『美味しんぼ』の“たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯”を再現!

先日、ずっと前から探していた『おいらん姐さん』二巻と『なんちゃって駅弁』が家に届いた為、新しい漫画料理再現の構想が次から次へと浮かんでいます。今回はネットで本探しを済ませてしまいましたが、実は私は本屋さんで望みの物をじっくり探す方が好きだったりします。確かに、ネットだと在庫さえあれば無駄なくカチカチッと瞬く間に注文が済むので非常に助かるんですが、本屋であれやこれやと探している間に「ん?これはお目当てのヤツじゃないけど面白いな…」という具合で見つかる掘り出し物が存外多いので、そういう出会いを心のどこかで期待できるのが楽しいです。こういう「ついでの発見」が意外と本命発見よりも心に響いたりする為、休日の本屋巡りはやめられません。
どうも、おかげで本屋さんにいる時間は平気で一時間以上を超過するあんこです。

今回再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて山岡さんが竹間さんの作る「日本人に生まれてよかったご飯」に刺激されて作った“たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯”です!
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯図
前回ご紹介した“油揚げ・釜揚げしらす・大根おろしのご飯”を問題新入社員・竹間君に作ってもらった山岡さんは急激に創作意欲が湧き、「よおし、じゃ俺も日本に生まれてよかったというモノを」と言っていそいそと厨房に立ちます。このくだりを読むたび、山岡さんはこの時から何も変わっていないんだな~とその料理大好きっぷりに苦笑しました。
そして、あっという間に用意したのがこの“たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯”です。軽く炙ったたたみ鰯と手作りの海苔の佃煮をご飯に乗せたらもう出来上がりという気楽な即席料理ですが、竹間君と竹間君のお兄さんは「この海苔の香りの良いこと!」「そして、まあこのご飯に合うことと言ったら…」と感激していました。山岡さんが言うにはいい海苔と酒と醤油をさっと煮るのがポイントだそうで、こうする事によってたかが海苔の佃煮でもかなり贅沢な味わいになるとのことでした。う~ん、勉強になります(「ご飯で○よ」で育った私は肩身が狭かったです…orz)。
その後、山岡さんにとっての「日本人に生まれてよかったご飯」を食べさせてもらった竹間君と竹間君のお兄さんは山岡さん夫妻にすっかり気を許し、「最近の日本料理が豪華な材料、変わった技法、派手な演出、そういう方向に向いてしまっていることに疑問を持っていたんです」「それで、兄貴と二人で材料や演出や技法にこだわらず、食べた後に<よくぞ日本人に生まれけり>と言いたくなる料理に挑戦しよう、とやってきたんですよ」と熱心に語っていました。言っている事は正論そのものですので、この先も頑張っていって欲しいな~と思いました。
技法や材料にこだわらず、純粋に「よくぞ日本人に生まれけり」と思う料理作り
ちなみに、そんな竹間君の様子を見た栗田さんと山岡さんは「今、竹間君が作ってくれた油揚げとしらすの料理を食べて、竹間君のことがよくわかったわ」「うん、食べ物は全てを語るよ」と言っていた為、内心とっさに「そ、それ本当ですか~Σ(´Д`;)?!」と野暮にも突っ込んでしまいました;。
ただ、確かに「その人が作る料理=その人の人間性」という数式は成り立ちやすいので、最終的には納得している自分がいました(大学時代、「カップラーメンは料理じゃないけど、袋ラーメンは鍋を汚すかられっきとした料理だ」と豪語していた知人がいましたが、予想通り相当な面倒くさがり屋でした;)。そう、『北斗の拳』に出てくる漢達は拳と拳のぶつかり合いで互いを分かち合いますが、『美味しんぼ』の漢達は料理と料理のぶつかり合いで互いを理解しあうのです…っ!
山岡さんの名言その一
…すみません、最後らへんで当管理人はまた勝手に暴走してしまいましたorz。深呼吸をして落ち着きます。とにかく、材料は手元にそろっていますので早速レシピ通り再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、海苔の佃煮作り。小鍋にちぎった海苔と日本酒を入れて火にかけ、菜箸で海苔がほとびてくるまでよーくかき混ぜます。この時、あまり火が強過ぎてしまうとすぐに焦げてくっつきやすくなるので、注意が必要です。
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯1たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯2
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯3
徐々に海苔がほぐれてきたら醤油を適量加え、さらに混ぜ合わせます。海苔が完全にとろけてきたら、海苔の佃煮の出来上がりです。
※これは私の勝手な蛇足ですが、「焦げるかな?焦げないかな?」くらいがいい頃合でした。
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯4たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯5
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯6
次は、たたみ鰯。たたみ鰯は板状のまま取り出し、火で軽~く炙ります。その内、表面がこんがりパリッとしてきたら手で小さくちぎっておきます。実はたたみ鰯を触れる機会は今回が初めてだったんですが、想像以上にもろい手触りなのに驚きました(あと、干物っぽいのに冷蔵保存しないとダメだという所にもびっくり)。
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯7たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯8
茶碗に盛った炊き立てご飯の上に先程のちぎったたたみ鰯をたくさん乗せ、仕上げに海苔の佃煮をこれまたどっさりかければ“たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯”の完成です!
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯9
出来立てなせいか、海苔の匂いが相当に濃いです。板海苔をさらに洗練させ、焦がし醤油を合わせたような奥ゆかしい香りがたまりません。また、市販の海苔の佃煮とは色艶からして既に違う所も心に残りました。たたみ鰯の香ばしさもよさ気ですし、簡単料理ですがこれは期待が持てそうです。
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯10
それでは、熱々の内にいざ実食!いただきまーす!
たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯11

さて、味の感想ですが…シンプルこの上ないのに、とても美味です!釜あげしらすとはまた違った良さがあります!
「日本人に生まれてよかった!」と気が合う兄弟
とにかく、海苔の香りが鮮烈。まるでそれ自体が海なんじゃないかってくらい磯の風味がプンプン漂い、口に含むと海苔本来の濃密な旨さがブワ~ッと広がります。そこへ、しんなりとガシガシの中間くらいの歯触りが特徴的なたたみ鰯が加わると、しっかり噛み締めるごとによって双方の味わいよりくっきりと鮮やかに浮かび上がって来ます。水分量が限られる事によってしらす特有の芳香と旨味がぐっと凝縮されているたたみ鰯がこの料理のキモで、これがなかったらもっと平凡な味になっている所でした。単純ながらも海産物を二重に楽しめる、素晴らしい料理です。
海苔の佃煮のふくよかな醤油味がねちっと甘い炊きたてご飯に絡み、そこにたたみ鰯の苦味を帯びた僅かな塩味が合わさると、しみじみとした心持ちにさせられます。作中で「わずかに苦みのあるたたみ鰯の風味は、それだけでは深みがないけれど、この煮た海苔と一緒になると素晴らしく豊かに味が膨らみます」と言われていますがまさにその通りで、二つの素材の相性の良さがおいしさを何十倍にも高めていました。特にあっと驚くような仕掛けはないのですが、本当に素直な感じの旨さなので"油揚げ・釜揚げしらす・大根おろしのご飯"と同様「日本人に生まれてよかった~(^^)」と癒されます。

たたみ鰯の旨さが効果的に活かされているので、心に残ります。焦がしネギ味噌や生卵、塩鮭、納豆がご飯に合うおかず四天王と考えていましたが、これは一度選定をやり直す必要がありそうです;。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.09.11 Sat 15:49  |  

あんこさんこんにちは

たたみ鰯のご飯美味しそうです。
たたみ鰯って冷蔵保存なんですね、知らなかったです
海苔もつやがあっておいしそうですね~

確かに山岡さんは勝手に闘志に火がついて料理作っちゃったりとかしますが
あれって結構失礼なんじゃないだろうか?なんてはらはらしちゃいますw
今回の話も、せっかく新入社員の子が料理を作ってくれたのに
「おいしいね~」で終わっておけばいいものの
前に作った料理よりも美味しいものを作ってしまったりとかって
結構相手に失礼なんじゃないかと思ってしまいますw

まぁそれが山岡さんなんですけどw

このご飯もそうですが、もう一つのご飯も、材料はとてもシンプルだけど
海苔を手作りしたり、しらすを釜揚げにしたりと、
ちょっと一工夫するだけで、何倍も美味しくなるんだなぁと感心します。
料理の基本ってこういうところにあるのかな?なんて思います。

これからも再現料理楽しみにしてます。

  • #LO6ZGGAI
  • 玲音
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2010.09.11 Sat 17:58  |  はじめまして

以前から閲覧させてもらっていましたが、今回はじめて書き込ませてもらいます。
昨日前回の油揚げ、しらす、大根おろしのご飯を試してみたら大変美味しかったので
今回の畳鰯と海苔の佃煮のご飯も今度試してみたいと思います。
毎回どんなレシピを再現されるか楽しみにしているので、これからも頑張って下さい。

  • #/.l3IRCs
  • 皇聖夜
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2010.09.11 Sat 19:59  |  玲音さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

おいしそうと言って頂けますと、すごく嬉しいです(^^)。
私も、最初は常温保存でいいんじゃ…と勘違いしていましたが、デパートで包んでもらう時に保冷剤がついてきたのを見て「ああ、やっぱり冷やさないと駄目なんだな…」と実感させられました。
あと、海苔の佃煮は手作りだと恐ろしい程艶やかに仕上がる為、作っている最中はかなりワクワクしました。

玲音さんのおっしゃる通り、山岡さんの行為は失礼に当たらないか読んでてビクビクします;。
これは別の本で得た情報ですが(国内ではなく海外の場合)、気さくなお店はキッチンを貸すのにそこまで抵抗はないものの、ちょっと上流のお店でそんな事をお願いしたら憮然とされてすぐさま追い出されるケースがほとんどだと書いてありました。
多分、日本でも似たり寄ったりだと思いますが…山岡さんは雄山氏に似て我が道を行く人なので、回りの人間はもはや「この人は一旦言い出したら引かないから…」と諦め半分な心境で貸しているのかもしれませんね;(もしくは、雄山直伝の料理の腕を間近で見るチャンスと捉えている…というのは考え過ぎですね、すみません)。
こと料理に関しては新入社員相手でも決して譲らない山岡さんに、私もつい苦笑しました。

難しい料理を極める事も大変だとは思いますが、最近はシンプルな材料と単純な作り方で全く別次元なおいしさを引き出す方こそより困難なのでは、と考え始めています。
かの有名な料理研究家の土井氏曰く「料理はいじりすぎるとまずくなる」との事で、「ちょっとした一工夫」だけでどれだけ素材の良さや個性を引き出せるかが料理の極意だと感じています。
昔は手を加え過ぎて味を台無しにしてしまっていた為、改めて料理の難しさを痛感させられました;。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お時間が空いた時にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.09.11 Sat 20:11  |  皇聖夜さん、初めまして。

こんばんは、当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

以前から読んで下さっているとのお言葉、大変光栄です。
「油揚げ・釜揚げしらす・大根おろしのご飯」を作って頂けた上においしく召し上がって下さったと知り、とても嬉しい気持ちで一杯になりした(´∀`*)。
あくまで『美味しんぼ』の手柄であり、私の功績などは微塵もありませんが、それでもありがたかったです。
今回再現した「たたみ鰯と海苔の佃煮ご飯」も和食らしいあっさりかつ複雑なおいしさですので、よろしければお試しして頂きますと何よりです(^^)。

楽しみにして下さっているというコメントを頂くたび、「よーし、また頑張ろう!」という意欲がふつふつと湧き上がって来る為、感謝です。
これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.09.11 Sat 21:49  |  

『ごはんですよ』は、それほど馬鹿にした物では無いと思いますよ。『ごはんですよ』で海苔の佃煮の味を知った人は多いでしょうから。海苔の佃煮の味を知れば、もっと美味しい物は無いかと捜すことも出来ます。あんこさんのように。初心者向けの商品があってこそ、それを超える商品を捜す、買う気になるのではないのでしょうか。今回の再現料理とは関係ありませんけど。
ちなみに私は、親が買ってくれた『ごはんですよ』が甘すぎると感じた、おませな子供でした。

  • #-
  • oguogu
  • URL

2010.09.11 Sat 22:24  |  oguoguさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

そう言って頂けますと、ありがたいです(^^;)。
実は長らく私にとって「海苔の佃煮=ご飯ですよ」でしたので、結構思い入れがある方だったんです。
ただ、確かに甘味が強いのが気になりますし、何より海苔の風味がうやむやなのが大人になってから気になっていました。
その為、『美味しんぼ』にて習った海苔の佃煮を初めて作って食べた時はなかなか衝撃的でした。
甘くなくておかずにぴったり、その上海苔の香りと旨味が十二分に引き出せていて…確かに、「ご飯ですよ」という前段階があったからこそ、感動はより大きかったんだと感じます。
それにしても、幼い時から「ご飯ですよ」を甘く感じていたoguoguさんの繊細な味覚に脱帽です(私の小さい時はとにかく質より量で、ご飯により合う濃いおかずやお腹が膨れる物ばかり選んでいました;。例えばステーキよりも豚のしょうが焼き、味噌汁よりもけんちん汁、そしてケーキ一個よりも餡パン三個というように…;)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の時にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.09.12 Sun 01:50  |  

以前作ろうと思ったんですが、タタミイワシが高くてやめた記憶が・・

これいくらししましたか?

2010.09.12 Sun 02:00  |  ギンさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。

コメントをして下さり、ありがとうございます。
私が買ったたたみ鰯は、約三百八十円くらいしました(^^)。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
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 …『土曜日ランチ!』
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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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