『おかわり飯蔵』の“フグと水菜のパリ鍋”を再現!

最近、便利な言葉なのか上司が職場で「じゃあ、女子達はそれでお願いします」とよくおっしゃるのですが、内心かなりいたたまれない思いになってます…(特にこだわるべきではない、取るに足らない事かもしれませんが;)。しかし、田舎でよく見かける六十代以上の女性達で構成された「○○若妻会」「▲▲女子の部」には何も違和感を感じないので、不思議です。
どうも、マイナス五歳肌どころかプラス十歳肌の持ち主な管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて飯蔵さんが「安い・美味しい・豪華」と三拍子揃った忘年会用お鍋として紹介した“フグと水菜のパリ鍋”です!
フグと水菜のパリ鍋図
ある冬の夜、飯蔵さんはさくらさんが初の幹事を務めることになった編集部の忘年会会場の下見を手伝う為に、ある有名なちゃんこ鍋屋さんを訪れます。しかし、内装は歴史がありそうで趣があるものの、初めてやって来たらしきお客さんに対して傲慢で嫌味な対応を取るようなお店だったのを確認した飯蔵さんは、呆れるやら怒りを感じるやらしてすっかり食事をする気をなくしてしまいます。そして、邪険にされていたそのお客の男性をちゃんこ鍋屋から連れ出し、詳しい事情を聞きだす事にします(それにしても、完全に初対面の男性に対してこんなに面倒見がいい飯蔵さんは相当な男前だと思います;)。
男性の名前は坂本君といい、本人曰く「ヤンキー崩れ」。田舎でワルを続ける生活を止めようと考えて上京したものの、切れやすい性格が災いして仕事が長続きした事はほとんどなかったそうですが、今のコンビニで奈緒ちゃんという優しい女の子と出会って偏見なく接されるようになってからは心機一転し、長く働き続けられたとの事。けれども、その奈緒ちゃんも今月限りで田舎に帰る事が決定した為、坂本君は最後に何とか思い出作りをしたいと思い、奈緒ちゃんを含めたバイトの人間みんなで忘年会をする事にします。ただ、奈緒ちゃんの手前つい「有名なお店にツテがあるからそこで忘年会をしよう!」と坂本君は見栄を張ってしまった為、何とか激安で豪華な忘年会が出来る会場を探そうとしたものの…結果は、冒頭にあるとおりの散々な物になってしまいます;。
「もう安い居酒屋で忘年会やるしかないよな…」と坂本君は大いに落ち込みますが、飯蔵さんは事も無げに「お前んちで忘年会やるどー!」「ワシがお手軽で豪華な鍋を教えちゃる!」と豪語します。そして、飯蔵さんが千五百円前後というお手頃価格で買えちゃうフグ・身欠きフグで作れるお鍋として坂本君に実地で教えてあげたのが、この“フグと水菜のパリ鍋”です。
身がきフグは驚きの安さが特徴
作り方はものすごく簡単で、薄くスライスして塩と片栗粉をまぶした身欠きフグを、水菜やお酒と共にフライパンで火を通せばすぐに出来上がります。そのまま食べてもよし、柚子入りポン酢で食べてもよしで、作中の表現を引用すると「まるで筋肉のかたまりみたいだ!」「フグってうんめえな~!」なんだとか。想像するだけでたまらないものがあります(・∀・*)。
ちなみに、身欠きフグとは頭・内臓・皮・毒の部分を取り除いた比較的安価で小ぶりなフグの事で、トラフグみたいな高級フグにはおよばないものの肝心な味の方はちゃんとおいしいという庶民の味方食材です。実を言いますと、母の実家はフグの本場である山口県の為、身欠きフグ自体は小さい頃から慣れ親しんでいましたが、正直お鍋に使うというのは初耳なので初めて読んだ時は仰天したのを覚えています;。おまけに使用するのは「焦げ付かないし、割れない」という理由でフライパンオンリーですので、一体どんな感じなのか興味は尽きません。
フライパンでパリ鍋を作る理由
原作では“フグと水菜のパリ鍋”は大好評で忘年会は無事成功し、坂本君は友達も未来の恋人もゲットできるというハッピーエンドを迎えることが出来ましたが(こういう書き方をすると、何だかチャレ○ジの付録についてくる出来すぎなおまけ漫画みたいで気が引けるのですが;)、実際に試してみるとどうなのか早速試してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、フグの下ごしらえ。身欠きフグは包丁で慎重に三枚卸ろしにした後、出来るだけ薄く仕上がるよう斜めに削ぎ切りにします。一匹目、二匹目だと慣れなくて身がボロボロになっちゃいましたが、数をこなすごとに段々うまくなっていきましたのでほっとしました(^^;)。内臓や頭がなくて扱いが簡単な分、魚をあまり捌いた事がない方でも挑戦しやすい食材だと思います。結構弾力があるので、触るとプニプニしてて気持ちがいいです。
フグと水菜のパリ鍋1フグと水菜のパリ鍋2
フグと水菜のパリ鍋3
このフグの身をボウルに入れ、塩をうっすらかかる程度にふりかけたら片栗粉も同時にまぶし、身が崩れないくらいの力加減でよく揉みあわせておきます。これで、フグは準備OKです!
フグと水菜のパリ鍋4フグと水菜のパリ鍋5
フグと水菜のパリ鍋6
次は、鍋作り。三~四センチ程の長さに切った水菜とお酒少量をフライパンに敷いき、中火でじわじわ熱を通します(強火すぎず弱火過ぎずな火加減がベストです)。
※これだけだと具があまりにも寂しすぎるように見えるかもしれませんが、これ以上増やさない方が統一感が出る上、フグの味がグンと活かされるので断然このままがおすすめです。ですが、「どうしてもボリュームを出したい…」と言う場合はきのこ類のみをちょろっと乗せる事を推奨いたします。
フグと水菜のパリ鍋8フグと水菜のパリ鍋7
フグと水菜のパリ鍋9
水菜から水分が少しずつ出てきたら薄切りのフグを乗せて、さらに火を通します。この時、出来る限り一枚ずつ広げながら入れないとフグ同士がくっついてしまいますので注意が必要です。
フグと水菜のパリ鍋10フグと水菜のパリ鍋11
その間、青柚子の皮と果汁をポン酢に混ぜて作った特製ポン酢を用意しておきます。通常、フグの薬味は香りが強すぎない物が向いているとされていますが、面白いことにこのお鍋は柚子の香りがばっちり合います(^^)。もちろん、青柚子でなくても普通の柚子・カボス・すだちなどを使用してもおいしいです。
フグと水菜のパリ鍋12フグと水菜のパリ鍋13
フグと水菜のパリ鍋14
フグの身に火が完全に通りきったら、“フグと水菜のパリ鍋”の完成です!
フグと水菜のパリ鍋15
思っていたよりもずっとフグらしい見た目だったので、少しびっくりしました(←一応フグなので当然なんですが;)。プリンとした状態のまま火が通っているフグの身がとてもきれいで、パッと見は高級そうに見えました。透明感のある純白色のフグと、目にも眩しい緑色の水菜の組み合わせが食欲をそそります。
フグと水菜のパリ鍋16
それでは、そのままor青柚子入りポン酢をつけていざ実食!いっただっきま~す!
フグと水菜のパリ鍋17
フグと水菜のパリ鍋18

さて、味はというと…名前通りパリパリした食感が小気味良くておいしいです!鍋にしては、食後感が極めて爽やかなのが衝撃的でした。
パリ鍋に大感激するなおちゃん
安価な身欠きフグなのでさすがに通常のフグ鍋程深みのある味わいではありませんが、それでもフグはフグな為、若干軽めではあるものの十分にリッチなおいしさを堪能出来ます。薄くそぎ切りにしているはずなのに身がかなり筋肉質なせいかプリプリしており、おまけに片栗粉をまぶしたおかげでツルツルと滑るような舌触りの膜がうっすらと張っており、とてもしっとりした食感になっていました。しんなり煮えた水菜のバリバリシャキシャキと賑やかな歯触りが絶妙なアクセントをプラスしているのも相当にウマー(゜Д゜)ですし、柔らかなフグの身といい対比になって抜群に合っているのがよかったです。また、フグの優雅な香りと水菜の瑞々しい香りがむせ返るようにして立ち上ぼるので、どの鍋よりも湯気の匂いが格段に素晴らしいのが特徴的でした。
そのまま食べるとさっぱり塩味でフグの旨味がズシンとダイレクトに伝わる感じ、青柚子入りポン酢で食べると柚子の果汁で鮮やかな酸味がついてあっさりと味わい深い感じで、どちらもそれぞれ違った印象で美味だったです。汁気がほとんどない為、「鍋」の醍醐味というよりは「蒸し焼き」的な旨さの方が強かったですが;、フグならではの繊細な後味を壊さず斬新に楽しめる新感覚の創作料理だと感じました。どの白身魚よりも贅沢な美味しさだと思います。

強いて言うなら鍋には必ずつき物な〆料理が作れないのが難点でしたが(汁が少なすぎるので;)、それを差し引いても満足な仕上がりの料理です。ちなみに、お酒は日本酒にぴったり合いました(^^)。フライパン一つで出来るので洗い物も楽ですし、何より手軽にささっと作れるのが嬉しかったです。

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.11.19 Fri 21:15  |  

美味しそうですね~
年齢もあってか^^;こってりよりこういうあっさりとしたものに惹か
れるこの頃です。

身欠きフグという食材はじめて知りました。
こちら(兵庫県)では売ってないような・・・売ってるのかな?
少なくとも、私が行っているスーパーには売ってないと思います。

それにしても、本当毎回おつかれさまです。
とても楽しみにしているので、末永い連載よろしくお願いします^^

  • #-
  • ぷぅ
  • URL

2010.11.20 Sat 09:27  |  ぷぅさん、こんにちは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

正直、私も年々こってり料理のよさよりあっさり料理の奥深さ
の方に惹かれつつあります;。最近ではカップラーメンを一個
食べるだけでも一日中胃もたれする有様で、お恥ずかしいです…orz。

身欠きフグは、九州北部や山口県周辺では結構メジャーな食材です。
安いと入ってもそこそこのお値段なのでそこまで浸透しているわけではないですが、
味自体は美味しい上、から揚げにするだけでもウマーだというお手軽さで
地元民から愛されています(^^)。ただ、こっちでもスーパーにおいてあると
やはり珍しい方です(安価な年に一部で売られている感じです)。

いえいえ、まだ拙いブログですので皆様に満足できる内容が提供できず、
お恥ずかしい限りです;。けれども、そうおっしゃって頂けますと大変嬉しいです。
これからも色々な漫画料理を末永く細々と再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.11.20 Sat 10:13  |  

再現お疲れさまです。
身欠きふぐですか~。そんなのもあるんですね。
ふぐなんて高級料亭で供されるイメージですが
これは手軽に食べられそうで良いですね。

  • #-
  • あおまるねこ
  • URL

2010.11.20 Sat 15:02  |  あおまるねこさん、こんにちは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

いえいえ、あおまるねこさんこそ再現お疲れ様です(^^)。
はい、身欠きフグは安価な割りに美味なので重宝する食材ですよ~。
薄作りにしたフグのお刺身やコースは確かに結構いいお値段ですが、
小市民な私はこういう身近なフグで十分かな~って感じです;。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お時間があいた際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
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 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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