『丼なモンダイ!』の“国崇特製サラダ牛丼”を再現!

 最近、『美味しんぼ』初期に登場したさくらんぼ酒に桜の塩漬けを浮かべた飲み物と、八百屋のスープの試作を空いた時間で繰り返しているのですが、どちらも満足する出来ではない為「うーん…」と悩んでいます。前者は肉桂の粉とさくらんぼ酒の香りがケンカしない割合、後者はどうやって小麦粉だけで野菜をプリン状に固めるかという課題で、肝心な箇所をぼかしたらすぐに記事に出来そうなのですがそれだとつまらないと思い、ここ数週間はそればっかり考えています;。コメント欄にてリクエストされた皆様、ご返信で「します」と言った漫画料理は必ず再現させて頂きますので、恐れ入りますが今しばらくお時間をご頂戴させて頂けますと幸いです。 
 どうも、作りたい料理は山ほどあれど肝心の調理スキルが圧倒的不足している為遅々として進まない管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『丼なモンダイ!』にて主人公の国嵩さんがライバル店のプレミアム牛丼に触発されて売り出した“国崇特製サラダ牛丼”です!
国嵩特製サラダ牛丼図
 国の米食促進の為にオープンされた政府直営の丼屋・<丼ぶり一丁>が、もうすぐ開店一周年を迎えようとしていたある日の事。日本有数の牛丼チェーン店・<吉田亭>の本部幹部達(恐らく吉○家をモチーフにしたと思われます;)は会議の際、<丼ぶり一丁>と同じ地区にある視点の売り上げが軒並み落ちてきている事を指摘し、「役人なんぞに負けおって恥を知れ!吉田亭は全てのエリアでナンバーワンの丼屋でならねばらならん(゜Д゜#)!」と激昂して各店の店長達を怒鳴りつけます。そして、この事態を一刻も早く改善しなければならないと考えた幹部は、最後の切り札として社員・湯浅さんを近隣の支店へ応援として派遣する事にします。一見ごく普通の中年男性に見える湯浅さんですが実はかなり凄腕な助っ人で、何でも売り上げがあまりよくない支店へ行ってテコ入れをしては近所にある同業者の店を容赦なく廃業へ追い込む事から、社内では「潰し屋」というあだ名で呼ばれている程恐ろしい人物なのだとか。そのせいか幹部からは相当に頼りにされており、「お前が指揮をとり、東京第13エリアでの丼戦争を征するのだ!」という指令を直々に下されてからは<丼ぶり一丁>の至近距離にある支店にて独自のマーケット調査で得た情報を参考に開発した三百円の五種類のオリジナル・プレミアム牛丼を売り出し、<吉田亭>を大繁盛させます。それにしてもこの流れ、かの『ミスター味っ子』で一時期黄金パターン化した展開(味将軍グループの刺客登場→挑発的なキャンペーンで近隣の顧客を奪い取る→陽一君が味方したお店大ピンチ!)とそっくりで、思わずノスタルジーに浸ってしまいました;。
 ただ、本作に登場する湯浅さんは『ミスター味っ子』内で登場したヒールたちと違ってお店を潰す事に喜びを感じている様子は一切なく、むしろ料理に対して真摯に取り組む姿勢がある為好感が持てます。よくよく考えれば、客側にとって「安い、早い、旨い!」と三拍子揃ったお店はありがたいと思いこそすれ避ける理由はないので、大手チェーン店のこういう経営努力は一概に責める気にはなれなかったりします…(ただ、個人経営のお店にはチェーン形式のお店にないフリーダムなメニューや、融通の利く細やかなサービスがあるので大手にはない魅力があるのも事実です)。
飲食業界から「潰し屋」として恐れられる料理人・湯浅さん
 ちなみに、五種類のプレミアム牛丼の内容は「鶏そぼろ牛丼」「メンマキムチ牛丼」「目玉焼き乗せタイ風牛丼」「とろけたチーズ牛丼」「もみじおろし牛丼」で、そのクオリティの高さは実際に試食した国嵩さんが「これで三百円か…」と感嘆したほど。けれども、だからと言ってこのまま指をくわえる訳にはいかないと助手・栞さんにはっぱをかけられた国嵩さんは、主な客層である三十代男性向けにある牛丼を発明し、首位自体は<吉田亭>に奪還されるものの集客数は見事にキープします。それが、この“国崇特製サラダ牛丼”です!
 佐賀県のご当地グルメ・シシリアンライスを国嵩さん流に大幅にアレンジして作った一品で、ごく普通の牛丼の上にレタス・きゅうり・トマト・かいわれなどの生野菜、コチュジャンやりんご酢などで調整した醤油味のドレッシング、辛子マヨネーズを彩りよく乗せたら出来上がりです。牛丼とサラダという組み合わせは他の牛丼チェーン店でもよく見かけますが、この牛丼みたいに生野菜と牛丼をバランスよく合体させた丼を出しているお店はあまり見かけないので、なかなかいい着眼点だな~と思いました。強いて言うならす○家の牛丼ライトに似た感じですが、それよりもさらに豪華で食欲をそそられます。
佐賀県の地元グルメ・シシリアンライスがモチーフ
 国嵩さん曰く、「この辺りは三十代前後の男性客がメインです。実は、彼らこそ潜在的には最も野菜を欲している客層だと思うんです」「健康診断の結果が気になり始め、食生活を見直そうとする。それでいて、単品ではサラダを注文するのは気恥ずかしいという方は多いんです。でも、牛丼に入れてしまえばそんな事はない」との事で、初見時は妙に納得させられました。個人的には、体に害があるかもしれないというのに人目を気にしている場合ではないのでは…と思ってしまいましたが、考えてみれば私自身も買い物カゴにカップラーメンとんこつ味・キムチ・缶ビール・プリンという見るからに胸焼けしそうな食品たちを入れてレジへ行く時には結構勇気がいるので、それと似た心理なのかもしれません。
 その後、<丼ぶり一丁>で“国崇特製サラダ牛丼”を食べて久々に初心に立ち返った湯浅さんは初めてライバル店を潰さないまま本部へ戻り、幹部に「あの店を潰す事は出来ません」「むしろ、アイツは丼業界を盛り上げてくれるという意味では我々の救世主なのかもしれません…」という言葉を漏らすのでした…。
健康面に気を使い始める三十代男性をターゲットにした牛丼
 最近、ぶっかけそばや冷やし茶漬けばかり食べてこってりした料理を食べていなかった為、読み返していくうちに無性に食べたくなってきました。サラダと牛丼を組み合わせると本当に美味しいのか、早速作中のレシピ通り再現してみます!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の準備。ベースとなる牛丼の具は、以前ご紹介した連載第一回目に登場する基本の牛丼のレシピを元に作っておきます(一晩寝かせた練れた味でも、出来立てほやほやの味でもOKです)。その間、作中の完成図から推測して用意したレタス、きゅうり、かいわれ、トマトを水洗いし、レタスとカイワレは大まかにザク切り、きゅうりは薄い輪切り、トマトはヘタをとってサイコロ状に切ります。
国嵩特製サラダ牛丼1
国嵩特製サラダ牛丼2
 次は、特製ドレッシング作り。ボウルに醤油、ゴマ油、りんご酢を入れて泡だて器でよく混ぜ、好みの配合になるまでそれぞれの量を調節します。りんご酢は他の酢に比べて酸味がまろやかですので、結構入れちゃっても大丈夫です。
国嵩特製サラダ牛丼3
国嵩特製サラダ牛丼4
 そこへ、味の要となるコチュジャンを適量入れ、さらにガーッと念入りに混ぜ合わせます。最後に味見をして納得したら、特製ドレッシングの出来上がりです。
 ※量は明確には書かれていなかったので各人の好みになりますが、辛いもの好きな方でしたら結構多めに入れたほうがより刺激的で牛丼に合う味わいになります。ただ、辛いものが苦手な方は隠し味程度がベストです。
国嵩特製サラダ牛丼5
国嵩特製サラダ牛丼6
 今度は、肝心の牛丼作り。丼に炊き立てのご飯をよそったらレタスとトマトを乗せ、その上へあらかじめ作って温め直しておいた牛丼の具とつゆを上からかけます(特に、レタスはやや多めに乗っけた方がいいと思います)。
国嵩特製サラダ牛丼8
国嵩特製サラダ牛丼9
 そこへ、さらにきゅうりとかいわれを散らすようにして飾りつけて特製ドレッシングを振りかけ、和辛子とマヨネーズを入れてぐにゃぐにゃ混ぜて作った辛子マヨネーズ入りビニール袋の先端をハサミで小さく切り取り、細い線状にしながら斜めかけにしていきます。
国嵩特製サラダ牛丼10
国嵩特製サラダ牛丼7
 辛子マヨネーズをお好みでかけ終えたら机へ運び、傍らに牛丼屋さん風に冷たいお水を添えれば“国崇特製サラダ牛丼”の完成です!
国嵩特製サラダ牛丼11
 牛丼は茶色一色になってしまいがちなのでどうしても殺風景な外見になりがちですが、この牛丼は色彩鮮やかなサラダを乗せているおかげでパッと見はとても華やかに見えます。トマトの赤・かいわれの緑・辛子マヨネーズの黄色が綺麗で、これなら牛丼チェーン店だけといわず、お皿に乗せてカフェに出されていてもおかしくないような印象を受けました。一体どんな味がするのか、見ているだけでワクワクしてきます。
国嵩特製サラダ牛丼12
 それでは、牛丼・生野菜・辛子マヨネーズを一気にお箸で持ち上げていざ実食!いただきま~す!
国嵩特製サラダ牛丼13

 さて、味の感想ですが…これはかなりおいしいです!牛丼チェーン店にあっても、十分通用しそうな旨さでした!
久々に勉強になる牛丼を食べ、感謝する湯浅さん
 コチュジャンのピリ辛味とゴマ油の香ばしい風味が堪えられない焼き肉のタレ風ドレッシングに、甘辛い牛肉やトロトロにとろけた玉ねぎが美味な牛丼がよく合っていて、生野菜がうまい具合に仲立ちとなって見事に調和しています。新鮮なレタスのザキュザキュした食感、トマトのジューシーな舌触り、きゅうりのサクッとした小気味良い歯触り、カイワレの瑞々しいシャキシャキ感が後口をスカッと爽やかにしている為、そこそこ濃い味わいにも関わらずスルスルッと胃に収められたのが印象的でした。上にかかっている辛子マヨネーズのまろやかに辛い刺激がいいアクセントになっていますので飽きませんし、何より生野菜がちゃんとサラダっぽく味わえるのがよかったです。他の酢に比べると比較的口当たりが優しいのが特徴的なりんご酢を使用したせいか程よい酸味が効いていて、ボリュームがあるのにさっぱりという不思議な味わいの牛丼でした。
 甘いようで辛酸っぱい、こっくりしたコクがあるようでしゃっきりフレッシュという相反した要素が複雑に入り交じっているので、幅広い層に受けそうな丼です。作中で言われていた通り「シシリアンライス」と多少似ていましたが、個人的にこれは「チーズとスパイス抜きのタコライス風牛丼」って感じの味がするな~と感じました(なので、この丼はチーズをトッピングしてもベストマッチします)。サラダが牛肉の旨味を引き上げつつしつこさを中和するという、まさに一石二鳥な料理です。

 牛丼とサラダを一緒くたにするとぐちゃっとしちゃいそうなイメージがありましたが、実際に食べてみるとそこそこヘルシーなのに「牛丼を食べた!」という満足感まで味わえたので、幅広い層に受けそうです。特にドレッシングの出来が素晴らしく、これなら普通のサラダに使ったり冷奴にかけたりしても合いそうだと思いました。

●出典)『丼なモンダイ!』 原作:花形怜 作画:吉開寛二/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.06.02 Thu 21:35  |  

佐賀のシシリアンライスに似ていて美味しそうですね。

  • #-
  • うな。
  • URL

2011.06.22 Wed 21:55  |  うな。さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
この度はご返信が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

うなさんのおっしゃる通り、確かにシシリアンライスと
酷似した点が多々ありました(野菜のシャキシャキ感とお肉の組み合わせなど)。
ただ、辛子マヨネーズだけは原作を越えたと勝手に感じています(^^;)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『夢色パティシエール』


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