『クッキングパパ』の“荒岩流そばのお好み焼き”を再現!

 私が好きな焼きそばは、「コシが強い生麺&甘辛フルーティー風味&ソースがやや焦げて麺の表面に付着している部分アリ&具沢山タイプ」という非常にややこしいものなのですが、どのお店を回っても大抵何かが欠けている為、完全に満足する焼きそばを外で食べた事はなかったりします…。我ながらわがままだと自覚しているのですが、焼きそばは胃が欲するというよりはむしろ喉が欲する料理なので、結局は納得できるものを自分で作るしかないのかな~と半ば諦めかけています。…本当はこういうくだらないこだわりは早く捨てたいのですが、そうなるにはもう少し時間がかかりそうです(^^;)。
どうも、こんな事を言いつつカップ焼きそばや縁日の焼きそばもそれなりに好きだと思う矛盾した心の管理人・あんこです。

 今日再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が野外でまこと君やさなえちゃん達の為に準備してあげた“荒岩流そばのお好み焼き”です!
荒岩流そばのお好み焼き図
 荒岩家の長男・まこと君が小学校四年~五年になる頃、小学校三年生くらいの時にお父さんの転勤によって離れ離れになっていたもののずっと文通をしていた初恋&両思いの女の子・さなえちゃんが再度博多へ戻ってくる事になり、まこと君はこれ以上ないくらい大喜びします。まさかこんなに早く福岡へ帰ってこられる事になるとは想像すらしていなかったまこと君はいてもたってもいられなくなり、自分同様さなえちゃんと大の仲良しなみつぐ君とえっちゃんを誘って、四人で歓迎会をかねた海釣りへ行く事になります(それにしても、小学生だというのに一年以上もずっと文通して交流を続けられたまこと君とさなえちゃんの忍耐力はすごいと読んでて思いました;)。
 そして海釣り当日、すっかり大人びてお洒落になったさなえちゃんがまこと君達の前に姿を現してからはずっと「かっこいい~、さなえちゃん!」「さすが何年か東京におった人間は違うバイ!おれたちゃ田舎者だもんな~」と賛辞の声がさなえちゃんに浴びせられます。事実、元々さなえちゃんは「筑紫小のマドンナ」と呼ばれていた程のかわいい女の子だったのですが、この頃になると服装にまで気を使うようになっていたせいか一際目立つ感じに変身していました。かつて同年代の時に「四組のドドリア」と呼ばれていた当管理人としては、羨ましい事この上なかったです(その他にも「妖怪人間ベム」「オトコ女」という呼び名があった事も;)。
 しかしさなえちゃんは何故か浮かない顔になり、おまけに海釣りに使う餌の太いミミズを見てすっかり怖がってしまって海釣りを見学するだけにしようとします。けれども途中、何でも積極的に挑んで楽しむまこと君達を眺めたり、運転手兼保護者としてついて来ていた荒岩主任に「やってみたら?まことが優しくコーチしてくれるぜ」「ああしてるが、みつぐ君もついこの前まで魚が触れなかったんだぜ」とやんわり背中を押される事によって、何とか海釣りに参加して一緒に盛り上がることが出来ていました(^^)。
最終的には大盛り上がりするまこと君ご一行
 その後、お昼ご飯時にさなえちゃんは重い口を開き、東京へ引っ越したての時期にあった出来事や自分の正直な胸の内を打ち明けます。それによると、さなえちゃんは東京の学校へ引っ越してきたばかりの頃にいじめという程ではないものの、日常的に喋る言葉・それまで遊んできた場所・観ているTVの違いなどから馴染めない日々を過ごし、そのおかげでなかなか友達が出来ずとても苦労したとの事。さなえちゃんによると「なるべく博多の言葉を出さないようにしても…何となく違うの」「何だかすごく自分が田舎者のような気がして…みんなの中に溶け込めなくて…」「で、やっと慣れてきて友達も出来たのに、また引越しでしょ。今度は博多のみんなと違っていたらどうしようかと思ったの」という気後れや不安がずっとあったようで、同じく小心者な私は大いに共感しました。新しい環境というだけでも大変なのに、文化の違いまで混ざってきたら、内気な人間はひたすらオロオロするしか最初はすべが無いような気がします(^^;)。
 けれど、さなえちゃんは力強く「でも、さっきまこと君達を見てて思ったの。何にでも自分からどんどん入っていけばいいんだって」「遊びでも学校でも…釣りでも、臆病になって引っ込んでたらいつまでたってもダメだもん」と語り、何かと気弱だった自分を変える決心をします。正直、大人しい人間にとってはたったそれだけでも相当ハードルが高い行為ではあるのですが、「やらない後悔よりやる後悔」はこの世の中に数多いと思いますので、さなえちゃんには「当管理人みたいに、二十五にもなって引っ込み思案のままだったら変わろうとする時苦労するから、それは正しいぞー!小学生の内に変わっちゃえば後が楽だから、頑張れー!」というエールを送りたくなりました;。鉄は熱いうちに叩けと言いますが、今思えば本当に真理ですよね…orz。
自分からどんどん飛び込んでいくことの大切さを知りました
 ちなみに、この日まこと君達が元気になったさなえちゃんと共にハフホフ言いながら頬張ったのが、荒岩主任がタネを用意してまこと君が焼いて作った“荒岩流そばのお好み焼き”!何とこのお好み焼きは小麦粉は一切使わずそば粉100%で作るというちょっと特殊なお好み焼きで、荒岩主任曰く「口当たりがソフト」「栄養満点、消化もいい」んだそうです。作り方自体はいたって平凡で、そば粉・山芋・卵で作る記事に海鮮系の具やキャベツなどを混ぜてタネを作り、それを豚バラ肉と一緒に焼いたら出来上がりとの事でした。
 ヘルシー料理は女の子に受けがいいのか、さなえちゃんも大喜びで食べていて、思わず「今まで食べたお好み焼きの中で一番好いとおっ」とつい博多弁が口から飛び出る一幕もあって微笑ましかったです(^^*)。
荒岩主任が準備をし、まこと君がそれを焼く
 今まで小麦粉と山芋を組み合わせた生地のお好み焼きしか食べたことが無かった為、どんな味か非常に気になりました。そば粉が安く手に入ったことですし、早速再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、材料の下準備。エビは殻と背ワタを取り除いてぶつ切り、イカは捌いた後に皮をむいて一口大のサイズに切り、豚バラ肉のスライスは真っ二つに切り分けます。キャベツは水洗いして千切り、もやしは流水ですすいでざるで水気をきり、山芋は皮をむいてからおろし器で大量にすりおろします。
荒岩流そばのお好み焼き1
荒岩流そばのお好み焼き2
 次は、タネ作り。ボウルへ先程すりおろしておいた山芋と生卵を入れてガーッとかき混ぜ、そこへあらかじめふるい器にかけてサラサラにさせておいたそば粉を少しずつ投入しながらさらに混ぜ合わせます。この時、一気に混ぜきってしまおうと一度に大量のそば粉を入れたり、ふるい器にかけずそのままそば粉を加えたりするとたちまちダマになってしまいますので、慎重に混ぜる事を推奨いたします。
荒岩流そばのお好み焼き3
荒岩流そばのお好み焼き4
 ムラなく山芋とそば粉が混ざったら、そこへキャベツ、もやし、エビ、イカを好きな順に入れ、よ~く混ぜます。具と生地がすっかりなじんだら塩とこしょうを振り、好きな塩加減にします(後々お好みソースやマヨネーズでごってり味付けしますので、薄味の方がいいです)。これで、お好み焼きのタネの出来上がりです。
荒岩流そばのお好み焼き5
荒岩流そばのお好み焼き6
 今度は、焼き作業。熱したホットプレート(又は鉄板)に薄く油をひき、豚バラ肉を一枚ずつ整えながらしいてこんがり焼きます。その際、お好みで塩をふっても可です。やがて豚バラ肉から油がジュワジュワ溢れてきて、上部分にまで火が通り始めたら、その上にタネを丸い形になるよう広げながら入れます。
 ※豚バラ肉から出てきた油がお好み焼きになんともいえない風味をつけくれるので、豚バラ肉が中途半端にしか焼けていないうちにタネを広げると今ひとつ物足りない味になります。その為、ここは焦げそうになるギリギリ寸前まで焼いてからタネを流し込むのがベストです。
荒岩流そばのお好み焼き7
荒岩流そばのお好み焼き8
 生地の下部分が香ばしく焼けたらひっくり返し、同じくこんがり焼けてくるまで放置します。その時注意するべき点は、生地の触りすぎ!なかなか焼けないと焦ってギューッと押し付けたり、何度も叩いたりひっくり返したりすると生地がぺしゃんこになって空気が抜けてしまいますので、触るのは最小限にとどめたほうがいいです(過保護にかまい過ぎるとダメになってしまうのは、お好み焼きも子どもも同じですね;)。
荒岩流そばのお好み焼き9
 段々中に火が通ってきたら、表面にお好みソースとマヨネーズをたっぷり塗りつけます。両方とも混ぜながらのばしてぬると、見た目は悪いですが一体感が出ます(^^)。
 ※私の場合、お好み焼きに限って言うならオタフクソースさんの「お好み焼たべたい!お好みソース」というソースが大のお気に入りなので、お好み焼きを作る時はこれを好んで使ってます。甘みと酸味が通常のソースより控えめで出汁がきいており、たくさん使ってもしつこくないのが特徴です。
荒岩流そばのお好み焼き10
荒岩流そばのお好み焼き11
荒岩流そばのお好み焼き12
 お好み焼きの中心部にまで火が通ったらホットプレートの温度を切り、最後に青のりと粉カツオをどっさりふりかければ“荒岩流そばのお好み焼き”の完成です!
荒岩流そばのお好み焼き13
 お好みソースやマヨネーズの郷愁を誘う香りやと共に、カツオ粉の鼻へ突き抜けていくような強いカツオの匂いが胃袋を直接刺激してくる為、お腹がすいた時には堪えられない一品です。見た目の方も、青のりの青々とした緑色が茶色と薄灰色で地味に仕上がっているお好み焼きに美しい彩りを添えていていい感じでした。肝心の味は果たしてどうなのか、ワクワクしてきます。
荒岩流そばのお好み焼き14
 それでは、作中のようにヘラで四等分にザクザク切り分けていざ実食!いっただっきまーす!
荒岩流そばのお好み焼き15
荒岩流そばのお好み焼き16

 さて、味の感想ですが…これはかなりおいしいですっ!お好み焼きなのに、どこか上品な雰囲気が漂っていました!
「今まで食べた中で一番好いとお!」とさなえちゃんが言ったお好み焼き
荒岩流そばのお好み焼き17
 ガブリと頬張った瞬間熱々の蒸気がブワッと噴き出し、それと同時に様々な具がゴロゴロ舌の上へ転がり出してくるのがたまりません。上にたっぷりぬったまろやかに甘辛いお好みマヨソースが、どことなく懐かしいそば風味のフワフワもっちりした生地にばっちり合っているのも大満足ですし、小麦粉を使用した通常のお好み焼きに比べてスルッと胃にもたれず頂けるのに驚きました。例えるなら「関西下町風・具沢山焼きそばがき」ってイメージで、濃い味付けなのに関わらずあっさりした後味なのがよかったです。中はとにかくソフトで優しい口当たりなんですが、底部分のこんがり焼けたサクッサクッと香ばしい食感がちょうどいいアクセントになっている為バランスが良く、本当にいくらでも食べられるヘルシーお好み焼きって印象でした。この落ち着いた味わいの生地に、豚バラ肉の旨味たっぷりな肉汁がじんわり染み込んでいるのが何とも言えないコクをさらに深めており、何とも乙な味です(豚バラ肉自体も、余計な脂が抜けてカリッとしているのが美味でした)。
 キャベツのザクザクした歯触りや素朴な甘味、もやしのしゃっきりした食感、エビのプリプリした弾力、イカのシコシココリッとした歯応えが我先にと主張してくるので、口の中がとても賑やかになるのが嬉しいです。また、母が言うには「口に入れた時、カツオ粉の香りがする感じが一銭洋食に似てた」との事でした。確かに、カツオ粉は普通のカツオ節の二倍は香りが強い上に旨みがよりダイレクトに伝わってきた為、いい仕事をしているな~と感じさせられます。

 小麦粉を使ったお好み焼き、山芋だけを使ったお好み焼きのどれとも違う味のお好み焼きで、どちらかと言うと子どもよりご年配の方に好かれるお好み焼きなんじゃないかな~と思いました。ビールよりはチューハイが合うおいしさで、大勢でワイワイ言いながら食べるのに向いていそうです。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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