印象のチャーハンです!
一気にスタミナがつく深尾さん
おにぎりの形にギュッと握られているのに口の中でパラリとほどけていく基本チャーハンと、ジワジワ広がる程よい苦味が特徴的なゴーヤを、外側のカラッと揚がったジューシーな豚ひき肉がしっかりと包みこんでおり、全体的にガッツリいける力強い味わいに仕上がっています(←ゴーヤの癖のある苦さが、肉のコクでいい具合に緩和されているのがよし!)。食べてみて真っ先に頭に思い浮かんだのは宮崎名物・肉巻きおにぎりで、例えるならば「中華風肉巻きおにぎり~ひき肉バージョン~」って感じの味でした。チャーハンに豚肉の濃い肉汁がまんべんなく染み込んでいて、噛むたびに味がどんどん深みを増していくのがよかったです。
ゴーヤのサクサクシャキッとした歯ごたえとネギの甘味がいいアクセントになっている為、重すぎず軽すぎずちょうどいい後味になってます。イメージ的には、「ちょっと硬めでボリュームある揚げ肉団子をおかずにしてゴーヤチャーハンを食べている」という感覚に近いので、小食の方ならこれ一個でお腹がいっぱいになるだろうなと感じました。ゴーヤ特有の苦さを純粋に旨味として楽しめる、なかなかナイスなスタミナ料理だと思います。

ゴーヤ好きの方には、きっと気に入って頂ける一品だと思います(^^)。また、ゴーヤが入っている分夏の暑い時でも面白いくらいパクパクといけちゃうチャーハンですので、ひき肉なしバージョンでも十分美味です。切って食べるのはもちろん、丸いのをそのままガブッとかじるのも悪くありませんでした(←何だか野獣になった気分になります;)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.07.31 Sat 22:07  |  タイトル見たとき・・・

丸いゴーヤにまるごとチャーハンを詰めるなんて、何て料理だ…
と思い込んでしまいましたが(笑)
「ゴーヤを具にした丸いチャーハン」だったんですね。
何という早とちり(^^;)

しかし、自分もゴーヤは好きですが、いくらゴーヤ好きと言えど、
周りが肉ではなく、ホントにゴーヤで包んでいたら…
勝手に苦さをも妄想してしまいました。
そんな料理じゃなくて良かったです(^^)

  • #-
  • ミトナリ
  • URL

2010.07.31 Sat 23:19  |  ミトナリさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

ゴーヤにチャーハンをそのまま丸詰め…それだとかなりユニークな見た目になりそうですね~!
ただ、私も最初にこの話を読んだ時は「ひき肉入りゴーヤチャーハンをラップで丸く握るのかな?」という想像をしちゃってましたので、誤解するお気持ちはよく分かります(^^;)。
このレシピだと、ミトナリさんの最初の予想よりも遥かにインパクトが薄れた見た目になりますが、ひき肉の旨味とゴーヤの苦味がちょうどよく入り交じるのでバランスがすごくいいです(^^)。
私自身ゴーヤは大好物ですが、確かに360゜ゴーヤで囲まれたチャーハンは相当に苦そうなのできついですね~。
考えただけで(´*`;)な顔になりました。以前、友人から実験台として飲まされた健康ゴーヤジュース(ゴーヤ・グレープフルーツ・レモン・きゅうり・シソなどをハニーレモンと一緒にミキサーでジュースにした物だと言ってました)といい勝負かもしれません。
なので、私もほっとしていますw。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.08.01 Sun 11:49  |  

ゴーヤが苦手なんですが
作っている過程を見るとこれはおいしそう!
塩もみだけじゃなくて湯がくと苦味が減るんですね。
勉強になります!
夏バテ対策にもなりそうでいいですね。
チャレンジしてみようと思います(*´∀`*)

  • #-
  • もちもち
  • URL

2010.08.01 Sun 22:12  |  もちもちさん、初めまして。

こんばんは、当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

ゴーヤはあの苦味が美味しさであると同時に、何とも言えない癖でもありますよね。
私と母は好物ですが、父と妹は「苦いのは好かん!」と言っていましたので、やはりどうしても好みがはっきりと分かれる食材みたいです(^^;)。
ただ、これは豚ひき肉ですっぽり包んで揚げているので苦さが程よく中和していますので、ゴーヤが苦手な方でもとっつきやすいおいしさなのではと思っています(ちなみに、ゴーヤ克服メニューとして一番おすすめなのはカレーです)。
塩もみして軽くゆがくと言うと手間がかかるように見えるかもしれませんが、ちょうどいい苦味に落ち着くのでいいですよ~。
夏バテ防止には夏野菜ですが、中でもゴーヤはイチ押しのスタミナ野菜です。
よろしければ、もちもちさんにお試しして頂けますと私も嬉しいです(^^*)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.08.02 Mon 13:12  |  管理人のみ閲覧できます

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2010.08.02 Mon 13:25  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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