『築地魚河岸三代目』の“クルマエビのスパゲティ”を再現!

幸運な事に、ひどい二日酔いになった事は今までに一~二回程度しかないのですが(臆病者な為、外ではとことん飲むことが出来ないのですorz)、その代わりある一定の酒量に達すると記憶があまり残らなくなる体質です;。ブツブツと途切れた記憶の断片なら辛うじて残っているのですが、前後の繋がりがつかない感じなのが困り物。強いて言うなら「ムービー」ではなく「写真」としてしか記録がない状態で、おかげで翌日はそれらの画像を頭の中で片っ端から並べながら、「うーん、昨日は一体何があったんだろう…何かマズい事をしでかしていないだろうか」と疑心暗鬼に満ち満ちた推理ゴッコが脳内で展開されます。
こんにちは、氷結チューハイは飲みすぎると極めて二日酔いになりやすいので500ml缶二本だけに留め、後は他のお酒で我慢するしみったれな管理人・あんこです。

本日再現する漫画料理は、『築地魚河岸三代目』の巻末付録としてついているおまけレシピコーナーで掲載されていた魚河岸流イタリアン・“クルマエビのスパゲティ”です!
クルマエビのスパゲティ図
ありがたい事に、『築地魚河岸三代目』の単行本にはほとんどと言っていい程本格的かつ簡単な魚介類のレシピが絵入りでご紹介されている為、魚料理好きの読者としては非常に勉強になります。酒蒸しといった初心者級の料理から、築地ブイヤベースみたいに上級者向けの料理まで幅広く載っているので、読んでいるだけでも「おいしそう」「実際に作ったらどんな味だろう」「なるほど、こんな調理法もありですか!」などと興味が尽きません。ちなみに、これらのレシピコーナーを担当しているのは原作者のよきアドバイザーであり、魚河岸で仲卸三代目を継ぎつつ魚料理屋の経営までしているという生粋の海の男・小川貢一さんで、そのせいか一見ポピュラーそうなメニューでもレシピを読んでみると応用的な独創料理である事が多いです。
今回作ってみるのは、その中でも特においしそうで結構個性的なレシピだった“クルマエビのスパゲティ”。作り方はちょっと変わっていて、何と活きクルマエビを殻ごとぶつ切りにし、そのままにんにく・赤唐辛子・ゴルゴンゾーラチーズ等と一緒に炒めて具&ソースにしちゃうのが最大のポイント(但し、頭の部分の硬い殻だけは取り除きます)。こうする事によってエビ味噌と殻が最大限まで活かされ、最高な一皿に仕上がるのだとか。小川さん曰く「エビは殻ごと炒めないと旨みが出ないんだよ。それにエビで一番コクがあるのは頭だから、これを使わない手はないよね」だそうで、魚のプロだからこそ考え出せる大胆な発想に感服です。
スペシャルアドバイザー・小川さん考案のオリジナルスパゲティ!
実を言いますと、六月くらいから前置きに作りたいと書いてしまうくらい再現を熱望していたものの、近所にクルマエビを置いてあるお店は皆無だった為半ば諦めていたんですが、先日スーパーの鮮魚コーナーに行ってみると「エビフェア」が開催されてちゃっかり売られていたので、大急ぎでゲットしてきました(最後の売れ残りだったので、危ない所でした;)。諦めていただけに嬉しかったので、早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、クルマエビの下ごしらえ。クルマエビはまだ活きている新鮮な物を用意し、冷蔵庫でキンキンに冷やしておきます(こうすると冷気で動きが鈍くなる上あまり動かなくなるので、良心の呵責が少なくて済みます;)。気が済むまで冷やしたら覚悟を決め、頭を身から一思いに切り落とします。それにしても、クルマエビの尻尾はいつ見ても瑠璃色の美しい色合いなので、しみじみ見惚れてしまいます(・ω・*)。
クルマエビのスパゲティ1
クルマエビのスパゲティ2
頭の方はごつい上部分の殻だけ取り除いてからボウルに入れて塩を適量まぶし、エビ味噌に塩が馴染むまで少し時間をおきます。また、身の方は殻ごと包丁で一口大の大きさへとザク切りにしておきます。この時、もし匂いや背ワタが気になるような状態でしたら白ワインをちょこっとだけ振って臭み消しをし、同時に竹串で丁寧に背ワタを抜く事をお勧めします。
※この記事ですと原作通り活きクルマエビを使用しましたが、どうしても抵抗がある方は急速冷凍された新鮮車えびを使う事を推奨いたします(最近は冷凍技術が進歩しているので、鮮度の方は何にも心配いりません!)。
クルマエビのスパゲティ3
クルマエビのスパゲティ4
その間、生バジルは軽く洗って水気を拭き、ゴルゴンゾーラチーズはパラパラした状態になるよう大雑把に砕き、スパゲティは好みの銘柄と細さの物を塩入りの熱湯で茹でておきます。私の場合、贅沢気分に浸りたかったのでディ・チェコのNO.11というやや太めなタイプのスパゲティを使いました。ディ・チェコは表面がザラザラしているのでソースが絡みやすく、「ここぞ!」という時にはよく愛用しています(^^)。
クルマエビのスパゲティ6
クルマエビのスパゲティ7
次は、ソース作り。フライパンへ芯を取って薄切りにしたにんにく、種を取って輪切りにした赤唐辛子、オリーブ油を入れて弱火にかけ、ゆっくり熱を通しつつ香りと辛味を油へ移していきます。その際、にんにくと赤唐辛子は油の中で浮かして揚げ焼きにするような感じで炒めると焦げにくく、おいしく仕上がりやすいです。
クルマエビのスパゲティ5
にんにくの風味が完全に行き渡ったら先程のエビの頭を投入し、クルマエビの味噌が溶け出してくるまで気長に炒めます(木ベラで押しながら炒めると、割と簡単ににじみ出てきます)。そして、エビ味噌が油に溶けきってソース状になったらそこへエビの身を一気に加え、さらに炒め合わせます。
クルマエビのスパゲティ8
クルマエビのスパゲティ9
クルマエビの身が赤く色づいてきたら茹でたてのスパゲティを入れてざっと混ぜて火を消し、仕上げにちぎった生バジル、ゴルゴンゾーラチーズを投入してよく和えます。
クルマエビのスパゲティ10
クルマエビのスパゲティ11
生バジル、ゴルゴンゾーラチーズが全体に混ざりきったのを確認したらお皿に盛り付け、そのまま机へ運べば“クルマエビのスパゲティ”の完成です!
クルマエビのスパゲティ12
生バジルに熱が通り過ぎてしまい、そのせいで大変黒っぽい殺風景なスパゲティになってしまいましたorz|||。なので出来上がり直後は落ち込みましたが、匂い自体はイタリアンともエスニックとも言えない不思議ないい芳香で、おかげですぐに復活出来ました;。クルマエビの紅がかった赤色、特製ソースが絡んで薄茶色に染まったスパゲティが白いお皿に映えているのが何よりの救いです。
それでは、いざ実食、いっただっきまーす!
クルマエビのスパゲティ13

さて、味の感想ですが…まるでお店みたいに本格的な味がしてかなり美味し!様々な香りが競演しあっており、それらが鼻をスッと突き抜けていくのがとても優雅な感じです!
これぞ、魚河岸に生きる男性ならではの大胆なイタリアン
クルマエビのスパゲティ14
クルマエビのあっさりしているのに密度がねっとり濃いエビ味噌と、一癖あるもののこってり重厚なコクが病み付きになるゴルゴンゾーラチーズが見事に調和しあっており、短時間でサッと作ったようには思えないくらい奥深いおいしさです。当初は、ゴルゴンゾーラチーズ特有のすさまじいまでの存在感を危惧して「エビが具になっているだけのチーズスパゲティになったらどうしよう…」とハラハラしていましたが、実際に食べてみるとエビ味噌の旨味エキスが負けないくらいソースの中で効いていたので安堵しました。おまけに、にんにくのがっつり力強い風味や赤唐辛子のピリピリくる辛味が程よくプラスされていた為さらに複雑な仕上がりになっており、例えるとするなら「アメリケーヌソース風コク旨スパゲティ」って感じです。
中でも特に印象に残ったのが主役のクルマエビで、殻のプチプチパリパリと小気味良い食感、プリンッと口の中で弾けるくらい弾力性のある身、そして噛むごとに溢れ出て来る自然な甘さがものすご~く美味でした(意外な事に、クルマエビの殻は相当に薄かったので全然邪魔にならなかったです)!焦げる寸前まで炒められてたまらなく香ばしくなったクルマエビの殻の香味と旨さが、バジルの鮮やかかつ爽やかな風味にぴったりマッチしているのがよかったです。頭や足部分の程よく火が通ってサクサクした歯触りもいいアクセントになっていますし、クルマエビを隅々まで堪能するのにはまさにうってつけなスパゲティでした。

クルマエビの殻がこんなにもいい味を出すとは思ってなかったので、色々とためになった再現でした。身だけでなく殻までおいしく頂けるなんて、ある意味ブラックタイガーよりもお得なエビなのかもしれません(クルマエビは養殖物なら、そこまで高くない場合が多いです)。何だか調子に乗ってしまったので、次は同じ巻に乗っていた“特大活きクルマエビのエビフライ”を作ろうかな~と考えています。

●出典)『築地魚河岸三代目』 作画:はしもとみつお 原作:鍋島雅治/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.11.20 Sat 23:00  |  活き車エビ、いいなあ

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見させていただいております。

タイトルにも書きましたが、活き車エビ、うらやましいです! というより
うちの地元のスーパーでは頭付きのエビすら売っていない有様です。
ですので、冷凍でない新鮮な、頭付きのエビ…。うらやましさ2倍です。

エビの殻や頭って、良い味出しますよね! 話があちこち飛んで恐縮
なのですが、モーニング最新号に載っていた『クッキングパパ』の
「アヒージョ」があまりに美味しそうで、思わず作ったのですが、頭付き
のエビが手に入らなかったので、レシピの「エビの頭を炒める」という
行程が出来ず「どうしようか…」と悩んだ末「そういえば『大使閣下の
料理人』で「エビの頭と殻で出汁を取ったスープ」があったなあ」と
思い出し、頭の代わりに殻を炒めたところエビの旨味が出せました!
そして無事「海鮮アヒージョ」を作れました。冷凍のエビで作ったのに
かなり美味でした! 「ワインが止まらなくなる…」というのも誇張では
ないですね。レシピで紹介された両方を作ったのですが僕は海鮮の方
が好みです。魚貝の旨味の出たオリーブオイルが本当に美味でパン
に染み込ませるとたまりません。かなりオススメです!

で、話はやっと戻るのですが、今回の記事を見て、「海鮮アヒージョ」
を新鮮な車エビを使って作ったらどれほど美味かろうかと…。
エビミソの絡んだパスタ、本当に美味しそうですね。これもワインと
一緒にやったら幸せですね。

これからも再現料理頑張ってください。長々失礼しました。では~。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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2010.11.21 Sun 22:26  |  kawajunさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

いつも楽しく見て下さっているとのお言葉、大変励みになって嬉しかったです。
正直、うちの近所も活きクルマエビを日常的に扱っている所は皆無の為、出会えた時はすごくありがたかったです。
ただ、有頭エビは毎日ではないにしろちょくちょく扱っている地域ですので、もしかしたらエビの名産地が近くにあるのかもしれません(^^;)。
私も今月発売されているモーニングに掲載されていた『クッキングパパ』を拝見していた為、"アヒージョ"と聞いて内心「キター(゜∀゜*)」と思っちゃいました。
あれもワインにぴったりそうでかなりおいしそうな料理でしたね!
それにしても、「頭がないなら殻をしっかり炒めて代用する」というkawajunさんの臨機応変さに読んでいて感服しました。
私はというと、馬鹿正直にレシピを再現する事しか出来ない料理オンチ(しかも、レシピ通りにすらうまくいかないという救いようのないポンコツorz)ですので、kawajunさんのように機転がきく方は心からすごいと思います。
私も近々、有頭エビが手に入ったら早速"アヒージョ"を作ってみます(^^)。
ちょうどフランスの方で批判が殺到していたペットボトル入りのボジョレーヌーボーがありますので、それを飲みつつ食べてみる予定です。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.11.22 Mon 23:02  |  おいしそうだなぁ・・。

海老スパゲティいいですねぇ。
海老好きにはたまらない料理ですね。
酒は飲みすぎないほうが良いですよ、ある日突然飲めなくなりますから・・。(私がそうです。今はビールを1缶あけただけで、ゲーゲー
吐くようになってしまいました・・・。)
そうそう、二日酔いというと、青木幸子先生の
「茶柱倶楽部(芳文社)」(だったかな?)に
「二日酔いに聞くお茶の入れ方」という回があります。
単行本1巻に載っております。(茶柱倶楽部は「日本茶専門漫画」という珍しい漫画です。なかなかおもしろいです。)では。

  • #7uLS4I8I
  • 波多野鵡鯨
  • URL
  • Edit

2010.11.24 Wed 21:25  |  波多野鵡鯨さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

はい、本当にエビ好きにはたまらないスパゲティでした(^^)。
エビの旨味が麺に絡んでウマウマです。
確かに、波多野鵡鯨さんのおっしゃる通り飲み過ぎはいけませんよね;。
二日酔いの事は今でも鮮明に覚えているんですが、もう唾液自体がお酒って感じで、息をするだけでもくるしかった感じでした。
願わくば、二度と味わいたくないですorz。
それにしても、『茶柱倶楽部』…非常に面白いコンセプトの漫画ですね!
日本茶好きとして急激に読みたくなっちゃったので、明日本屋さんで探してみようと思います。
情報を下さり、感謝です。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の時にまた読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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