『風流つまみ道場』の“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”を再現!

最近、仕事帰りに見切り品の魚を見てから帰るのが半ば習慣化しています。鯛の刺身が安かったらゴマダレの鯛茶漬け、タイの頭&卵のセットがあったらカブト煮、刺身の盛り合わせが豪勢にも残っていたらワサビ醤油や付け合せの大葉ごと酢飯に入れてザクザクかき混ぜながら食べる大雑把ちらし寿司など、まさに見切り品コ-ナーは宝の山だな~と心からありがたく思う今日この頃です。
どうも、時々鮮魚コーナーの人におまけをもらうのが密かな楽しみのあんこです。

本日再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて主人公・錦ちゃんがすっかり秋めいてきた頃に晩酌用のおつまみとして用意した“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”です!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ図
ある秋の夕べ、自室の窓から鱗雲を見上げていた錦ちゃんは無性にサンマが食べたくてたまらなくなります。通常、こういう時にまず思い浮かぶ定番メニューはサンマの塩焼きですが(実際、錦ちゃんも途中まではその気満々でした)、「家で焼くと匂いがこもったり、グリルの後始末が大変なんだよな…」と内心迷ってしまいます。確かに、サンマを七輪やグリルで焼くと味は素晴らしいものの煙や匂いがすごいですし、何より脂まみれになった調理器具の片付け作業が結構大変なのが難点なんですよね;。気力・体力共に充実している時はともかく、疲れがたまっている時に厄介な洗い物が食後に待ちかまえるであろう事を想像すると、つい二の足を踏んでしまいがちです。
しかし、そんな心配を感じずにサンマを楽しむ事が出来るメニューとして錦ちゃんが作ったのが、この“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”。作り方はそこそこお手軽で、塩やお酢で臭味を取る為の下ごしらえをした後のサンマをそれぞれの材料(昆布締めは昆布に挟んで寝かせるのみ、カルパッチョに至ってはオリーブ油・小ネギ・バルサミコ酢を煮詰めただけの簡単ソースをかけるだけ!)と組み合わせるだけですぐに出来上がります。手順自体はサンマの塩焼きよりも多めですが、脂まみれになったグリルを後々力をこめて洗う苦労を思えば、むしろ手間いらずな方かも…と思いました。
焼くと色々と面倒な秋刀魚
ちなみにこの時錦ちゃんは、おつまみを食べる段階になるといつも乱入してくるお隣のマユミさん・辰五郎さんカップルが温泉旅行で留守にしているのを幸いに思いつつ一人でサンマを堪能しようとするのですが、「ボクの嫌いな飛行機で行くって言うから、ボクは残ってマユミは女友達と二人で行く事になったよ」と言って舞い戻ってきた辰五郎さんと結局二人でサンマを分け合う羽目になってました(^^;)。辰五郎さんは熊も裸足で逃げ出すんじゃないかってくらいの強面なのに、実は飛行機の他にも飲むとお腹を壊してしまう牛乳・蛇に似ていて恐ろしいウナギ・酸っぱすぎて舌がビリビリする梅干しなどが怖くて苦手だというまるでガラス細工のように繊細な人なので、思わず「豆腐のハートを鉄の甲冑で覆い隠した人間(by『私立T女子学園』)」みたいだな~と苦笑してしまいました。
いないかと思いきや、一人留守番をしていた辰五郎さん
今年のサンマは例年より高い為再現を躊躇していたのですが、近所にある鮮魚売り場で珍しく刺身のサンマが安売りされていましたので、これを使って早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、サンマの下ごしらえ。サンマは生食用の新鮮な物を三枚おろしにして斜め切りの刺身状にした物、もしくは最初から刺身に切られている物を準備してお皿に並べ、塩を薄~くパラパラとふって約十五分程度放置します。その際、あんまり強く塩を振りすぎると水分が抜けすぎてしまうので注意が必要です。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ1サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ2
サンマの表面がうっすら汗をかいたようになったらお酢にさっとくぐらせて塩や余分な臭味を落とします。これで、サンマの下ごしらえは完了です。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ3サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ4
次は、サンマの昆布締め作り。片面をお酒で濡らしたキッチンペーパーで軽く拭いた昆布の上に先程のサンマを丁寧に乗せて、それをもう一枚の昆布(これも片面を拭いておきます)でサンドします。このサンマ入り昆布を輪ゴムできっちり縛ってラップで包んだら冷蔵庫に入れ、約三十分~一時間くらい寝かせます。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ5サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ6
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ7
その間に、サンマのカルパッチョ作り。下ごしらえ済みのサンマを丸くて大きめのお皿へ放射線状になるように並べ、エクストラバージンオリーブ油→バルサミコ酢を煮詰めて作った即席ソースの順に好きな量だけ回しかけ、仕上げに刻んだ小ネギを散らします。
※余談ですが、カルパッチョは元々本場イタリアだと「薄く切った生の牛肉」を使用するのがデフォな料理なんですが、日本ではすっかり生の魚をお洒落においしく食べる料理として定着した観があります。一見同じ調理法でも、所変われば使われる食材にかなりの違いが出てくるという事実には考えさせられる物があります(全く関係ないお話で恐縮ですが、そういえば各国が認識している猫の好物は大抵その国々を象徴する食べ物だと聞いたような…。例えば、日本なら「焼いた魚」、イタリアなら「スパゲティ」、インドなら「カレー」などなど;。嘘のような本当の話です)。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ8サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ9
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ10サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ11
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ12
カルパッチョはそのまま、昆布締めは昆布を取り外してワサビと一緒にお皿へ盛り付ければ“サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ”の完成です!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ13
サンマの美しい銀色の皮が光を反射してキラキラとまぶしく輝き、みるからに食欲が湧いてくる一品です。昆布締めの方は侘寂を感じる日本書画、カルパッチョの見た目は鮮やかな西洋画のようなイメージの見た目で、1パック三百円以下で安売りされていたとは思えないほど芸術的な仕上がりでした。焼いたサンマの旨さにどれくらい匹敵してくれるのか、食べる前から非常にワクワクします。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ14

それでは、いざ実食。
一番目は、サンマの昆布締め。わさび醤油につけていただきま~す!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ15
味はと言うと…刺身より断然味わいが凝縮されていて旨し!昆布様々って気持ちになります(^^*)。
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ16
昆布のふくいくとした香りと磯の旨味が、程よく脂の乗っている上に余分な水分が抜けて身がしまっているサンマにぴったりで、思わず目をつぶって唸ってしまう程美味です。面白い事に、サンマの表面には僅かながら昆布由来と思われるねっとりとした自然なとろみがついており、それがまた生とはひと味違ったおいしさを演出していました。しっかりした歯触りの皮目とムチムチした弾力が嬉しい身とが絶妙なバランスで、そこにわさび醤油のツンとくる辛味が合わさると日本酒が止まらない感じです。
さっと酢で洗ったおかげで魚臭さはほぼなくなっていますし、よく出来た調理法だと感心しました。サンマは刺身にすると途中で脂分がくどくて飽きやすいという欠点がありますが、これなら酢の酸味とわさびの辛さで相殺されてさっぱり楽しめるのでよかったです。

二番目は、サンマのカルパッチョ。ソースをたっぷりつけて、いっただっきまーす!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ17
味の感想ですが…技巧を凝らしたプロっぽい味でウマーーー!バルサミコがいい仕事をしています!
サンマの昆布締めとサンマのカルパッチョ18
ほんのり塩味な生サンマに、エクストラバージンオリーブ油の透明感のあるコク、バルサミコソースのフルーティーな甘酸っぱさ、小ネギの新鮮でシャキシャキしたアクセントが見事に組み合わさり、最初は普通の刺身だった事が信じられないくらいイタリアンな一品になっていました。サンマの血合いの癖が小ネギで、臭みがバルサミコソースで消えている為、濃い味付けの割にはサンマの純粋な旨さをも堪能出来ます。
特にバルサミコソースが簡単に作れるくせに絶品で、ブドウらしい素直で柔らかい甘味とじんわりくる酸味が活きているのが何とも言えず味わい深かったです。単にバルサミコ酢のまま使っただけではもっと大味になっていたと思いますが、煮詰めてソースにした分味わいが深まっていますしサンマにも絡みやすくなっているので他の白身魚にも是非応用したくなりました。

塩を振って酢で洗うだけなのに、生臭みがかなり軽減されているのに驚きです。元々は両方とも同じ刺身だったとは信じられないくらい別個の味わいでしたので、なんだか少しお得な気分になりました。焼いたサンマももちろん美味ですが、生には生のよさがあるんだな~という事を再認識です。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.10.20 Wed 22:27  |  うあああ・・・。

もう酒が飲めなくなっているのに、読んでいたら酒が欲しくなるなぁ・・。
次は、ラストで辰五郎さんが錦ちゃんに「このやろー」と言ってしまう
「牡蠣の昆布焼」(でしたっけ?ホットプレートでやる奴)
(もうすぐ旬ですし。)と、
「ソーセージの南蛮漬け等」がみてみたいです。

予定を見てふと思ったこと。
「オコノミミ」はなにを再現するのだろう?と・・。
やはり、「新潟風お好み焼き」でしょうかそれとも、
「日本最強の里芋」を使ったお好み焼きでしょうか。
まさか、「お好み焼丼」?
「飯盛り侍」は、いろいろあるのでこっちはわかりませんが・・。
(この2作品はおもしろいですよね。)では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
  • URL

2010.10.20 Wed 23:14  |  波多野鵡鯨さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

この料理は双方共にお酒がぴったりですので、
私自身禁酒デーに読み返すときついものがあります;
(実は、二日に一回はお酒を断っています)。
「牡蠣の昆布焼」はこれからも季節にぴったりな再現ですので、
ぷっくり膨れた見事な牡蠣を見つけたら是非再現してみますね!
ああ、それにしても「ソーセージの南蛮漬け」も美味しそうでしたね…。

正直、『王様の耳はオコノミミ』は再現できる料理自体が少ないですので;、
波多野鵡鯨さんが挙げられているような現実的なお好み焼きを中心に
再現したいな~と考えております(初回には、基本の新潟風お好み焼きを持ってきたいです)。
ただ、お好み焼丼は未だにどうしようか思案中だったりします;。
それに比べると、『飯盛り侍』は現実的でおいしそうな料理がいっぱいありますので、
順々にストーリーを紹介しながら再現したいと考えています。
どちらも面白い漫画ですので、うまくご紹介できれば…と考えております。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.10.21 Thu 14:47  |  うまそうなー!

サンマってどう料理しても美味しいですよね~。酢でしめたのはよく食べますが、この二品は思い付かなかったです~!!

鯛の頭といえば、美味しんぼの南蛮仕立て(でしたっけ?)もやってほしいですね~。それともすでに再現されてるんでしょうか?

  • #1n9Tsjm2
  • ぱぴぴ発狂食品
  • URL
  • Edit

2010.10.22 Fri 19:14  |  ぱぴぴ発狂食品さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

サンマはどう調理しても美味ですので、大好きです。
酢締めはさっぱりこっくりした味になっておいしいですので、
ぱぴぴ発狂食品さんもよく食べられていると知って非常に嬉しいです。
実を言いますと、既に再現に向けてその話が載っている単行本を買ったり、
試作をしている最中です;。その為、ご指摘されてギクッとしました;。
鯛の頭を個性的に料理するのは難しいとずっと考えていましたが、
『美味しんぼ』の南蛮仕立てを見てからは考えを改めました。
必ず再現いたしますので、お待ちして頂けますとありがたいです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お時間があいた際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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