『華中華』の“特製松茸チャーハン”を再現!

クリスマスになると、サンタさんとかイルミネーションとかよりも「今年の年末は何をして過ごそうかな~」と年末の計画ばかりが頭をよぎります。というのも、相方・マサル君とクリスマスに会うことはここ数年とんとない為(クリスマスは大抵出勤日)、私にとってクリスマスは「家族とちょっと豪華な夕食を囲む日」という認識になりつつあります。
どうも、来年度の会社の休日表を目にして「うちってこんなに年間休日数が少ないんですか~?!」とめまいがしてきた管理人・あんこです。

今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが上海亭のお客さんへの感謝の気持ちを込めて作った大サービスメニュー・“特製松茸チャーハン”です!
特製松茸チャーハン図
ハナちゃんがまだ修行一年目だった頃の秋、満点大飯店で松茸フェアが行われる事を知ったハナちゃんはそれに触発されて「そうだ!実家の裏山の奥で毎年松茸がいっぱい採れるから、それを送ってもらうよう徳島の父ちゃんと母ちゃんに頼もう。その松茸でチャーハンを作って、いつも通り五百円でお客さんに提供しよう!」というアイディアを思いつきます。これには上海亭のおじいさんとおばあさん、そして松茸が大好物な楊貴妃さんも大喜びで賛成し、早速何日も前から「値段を代えずに国産の松茸でチャーハンを作りますから、是非来て下さい!」と商店街中に宣伝します。それにしても、実家にいる時は毎年松茸が食べられていたハナちゃんが羨まし過ぎてしょうがありません(´Д`;)。
が、困った事に前日夜に実家から来た手紙には「ごめんよ華子…今年は猛暑と水不足で、松茸が全く見つからなかったんだ。その代わりに、新米を送るから許してくれ」という無常な結果が書き綴られており、おじいさん・おばあさん・ハナちゃんはすっかり参ってしまいます。中止しようにも、既にあちこちへ話がいってしまっているので今更止めるわけにもいかない雰囲気で、まさに絶体絶命の大ピンチです。
しかし、そこで幽霊ならではの助け舟を出してくれたのが楊貴妃さん。何と、恐ろしい事に人の家の箪笥の中まで把握しているという楊貴妃さんは、上海亭のおじいさんとおばあさんがお店の売り上げを毎日ハナちゃん名義で銀行にコツコツ貯金している事を知っていた為お二人に預金通帳を思い出すように仕向け、そのお金で国産松茸を買う展開に話を進めたのでした(ここらへん、楊貴妃さんはハナちゃんと違ってなかなかの策士だな~と思います;)。当然、ハナちゃんは最初「…でも、これはおじいさんとおばあさんの稼ぎでもあるんじゃ…」と拒むのですが、もはや娘同然のハナちゃんの為に何とか力になりたいおじいさんとおばあさんは「確かにそうだな…じゃあ決をとろう!この貯金で国産松茸を買うのに賛成の人は?」と二人そろって手を上げ、「これで賛成多数、国産松茸仕入れ法案は可決だぜハナちゃん!」とお茶目な様子で言ってハナちゃんを涙ながらに納得させてました(´;ω;`)。おじいさんもおばあさんも、粋なお人です。
ハナちゃんの為に一肌脱ぐおじいさんとおばあさん
そういう事情で、無事当日にハナちゃんが上海亭でお客さんにきっかり五百円で振舞えたのが、この“特製松茸チャーハン”です!
作り方は基本チャーハンとそこまで変わりませんが、唯一ポイントとなっているのは松茸の下準備。風味を落とさぬよう丁寧に汚れを取ったり、チャーハンに合うようにしつつも松茸単体で楽しめるギリギリの切り方にしたり、味を殺さない程々の下味をつけたり、仕上げの段階で加える際は漬け汁→松茸とタイミングを微妙にずらして入れるなど、色々なコツがあるので読んでて感心します。正直、最初読んだ時は「松茸をチャーハンにするのはもったいないような気が…」と感じたのですが、このレシピなら十分松茸を楽しめるチャーハンになりそうです。
ちなみに、お会計係のおばあさんはある一人のお客さんへ千円札のお釣りとして五百円を返そうとするのですが、「いや、お釣りは結構です。あんなに美味しい国産松茸のチャーハンがたった五百円では、松茸に申し訳ありません」と言われてそのまま立ち去られており、その後も多数のお客さんから「俺もそう思うよ!ばあちゃん、釣りはいらねえや!」「あたしもお釣りは要らないからね。千円でも安いよ!」とお釣りを拒まれ、嬉し泣きをしています。利益度外視を覚悟して実行しただけに、喜びもまたひとしおだったんだと思います。このお話を読むたび、思いやりの連鎖はいつ見てもいいものだから私もその一助を担える人間でありたいと心が温まります(^^)。
価値を分かっているお客さんが、お釣りを渡されるのを拒否。
実を言いますと、松茸を食べた経験は五歳くらいの時に法事の席で母からもらったお吸い物の具一切れのみという悲しい人間ですので、これをいい機会だと思って松茸デビューをかねた再現をしてみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、松茸の下ごしらえ。松茸は極めて鮮度が落ちやすいので、箱から出したらすぐに刷毛で余計な砂や汚れをそっと優しく払い落とし、軸の硬い部分のみを薄くそぎ落とします。
※今回私は金銭的な事情により、国産松茸よりどうしてもワンランク下がってしまう輸入物の松茸を購入しました(ただ、それでも約三千円といいお値段だったので一瞬心がくじけかけました;)。その為、見た目の方はどうしても中途半端になってしまいますが、ご了承して頂けますと幸いです。
特製松茸チャーハン1
この松茸を約二~三ミリの厚さ(ただ、個人的に食感に変化をつけたかったので、それより少々厚めに切った物も混ぜました)にスライスし、熱した焼き網で焦がさぬようさっと軽く炙ります。松茸の表面にじっとり汗みたいな旨味エキスが浮き出、うっすら透明感のある切り口になってきたくらいで取り出すのがベストです。
特製松茸チャーハン2
特製松茸チャーハン3
炙り終えたら縦横共に約五ミリ幅に切り揃え(この時、あまり小さく切りすぎてしまうと歯ざわりが物足りなくなるので、五ミリよりちょっと大きくなってしまっても可)、醤油と日本酒を適量混ぜておいたボウルの中へ投入して和えます。このまま三十分~一晩放置したら、松茸の下準備は完了です。
特製松茸チャーハン4
特製松茸チャーハン5
次は、チャーハン作り。以前、こちらで詳しくレシピをご紹介したハナちゃん流基本チャーハンの作り方通りにシンプルなチャーハンを強火で手早く作ります。
※後々新たに醤油が追加される為、仕上げ段階で入れる醤油の量は普段よりも大分減らしておく事を推奨いたします。
特製松茸チャーハン6
そこへ、先程仕込んでおいた松茸入り漬け汁の汁だけをザルで越してから加え、ざっと炒め合わせます。やがて漬け汁が全体に行き渡ったら最後に松茸を投入し、なるべく時間をかけずにささっと混ぜます。
特製松茸チャーハン7
混ぜ終えたらすぐに火からおろし、そのままお皿へ丸い形になるよう盛り付ければ“特製松茸チャーハン”の完成です!
特製松茸チャーハン8
松茸の濃密な香りがブワッと鼻腔に押し寄せ、興奮のあまり頭がジ~ンとします(´Д`*)。輸入物といえどさすが松茸、貫禄十分といった感じです。カサが開いた物を選んでしまったのでパッと見は色の薄いしいたけみたいなのが残念ですがorz、味の方は果たしてどんな風なのか気になります。
特製松茸チャーハン9
それでは、熱々の内にいざ実食!いっただっきまーす!
特製松茸チャーハン10

さて、味の感想ですが…品良く上品な後味が何とも美味し!日本人に生まれてきた事の幸せを、口中で実感出来るおいしさです。
松茸はチャーハンになっても、やっぱりすごく美味!
とにかく贅沢極まりないふくよかな芳香がチャーハン全体へと染み渡っており、中華料理というよりはまるで格調高い和食みたいな印象を受けました。「ボリュームある松茸の炊き込みご飯風チャーハン」というそのまんまなイメージのお味で;、永○園の松茸のお吸い物の匂いを数十倍フレッシュかつ鮮烈にした香りに感動させられます。噛むごとに凝縮された松茸の濃い旨味成分と、松茸の出汁を存分に取り込んだ焦がし醤油の奥行きある風味が舌の上いっぱいに広がる為、終始圧倒されっぱなしでした。最後に振りかけた日本酒のおかげで普通の基本チャーハンより若干あっさりした感じで、ちゃんとパラパラしているのに適度な湿り気が加わる事によってフワッとした口当たりに仕上がっているのが特徴的だったです。
松茸は、やや薄めに切っている部分はピラピラシャキシャキした小気味よい食感、ちょっと厚めに切った部分はまるで鮑みたいにコリコリと心地よい歯ごたえで、「さすが松茸、キノコの王様!」とすっかり感心させられました。歯触りだけならエリンギにかなり似ているんですが、やはりコクの質や存在感が断然違っており、松茸・炒り卵・刻みネギだけでも十分迫力のある味わいになっているのに驚きです。純和風の淡い醤油味のチャーハンが松茸の旨さを程よく活かしていますし、思っていたよりも「もったいない料理」になっていない事に安堵した再現でした。

それまでは「松茸は秋の味覚というけど、食べた事がないからイマイチ想像がつかない…」「永谷園のお吸い物の素とエリンギで作った偽松茸ご飯でも十分じゃないのかな~」と毎年松茸の実力について疑問を感じていましたが、今回の再現によってやっと理解出来た感じです;。確かに、これは秋がくるたび食べたくなる旬の豪華食材です(お金があればですが…orz)。特に、この特製松茸チャーハンの場合輸入物でも満足な出来栄えになるので、ちょっと奮発したい私のような庶民には助かるレシピだと思いました。輸入物でこんなに美味なら、国産だったら一体どれ程おいしいのか…うーん、興味津々です;。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2010.12.24 Fri 19:34  |  管理人のみ閲覧できます

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  • #

2010.12.28 Tue 22:33  |  九朗さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
ご返信が大変遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

はい…あの評判のいいスキージャンプ漫画のことです(´;ω;`)。
本当、最近の漫画業界は油断も隙もないので涙が出そうです…。
かなり過去にさかのぼれば、『地獄戦士魔王』だって打ち切るには惜しすぎでした。
それにしても、めだかボックスとトリコ…。
そういえば双方共に相方・マサル君が何か知っているようでしたので、
今度詳しい内容を手遅れになってしまう前に聞いてみようと思います。

トリカワギョーザ、これはおつまみとして最強です!
ジューシーでビールがすすむまさに最高の料理なので、是非とも
全国の居酒屋さんで取り上げられて欲しいです(^^)。

いえいえ、私信も公信も全部嬉しいので大歓迎です!
個人的に、鉄鍋のジャンをほめていただけて嬉しかったです!
これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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