『華中華』の“目出鯛チャーハン”を再現!

 当管理人は、何故か「卵かけご飯にはまる→飽きる→はまる→飽きる」のループを定期的に繰り返しているのですが、最近またはまり始めてきている為しょっちゅう食べています。麺つゆ味にポン酢味、具にはちりめんじゃこor納豆or明太子orきゅうりの柴漬けなど様々なものを試しては「旨し!」と感嘆していますが、最近見つけた一押しの具はフタバのご飯の友というふりかけ!濃厚なかつお顆粒とパリパリ海苔が卵かけご飯にぴったりで、おかげで一向に卵かけご飯に飽きる気配がありません;。
 どうも、バター+醤油+カツオ節の組み合わせも侮れないと考えている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが自身の結婚式で作って両家のご家族達に振舞った“目出鯛チャーハン”です!
目出鯛チャーハン図
 桜が咲き乱れる春の季節、ハナちゃんが康彦さんに突如プロポーズされてから約半年が経過した、ある大安吉日の日。戸惑い迷いつつも、一歩一歩確実に歩んで自分の信じる道を進み続けてきたハナちゃんは、いよいよ待ちに待った結婚式を身内だけでひっそりと挙げる事になります。元々普段から規則正しく早起きをしているハナちゃんですが、さすがにこの日は特別だった模様で常よりも早く準備を終えており、自室で楊貴妃さんと軽くおしゃべりをしていました。いつも人の事ばかりを考えて自分の事は二の次三の次なハナちゃんを心配した楊貴妃さんは「今日は誰の為でもなく、自分自身の幸せの為にあるんだよ。分かってるね!」と叱咤激励し、ハナちゃんはそれに元気よく「はい!」と答えます。その後、少し間が空いた後に自然にそっと寄り添い、「結婚おめでとう。ハナちゃん」「ありがとうございます、楊貴妃さん」と静かに語り合っていました(このシーンは、『華中華』で文句なしに一番の名シーンだと思います)。
 思えば、ハナちゃんが徳島の高校を卒業してすぐに横浜中華街の満点大飯店へ単身修行に来てからの約二年間、時には友達のように、時には師匠のように、そして時には母のように厳しくも温かく一番近くで支え続けてきたのは楊貴妃さん一人でした。お人よしなハナちゃんは全く自己主張をしないので、一人だけで修行をしていたら日の目を浴びる機会は相当後になっていたであろうことが容易に予想がつきますが、幽霊と言う特殊な存在性を活かしてハナちゃんの力を引き出そうと協力してくれた楊貴妃さんのおかげで、様々な出会いや実になる修行をする事が出来ました。その為、たった二年と言えど、ハナちゃんは仕事・私生活ともに濃密で充実した生活を送れたと思うので、まさしく千人に一人の幸運な料理人だな~と思いました(無論、幸運を幸運だけに終らせず、努力してそれらのチャンスをがっちり掴んできたからこその現在だとは思いますが;)。また、どうやら楊貴妃さん自身女性料理人を育てたのは初めてのようだったようで、この時はかなり感慨深そうな表情をしていました。ある意味、子のいなかった楊貴妃さんにとってハナちゃんは娘のような存在で、それゆえ感動もひとしおだったのかもしれません。
 結婚式場は、ハナちゃんが毎日お昼休みの時にチャーハンを作っている、もはや第二の両親と言っても過言ではないおじいさんとおばあさんが暮らしている上海亭の二階にある座敷の部屋。呼ばれた招待客は、ハナちゃんのご両親と妹の紀子ちゃん、康彦さんのご両親、そして仲人をつとめることになった上海亭のおじいさんとおばあさんの七人(あと幽霊も加えるなら、合計八人です^^)のみという質素なお式でしたが、ハナちゃんはとても幸せそうでした。ちなみに実はこの時、上海亭の表には例の満点大飯店名物のデコボコ先輩トリオ、ちび太・ヒョロ吉・ブーちゃんが偶然通りかかっていたのですが、二階からかすかに聞こえる「高砂や~浦舟に帆をかけて~」という定番の歌詞を聞いて「こんな店を貸しきって結婚式?どんなカップルなのか、顔が見てえよ!ケケケ」と笑っていました;。新郎新婦にとっては冷や汗ものなニアミスですが、個人的には「華子が結婚~?絶対ないない!」と散々馬鹿にしていたのにとうとう先を越されたとちび太先輩が知ったら、一体どんな反応をするのかちょっぴり見てみたかった気もします(^^;)。
とうとう結婚したハナちゃんと康彦さん
 この後、一通りの段取りが済んだハナちゃんは一旦お色直しをするのですが、その時着替えてきた衣装は何と中華料理人の白衣!両家のご両親ともに「な、何や華子、その格好は!」と動揺するのですが、ハナちゃん曰く「これが、私の一番の晴れ着なんです」「今日、私が康彦さんのお嫁さんになれたのは、父ちゃんと母ちゃんがこの横浜中華街へ料理人の修行に出してくれて…そして、こちらの上海亭さんと知り合いになれて、昼の休憩時間にチャーハンを作らせて頂き…(中略)康彦さんとお見合いさせてもらい、結婚出来たんです」「全てが、この中華料理の白衣があったからこそです!」とのことで、とてもしっかりした考えを述べて納得してもらっていました。かく言う当管理人も、初見時は仰天しましたが、今ではハナちゃんらしいなとしみじみさせられる場面です。
 この時になって、初めてハナちゃんは夫婦になって最初の共同作業について康彦さんと事前に打ち合わせをしていたとみんなに暴露し、「私の幸せを形にしたチャーハンを召し上がって頂きたいんです!」と話して康彦さんと一緒に厨房へ移動します。そしてみんなが見守る中、式の際に飾ってあった祝い鯛を使ってハナちゃんと康彦さんが作り上げたのが、この“目出鯛チャーハン”です!
 豪勢な見た目ですが作り方は意外とお手軽で、ごま油・にんにく・しょうが・醤油・日本酒などで味付けして米粉の衣をつけて揚げた鯛のから揚げをぐに基本チャーハンを作り、素揚げした鯛のお頭つきの骨と青しその上に飾ったら出来上がりです。鯛を捌くのが難しい場合は、鯛の切り身を使用して飾りなしのお手軽バージョンを作ってみてもOKとの事でしたが、鯛一尾を丸ごと使って作ると簡単な割りにとっても手がこんで見えて場が華やかになる為、大勢で集まる時はそちらの方がおすすめだとレシピ欄にて説明されていました。確かに、こんな見るからに目出度いチャーハンがあったら祝いの席では盛り上がりそうです(^^)。
 チャーハンが完成した後、一同は一階のお店スペースで“目出鯛チャーハン”を食べるのですが、あまりにも美味しい上にハナちゃん達の幸せが伝わってきてみんな感動した為、心配したハナちゃんが「お、お味はいかがですか?」と声を上げるまで声を出さずに静かに味わっていました。もちろん、この“目出鯛チャーハン”は楊貴妃さんも別の場所で食べており、「旨いチャーハンで人を泣かせるなんて…ハナちゃんだけだよ!」と一筋の涙を流していました。
 実を言いますと、この巻をリアルタイムで買ったばかりの当初はあまりにも綺麗なまとまり方と裏表紙の如何にもな絵とで、「もしや、最終回…?」とハラハラしていたのですが幸いそれは杞憂で、結婚式後一泊二日の新婚旅行へ出かけるハナちゃんと康彦さんの姿が最後に確認できたのでほっとしたという思い出があります;。
いつの間にか、チャーハン作りの腕はお父さんをも超えていました
 鯛を捌くのは今まで一度も無かった為ずっと躊躇していたのですが、せっかく一巻からここまでハナちゃんの成長を追ってきたのだから…と一大決心し、思い切って作ってみる事にしました。未熟な点は多々あるので恐縮ですが、早速巻末のレシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、鯛の下準備。鯛一尾を用意してウロコを落とし(専用器具を使って水の中で作業を行うと、ウロコが飛び散らずに楽に落とせます)、内臓を取ったら頭を残るようにして三枚おろしにします。三枚おろしにして取った身から中骨と腹骨を包丁とピンセットで取り除き、皮付きのまま三センチ各のブツ切りにします。
 ※鯛の骨と背びれと尾びれは相当に硬く鋭い為、気をつけて捌かないと非常に手を切りやすいので要注意です。あと、水中でウロコを取ると後々掃除も楽なのでおすすめです。
目出鯛チャーハン1
目出鯛チャーハン2
 ボウルへ、水気をキッチンペーパーで拭き取っておいた皮付き鯛のブツ切り、おろししょうが、おろしにんにく、醤油、ごま油、日本酒、こしょうを投入して混ぜ合わせ、しっかり下味をつけます。鯛は一見淡白そうに見えますが、どんなに強い味付けにしても結構味が残るので、濃い目がお好きな方は調味料を多めに使っちゃっても大丈夫です。
目出鯛チャーハン3
目出鯛チャーハン4
 皮付きの鯛に下味が十分に馴染んだら、米粉をまぶしておきます。ビニール袋の中に米粉と水気を切った皮付きの鯛を入れて、その中でポンポン弾ませるようにすれば簡単に衣がつきます。
 何でも、米粉は素材にごってりつきにくい上に油を吸いにくいので揚げ物がヘルシーに仕上がりやすいとの事で、おまけに時間がたってもサクサク感が持続しやすいという優れものなのだとか。小麦粉に比べるとグルテンが少ない為、少ない油でもカラッと揚がりやすいのが特徴だそうです。
目出鯛チャーハン7
目出鯛チャーハン8
 次は、揚げ作業。尾頭付きの鯛の骨をキッチンペーパーで水気を拭き取って油がはねないようにし、飾りつけ用として170度くらいの油で素揚げしておきます。その際、頭としっぽも隅々までカリッと揚がるよう注意して揚げます。
 ※後でチャーハンを乗せるので、この時油分をきっちり取らないとチャーハンがベチャっとしてしまいます。その為、念入りに油は拭き取っておきます。
目出鯛チャーハン5
目出鯛チャーハン6
 骨を揚げ終えたら油の温度を180度まで上げ、米粉の衣をつけた皮付きの鯛を入れて揚げます。やがて、表面はカリッと、中はふっくらと揚がってきたらすぐに取り出して油をきります。これで、具となる鯛の唐揚げの出来上がりです。身がぷりぷりしているのが一目見ただけで分かった為、味が楽しみです。
目出鯛チャーハン9
目出鯛チャーハン10
 今度は、主役のチャーハン作り。中華鍋(又はフライパン)で、以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに、基本チャーハンをさっと作っておきます。その基本チャーハンの中へ、まだ熱々の鯛の米粉唐揚げを加え、ざっと混ぜ合わせます(鯛の身が崩れたり、衣がはがれたりしない程度に優しくあわせるのがポイントです)。
目出鯛チャーハン11
目出鯛チャーハン12
 鯛の米粉唐揚げと基本チャーハンが混ざったら火からおろし、鯛の尾頭付きの骨の上へチャーハンを盛り付けて仕上げに青しそをトッピングしたら“目出鯛チャーハン”の完成です!
目出鯛チャーハン13
 見た目は上品かつ薄味そうに見えますが、香りはにんにく醤油特有の胃袋を鷲づかみにされるような強烈な香りの為、食欲をそそります(なので、作中みたいに婚礼の式に出す時は余程気心が知れた仲の方ばかりでないと、問題になるかもしれません;)。鯛の鮮やかな紅色とチャーハンの目にも眩しい黄色が見るからにめでたい感じで、お祝いの席に相応しいチャーハンだと思いました。
目出鯛チャーハン14
 それでは、冷めてしまわない内にいざ実食!いただきまーすっ!
目出鯛チャーハン15

 さて、味はと言いますと…見た目といい、味といい、贅沢な気分に浸れるチャーハン!タイの貫禄ある旨さが活きてます!
楊貴妃さんも、思わず涙
 唐揚げにする事によってムチムチシコシコした歯触りに変化したタイの皮、その皮と身の間にあるねっちりプルプルしたゼラチン質っぽい脂身部分、そしてしっとりジューシーで品のいい深い味わいが特徴的なタイの身が口の中で混然となり、非常に美味です。それまでは他の魚の唐揚げもそれぞれおいしいと思ってはいたんですが、タイの唐揚げは繊細な後口と迫力のある旨味が両立していてまさに別格だった為、さすが魚の王様だと感心しました。
 にんにくの力強い風味、ゴマ油の濃いコク、しょうがの爽やかな香りが効いた豪快かつこってりした醤油味の下味がタイによく合っており、タイの濃密な旨みがさらに強調された「中華風鯛唐揚げ」ってイメージです(タイの淡い味が消えてしまわないか心配でしたが、タイは白身にしてはかなり存在感のある旨さなので逆に深みが増した出来栄えで、ほっとしました)。作中でハナちゃんのお父さんが「これだけでも旨そうやな!ビールのつまみに最高や!」と言っていましたが確かにその通りで、ご飯のおかずにもビールのおつまみにも向いています。正直、もはやこのタイの唐揚げだけでも立派な一品料理だと思いました。
 米粉を使ったせいか衣があまり油を吸っていない印象で、薄くカラッとしていてべとつかない香ばしい衣に仕上がっているのが印象的でした。このがっつり濃いめな唐揚げと、シンプルな基本チャーハンは相性抜群で、フワフワな炒り卵とシャキシャキした長ネギが全体に程よいアクセントを付け足していたのがよかったです。

 見た目の華やかさといい、味の完成度といい、記憶に残るチャーハンでした。鯛の存在感を際立たせつつ味をも向上させる、一石二鳥な一皿です。お祝い事にお出しする鯛料理と言えば塩焼きくらいしか思いつかなかった管理人ですが、こんな風に大胆にチャーハンへと生まれ変わらせるのも立派な一つの手だと感じました。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2011.10.01 Sat 06:10  |  管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • #

2011.10.03 Mon 00:59  |  名無しさん、こんばんは。

当ブログの管理人・あんこです。
非公開コメントをして下さり、ありがとうございます。

魚の頭の向きが逆向きになってしまい、申し訳ございません。
母からも指摘されたので、どうするべきか迷ったのですが、
原作通り再現したいという気持ちの方を優先した為。
このような完成写真になりました。
明日の夜、別の再現料理記事をアップいたしますので、
このおかしな再現料理記事は無視して頂けますとありがたいです;。

これからも色々な漫画料理を再現していきますので、
お手隙の際に又読んで頂けますと幸いです。

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  • あんこ
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
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