『おいピータン!!』の“緊急食のしょっつる卵かけご飯”を再現!

近頃、「この方の描いた短編漫画を、もっと読みたい…」と渇望する漫画家さんをまた一人、見つけました。それは、月刊<エレガンスイブ>三月号で読みきりを一本執筆なされていた、サメマチオ先生。「ひとんちのお弁当」という題名の十二ページ読みきりだったんですが、個人的に心へ自然と染み入っていく透明な印象のエッセイ風漫画でした。何でもかんでも「再現」と言うと情緒がない感じになってしまうのでいささか申し訳ないのですが、それでも「この漫画に出てくる逆そぼろ弁当、無性に食べてみたいな…再現したいな…」と思いました。
どうも、サメマチオ先生が2008年度に描かれた「ストリームガール」もいち早くお気に入りの漫画になった管理人・あんこです。

本日再現する漫画料理は、『おいピータン!!』にて作者・伊藤理佐先生が巻末で「急いでる時のご飯」として紹介された“緊急食のしょっつる卵かけご飯”です!
緊急食のしょっつる卵かけご飯図
漫画『おいピータン!!』の中では、簡単に出来る物から手間ひまかかる物まで非常に幅広いジャンルのウマーそうな料理が描かれていますが、意外にも伊藤理佐先生が普段から好んで食されている食事は、かなりシンプルな料理が多いです(…って、余計なお世話ですね;)。その傾向が如実に現れているのが、ある巻末にて恐る恐る語られていた「坦々麺三段活用」
近所のラーメン屋さんから出前で取り寄せた出来立てほやほやの坦々麺を、まずはそのまま半分食べる→時間がたってのびにのびた冷え冷え坦々麺を、麺だけ全て平らげる→しばらくしてお腹がすいたら、残った汁にご飯を投入してスープご飯風に食らうという、ある意味ラーメン屋さんにとっては「そ、そこまでうちの坦々麺を…(つД`)!」と料理人冥利に尽きるかもしれない食べ方なんですが、これが読んでて妙に惹きつけられる感じで、内心「これは案外いけそう!」と感じました。坦々麺のスープはピリ辛でキレがいい割に濃厚な味なのでご飯と合わせると程よく中和されそうですし、何より残ったスープでタダ同然に作れる所がお得感をくすぐる一品です。ただ、猫まんまと同じ宿命で人前で堂々と食べることが出来ないのが唯一の欠点だと思いました;。私が小さい頃から食べ続けている親子納豆丼(豆腐+納豆+刻みネギ+ご飯をぐっちゃぐちゃにかき混ぜ、仕上げにカツオ節ふりかけや醤油をかけてひたすらかっ込む下品極まりない私なりの緊急食^^;)と、いい勝負です。
残念ながら今回再現するのはそちらではなく、『おいピータン!!』二巻の後書きにて伊藤理佐先生が「これ、いつまで飽きずに食べれるかと思って食べ続けてたら、いつまでも飽きなくて怖かった…」とまで描いていた一押しのお気に入り料理・“緊急食のしょっつる卵かけご飯”です。
あなたの緊急食は?と問う伊藤先生^^
緊急食(=急いでいる時に食べる手抜き料理)と言われるだけあってものすごく簡単で、ちりめんじゃこと卵黄をご飯の上に乗せ、仕上げに秋田県名産の調味料・しょっつるをたっぷりかけるだけでもう完成。あとはひたすらかっ込むだけで食事完了で、あまりにも気に入ってしまった為急いでない時にも食べるようになってしまったとまで伊藤理佐先生は打ち明けていました;。ちなみに、しょっつるとはハタハタという秋田県でよく捕れる鰯に似た魚と塩のみを使って何年も熟成して作成する一種の魚醤で、数多い魚醤の中でも特に旨み成分であるアミノ酸が豊富であまり臭みが気にならないのが特徴なんだとか。味がいい上に後片付けも簡単に済むので、当管理人のようなズボラ人間には嬉しい緊急食です。
山口生まれ福岡育ちの私としては全くの未知な調味料でしたが、『おいピータン!!』でも何かというと活用される事が多いので、つい最近思い切って“カキと豚バラとセリと油揚げのお鍋”再現の為に勇気を出して購入し、お鍋を始めとする様々な料理に使用してみると…これはおいしい!ローマ時代のガルムもこんな感じだったんだろうかと、急速な勢いでハマっていきました。
片付けが簡単に済むのが卵かけご飯の魅力
せっかく手元にあることですし、加熱するだけでなくそのままかけて食べてみないともったいないと思い、再現を決意しました。他県の人間ゆえしょっつるの魅力を正確に表現出来ず大恥をかいてしまうかもしれませんが、物は試しだと考えて早速作ってみようと思います!

という事で、レッツ再現調理!
まずは、材料の準備。ちりめんじゃこは釜揚げのしっとりしたタイプの物ならそのまま、やや硬いままの物はザルにあけて熱湯をザーッとかけ、ふやけさせてからみずけをしっかりきっておきます。あと、卵は卵白と卵黄にわけ、卵黄のみとっておきます(私の場合、卵白は天ぷら入り味噌汁に入れて食しました。ご飯にぴったりで美味しかったです^^)。
緊急食のしょっつる卵かけご飯1
緊急食のしょっつる卵かけご飯2
熱々のご飯(炊きたてご飯でも保温したご飯でもOKですが、伊藤理佐先生のこだわり通りに作るなら解凍したご飯が最適です)の上に先程のちりめんじゃこと卵黄を乗せ、その上からさらにしょっつるを好きなだけ回しかけます。
※但し、しょっつるは醤油よりも塩分が濃いのでかけすぎに要注意!
緊急食のしょっつる卵かけご飯3
緊急食のしょっつる卵かけご飯4
あとはお箸と一緒に机の上へ運べば、“緊急食のしょっつる卵かけご飯”の完成です!
緊急食のしょっつる卵かけご飯5
しょっつるを加熱せずに食べるのは初めてなんですが、思った以上に匂いはきつくないのでほっとしました。むしろ魚醤ならではの魚のいい香りを数十倍濃縮させたような芳香が秀逸で、確かにこれならはまりそう…と早くも納得しました。所要時間がたった三分足らずなのにも関わらず、見た目と香りの完成度が高いので、味の方にも期待が持てます。
緊急食のしょっつる卵かけご飯6
それでは、卵黄をお箸で突き崩してグリグリとよ~くかき混ぜていざ実食!いただきまーす!
緊急食のしょっつる卵かけご飯7
緊急食のしょっつる卵かけご飯8

さて、味はと言いますと…こりゃ美味し(゜Д゜)!海の物ならではの旨さが堪能出来て、ひと味違う卵かけご飯です!
生卵にはどうしても付き物な生臭さが、しょっつる特有の熟成された深い香りによって見事に打ち消されており、おかげでサラサラ頂く事が出来ます。これは"カキと豚バラとセリと油揚げのお鍋"を再現した際にも感じた事ですが、しょっつるはナンプラーよりもずっと癖がない割に奥深い旨味や潮風味の塩っ気は負けず劣らず素晴らしい為、単品だけではその真価を発揮しにくい魚介類と冬野菜の魅力を引き出すのに最適な調味料だと思いました(ナンプラーは魚醤上級者向けで非加熱だとなかなかきつい匂いですが、しょっつるは火入れしてもしなくても日本人に馴染みがある感じで魚醤初心者向けです)。特にちりめんじゃことの相性の良さがすごく、グニグニガシガシと噛み応えのあるちりめんじゃこをしょっつる卵かけご飯がしっかり絡めて口の中で混然一体とさせる感じは、一見ならぬ一食の価値ありって感じでした。
実は卵黄だけで作った卵かけご飯を食べるのは初めてなんですが、全卵を使った卵かけご飯よりもねっとり感と卵の濃厚さが増した味わいなので、卵好きには堪えられない即席料理です。通常の卵かけご飯はサラサラ~ッと一気にかっこむのがおいしいのに対し、こちらの卵かけご飯はじっくり噛めば噛む程まったり美味になるって印象でした。食べた時の口当たりをなるべく例えるなら、おにぎりをリズミカルに握っている時のあの「ニッチャ、ニッチャ、ペタペタ」という音に酷似している感じで、卵黄の粘る力というものはこれ程すごかったのかと目を見張る思いにさせられます。

ファーストフードも顔負けなのにこのおいしさは反則だと感心させられます。ただ一つ難を言うとするなら、そこそこ量を入れないと醤油並に味が決まりにくい所がネックですが、その時は醤油と併用すればすぐに問題は解決します。しょっつるをお持ちのご家庭の方は、一食の価値ありだと確信した再現でした(^^*)!

●出典)『おいピータン!!』 伊藤理佐/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.02.25 Fri 20:35  |  

コメントするのは久しぶりですけれど更新は毎回楽しみに読んでいます。卵かけご飯と魚介系というと、私はイカの塩辛を足すのが好きですね。イカの塩辛は、しょっぱいですから基本的に醤油は掛けない方向で。塩分の取りすぎになりますからね。

  • #-
  • oguogu
  • URL

2011.02.26 Sat 02:27  |  

おっ・・・・・おいしそう!

こんな夜中に見てしまったのでおなかがすいてしまいましたw
しょっつるはどんな味がするのかわからないのですが
写真の見た目だけでもうおいしいというのが伝わってきますね

ん~おなかすいたなぁw

  • #pQ10pJ/g
  • 玲音
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  • Edit

2011.02.26 Sat 12:35  |  はじめまして

 楽しく拝見させていただいております。
しょっつる卵かけご飯、ついに再現されたのですね・・・!
 自分はしらすがあまり好きでないので
美味しいのかなと思いつつ躊躇していたのですが
同じ作品にあった大森さんのお母さんが作られる
御雑煮(昆布だしの汁にしょっつるで味をつけ、
もちとゆずの皮・いくら・のり・三つ葉を具にしたもの。
中身を入れる前にゆず果汁を椀の内側に塗っておく)
は今年のお正月に再現してとても美味しかったです♪
 それから、こちらでご紹介されていた「クッキングパパ」の
サバの日本酒蒸しを作ってみたらとってもいけて、
我が家の定番になりつつあります。
これからも更新楽しみにしております。

  • #NsCjPHjg
  • きづき
  • URL
  • Edit

2011.02.28 Mon 21:39  |  oguoguさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
ご返信が大変遅れてしまい、誠に申し訳ございません。

oguoguさんに変わらず読んで頂けていると知って、ほっとしました;。
つたないブログですが、たま~に暇つぶしとして活用していただけると光栄です。
イカの塩辛とご飯はそれだけでゴールデンコンビなのに、そこへさらに
生卵を加えてしまうとは…!ゴージャス極まりない卵かけご飯ですね!
イカの塩辛は大好きですので、今度早速試してみます!

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.02.28 Mon 21:43  |  玲音さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

玲音さんにそうおっしゃって頂けると、光栄です(^^*)。
しょっつるはそこまで匂いは強烈ではない割に魚本来の旨みは
深いので、魚好きの方にはかなりおすすめです。
卵かけご飯はもちろん、お鍋やスパゲティ、炊き込みご飯、汁物などの
隠し味に最適ですので、よろしければ是非試してみてください!

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.02.28 Mon 21:48  |  きづきさん、はじめまして。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

はい、前々から気になっていたので思い切って再現しました(^^)。
私のほうはと言うとしらすのあのクニクニした感じが大好きなので、
まさに至福の卵かけご飯でした。しょっつるがよく効いているので美味です。
実は、お雑煮再現も今年のお正月にちらっと考えていたのですが…、
「そしたら、来年のお正月のネタがなくなっちゃうな~」と
貧乏性な出し惜しみをしてしまい、とうとう期を逃しちゃいました;。
旬を気にせず再現するのもありかもしれませんが、お雑煮だけは
時期を無視しちゃいけないんじゃないかな…と感じた為、
気の長い話ですが再現は来年の元旦になりそうです;。

サバの酒蒸しは我が家の定番にもなった料理なので、
思わず勝手に(・∀・)人(・∀・)ナカーマと盛り上がっちゃいました;。
安くて簡単で美味しいので、くせになりますよね~!

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.03.05 Sat 22:19  |  

ピータンは講談社漫画賞をもらう前から愛読していました。ふつうのカレーとかもよろしくおねがいします。
卵 じゃこ ごはん では西原理恵子「いけちゃんとぼく」の無敵めしもあります。こちらもよろしくおねがいします。

2011.03.08 Tue 21:37  |  madiさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

何と、そんなに前から読まれていたのですね!
私は比較的最近読み始めた方だったのだな~と恥ずかしくなりました(^^;)。
ふつうのカレーはもちろん、イカリングカレーとかその他の
様々なそそる料理を再現予定ですので(餃子、雑煮、卵酒など)、
よろしければその際にはお読みになって頂けますと非常にありがたいです。

西原理恵子先生の著作は、つい最近だと『パーマネントのばら』が好きですが、
『いけちゃんとぼく』はまだ味読でした。今週、本屋さんで探して
是非そちらも再現してみようと思います(って、情緒のないご報告ですみません;)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
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