『想い雲―みをつくし料理帖』の“「う」尽くし”を再現!

 先日、コンビニでパンダケーキというパンダの顔をしたミニケーキを買ったのですが、真昼時に数十分かけて歩いて帰ったせいか、家に着いた時にはパンダはバイオハザードに出るようなゾンビに変化していましたorz。思わず心の中で件の名言「かゆ うま」を呟いてしまい、何だか無性にバイオハザード2をプレイしたくなってしまった日曜の午後でした…。
 どうも、その後ゾンビパンダケーキはちゃんと完食して成仏してもらった管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『想い雲―みをつくし料理帖』にて澪ちゃんが土用の丑の日に向けて考え出した「つるや」謹製暑気払いの料理四種・“「う」尽くし”です!
『想い雲―みをつくし料理帖』  澪の鮎飯
 澪ちゃんと芳さんが江戸へやって来て二~三年が経過し、ようやく澪ちゃんの作る今は無き大阪の名料亭・「天満一兆庵」の精神が宿った上方風創作料理が、江戸に住む人達へ徐々に受け入れられるようになってきたある夏の日の事。「つるや」へやって来るたびに「こんな料理、誰でも思いつくわ」「この店の者は、礼儀がなっていない」などときつい憎まれ口を叩くものの、澪ちゃんの作る料理の味を密かに高く買っている皮肉屋な戯作者・清右衛門さんは、何かと言うとよくつるんでいる泥鰌にそっくりな版元・坂村堂さんと二人して、「今年は神田町の登龍楼でも鰻を出すらしいな。それぞれ食べ比べるのが楽しみだ」「ですが、まだ鰻を出すと決まったわけではないんですよね?」と澪ちゃんの前で大盛り上がりします。けれどもちょうどその時、久々に再会した元・「天満一兆庵」の料理人の富蔵の口から、芳さんの行方知れずの息子・佐兵衛さんが遊女殺しで逃亡しているというショッキングな話を聞いていた澪ちゃんは心が揺れて土用の為の特別献立をまるで考えていなかった為、思わずただでさえ下がりがちな両の眉をさらに下げて困惑します(この辺の経緯は、『想い雲―みをつくし料理帖』に収録されている「豊年星」で真実が語られています)。
 案の定、澪ちゃんが土用の丑の日にかけて何も考えていない事を知るや否や清右衛門さんは一気に機嫌を悪くし、土用の丑の日の献立を考えないのは怠慢だと話します。清右衛門さん曰く、「三月続く夏の内、最も辛いのがこれからの土用。お前もいっぱしの料理人ならば、料理に工夫を凝らして、客を喜ばせる努力をしないでどうする」との事で、どうやら江戸っ子にとっては土用の丑の日は、どんどん暑くなる一方の夏場に備えて体力をつけるための大事な一行事だった事が伺えます。考えてみれば、土用丑の日は七月下旬~八月初旬という一年の内で一、二を争う程暑い日を乗り切るために栄養のあるものを食べて滋養をつけようという考えの元に生み出された風習ですので、「つるや」みたいに斬新な料理を次から次へと考え付くお店が何もしないというのはあまりに惜しい気がします。
 その後、だからと言って鰻は高いから「つるや」では気軽に出す事は出来ない…と落ち込んでいた澪ちゃんですが、坂村堂さんから「江戸っ子にとっては、土用もお遊びなんですよ。洒落っ気と言い換えてもいい。うんざりするような暑さも忘れられる、そんな楽しい料理を食べさせて下さい」と語り掛けられたり、何かとお世話になっている医師・源斉先生からその昔は鰻の他に梅干しや瓜といった「う」のつく食材を食べる風習があったと教わり、値の張る鰻の代わりに「う」のつく食べ物で誰にでも喜んで食べてもらえるような暑気払いの料理を作り出そうと心に決めます。そうして、悩むあまりに夢の中まで「う」のつく食べ物を考えてしまってう~う~唸ってしまい、横で眠っていた芳さんに心配されて起こされてしまうという一幕がありつつも生み出した土用の丑の日の献立が、今回再現する“「う」尽くし”です(それにしても、う~う~うなされてながらも献立を夢の中で必死に考える澪ちゃんの姿を想像するだけで、悪いと思いつつつい噴出してしまいそうになります^^;)!
 献立は“鯵の卯の花和え”、“梅土佐豆腐”、“瓜の葛ひき”、“土用しじみの埋め飯”の四種。どれも必ずどこかに「う」がつく洒落のきいたお料理で、高価な食材を使わずにお値段をそのまま据え置きにしつつも創意工夫に満ちた献立に、「つるや」のお客さん達は皆「ちきしょう、うまいねぇ」と嬉しそうに食べていました。
 実をいますと、無知な当管理人は初見時に「土用にしじみ…?」と疑問に思っていたのですが、調べてみるとどうやら土用は力のつく食材ならば土用しじみ、土用餅、土用卵、土用牛(ただ、当時は一般的でなかった上に高かったのであまり普及しなかった模様です)と呼んで食べていたとの事で、中でも土用しじみは安価な上に黄疸や肝臓に聞く夏の強壮剤として広く愛されていたそうで、今まで「土用と言えば鰻!」と考えていた当管理人は感心しました。う~ん、二十年以上も江戸時代のコピーライター・平賀源内氏に踊らされていた自分に赤面です;。
 中でも一番感動していたのが味見役をつとめた老店主・種市さんで、叩いた梅干しを切れ目の入った豆腐に挟んでカツオ節をまぶして揚げた“梅土佐豆腐”を出来たての内にかぶりつき、はふはふと咀嚼してごくりと飲み込んだ種市さんは「こいつぁいけねぇ、こいつぁいけねえよぅ、お澪坊(´Д`*)」と読んでいるこちらの方がいても立ってもいられなくなるような喜びようで絶賛していました。事実、坂村堂さんも「目にして美し、口にして旨し、心に嬉し。これこそ、まさに<う>尽くしです」と大喜びで、去年初めて読んだ時は是非夏場に再現したいと何度も夢見ていました(^^)。
 “梅土佐豆腐”以外の詳細なレシピは巻末に記載されていないものの、注意深く読んでいくと作中のいたるところで簡易な作り方がちょこちょこと散りばめられていましたので、それらを参考に早速再現してみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“鯵の卯の花和え”作り。フライパンでおから(=卯の花)をパラパラと水気が飛ぶまで焦がさないように火を通し、途中で砂糖、塩、みりん、そして隠し味に少量の昆布出汁を加え、最後にお酢を加えて火を止め、よーく混ぜ合わせます(なお、もうちょっと本格的にしたい場合はおからを水で湿らせて絞る手間をかけるのもありです)。ちょっとしとっとしたかな~というくらいになったら、おからの下ごしらえは完了です。
 ※おからの味付けは載っていなかった為、母と昔の料理本を参考にした自己流レシピになります。中途半端ですみません。
「う」尽くし1
「う」尽くし2
 鯵は、水で軽く汚れを落とした後に三枚おろしにしてぜいごと皮をはぎます。この時、鯵の身の中央にある小骨は刺抜きできちんと取り除く事を推奨いたします。
 なお、作中では鯵の中骨をしょうが醤油につけてコンガリ揚げた骨煎餅にしたという記述がありましたので、当管理人も見習って中骨に付着している血やウロコなどの汚れを丁寧に洗い流してからしょうが醤油に漬け込んでおきました。
「う」尽くし3
「う」尽くし4
「う」尽くし5
 鯵にやや強めの塩を振って約一時間放置したら酢水で塩をサッと洗い流し、鯵がヒタヒタにひたるくらいの量のお酢で三十分~四十分浸けて身を引き締めておきます(あんまり長く浸けると身がパサパサになっておいしさが半減するので、要注意です!)。全体の表面に酢がなじんだら引き上げ、キッチンペーパーで酢を拭き取ったら鯵の用意はOKです。
「う」尽くし6
「う」尽くし7
 この鯵を食べやすい薄さに切り、先程下味をつけておいたおからが入っているボウルへ加えてざっくり混ぜ合わせたら、“鯵の卯の花和え”の出来上がりです。
 ※この段階でおからの味見をして「物足りないかな?」と感じた場合は、合わせ酢で調整します。
「う」尽くし8
「う」尽くし9
 次は、“梅土佐豆腐”作り。六等分~八等分に切り分けた木綿豆腐に重石をかけて数時間置いておき、余計な水分が抜けたらキッチンペーパーでさらに表面の水気を拭き取っておきます。あと、梅干しは身肉の厚いものを用意して種を取り、包丁でペースト状になるまで叩いてみりんで適度にのばします。但し、あんまりみりんを入れすぎてしまうと豆腐からこぼれやすくなって揚げる際に飛び散りやすくなりますので、すくってぼたっと落ちるくらいがいいです。
「う」尽くし10
「う」尽くし11
 水気が抜け切った木綿豆腐の側面に包丁で慎重に切れ目を入れ、そこへさっきの梅干しペーストを詰めて小麦粉をまわりにまぶします。梅干しを入れすぎても油がはねて危険、少なすぎてもそっけない味で残念とバランスが難しいので、頃合を探って微調整しつつ入れたほうがいいです;。
「う」尽くし12
「う」尽くし13
 小麦粉をつけた木綿豆腐へコシを切るようにして溶いた卵白→カツオ節(糸削りと花鰹、どちらでも可)の順に衣をつけ、中音に熱した油で表面がかりっとするまで揚げます。木綿豆腐をお箸で挟んでみて「衣がしっかりかたくなってきた」と感じたら取り出し、キッチンペーパーの上で余計な油をきったら、“梅土佐豆腐”の完成です。
 上げている最中にカツオ節の香ばしい匂いがぷ~んと漂う上、揚げたてはカツオ節がちりちりいうので、揚げたそばからバクッとつまみ食いしたくなるのを堪えるのに必死でした(^^;)。
 ※しょうが醤油に浸けておいた鯵の中骨はしょうがと醤油をキッチンペーパーでそっと軽く取り除き、弱火の油でじっくり揚げます。最後の数分間だけ焦げないよう気をつけて高温にして揚げると、カラッと揚がるのでお勧めです。
「う」尽くし14
「う」尽くし15
「う」尽くし16
 今度は、“瓜の葛ひき”。冬瓜を最初の段階でそのまま輪切りにしてスプーンで種を取り、緑色の皮を筋が残らないようやや厚めに包丁でむいたら一口大に切ります。切った後、さらに包丁で種の名残が残っている中側の柔らかい部分を少々切り除けば冬瓜の下準備は完了です。
「う」尽くし17
「う」尽くし18
 あらかじめカツオ節と昆布とで結構濃い目に引いておいた合わせ出汁へ先程の冬瓜を投入し、半透明になるまで何も調味料を入れずに煮ます。フタをして中火で煮ると、割とすぐに中まで煮えてくるので簡単かつすぐに出来です(^^)。
「う」尽くし9
「う」尽くし20
 やがて冬瓜が中まで煮えて始めてきたら、日本酒、醤油、塩を加えて味付けし、一旦水で溶いておいた葛粉を回しかけます。鍋の中を冬瓜を崩さないよう丁寧に混ぜて再度五分くらい火を通したらまた火を消し、フタをして自然に冷まして味をしみこませます。荒熱が取れたら煮汁ごと他の器に写し、冷蔵庫でキンキンになるまで冷したら、“瓜の葛ひき”の出来上がりです。
「う」尽くし21
「う」尽くし22
 最後に、“土用しじみの埋め飯”作り。最初に数時間程度水に浸けてしっかり泥抜きをしておいたしじみを小鍋に入れて強火にかけ、ジュワジュワ言い出してきたところへ日本酒をかけてすぐにフタをし、酒蒸しにします。しじみの殻があらかた開ききったのを見たら火からおろし、一つずつ丁寧に殻から身を外します。なお、この際に出来る酒蒸しの汁は、後々味付けに使うのでキッチンペーパーで漉してから取っておきます(もししじみの砂抜きが不十分だった場合は、お箸でつまんでお酒少々が入ったボウルでシャバシャバッと砂を洗い流します。ちなみに、このお酒もキッチンペーパーで漉すと旨みを逃さず再利用できます)。
 ※実をいいますと、こちらのレシピも詳細な作り方が材料と調味以外が不明な状態でしたので、「沢庵の贅沢煮」という郷土料理をモデルにした当管理人の我流想像レシピで作らさせて頂きました;。妄想だけでいい加減に再現してしまい、申し訳ございません。
「う」尽くし23
「う」尽くし24
「う」尽くし25
 その間、たくあんは水を張ったボウルに入れて数十分放置して塩抜きし、食べやすく薄きりにします。その際、薄きりでは食べにくいと感じる場合はさらに細切りにしてもいいと思います(←作中にどんな切り方か載ってなかった為、どんな切り方でも正解だと思います;)。ちなみに今回、なるべく江戸時代の味に近づけたいと思い、ウコンのみで着色して塩や砂糖などで調味した手作りたくあんを使用しました。
「う」尽くし26
「う」尽くし27
 一方、小鍋にしじみの酒蒸しの汁、カツオ節と昆布の合わせ出汁、千切りしょうがを入れて熱し、そこへさっきのたくあんをぱっと放ってさっと煮ます(煮る時間は個人のお好みでOKだと思います)。興味深い事に、大根の煮物を作るときの香りと酷似していました(^^;)。
「う」尽くし28
「う」尽くし29
 少し時間が経ち、たくあんが出汁を十分含んできたら醤油と日本酒を投入して味を調整し、そこへ下ごしらえを済ませておいたしじみをたっぷり入れてまた弱火~中火で数分煮込みます。しじみとたくあんに醤油味が染み込み始めてきたら火を止め、そのまま放置して味をしみこませます。
 数時間たって全体的に味が染みていたら、炊き上がったご飯を半量盛った茶碗の中へ埋めるようにして煮物を乗せ、その上にご飯をよそって完全に具を隠します。これで、“土用しじみの埋め飯”の完成です。
「う」尽くし30
「う」尽くし31
「う」尽くし32
 これら四種のお料理を出来たてほやほやの内にそれぞれの器へと盛り付け、机へ並べていけば“「う」尽くし”の完成です!
「う」尽くし33
 一つ一つは簡単なのですが、一度にまとめて作ると恐ろしく体力を消耗したので作り終えたときにはちょっとヘトヘトになりました;。ただ、実際に四種の「う」尽くしを間近で見ると、どれも夏らしい清涼感のかかるものばかりで、疲れが一気に吹き飛びました(´∀`*)。一体どんな味わいのお料理で、どれくらい暑気払いに効果があるのか、食べる前からワクワクします。
「う」尽くし34

 それでは、いざ実食!
 一番目は、“鯵の卯の花和え”。いっただっきまーす!
「う」尽くし35
「う」尽くし36
 さて、味の感想ですが…鯵の旨味がギュッと濃縮された美味さ!日本酒の冷やがよく合います!
「う」尽くし37
 お酢で外はコリコリと引き締まり、中は半生でじっとりしているシメ鯵の深いコクを、ほのかに出汁の風味が漂うさっぱり味のおからが程よく中和しているので非常にバランスがいいです。旬で濃厚かつしつこ過ぎない脂がじんわりのっている鯵の旨味をおからが優しく包み込んでいる感じで、不思議な事におからが酢飯っぽい役割を果たしてまるで「鯵の卯の花ちらし寿司」と例えたくなるような美味しさでした。
 シメ鯖に比べるとシメアジはこってり感が欠けている分、癖がなくて上品な後口なのが特徴的です。物がおからなだけにすごくヘルシーに頂けますし、キュッと甘酸っぱく味付けされた鯵の味わいが徐々に広がるのが青魚好きには堪えられない一品でした。酢締めされた魚特有の強い酸味をおからがやんわり和らげてくれているので食べやすさもアップしていますし、感心の一言に尽きます。

 二番目は、“梅土佐豆腐”。いただきま~す!
「う」尽くし38
「う」尽くし39
 さて、味の感想はと言いますと…かなりウマー!豆腐の淡い味わいが残りつつ、ボリューム満点な料理に変身しています!
「う」尽くし40
 揚げ出し豆腐風の極薄な小麦粉の衣をバリッと噛み破ると、水気が抜けてしっかりした歯応えになりつつプルンとなめらかな舌触りに仕上がっている木綿豆腐や、みりんのほのかな甘味と奥行きのある風味が効いた梅干しの酸味が一気に溢れだします。カツオ節をまぶして揚げたおかげで、カツオ節のキリッと辛口な濃い旨味がダイレクトに舌へ伝わり、それが豆腐と梅干しによく合ってあっさりした味ながらもどこか惹きつけられる仕上がりになっていました。
 軽く焦げる事によって引き出された強烈に香ばしいカツオ節の香りが食欲をそそる上、からりと揚がってサクサクした口当たりに変化したカツオ節がフルフルしている豆腐といい対比になっている為妙に病み付きになります。レシピ欄で言われている通り、梅干しの塩気が効いているので何もつけずそのまま食べても淡泊で美味だったのがよかったです。

 三番目は、“瓜の葛ひき”。いただきますっ!
「う」尽くし41
「う」尽くし42
 さて、味の感想ですが…一口二口と食べていく内に元気が出てくる、体に嬉しい旨さ!ひんやり冷たいのが夏向きです!
「う」尽くし43
 大根のジューシーな食べ応えと、カブの柔らかなトロトロ感を足して二で割ったような食感ですが、土臭い感じは全くない透明感のある品のいい味わいで、スルリと滑るように喉の奥へ消えていくのがこの上なく涼しげでいいです。面白い事に、どことなくじゃがいもに通じるようなホコホコ感があるのが印象的でした。
 葛だからこそ出せるまったり緩いとろみで固められた醤油味の勝った出汁あんが、カツオ節と昆布の旨味が活きているお出汁をたっぷり隅々まで煮含ませた冬瓜へとろりと絡んでいる為割と濃いめの出来栄えで、少々驚きました。ただ、冬瓜自体は淡く儚い後口で胃をすっきり浄化させてくれるかのような優しい感じの味わいな為、薄過ぎず濃過ぎずうまく調和しています。例えるならば「葛あんかけふろふき冬瓜」と新たに呼びたくなるような滋味のある一皿で、夏の体力が落ちた時にぴったりな味でした。

 四番目は、“土用しじみの埋め飯”。いっただっきま~す!
「う」尽くし44
「う」尽くし45
 さて、味の感想はと言いますと…見た目よりも遥かにこってりした味わいで旨し!いいご飯の友です!
「う」尽くし46
 ふっくらとちょうどいい塩梅に火が通ったしじみのグニグニした歯触りと、お出汁を存分に吸ってさっくり煮上がったたくあんの食感が歯に心地よく、箸が進みます。ちょっと衝撃だったのがたくあんで、短時間しか煮ていないはずなのにまるで長時間じっくり煮含めたような大根の煮物風な味がしたのに驚きました(ただ、漬物らしい張りのある口当たりとやや強めな塩気は残っている為、不思議な感覚です)。
 日本酒の香り高い風味が行き渡ったほんのり甘辛な味わいで、佃煮の奥深さと煮物の程よい煮え加減が融合したいい所尽くしの一品だと感じました。あっさりした合わせ出汁に、しじみの何とも言えない濃密な旨味エキスが全体的な味わいをさらに高めており、そこへ千切りしょうがのすっきり爽やかな辛みやシャキシャキ感がプラスされると口の中がきれいさっぱりリフレッシュするのがよかったです。この煮汁が染みた回りのご飯がまた美味で、汁かけご飯風にしてもいけるんじゃないかな~と思いました。

 材料費はそこまでかかりませんが、手間はうんとかかるので「よく、澪ちゃんは手間賃を取らずにいられるなあ~」と思わず尊敬してしまいました;。特に、“梅土佐豆腐”は簡単なようで豆腐に梅干しを詰める作業で意外に時間がかかる為、手先が不器用な当管理人のような人間には鬼門だと思います;。けれども、夏場のうだるよいうな暑さの中でも元気が湧いて来る素敵な献立で、家族にも好評な再現でした(^^)。

●出典)『想い雲―みをつくし料理帖』 高田郁/角川春樹事務所
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.07.29 Fri 23:02  |  あーそういえば・・・。

8/2日(だったかな?)は二の丑だなぁ・・。
(今年は土用丑が2回あるのです。)
豆腐がおいしそうです。
梅が入っているので、以外とさっぱりしていそうです。
本日発売のヤングキングに若林建次先生の月1連載
「怪盗レピシ」が載っています。今回はなんと、
「ガXガXくん」を作るでした。
あっと、この怪盗レシピは最後に
「ご家庭で作れるレピシ」付です。
まさかああいう方法で、ガXガXくんが作れるとは・・。
では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
  • URL

2011.07.30 Sat 17:15  |  

ふーむ、丑の日の「う」のついたものを食べる習慣があったのですね
ダウンしがちな時期に鰻と梅干を一緒に食べることが多かったのが食い合わせ伝説の真相でしょうか?

セスタスとテルマエでローマがダブってしまっている今後の再現予定にも期待しています。
ちょっと目を疑うような作品も混じっていますね……

2011.08.02 Tue 19:19  |  お見事!

これらをすべて作られるとは、凄いですねー
私も来年はやってみたくなりました☆
もちろん、こちらを参考に。

  • #-
  • ゆう
  • URL

2011.08.16 Tue 22:32  |  波多野鵡鯨さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

私も調べてみて「あ、今年は二回も丑の日がある!何だかお得だな~」
と少しウキウキした気分になりました;。
波多野鵡鯨さんのおっしゃっる通り、梅土佐豆腐は見た目以上に
さっぱりした味わいで、それでいて揚げ物ならではのサクサクした衣をも
楽しむ事が出来るのでなかなか感動的な美味しさです(^^)。
それにしても、「怪盗レピシ」…!再現が大好きな当ブログ管理人にとって、
たまらなそうな漫画で興味を惹かれました。ガ○ガ○くんは私にとって
青春の味ですので、楽しみです(まだあることを祈ります…)!

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.08.16 Tue 22:47  |  無記名さん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

私自身、みおつくし料理帖で初めてこの事実を知った時は意外でした。
てっきり、丑の日は昔から鰻を食べるのが主流だと考えていただけに、
改めて平賀源内氏の影響力のすごさに舌を巻きました;。
梅干しと鰻の食い合わせが悪いのは昔からよく言われていますが、
個人的に梅の澄まし汁とうな丼は好きな組み合わせなので少々複雑です…

セスタスは豚ローストやガルムかけ粥、テルマエ・ロマエはフルーツ牛乳と、
温泉卵&ワインは果たして合うのか…?!という実験を考えております。
幸い、近々本当に温泉へ行く機会がございますので、その際に是非試して
見ようと思います(ただ、温泉から揚がっての再現になると思いますが;)。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
  • URL

2011.08.16 Tue 22:52  |  ゆうさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
コメントをして下さり、ありがとうございます。

結構時間がかかりましたが、いざ食べてみるとその苦労が
一気に吹き飛ぶくらい美味でした(^^)。
夏バテでぐったりしていたのが、心持ち楽になった気がしたので、
恐らく来年もいくつか選んでまた再現する事になりそうです。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

  • #-
  • あんこ
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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