『クッキングパパ』の“トリカワギョーザ”を再現!

『ノノノノ』打ち切りで大分落ち込んでいましたが、相方マサル君からおすすめされた「週刊漫画ゴラク」で連載中の漫画・『オバハンSOUL』を読んで以来、寂しさを紛らわせつつあります。特に、先週号の表紙で主人公のオバハンが「サタンやないで、サンタやで!」とド迫力で登場したのを見た時は、思わず爆笑しました。
どうも、実は書いている最中に誤って紹介文を全部消去してしまった為、この記事を書くのは丸々二度目となって憔悴している管理人・あんこです(ヽ´ω`)。

本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任の古くからの友人である長谷川さんの奥さん・陽子さんが家族の為に作った“トリカワギョーザ”です!
トリカワギョーザ(揚げた方)図トリカワギョーザ(焼いた方)図
荒岩主任とは長い付き合いになる長谷川さんは、仕事の為に世界中のあちこちを股にかける多忙なビジネスマン。これまでに年単位で単身赴任した所はシンガポール、ホノルル、沖縄などかなり広範囲で、家に帰れるのは一~二ヶ月に一回あるかないかという慌しい日々を過ごしています。その為なかなか家族とゆったりした時間を過ごせないでいるのですが、底抜けに明るくて社交的な妻・陽子さん、体育会系で筋肉ムキムキな高校二年の長男・拓郎君、勉強がバリバリ出来る秀才で中学三年の次男・正人君らのご家族は長谷川さんの仕事に理解を示して応援している為特に不満を感じておらず、毎日をごく平穏に過ごしていました。
しかし、久々に戻ってきて荒岩主任の元を訪ねた長谷川さんは、いつも家族一緒で常に笑い声が絶えない賑やかな荒岩一家の様子をまじまじと観察し、たまたま弱っていた時期だったのも手伝って「ウチはこれでよかったのだろうか」という深刻な自問自答をします。そのせいか翌朝、陽子さんに「俺は今の仕事が好きだ。ほとんど家におれないが、それも仕方ないと思うとった」「ばってん、昨日荒岩んちの様子を見ていたら俺、間違っていたかもしれんって思って…うちは何か、あっさりしすぎているような気がしてな」「俺、もっと家にいるべきだったかな…陽子」と真剣に悩みを打ち明けます。仕事と家庭の完全な両立、後悔しない家族への接し方というテーマは、いくつになってもやはり難しい問題なのだと痛感させられるシーンです。
けれども、陽子さんは一点の曇りもないほがらかな笑顔で「あっはっはっはー!何言ってんの?今日は何だかすごくセンチよ、あなた」「私は世界を駆け回るビジネスマンと結婚できた事を誇りに思っているし、子ども達もちゃ~んとわかってるってー」と言って長谷川さんを元気付けます。そして長谷川さんが再び遠くへ単身赴任することになった日の朝、見送りに来た空港で陽子さんは「今夜八時にチンして食べて!」と一つの小さな風呂敷包みを手渡します。その風呂敷に入っていた料理こそが、今回ご紹介する料理・“トリカワギョーザ”です。
奥さんからプレゼントされた小さな風呂敷包みのトリカワギョーザ
“トリカワギョーザ”の作り方は一般的な餃子とは違ってとても個性的で、下ごしらえをした鶏皮にツナ缶・キャベツ・ニラ・パン粉などを混ぜて作った餃子の具を詰めて爪楊枝で封をし、そのまま焼くか揚げるかして火を通せば出来上がりです。長男の拓郎君曰く「たっぷり練り辛子をつける」のがよりおいしく食べる為のポイントだそうで、レシピ欄では餃子の具の代わりにケチャップライスや刻んだゆで卵を入れてもナイスだと書かれていました。何でも鶏皮は長谷川さんの大好物だとの事で、旦那さんに好物を食べてもらう事によって少しでも元気を出して欲しいという陽子さんの想いが透けて見えるようだった為、読んでいて微笑ましい気持ちになりました(^^)。
ちなみに、揚げた方は長谷川さん用、焼いた方は陽子さん&息子さん達用で、「夜八時に食べて」という言葉は「同じ時間に同じ夕食を食べましょう」といさりげない申し出であった事がラスト近くで陽子さんの口から明かされていました(こういう遊び心溢れるアイディアは好きなので、私もいつか機会があったら試してみたいです;)。
実はその後、夜八時に長谷川さんへ電話した陽子さんの口からかなり感動的なセリフが飛び出しています。それは、「場所は離れてるけど心は一緒よ!!いつも一緒にいるだけが家族じゃないわ」「あなたやこども達が安心して『行ってきまーす』と出て行けて、いつでも『ただいまーっ』と帰って来れるのが我が家よ」というもの。家族の在り方に「これこそが最善」と画一的に指し示せる明確な正解はなく、まさに家庭の数だけ無数の幸福の有り様が存在するのだという事を、改めて思い出させてくれるいい名言だと思います。
家族の数だけ、色んな形の在り方があるんだと思います。
かの有名な料理漫画・『鉄鍋のジャン!』では、鶏のササミを春巻の皮に仕立てた料理が登場していましたが(これも再現予定です)、鶏皮を餃子の皮にするというのは予想外の発想です。どんな感じなのか気になりますので、早速再現してみます!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、鶏皮の下準備。鶏皮はなるべく大きい物を用意したら黄色い脂肪を包丁や手で丁寧に取り除き、全体へまんべんなく熱湯を振りかけて熱を通します。この時、まれに毛などが表面に付着していることもありますので注意深くチェックする事を推奨いたします。これで皮は準備完了です。
トリカワギョーザ1
トリカワギョーザ2
次は、餃子の具の用意。キャベツ、ニラ、しょうがを細かくみじん切りにし、キャベツだけは事前に水にさらしてから水気をよくきっておきます(しょうがはチューブで代用せず、なるべく生を使った方がいいです)。
トリカワギョーザ3
ボウルに先程のキャベツ、ニラ、しょうが、生卵、パン粉を加えてよく混ぜ、ツナ缶と塩こしょうを投入してさらに混ぜ合わせます。その内に少々粘りが出てきたら、具の用意はOKです。
※「肉々した味じゃないと、餃子じゃない!」と抵抗感を感じられる方は合挽き肉や豚ひき肉、「ツナ缶は脂っこいから、もっとさっぱりした食材がいい」と思う方はサバの水煮で代用なさる事をおすすめします。
トリカワギョーザ4
トリカワギョーザ5
トリカワギョーザ6
この餃子の具を、下ごしらえ済みの鶏皮の内側へ適量乗せてクルリと丸め、爪楊枝でなるべく隙間なく止めます。
…実をいいますとこの作業、ものすごく難しいです。はっきり言って、今までやってきた再現料理の中で一、二を争う程の難関度でしたorz。私が単に不器用なだけかもしれませんが、小麦粉の皮と違ってグニャグニャクネクネと動き回る鶏皮は捉え所がなくて扱いづらく、爪楊枝でとめる際も隙間だらけの出来になりやすくて相当に手こずりました…;。なので、一回目は本に載っているような仕上がりを期待せずに作った方がショックは少ないと思います(ただ、大きいサイズの鶏皮だと比較的失敗しにくいので大丈夫かもしれません)。それにしても、こんなきつい作業をささっとこなせる陽子さんはすごいな~と尊敬しました(^^;)。
トリカワギョーザ7
鶏皮に具をうまく包む事が出来たら、半分は高温の油でカラッとキツネ色になるまで揚げてキッチンペーパーの上で余計な油をきり、もう半分は油をひいて熱したフライパンで両面を蒸し焼きにします。
トリカワギョーザ8
トリカワギョーザ9
双方共に中にまで火が通りきったらお皿へ盛り付け、仕上げに練り辛子を横へちょこんと絞って飾り付ければ“トリカワギョーザ”の完成です!
トリカワギョーザ10
上に置いた方は焼いたもの、下に置いた方は揚げたものなんですが、同じ鶏皮と言えど間逆な感じの見た目になっているので面白いです。皮には何も味付けをしていませんが、パッと見はしっかり味付けされたように見えるのでそんなに不安は感じませんでした。揚げた方はパリッと、焼いた方はプリッとした仕上がりで、茶色い焦げ目が見るからに食欲をそそります。
トリカワギョーザ11
それでは、両方練り辛子をドバッとつけていざ実食!いっただっきま~すっ!
トリカワギョーザ12
トリカワギョーザ13

さて、味ですが…ひと味変わった新しい餃子でウマーーー!鶏皮とビールが大好きな方には堪えられない料理です!
長谷川さんが感激したトリカワギョーザの味
中身はまるでお好み焼きと餃子の餡を足して二で割ったような後味で、香りは餃子そのものなんですが、味はむしろふんわりあっさり仕上げた野菜たっぷりのお好み焼きみたいな感じでした。中に入っているしっとりパン粉がいい仕事をしており、鶏皮から出て来たジューシーな肉汁や脂分をしっかり吸収していた為、噛むごとに旨味十分な鶏のおつゆがジュッと出て来るのが美味だったです。キャベツのザクザク感、ニラの野趣溢れる風味、ツナの程よいコク、そしてしょうがのスーッと鼻を突き抜けていく爽やかな香りが鶏皮にありがちな独特のしつこさを最小限に止どめており、おかげで四個全部を苦もなくぺろりと平らげる事が出来ました。見た目によらず結構さっぱりしたシンプル塩味で、焼き鳥の鶏皮とそこそこ似ていると思いましたが、グニャッとした部分が少なくてパリパリした皮の面積が広い分こっちの勝ち!とつい贔屓してしまいます。
揚げた方はカリカリパリッとした北京ダック風の繊細で軽やかな歯触り、焼いた方はプリプリむっちりと癖になる弾力が特徴的な食感で、予想以上に違いが出ていたのにびっくりしました。揚げた方は香ばしい皮の表面・焼いた方はほんわか仕上がった皮全体を楽しめる感じで、熱々の所に練り辛子をたっぷり塗り付けて食べると病み付きになります。正直この練り辛子が肝心で、これをつけないとこの料理の真価は発揮出来ません。鶏皮の癖を完全に消し、強烈な辛さで鶏皮のおいしさを多少強引にでもグンと上げてくれるので感心です。
トリカワギョーザ14
トリカワギョーザ15

作るのは結構コツがいるので大変ですが、その苦労が報われる美味しさでした。鶏皮は人によって好き嫌いが分かれる食材ですが、鶏皮好きには是非おすすめしたい料理です。練り辛子は意外と重要な調味料ですので、苦手でなければ大量に用意する事をお薦めします。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.12.20 Mon 22:27  |  

お久しぶりです。
PCの調子が悪くてなかなかコメントできませんでした。

トリカワギョーザおいしそうですね!
イメージとしては手羽餃子に近いのかな?
なんだか完成した料理の写真を見ると
普通に居酒屋メニューにありそうですね
お酒にぴったりな料理です

確かに包むのが大変そうですが・・・
手をかける分おいしそうです!

  • #pQ10pJ/g
  • 玲音
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  • Edit

2010.12.22 Wed 10:48  |  

はじめまして、いつも楽しく拝見しています。
私は料理漫画が大好きで、特によしながふみさんの諸作品と、クッキングパパが大好きです。
今回のエピソード、私も奥さんの最後の名言がとても印象的で好きな話です!将来こんなふうに家族を自然に結び付けてくれるお母さんになりたいものだと思います。
実は私、トリカワが苦手なのですが、こうやって作る過程や完成品を写真で見ると、すごくおいしそうで食べてみたくなりますね!
カリカリな食感は好きなので、揚げればいけるかも!?今度作ろうかな…と考えているところです。
クッキングパパのレシピは、「まんまるコロッケ」でトマト嫌いが治ったり、「グリーンカツオ」で生魚苦手なのが治ったり、思い出深いものが多いです。
年末の慌ただしい時期ですが、どうぞご自愛ください。
また更新をたのしみにしています♪

  • #-
  • しろ
  • URL

2010.12.22 Wed 15:41  |  いいですね!

鶏皮大好きなのでこれ一度食べたいです~。辛子が合いそうですね~。中身は好みで色々変えられそうですね?

  • #1n9Tsjm2
  • ぱぴぴ発狂食品
  • URL
  • Edit

2010.12.22 Wed 23:04  |  玲音さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

PCの調子が悪いと、何だか落ち着かないですよね。
そんな大変な中でも忘れずにいてくださり、感謝です。

トリカワギョーザは手間はかかりますが、それだけの価値はある
おいしさですので、以後もちょくちょく作れたらな~と思います。
手羽餃子!確かに、それに近い感があります。ただ、こちらの方が
脂肪分が多くてもうちょっと食べやすい感じがしました。
ビールとの相性が格別にいいので、玲音さんのおっしゃる通り居酒屋さん
にあっても受けがよさそうなメニューだと思います。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.12.22 Wed 23:16  |  しろさん、初めまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

私も料理漫画が大好きですので、しろさんに共感です(^^*)。
私もこのエピソードは大好きで、『クッキングパパ』の中でも結構
お気に入りのお話です。虹子さんといい、陽子さんといい、魅力的な
お母さんキャラが多く出てくるのも『クッキングパパ』の見所の一つですね。
正直、今回の再現は鶏皮が苦手な方をご不快にさせてしまうのではと心配
だったのですが、しろさんのように感じてくださる方がいらっしゃると
知ってほっといたしました。揚げると鶏皮の癖が和らぐので、おすすめです。
まんまるコロッケもグリーンカツオも、素材の良さを最大限まで引き出す
いい料理なので、私自身大好きで思い出深いです。
特にグリーンカツオは癖の強い生魚でもおいしく食べれるので、よく考えて
いるな~と再現するたび感心します(その内、これも記事にいたしますね)。

しろさんのようなコメントをして頂ける方や、閲覧して頂く方が
いらっしゃるからこそ、私は高いモチベーションのままでいられています。
この場を借りて、改めて感謝の気持ちを表明させていただきます。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.12.22 Wed 23:19  |  ぱぴぴ発狂食品さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

鶏皮は揚げても焼いてもおいしいので、偉大ですよね~。
なので、今回の再現は調理していて楽しかったです(^^)。
練り辛子は本っ当~にいい仕事をしますので、絶対必要だと思いました!
中身はそれこそ色々な可能性があると思いますので、
近い内に色々試す事が出来たらな~と考えています。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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