『華中華』の“初めての朝チャーハン”を再現!

 『攻殻機動隊』の派生作品である『攻殻機動隊S.A.C.タチコマなヒビ』に出てくるタチコマが可愛らしく、読むたびにほのぼの癒されています。原作よりも先に派生作品を読んでしまうのは邪道な入り方かもしれませんが、タチコマの魅力のおかげで原作『攻殻機動隊シリーズ』の世界に興味を持って結果ハマった為、個人的にはタチコマ様々です(^^)。あまりにも好きすぎて、最近ではプラモを買おうか本気で検討中です。
 どうも、そろそろプラモを飾る場所が限界に達しようとしている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが新婚旅行先の旅館で康彦さんに即興で作った“初めての朝チャーハン”です!
初めての朝チャーハン図
 前回、自身の結婚式で“目出鯛チャーハン”を新郎共々一緒に振舞うという前代未聞な共同作業を成功させたハナちゃんは(楊貴妃さんは後々、昔からの古馴染みであるハナちゃんの大叔父さんに対し、「千二百年以上幽霊してきたけど、自分の結婚式にチャーハン作って振る舞う花嫁なんて聞いたことないよ!」と少し誇らしそうに話していました)、その日の夕方の内に仲人である上海亭のおじいさんとおばあさんから手渡された湯川原町の温泉旅館の一泊二日宿泊券をありがたく頂戴し、短いながらも楽しい新婚旅行へ出発します。どうやらおじいさんとおばあさんはかなり奮発した模様でかなりの高級老舗旅館を予約されており、おかげで軽トラックに乗って来たラフな農作業着の康彦さんと地味めな普段着を着たハナちゃんは、一時は何と搬入をしに来た新規の業者さんと勘違いされてしまうという事態に陥り、あやうく裏口へ回されそうになるという一幕がありました;。これにはさすがの康彦さんも困ったように苦笑いしていましたが、一方のハナちゃんはというと密かに夢見ていた新婚旅行という事もあり、このちょっとしたハプニングすらも楽しんでいる節がありました。思えば、二人きりでハナちゃんと康彦さんがのんびり旅行に来るのは今回が初めてですので、ハナちゃんからすればこんなトラブルすらも大事な思い出を彩る些細な一コマに過ぎないかもしれません。
 実を言いますとこの翌朝、ハナちゃんは朝の空気を吸うために露天風呂付きのベランダへそっと出るのですが、そこには何と一足先に楊貴妃さんが露天風呂に浸かっており、ハナちゃんの度肝を抜かせていました。実際は昨夜からいたわけではなく、宿を探し回って夜が明けた時にやっとハナちゃんのいる旅館へとたどり着いたとの事でしたが、正直親友のようでありある意味擬似母親的な存在である楊貴妃さんに康彦さんとラブラブモード最高な旅行現場を見られるのは、照れくさいやら決まり悪いやらでどうにも落ち着かなかっただろうな~と少しハナちゃんに同情しました(^^;)。それにしても、一旦は新婚旅行の同道を遠慮しながらもこんなドッキリをやってのけるとは、楊貴妃さんもなかなかお人が悪いと思います…;。
慌てるハナちゃんと、落ち着いた楊貴妃さん
 そんなこんなで身支度を整えたハナちゃん・康彦さん・楊貴妃さんご一行は、旅館にある大広間へ移動して朝食を食べようとするのですが、康彦さんと迎える新婚旅行の朝はこの時が最初で最後だというのに、自ら朝ご飯を用意出来ない事にハナちゃんは残念さを感じて落ち込みます(ここら辺のくだりを見ると、十代の女の子らしい初々しさで可愛いな~とほのぼのします^^)。けれども、康彦さんはさほど気にしていない様子で(こういう感覚のズレ、何だか妙にリアルです;)、「気にしないで下さい!もう料理も用意されていますし…」と言うのですが、ハナちゃんは何とかして自分らしい朝食を即座に作れないか、机の上にある和風の朝食セットを眺めながら必死に考えます。
 そして、固形燃料付きの卓上コンロに乗った湯豆腐入り土鍋と温泉卵を見たハナちゃんが瞬時に閃いたのが、この“初めての朝チャーハン”です。作り方は卓上でパパッと作れるだけあって簡単で、熱した空の土鍋にサラダについていたマヨネーズをぬって油代わりにし、茶碗によそってあったご飯・温泉卵・湯豆腐を混ぜ、その付属品である薬味の刻みネギとポン醤油で味付けし、最後にこれまた朝食セットについてきていた焼き海苔を揉みちぎってかけたら出来上がりです。こっそり打ち明けちゃいますと、個人的にこういうおままごと感覚の料理は小さい頃から大好きですので、読んでいるだけでワクワクしたのを覚えています(同じ理由で、『クレヨンしんちゃん』初期に出てきたしんちゃんお手製納豆ご飯とかも未だに好きです^^;)。
 実はこの“初めての朝チャーハン”、ハナちゃんが作るチャーハンは大抵食べる事が出来ている楊貴妃さんが食べられなかった数少ないチャーハンの内の一つで、空でプカプカ浮きながら楊貴妃さんが「残念だけど、あのチャーハンは康彦だけのものだから私は食べられないんだよね…」とひどくがっかりしていたのがちょっぴり気の毒でした;。その後、ハナちゃんは満点大飯店に出勤する為に急いで横浜中華街へトンボ帰りするのですが、朝八時前に康彦さんと「いってらっしゃーい、華子さん!!」「いってきまーす、康彦さん!!」と慌しくも元気に横浜中華街の前で解散できていたので、なかなか好調なスタートではないかな~と感じました。
旅館の朝食を使い、何とか手作りの料理を食べてもらおうとするハナちゃん
 旅館の備品を使って作るのは、従業員の方々の気持ちを考えるとさすがに躊躇してしまって出来ないのですが(飲食店でバイトしていた時期があったせいか、出来る限り片付けやすいように食べようとする癖が抜け切れずにいます)、遠慮なしで再現できる家で早速作ってみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、朝食セットの再現から。小鍋へ昆布と水を入れて一晩つけた後に火にかけて出汁を取り、そのまま昆布が入った状態のまま食べやすい大きさに切った木綿豆腐(特に指定はありませんので、絹ごし豆腐でも勿論OKです)をそっと沈めて弱火で温めます。やがて、豆腐の隅っこがカタカタと震えだしたら、旅館の朝食風湯豆腐の出来上がりです。
 ※作中では昆布と豆腐は土鍋に入れられたままだったので当ブログはそれに準じましたが、本式のやり方通り昆布は途中で引き上げちゃっても大丈夫です。
初めての朝チャーハン1
初めての朝チャーハン2
 その間、別の鍋で好きな固さの温泉卵を作り(ただ、黄身が固まりすぎてほぐれにくいタイプの温泉卵だとチャーハンにするにはちょっと向いていないかもしれないです;)、長ネギは適当な大きさに刻んでおきます。ちなみみに、『華中華』式の温泉卵の作り方は沸騰させてから火を消したお湯の中に生卵を沈め、約十分ほど放置したら出来上がりという物ですが、こちらの検索結果から自分向きのレシピを探してみてもいいと思います。
初めての朝チャーハン3
初めての朝チャーハン4
 次は、いよいよチャーハン作り。固形燃料に火をつけた卓上コンロ(又は、弱火~中火の火加減のガスコンロ)に一人前用の土鍋を置いて熱し、やや熱くなってきたらマヨネーズを油代わりにレンゲで広げます。この時、マヨネーズはカロリーハーフの物を使用すると溶けにくく大変やりづらいので、通常の赤いキャップのマヨネーズの方を使用する方を推奨いたします。
初めての朝チャーハン5
初めての朝チャーハン6
 マヨネーズが少し溶け始めてきたら温泉卵を入れて軽く混ぜ、ご飯を投入してほぐるようにしながらよく混ぜ合わせます。マヨネーズ・温泉卵・ご飯を弱い火力のまま完全に馴染ませたと呼べるまで混ぜるのは結構根気が要りますが、気長にレンゲの腹(もしくは木ベラ)で押しつぶしつつ混ぜていれば必ず混ざりますし、何より馴染むまで混ぜた方が圧倒的に美味です(^^*)。
初めての朝チャーハン7
初めての朝チャーハン8
 ご飯に温泉卵やマヨネーズが混ざりきったら、しっかり湯きりした温かい湯豆腐を加え、ざっくり潰しながらさらに炒め混ぜます。その際、豆腐を粉々にするまで潰すのではなく、所々不ぞろいな大きさの豆腐の欠片が残ってもいいくらいの状態にした方が、食感の違いが生まれておいしくなります。
初めての朝チャーハン9
初めての朝チャーハン10
 潰した豆腐と卵ご飯がまんべんなく混ざったら、ポン酢醤油をお好みの分量だけたらして味付けし、気持ち多めの刻みネギを投入して練らないように気をつけながらさっくり混ぜ合わせます。
 ※作中ではポン酢について何も言及されていませんが、凝って作ってみたい方は手作りポン酢で調味したり、もっとお手軽に手を加えたい場合は一番好きな柑橘類(はかぼす、すだち、橙、ゆず、変り種だとオレンジやレモン)を隠し味として市販のポン酢へちょっぴり絞って風味を変化させてみても、より香りが際立って美味しくなります。
初めての朝チャーハン11
初めての朝チャーハン12
 味見をしながらの調味料の微調整をし終えたら土鍋を火からおろし、仕上げにさっと炙った焼き海苔を手で揉みながらちぎって上から散らせば“初めての朝チャーハン”の完成です!
初めての朝チャーハン13
 ポン酢のすっきりした香りが鼻腔をくすぐってほんのり癒される為、昼食や夜食というよりは、その名通り朝向きなチャーハンだと思いました。チャーハンというよりはどちらかと言うと混ぜご飯みたいな見た目ですが、こげたマヨネーズの匂いがするので単なる混ぜご飯よりもボリュームがありそうな印象を受けます。正直味の想像がつきにくいので、どんな味なのか興味津々です。
初めての朝チャーハン14
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いただきま~す!
初めての朝チャーハン15

 さて、味の感想ですが…予想以上においしくてびっくりなお味!意外とまともな一品で、食欲がない時でもするするいけちゃいそうです!
康彦さんの初々しい喜び顔と、お父さん達の羨ましそうな顔が対照的;
 細かく砕けてホワッとした口当たりになった昆布風味の木綿豆腐が、マヨネーズと温泉卵が混ざってとろみがつき、卵黄のコクがダブルで加わってまろやかになったご飯を包み込むようにして絡まっており、とても優しい味わいに仕立てあげています。火力が致命的に足りなかったので、正直チャーハンというよりはまるで「半熟卵かけご飯」みたいでしたが、その分淡く上品で癒される味わいでした。
 ネギも半生な為、普通のチャーハンに入っているネギの倍以上シャキシャキした鮮やかな食感で程よいアクセントになっており、時折ツンとくる辛味が舌に新たな刺激を与えているのが飽きを防いでくれてよかったです。豆腐のモロモロ感、ふるふるに固まった卵白、生の時よりも旨味が増した卵黄の相性がよく、食べるごとにしみじみ安らかな気持ちになるので飲んだ後のシメにも向いていそうなイメージを持ちました。薬味たっぷりな冷や奴を乗せたタモリさん考案の豆腐丼が夏向きとするなら、これは秋と冬向きな豆腐ご飯だと感じました。
 ポン酢醤油の徐々にじんわり効いてくる酸味とほのかな塩気、そして柑橘類の爽やかな香りがこのしっとりしたご飯にぴったりで、例えるとするなら「湯豆腐味のあっさりトロフワ卵かけご飯」って感じでした。もみ海苔の磯の風味が全体をしっかりまとめてだらけた味にならないようにしていますし、単純に見えてなかなか奥深い料理だと思います。

 豆腐入りでしかもポン酢味のチャーハンは如何なものか…と少しおっかなびっくりだったのですが、案外ぴったりだったので驚きました。醤油味のチャーハンよりも後口が爽やかな印象を受けましたので、食欲がないけれども滋養のあるものを食べたい時にはいいかもしれません(半熟卵は固焼き卵よりも消化にいいので、そういった意味でもお勧めです)。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.10.24 Mon 22:18  |  

こんばんは。いつも楽しく拝見しています。美味しそうな再現料理もさることながら、出だしのあんこさんのプチエッセイがたまらなく大好きです(≧∀≦) 好きすぎるあまり一気読みできなくて、ちょっとずつ大切に読ませていただいています……だって読み終わっちゃうのがもったいない! 貧乏性ですね(;^_^A

常々あんこさんの食感の表現力が素晴らしいと思っていましたが、今回の「豆腐のもろもろ感」にはヤられました。いかにも木綿!という感じが伝わってきて嬉しくなっちゃいます。

楽しく美味しい再現料理、あんこさんの冒頭エッセイ、多様なジャンルのグルメ作品の紹介と一レシピで三度もおいしい! これからも楽しみにしています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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