『おかわり飯蔵』の“あんかけ炒め蒸し野菜”を再現!

中学生くらいの時から『世界の車窓から』が好きで、タイミングが合ったら必ずと言っていい程拝見しています。本当に世界のあちこちへ旅をしている気分に浸れるのが楽しくって、相方・マサル君も同意見だと話していました。しかし、ほぼ毎日のように放映しているので「もう世界一周は済んでいるのだろうか」「画像の転送や編集方法はどうなっているんだろうか」「画像を撮る人は一人なのか、それとも複数いるのだろうか」など、謎ばかり頭の中で膨らんでいます。
どうも、『世界の車窓から』は八千回以上放送されていると聞いて仰天したあんこです。

今回再現する漫画料理は、『おかわり飯蔵』にて飯蔵さんが電熱器でもおいしく作れる野菜炒めだと言って紹介した“あんかけ炒め蒸し野菜”です!
あんかけ炒め蒸し野菜図
飯蔵さんとの料理勝負に負けて以来、「お前らのせいで人気が落ちた」と言って飯蔵さんとさくらさんを逆恨みする激安料理研究家・江頭イサムの陰謀により、さくらさんが勤めている出版社の雑誌『大江戸パラダイス』と、業界最大手の生活情報誌『平成ウィーク』の二誌が、共同企画として激安料理バトルを開催する事になります。「誰にでも気軽作れる激安野菜炒め」がテーマなだけあって勝負のルールはちょっと複雑で、それぞれが街頭でランダムに選んだ一人暮らしの若者を勝負前日まで鍛え、勝負当日には代理人として激安料理を調理してもらってお互いのレシピを競い合うという事が最低限の原則として設定されてしまいます。
ちなみに勝負の様子は雑誌で詳細に載るだけではなく、何とテレビ放送までされるというのですから、さくらさんのプレッシャーは尋常ではない感じでした。というのも、社長や専務までやって来て激励したり、営業部全員が宣伝の為に各方面へ売り込みに行ったりと、ものすごい大事に発展していたからです(((゜Д゜;)))ガクガクブルブル。なので、気の毒にもさくらさんは「もし…負けでもしたら…私どんな顔して会社に行ったらいいのか…」と泣いており、すっかり精神的に追い詰められていました。その為、飯蔵さんは「こんな事態になったのは、うかつにも料理勝負を受けてしまった自分のせい。何とか勝っちゃるぞ」と決意し、街頭で必死に代理人となってくれる人を探します。
しかし、ことごとく断られる中やっとの思いで見つけた代理人・鈴木君は料理が大の苦手な金欠ストリートミュージシャンで、持っている調理器具もお鍋と電熱器だけという料理勝負には絶望的な人材である事が途中で分かります(何とこの勝負は、よりリアリティを出す為代理人が持つ調理器具でしか料理をしちゃいけないという厳しいルールもあり。初めて読んだ時は「そこまでこだわるなーヽ(`Д´)ノ ウワァァァン!」とお二人が気の毒でした)。それでもめげずに飯蔵さんは必死になって鈴木君に野菜炒めを教えるのですが、料理が不慣れな上に火力が圧倒的に小さい電熱器しか使えない劣悪な環境のせいでベチャベチャした変な野菜炒めしか作れず、飯蔵さんとさくらさんは途方に暮れてしまいます。
調理器具は、電熱器と鍋のみ!
けれども勝負が目前まで迫ったある日、飯蔵さんは鈴木さんが「アコギにはエレキに比べて全然小さな音しか出せないけど…音が小さいなら小さいなりに、合った弾き方があるんだ」と語るのを聞き、180度発想を転換させた新しい激安野菜炒めを突如閃いて鈴木君に特訓します。それが、この“あんかけ炒め蒸し野菜”です。
作り方は野菜炒めとは思えないような斬新さで、何と炒める作業よりも蒸す作業が主体となっています。最初に豚肉を数分炒めたら野菜を全部放り込んで蒸し、後は仕上げにあらかじめ合わせておいた特製あんの素を加えて野菜に絡ませれば出来上がりという極めて楽チンな調理法なんですが、味自体は本格的な野菜炒めと何ら引けを取らない別次元のおいしさになると作中で語られていました(実は、江頭イサム側の代理人は「W大の弁護士志望・料理好き・お金持ち・プロ用のガスコンロや調理器具をこの日のために購入・審査員の一人である有名な料理評論家のお店でみっちり修行済」というヤラセ&仕込み臭ぷんぷんの人間だった為、読んでいるとマイルドに腹が立ちます`・ω・´)。飯蔵さん曰く、「炒め蒸し」という昔から日本にある調理法をアレンジして考えた料理との事で、まさに温故知新の料理だと感心させられました。
結局、審査は難航したものの僅差で飯蔵さんの勝ち!その理由は、「飯蔵&鈴木君ペアの方が電熱器という火力の弱い調理器具のみで創意工夫して料理した」点が高く評価されたのと、「江頭側のように高価な調理器具でないと作れない激安料理では、本当の激安料理とは言えない」という指摘が通ったという二点が評点に大きく響いたからでした。安い調理器具で最大限の工夫をして作る家庭料理か、それとも趣旨からずれたとしてもプロの技を極めて作る本格派料理か―。正しい答えが出ることは永遠にない究極の議論なので何とも言えませんが、それでもあるものだけで精一杯最善を尽くそうとする飯蔵さんの姿勢の方が、少なくとも私は共感できました。
全く新しい発想の電熱器用野菜炒め
電熱器並の火力でウマーな炒め物を作る事はほぼ不可能だと思い込んでいたので、一体どんな味がするのか興味が出てきました。面白そうですので、早速再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の下準備。キャベツはザク切り、玉ねぎは細めのくし切り、にんじんは極細の千切り、にんにくはみじん切りにし、もやしは水で洗ってザルにあけて水気をきります。あと、豚コマ肉は適当な大きさに切って塩をまぶし、軽くもんで放置しておきます。
※にんじんはかなり細めにしないと火が一際通りにくいので、注意が必要です。
あんかけ炒め蒸し野菜1
あんかけ炒め蒸し野菜4
その間、片栗粉、酢、水、醤油、中濃ソース、みりんを器の中でよく混ぜ合わせて作った特製あんの素を用意し、乾燥きくらげは水に浸して戻してから一口大に切ります。この時、あんに加える調味料の配合は完全に個人の好みでいいと思います。私の場合、割とはっきりした味が好きなので醤油と中濃ソースを多めにしました。
あんかけ炒め蒸し野菜2
あんかけ炒め蒸し野菜3
次は、炒め蒸し作業。電熱器(今回、家には電熱器がなかったので極々弱い火加減のガスコンロで調理しました)にぴっちりフタが閉まるお鍋を置いて熱し、油をひいて塩もみ豚コマ肉を投入してざっと炒めます。その際、お肉がくっついてしまわないようお箸で根気よく混ぜます。…やはり火力が弱すぎるせいか、完全に火が通るのに普段以上の時間がかかりましたorz。
あんかけ炒め蒸し野菜5
あんかけ炒め蒸し野菜6
豚コマ肉からピンク色が消えたらすぐにキャベツ、玉ねぎ、にんじん、にんにく、もやし、きくらげを入れてかき混ぜ、フタをしたら約五分以上蒸し焼きにします(もし火力が弱すぎる場合は、十分くらい火を通しても大丈夫です)。
あんかけ炒め蒸し野菜7
フタをあけて野菜に熱が通っているのを確認したら少量の塩で味付けし、全体へ特製あんの素を回しかけてお箸でザザッと混ぜ合わせます。具全体にあんが絡んだらまたフタをし、約三十秒~一分放置します。
内心、たった五分だけで野菜に火が通るのかどうか心配でしたが、意外にも蒸気の力でちゃんと蒸せていました。思っているよりも、蒸気の力ってすごいと思います。
あんかけ炒め蒸し野菜8
あんかけ炒め蒸し野菜9
フタを開けてあんの素にとろみがついているのをチェックしたら火を消し、そのままお皿へあんごと盛り付ければ“あんかけ炒め蒸し野菜”の完成です!
あんかけ炒め蒸し野菜10
作中では「ドロォリ」と如何にも美味しくなさそうな擬音で登場していましたが、実際に作って見てみるとそんなにゲテモノっぽくはなかったです。むしろ熱々の特製あんが野菜をすっぽり包み込んでいるのがそこそこおいしそうで、どっちかというと「とろとろ」って擬音が合っているように思いました。ただ、確かにお鍋から器に移す時はドロ~ンとして少し不気味だったです(^^;)。
あんかけ炒め蒸し野菜11
それでは、出来立てホカホカの内にいざ実食!いただきまーすっ!
あんかけ炒め蒸し野菜12

さて、味ですが…平凡な見た目を見事に裏切ってウマー!確かに、これは普通の野菜炒めとは違う類のおいしさです!
最初は引いていた審査員もびっくりする程おいしかった野菜炒め
通常、野菜炒めは水分が少なくてパリッと仕上がった物が最上だと言われていますが、この炒め蒸しはしんなりした中にも芯にはシャキッとした歯応えがちゃんと残っているので、これはこれで別格の旨さだと思います。きゅんと甘酸っぱい割にはとても優しい後味で、醤油と中濃ソースが入っているせいか意外と迫力があってしっかりした濃さの、洋と中が程よく調和した味わいのあんでした。トロトロしてなめらかなとろみが野菜やお肉へまんべんなく絡んでいる為冷めにくく、相当後の方になっても熱々のまま頂けるのが嬉しかったです。一応お酒の一種であるみりんのおかげで懸念していた豚肉の臭みや野菜のアクはきっちり防げていますし、何より作中で言われているような「お母さんが作ってくれたような」ほのぼのする味が本当にしたのに感動しました。「質素な八宝菜風野菜炒め」って感じで、なかなかありです。
キャベツのザキュザキュしたしなやかな食感、にんじんの軽やかなサクサク感、もやしのシャクシャクした口当たり、玉ネギのバリバリと歯に響く歯応え、キクラゲのコリコリした歯触りが口の中で賑やかに響いてくるのがすごく小気味いいです。下味がついている豚肉のコクある味やにんにくの風味も独特な特製あんにぴったりでしたし、大満足でした。あと、個人的にこれはガツガツいけて結構ご飯が欲しくなる味付けだと思ったので、このまま丼ご飯の上に乗せて中華丼風に仕立ててみるのもいいんじゃないかな~と感じました。

電熱器みたいにか弱い火力でもこんなにおいしい野菜炒めが出来るとは、驚きです。今まで野菜炒めは「シャキッ!」とした歯ごたえの物がデフォだと考えていましたが、こんなに違う次元でおいしい野菜炒めがあるとは目からウロコでした(さぬきうどんと伊勢うどんの旨さが対照的なのに似ているかもしれません)。材料費も安いですし、これはちょっとハマっちゃいそうです。

●出典)『おかわり飯蔵』 原作:魚柄仁之助 作画:大谷じろう/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.12.06 Mon 18:43  |  世界の、車窓から

あの番組は意外と大がかりかもしれないですよねー。まさか世界各地にエージェントがいるんじゃ・・・とか思っちゃいます。淡々としてるんですが、なんとなく癒されますね。


今回の料理は蒸し野菜の良さが出てますね~!あんかけ系がちょっと苦手ですので、あん抜きで作ってみたいです。

  • #1n9Tsjm2
  • ぱぴぴ発狂食品
  • URL
  • Edit

2010.12.11 Sat 13:08  |  ぱぴぴ発狂食品さん、こんにちは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
ご返信が大変遅くなってしまい、申し訳ございません。

私も本当にそれが不思議で、「複数のスタッフを各地へ派遣して撮って
いるのでは」「いや、膨大な撮りだめをしてるのでは…」と興味が尽きません。
今回の料理は、野菜を蒸し焼きにしてあるので野菜本来の
甘みが十分に引き出せている感じが嬉しいレシピです(^^)。
よろしければ、一度あん抜きでお試し下ると嬉しいです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.12.16 Thu 18:50  |  


はじめましてあんこさん、何時も楽しみに読んでます

ちょっと前のに対するコメントですみませんm(_ _)m

この炒め蒸し野菜、バリ焼きそば(正式名知らない(^_^;)の餡にピッタリな気がします

  • #-
  • 何時も楽しみにして読んでます[e:343][e:343]
  • URL

2010.12.16 Thu 19:53  |  何時も楽しみにして読んでますさん、初めまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

いつも楽しみに読んでくださっているとのお言葉、大変嬉しかったです。
かなり未熟なブログなので恐縮ですが、仕事の疲れが一気に吹っ飛びました(^^*)。
おかげさまで、明日もまたブログ更新の為に何とか頑張れそうです。
いえいえ、どんなに前の記事でもコメントして頂けますと有難い気持ちになります。
なるほど、確かにあのパリパリ麺(私も名前を知りません…すみませんorz)に
これは合いそうだと思います!あさっての休みに早速試してみますね!

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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