『クッキングパパ』の“いそぎんちゃん”を再現!

最近視力を測ってもらったところ、何と両目とも0.05しかない事が判明しました。悪くなっているとは自覚していましたが、正直ここまで悪化していたとは思ってもみなかった為ショックです;。ただその反面、「どおりでよく転んだり、物にぶつかったりする訳だ…」とある意味納得しました。本来なら普段からコンタクトや眼鏡をつけるべきだとは思うんですが、した時の感覚が両方ともあまり好きではないので、仕事中や自転車を運転する時(そういう時用の眼鏡は、前々から常備しています)以外は今まで通り裸眼で通そうと考えてます。
どうも、視力がよくないおかげで人前に立ってもあまりあがらなくなったあんこです。

本日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて虹子さんがひょんな思い付きで作って東山常務と一緒に食べた創作料理“いそぎんちゃん”です!
いそぎんちゃん図
荒岩主任の上司・東山常務は相当に舌が肥えている食通で、その実力は何と社長から「社内一のグルメ」とまで賞賛される程。その為、日頃からありとあらゆる美食を極め、新しい名店探しに余念がないのですが、困った事に時々「最高の店で最高の料理を食べる→その内、新鮮さや感動が薄れる→何もおいしいとは思えなくなり、徐々に憔悴していく」という三段構えの非常に贅沢な悩みで落ち込んでしまうという厄介な奇癖があります(´Д`;)。おまけに一旦こうなると、どんなに美味な食べ物でも落胆してちょこっとしか口に出来なくなってしまうので、何とかしてこのマンネリ状態を打開したいと東山専務は焦ります。
そんな時、東山専務の脳裏にパッと思い浮かんできたのは、いつも素敵な料理を提供してくれる虹子さんの顔とその料理の数々(実際に作っているのは荒岩主任なのですが…;)。味がおいしいだけではなく、独創的でもあるという荒岩家の料理は東山常務にとってとても印象強い物で、おかげで徐々に情熱が蘇ってきます。そして、遂には「このままでは、わしの生活の張りがなくなってしまう」「こんな時は、あそこだ。奥さんの作る物は、どれもこれも強烈に印象に残る素晴らしい料理ばかりだ」「あそこへ行こう。あそこで素晴らしい奥さんの料理を食えば、また元気が出てくるかもしれん」と、まるで『孤独のグルメ』を連想してしまうような長くて食欲に満ちた独白をした東山常務はいてもたってもいられなくなり、急ぎ足で荒岩主任の家へ向かいます。
その頃、実は妊娠して休暇中だった虹子さんは一人でお留守番をしており、「キッチンの隅にある残り物のそうめんを使って、デタラメな料理を作っちゃえ!」という軽~い気持ちで台所に立っていたのですが、アポなしで「私も空腹でね、ご相伴にあずからせてもらえませんか」「奥さんの料理の腕前は重々承知してますからね(´∀`*)ワクワク」と子どものように目を輝かせた東山常務がやってきたものだから大慌て状態になっちゃいます;。このシーンを読むたび、「もしかしたら真実がばれてしまうかも…!」と初見時にハラハラしたのを思い出します。
妊娠中の虹子さん、絶体絶命の大ピンチ!
しかし、そこはさすが虹子さん。こうなったらもう逃げられないと腹をくくり、「え~い、もうどうにでもなっちゃえ~い!」と半ばヤケになって料理を仕上げます(但し、いつも通り破壊工作をしながらですが;)。その後、何だかんだありつつ無事完成させて東山常務に出したのが、この“いそぎんちゃん”です!
作り方はそこそこ手がかかっており、端を縛って茹でたそうめんを海苔で「の」の字巻きにした後四つに切って揚げ、その上に卵の黄身・明太子・イクラ・ウニなどの具を乗せると出来上がりです。食べる時は、温めた天つゆにつけて一口で頬張るのがポイントとの事ですがどんな味がするのか全く想像がつかず、まさに未知の料理です。
ただ、作中で東山常務は「おほーっ!これはうまいっ!」「やっぱり奥さんは料理の天才じゃ!」「う~ん、何だか生き返った気分じゃ」と大喜びして元気回復しているので、前々から是非再現してみたいと熱望していました。
虹子さん、ヤケになって破壊工作をしつつ料理を作る;
手先が不器用なので絵みたいにきれいには作れなさそうですが、勇気を出して再現してみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、そうめんの準備。そうめんは糸か輪ゴムで片方だけ強く縛り、大量の熱湯でややかために茹でます。あんまり力を込めすぎると折れてしまいますが、だからといって緩く結んでしまうとほどけてしまうので、力加減が大切です(そうめんは半束ずつ縛って茹でないと、中に火が通りにくく茹で具合にバラつきが出てしまう為注意が必要です)。
いそぎんちゃん1
いそぎんちゃん2
茹で上がったらたっぷりの流水でよくすすぎ洗いをし、ザルにあけて余計な水気をしっかりきります。大方水分がきれたらしごいてさらに水気を落とし、縛っている付近の硬い所を包丁で切り取ります。
いそぎんちゃん3
いそぎんちゃん4
巻きすの上にラップを敷いて板海苔を置き(ラップも中に巻き込みそうで怖い場合は、後でラップを巻くだけでもOKです)、そこへ先程のそうめんを均等に薄く広げたら巻き寿司を意識してクルクルと「の」の字巻きに巻きます。太さは細巻きと同じか一回り太いくらいにし、ラップでぴっちり包んでそのまましばらく放置します。
いそぎんちゃん5
いそぎんちゃん6
やがて海苔がそうめんの水分によってくっついたらラップごと四等分に切り分け、ラップをそっと外して清潔な調理用はさみで海苔に切れ目をチョキチョキいれます。この時、外の海苔だけでなく中の海苔も忘れず切れ目を入れるのが後々の仕上がりを美しくするコツです。こうして見ると、名前通り本当にいそぎんちゃくにそっくりで一人盛り上がっちゃいました;。ここまでの作業自体も料理というよりは図画工作みたいで、思わず童心に返らされます。
いそぎんちゃん7
いそぎんちゃん8
こうやって出来上がったそうめん巻きの下部分のみに水で溶いた小麦粉をつけ(全面につけると食感が台無しになります)、約160度に熱した油の中へそっと加えて静かに揚げます。
※油の中で海苔の切れ目が広がっていく様子はまるでお花が咲いていくような感じで、見ていて楽しいです(^^)。
いそぎんちゃん9
いそぎんちゃん10
表面が香ばしく揚がったらすぐにキッチンペーパーへ取り出し、上から塩をパラパラ軽くふります。その間天つゆを温めたり、茹で卵の黄身をザルで裏漉しにしたり、明太子を皮からしごき出したりと色々な用意を済ませておきます。
いそぎんちゃん11
揚がったそうめん巻き一つ一つのてっぺんへ明太子・卵の黄身・イクラ・ウニをそれぞれ飾りつけてからお皿へ乗せ、その横に温めた天つゆや熱燗を添えれば“いそぎんちゃん”の完成です!
いそぎんちゃん12
一見しただけではお菓子だかおつまみだか何とも判別がつかない料理ですが、こんがり揚がったそうめん独特の香りがいかにも美味しそうで、見る見るうちに食欲が湧いてきます。ちょっと小洒落た感じの和風バーで突き出しとして出てきそうなイメージで、来客用のおもてなしとしても使えそうです(母曰く、「和菓子みたい」)。
いそぎんちゃん13
それでは、出来立てほやほやの内に天つゆをちょんちょんとつけていざ実食!いただきま~す!
いそぎんちゃん14

さて、味の感想ですが…意外にもしっくりお口に馴染むおいしさで、かなり感動!見た目だけではなく、味の方も相当に独創的です!
虹子さんは創作料理の大天才!
かの有名なそばを海苔巻き状にした料理・「蕎麦寿司」をそうめんバージョンにしてさらに天ぷらへと仕上げたような一品で、違和感は全くありません。そうめんの細さと淡泊な旨さが活きている分「蕎麦寿司」よりもさっぱり軽い後味で、おまけに喉越しまでツルンと数段良くっていっぺんに気に入りました。そのくせ、油で揚げている為程よいコクがプラスされており、不思議なボリューム感をも兼ね備えています。そうめんの先っぽのカリリと香ばしいまるで揚げ春雨みたいな歯触り、中側のヌニョヌニョプリッとした何とも涼しげで快感な舌触り、そして海苔部分のパリパリシコシコした食感や強い磯の風味が食べていてとても面白く、一個平らげたらもう一個と癖になる味でした。
この個性的なそうめん海苔巻きに、ピリッと辛くて魚卵特有の塩気が美味な明太子、ホクホクした食感で甘い卵の黄身、歯が触れる度にプチプチパチンと濃い旨味エキスが弾けるイクラ、ちょっぴりほろ苦くてトロトロと舌の上でとろけるウニなどの贅沢な具がぴったりマッチしており、決してネタだけの見せかけ料理ではないと内心見直しました。ちょこんとつけるだけで衣や海苔にじんわり染みてくる甘辛くて熱い天つゆも温かいそうめんに合っていますし、大人しい和菓子のような外見をいい意味で裏切っています(ちなみに、本体だけでもうっすらした塩味でなかなかいけました)。中側と外側の対照的な食感の妙といい、思わず笑みが浮かぶ愉快な旨さといい、食べててすごく楽しかったです。

「作る・見る・食べる」の三段階で楽しめる、まさに傑作と呼んでもいい創作料理です。作る作業は少々手間がかかって大変ですが、これは絶対また作りたいと思いました。熱燗との相性もナイスですし、言う事なしの再現でした。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2010.12.27 Mon 09:33  |  いそぎんちゃくだ!!

すごくかわいいですねぇ!!
いそぎんちゃく!私も作ってみたかったんです!
でも、揚げ物関係は母から危険だと禁止されていたのと(笑)結構手間がかかりそうで、上手にできなさそうだとあきらめていました。
こんなに、かわいく出来上がるなんて感動です!!
この付近ではやはり買えない物ばかりなので作れませんが、みてるだけでも、すごくテンションがあがりました!

両目0.05は、私も同じくらいですが、裸眼で通すとはすごいです。あんこさん。

  • #-
  • 花売り
  • URL

2010.12.28 Tue 12:45  |  

kんいちは。
いつも「へぇ~、ほぉ~」と感心しながら読ませてもらっています。

再現料理には興味があるもののなかなか実行するまでには行かないのですが、このサイトのおかげで好奇心が満たされております。

さて、視力が0.05という事を知って思わず
「お仲間、お仲間・・」
とうれしくなりました。

目が悪いことの唯一の長所は、眼鏡を外して街灯を見ると「ぼわん」と光の玉がふくらんだように見えて、とても綺麗なことだと思います。

あとは、怖い映画を見る時に、ここぞという場面で眼鏡を外してみると、よく解らないから怖くないし、目をつぶっている訳じゃないから何となく解るというくらいでしょうか(笑)

まあ、それはともかく、これからもいろんな料理にチャレンジして楽しませて下さい。

ではでは・・・

  • #-
  • masa
  • URL

2010.12.28 Tue 22:48  |  花売りさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

相方・マサル君から「グロイ…;」と言われてショックを受けていた矢先
でしたので、いそぎんちゃんをかわいいと言って頂けて非常に嬉しかったです!
私も大分前から憧れていた一品でしたので、感慨深かったです。
確かに、揚げ物は油がはねると危険ですよね~;。私も全く同じことを
昔母から言われていたことを思い出し、何だか懐かしくなりました。
ほんの少しだけでも花売りさんのお役に立てたのでしたら、光栄です。

正直、周囲の方からすると迷惑以外の何物ではないと思いますが、
視力がぼんやりしていると色々見なくていいもの(=自分の顔など;)を
直視しなくてすむので、色々楽なのです;。
ただ、仕事や自転車運転は収入や命の危険に直結するので、
必ず眼鏡をかけるようにしてます。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2010.12.28 Tue 22:56  |  masaさん、初めまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

正直、私自身偉大な先駆者のブログ・『明るい博士計画』のmayuさんの再現料理を
楽しく拝見する機会がなければ今日はなかったと痛感しています。
なので、私がすごいのではなく、あくまでmayuさんがすごいのだと考えています。

視力が0.05だと、うっすらぼんやりとしか見えなくて怖いですよね;。
ただ、夜中に見る街灯りや光がほわ~っとしてキレイに見えたり、
怖いシーンやぼんやりとしか見たくないシーンとかはオブラートに
包まれたみたいな感じに見えるので、悪くないな~と感じております(^^;)。
masaさんのおっしゃる通り、便利に感じる面も多々あると思います;。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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