『こまったさんのスパゲティ』の“スパゲティ・コン・トンノ”を再現!

 アフタヌーンで連載中の漫画『臨死!江古田ちゃん』に、今更ながらはまっています。私はどちらかと言うと友人Mタイプに属しますが、江古田ちゃんのような友達がいたら毎日長電話をしてしまいそうです。ただ、給料日前に無性に買い揃えたくなって思わず買った為、二十五歳のいい歳をした大人だというのに四日近く財布には約三百円しか入れていない状態で過ごすという非常にリスキーな日々を過ごしていました(貯金はない訳ではないのですが、四日くらいなら何とか持つ!と信じて取った行動でした)。馬鹿ですね!
 どうも、梅干しや鮭フレークなどといったありあわせの具だけを握って作る自作のおにぎり弁当は給料日前に欠かせない友な管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『こまったさんのスパゲティ』にてこまったさんが不思議な世界へ迷い込んだ折に動物達から教わりながら作った“スパゲティ・コン・トンノ”です!
スパゲティ・コン・トンノ図
 『こまったさんのスパゲティ』の再現は、結構前に作った“スパゲティ・ミートソース”以来ですので約一年以上ぶりとなります。ただ、記事にはしないものの休日に暇を見て作中のレシピを全て再現しており、もう大分前の本だというのに実用性の高いレシピに驚きつつ「おいしい!」と舌鼓を打っていました(とは言っても、ミートソースの他にはボンゴレとトンノだけだったので実質三種類だけの再現なのですが;)。最近は、もはや本家を超えたんじゃないだろうか…と感動してしまうくらい多種多様でお洒落なオリジナル・スパゲティソースがあちこちで発明されており、まさに百花繚乱の様相を呈しているのですが、それでもやはり時々『こまったさんのスパゲティ』に出てくる基本中の基本なパスタ料理を食べると、「ああ、これこれ」と慣れ親しんだ味にほっと癒されます。
 中でも、ミートソース以上にはまってしまった一品が、この“スパゲティ・コン・トンノ”。名前だけ見るとそこそこ凝ってそうな料理に思えますが、要は単純な「トマトとツナのスパゲティ」で、生トマト・マグロ缶・にんにく・玉ねぎをソース煮込んで塩とこしょうのみで味付けするという簡単極まりないレシピが魅力的なスパゲティです。そう言えばよくよく考えてみると、大抵のスパゲティは海外での呼び名が主流となったというのに、この“スパゲティ・コン・トンノ”だけはどういうわけか「トマトとツナのパスタ」という極めて日本的な呼ばれ方が未だに主流な気がします。やはり、「トンノ」だけではトマトのイメージがわきにくい上に「とんま!」というけなし文句に似ているからなのでしょうか…。
 実はこのレシピは元々こまったさんが知っていたものではなく、何と不思議な世界に登場した言葉を話せる象(?!)から直々に教わった物。お約束通り、ひょんな事がきっかけでアフリカの大草原に似た世界へ迷い込んだこまったさんは、大きく育ったバオバブの大樹の幹にあった穴の中で開かれていたレストランから聞こえてきた音楽につられてフラフラと迷い込み、そこにいた大勢の話せる動物のお客さん達から何故かコックさん扱いされて「スパゲティ、まだかぁ」「ボンゴレ、ボンゴレ、コン ボンゴレ」「トンノ、トンノ、コン トンノ」と催促されてしまい、成り行きでパスタ料理を用意しなければならない事態になってしまいます。ただ、幸いにもレストランの席に座っていた象がこまったさんと共にキッチンへ来てくれ、一つ一つ丁寧に手順を教えながら作り方を教えてくれた為何とかスパゲティを作り上げられていました(けれども、心の狭い私は作中のこまったさん同様「知っているなら、どうして自分で作らな(以下略」という突込みが喉元まで突っかかってしっます;)。
 ちなみに、この大草原にはどういう訳か相当な至近距離にライオン、チーター、豹、シマウマ、キリン、カバ、象、インパラといった動物達がこまったさんの周囲に勢ぞろいしており、おかげでこまったさんは「こまったわ、ライオンや象がきたらどうしよう」と慌てて逃げ出してこのレストランへ入るハメに陥ってしまったのでした;。それにしても、シリーズ第一作目早々にこんな異常な状態に遭遇したというのに「こまったわ」で済ませられるこまったさんは、ある意味肝の据わった大物何じゃないかな~と思います(^^;)。
何と、喋る象から教わったレシピです;
 実を言いますと、この料理は動物達の謎の失踪によって結局食べてもらえなかったというズッコケそうなオチだったのですが、以前実際に作ってみると残されたことが惜しくなるようなおいしさでしたので、早速当ブログにてご紹介する為に再現してみようと思います(単純なレシピなので、とっくにご存知だった場合は申し訳ございません;)。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、トマトの準備。完熟した生トマトのヘタを取って水洗いした後、大雑把にぶつ切りにします。作中のレシピではそのまま種と皮ごと加えているので、特に気になさらない方はこれで下処理は完了ですが、種と皮が気になってしまう当管理人のような方は鍋で一旦とろとろになるまで弱火~中火でコトコト煮詰め、ミキサーで粉々になるまで細かくするか漉し器で漉すかしてペースト状にします。
 ※皮と種には旨みの素であるトマトの出汁が大量に含まれて居ますので、出来れば取らずに煮込んだ方がより深いソースになると思います(ただ、イタリア産はどうしても皮が厚く種が大きめなので、一旦とった方がいいのだとか。その分、取ったとしても旨み成分は日本産のゆうに三倍はあるそうです)。
スパゲティ・コン・トンノ2
スパゲティ・コン・トンノ3
スパゲティ・コン・トンノ4
 次は、ソース作り。オリーブ油を入れて弱火に熱したフライパンで、芯を取ってスライスしたにんにくを加えて香りが出るまで火を通し、香ばしくなってきたら薄切りにした玉ねぎを入れて炒めます。飴色とまではいかなくても、キツネ色になるまでじっくり炒めた方がお勧めです。
スパゲティ・コン・トンノ1
スパゲティ・コン・トンノ5
 やがて玉ねぎがしんなりしてきたら、先ほど用意しておいたトマトペーストを投入し、中火で煮込みます。焦がしてしまわないように、絶えず木ベラで混ぜ合わせながら火を通します。ちなみに、この段階ではまだ何の味付けもしなくてOKです。
スパゲティ・コン・トンノ6
スパゲティ・コン・トンノ7
 水っぽさがなくなってきたらお好みの銘柄のマグロ缶を加えて、とろみが出てくるまでグツグツ煮詰めます(ノンオイルタイプのさらっとした缶汁でしたら一緒に適度な分だけ入れても大丈夫ですが、オイルタイプは入れるとギトギトしてしまうので、使うとしてもちょっぴりに留めた方がベストです)。途中、塩と胡椒を自分にぴったりな分量だけ振りいれて味付けしておきます。
スパゲティ・コン・トンノ8
スパゲティ・コン・トンノ9
 ソースを煮込んでいる間、スパゲティを塩入りの熱湯で茹でてからザルにあけ、オリーブ油を少量なじませておきます。本格的にディチェコやバリラを使用するとグレードが上がってとてもおいしいですが、今回のような庶民的なパスタソースは特売されているような激安スパゲティを使っても十分美味しくなります(^^)。
スパゲティ・コン・トンノ10
 ソースの塩加減を微調整してとろみ加減もちょうどいいのを確認したら火を止め、お皿に盛った茹で立てのスパゲティの上へやや多めにかけ、熱々の内にすぐ粉チーズとパセリをパラッと散らせば“スパゲティ・コン・トンノ”の完成です!
スパゲティ・コン・トンノ11
 クリーム系の材料は一切使っていなのに何故かトマトクリームソースのような色合いになった為ちょっとどぎまぎしました;。香りの方はトマトのきゅっとくるような甘いようで酸味を感じるような香りで、そこに粉チーズのふくよかな匂いが合わさるとおなかが猛烈にすいてきます。イタリアンというよりは、昔ながらの洋食っぽいスパゲティだな~と見ていて感じました。
スパゲティ・コン・トンノ12
 それでは、麺が伸びてしまわない内にフォークでくるくる巻いていざ実食!いただきます!
スパゲティ・コン・トンノ13

 さて、味はと言いますと…生トマト本来のさっぱりした清々しい甘味がジワ~ッと舌に響いて美味し!思っていたよりも、ずっと複雑な味わいです!
 面白い事に、全く生クリームを使用していないはずなのにかなりクリーミーかつもったりトロトロした舌触りのソースで、スパゲティにしっかり絡みやすいのがよかったです。ツナ缶からそのまま加えたり缶汁はマグロの出汁が十分に効いて程よいコクを付け足しており、トマト味のスパゲティへいい具合になじんでいました(マグロ缶だとより肉っぽい感じ、カツオ缶だとより魚っぽく少し癖のある感じになります)。缶詰トマト程濃厚な甘酸っぱさや深みは感じられませんでしたが、潰したての生トマトだけが持つ爽やかな酸味と瑞々しい甘味がちょうどいいバランスで両立しており、非常にフレッシュな後味が特徴的でした。
 玉ねぎのシャキシャキ感、にんにくの力強い味わい、粉チーズの濃いコク、パセリの香りがソースの足りない部分を行き過ぎず足り過ぎず補っており、毎日食べても飽きがこないような安定したおいしさに仕上がっています。ミートソースやトマトクリームよりもあっさり、ナポリタンや普通のトマトソースよりもこってりした味で、「トマト系のスパゲティが食べたいけど、物足りないのもがっつりしたのも何か違うな…」という中途半端なトマト気分になった時にはまさにうってつけな一品だと感じました。

 このレシピはイタリア産のパスタ料理向きなトマトで作ってももちろん美味だと思いますが、日本産の完熟トマトで仕上げると澄んだ爽やかさが出るので、トマトの旨さは甘味だけが基準ではないという事が実感できて違った感動が味わえると思います。お子さんからご年配の方まで、幅広く受け入れられそうな普段使いの料理ですので、おすすめです。

●出典)『こまったさんのスパゲティ』 原作:寺村輝夫 作画:岡本颯子/あかね書房
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.05.30 Mon 17:27  |  

初めまして(^_^)

「クッキングパパ 再現」で検索してて、ここにたどり着きましたw

文章が面白かったので、ブログ、さかのぼって読ませていただきました。

再現料理、楽しみにしています
(*^_^*)

  • #-
  • まりこ
  • URL

2011.06.15 Wed 20:30  |  スパゲティ・コン・トンノ作ってみました。

あんこさんこんばんは。

先日はコメントのご返信ありがとうございました。

今回はこまったさんのレシピ再現ということで、
タイトルを見て懐かしさを覚えました。
わかったさんなど、このシリーズが大好きです。

さて、スパゲティ・コン・トンノ作ってみました!
勝手にアレンジしてセロリの葉を入れてしまったので、
きれいな色のソースにはならなかったのですが、
あんこさんのおっしゃる
>「トマト系のスパゲティが食べたいけど、物足りないのもがっつりしたのも何か違うな…」
というのがぴったりなスパゲッティができました^^

生トマトの爽やかな味で、本当にこの時期にぴったりでした。

次回は、先日紹介されていた"バターとチーズのスパゲティ”と
"海原雄山タンのニンニクスパゲティ"に挑戦してみます。
どちらも美味しそうです!

あんこさんの再現料理、これからも楽しみにしています。

  • #-
  • 高谷こめ
  • URL

2011.06.22 Wed 21:52  |  まりこさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
この度はご返信が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

『クッキングパパ』は私自身大好きな作品ですので、
『クッキングパパ』がきっかけで当ブログが目にとまったのでしたら
こんなに光栄な事はありません。
正直、私に文章力は全くない為読みにくいことこの上ないブログなのですが、
そうおっしゃって頂けてとっても嬉しかったです。ありがとうございます。
以降も、まりこさんに楽しんでいただけたのでしたらありがたいです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.06.23 Thu 21:20  |  高谷こめさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。
この度はご返信が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

いえいえ、私こそまたコメントして頂き、誠に感謝いたします。
『こまったさん』シリーズと『わかったさん』シリーズ、いいですよね~。
同じ思いの方とお話できて、とても嬉しかったです(^^)。
スパゲティ・コン・トンノは緑野菜が圧倒的に少ないので、
セロリの葉は栄養バランスを整えるのに非常にナイスなご選択だと思います。

拙い私の感想分に共感していただけて、すごくありがたかったです。
"バターとチーズのスパゲティ”も"海原雄山タンのニンニクスパゲティ"も、
簡単なのにかなりおいしいので心からお勧めいたします。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL
(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/713-bf0638a2
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ