『クッキングパパ』の“荒岩流スコッチーズエッグ”を再現!

 大学時代のサークル繋がりの友人達と平安時代の文学の話をする時、「定子&清少納言と彰子&紫式部だったらどちらが好き?」という話題で未だに盛りあがります。はっきり言って定子&清少納言の方が圧倒的人気を誇っているのですが、当管理人は永井路子先生の『この世をば』や大和和紀先生の『あさきゆめみし』が大好きな為、少数派な彰子&紫式部の方をどうしても贔屓してしまいます。
 どうも、サークルの名残で未だに歴史小説を読み続けている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任の妹・味知さんと仲直りする為に夫である根子田さんが作った“荒岩流スコッチーズエッグ”です!
スコッチーズエッグ図
 カメラマンの根子田さんと結婚して以後、コピーライター兼主婦として東京で多忙な暮らしを送り、長男・空悟君をもうけてからはさらに忙しくなっていた荒岩主任の妹・味知さんですが、ある日突然福岡にある荒岩主任の家へ空悟君と一緒に家出してきます。何の前触れもない訪問に荒岩主任達は内心は戸惑いつつ、空悟君とまこと君が起きている間は無難な話をしていましたが(まこと君の「味知姉ちゃん、どうかしたの(・д・)?」というあどけない様子が心臓に痛いです;)、子ども達が寝静まった後に味知さんはビールを飲んだ勢いで「あいつ、女が出来とうっちゃん!浮気ばっかりして、ウチに帰ってこんっちゃん!」と博多弁丸出しで怒りを爆発させます。
 何でも、根子田さんは最近仕事が増えてきたのをきっかけにアシスタントとして若い女性カメラマンを雇ったとの事で、その子と取材だ何だと言って丸二~三日家を開けたり、たまに家にいる時も自分に分からない話で盛り上がったりと、下手をすれば自分と空悟君と過ごす時間よりも彼女と過ごす時間の方が多くなっていると味知さんは不満をぶちまけていました。その女性は、味知さん曰く「そんなに美人でもないけど、結構気が利く」、根子田さん曰く「あいつ若いけどハードな撮影にもようついてくるし、じっくり鍛えてかわいがってやろうかと思って」と感じるタイプだそうで、実際作中を読む限りバリバリのキャリアウーマンタイプとはまた違った印象の、のんびりかつたくましいという言葉がぴったりな女性に見えました。いつも「ヘイヘ~イ♪今日~もお仕事おつかれさ~んっと♪」「今はもう夜~誰もいない部屋~♪」と陽気に歌うように話すなかなかハイテンションなタイプで、確かにこんな女性が傍にいたら時間を忘れて適度に息抜きしつつ仕事に集中出来そうだな~と思いました(しかし、あまりにも騒がしいのでとうとう根子田さんから「うるさいな~!」と突っ込まれてます^^;)。
根子田さんとのすれ違いが続き、とうとう爆発した未知さん
 その後、ミッちゃんは「ウチは彼の何なのよ!」とガンガン飲んで愚痴をこぼしますが、普段の「ネコちゃんで~す!」「ミッちゃん!」といつもおちゃらけていて味知さんラブな根子田さんを知る荒岩主任と虹子さんは浮気疑惑に対してイマイチ半信半疑な様子で「まっ、今日は思いっきり何でも吐き出しちゃったらいいわ」と話半分以下で聞いていました;。案の定、根子田さん視点で話が進んだ時はその女性との関係は全く何もない健全な間柄で、むしろ「まるで兄妹みたいなスポ根カメラマン師弟」とでも言いたくなるような極めてライトな物だという事が判明しており、味知さん直筆の「九州へ帰る」との置手紙に根子田さんはびっくり仰天、アシスタント女性は「た~いへんだ♪こりゃたいへんダヨ」と愉快に踊っていました;。そして翌朝、いてもたってもいられなくなった根子田さんは四国へ取材に行く予定の一部を変更して福岡県の荒岩主任宅へ味知さん達を迎えにいくのですが、天然な事に「この後取材に行くから、もういっそ一緒についてきてもらった」とアシスタント女性も連れてきてしまった為、味知さんは怒って今度は母・カツ代さんと吉岡お義父さんのいる実家の方へ逃亡してしまいました。う~ん…作戦はよかったのですが、ツメが甘かったなって感じがします(^^;)。
 根子田さん自身、仕事仕事で味知さんや空悟君にかまってあげられなかったことを自覚してはいたそうなのですが、「それもこれも、わいミッちゃんや空悟の事思うて一生懸命頑張って仕事しとるのに…何でやねん!」とほとほと困っている状態なのが読んでいて気の毒でした。お互いがお互いの事を想っているはずなのに、頑張れば頑張るほど距離が離れていく…というすれ違いはどこの家庭でもよく見かけるベタな風景ですが、ありがちな問題なだけに身につまされて切ないです(´・ω・`)。
根子田さんの女性アシスタントは、いつも歌ってばかりの愉快なお人です;
 その時、根子田さんが荒岩主任に頼み込んでレシピを教えてもらいながら作り、実家にいる味知さんへ持っていったのがこの“荒岩流スコッチーズエッグ”。作り方は通常のスコッチエッグとそこまで変わらないのですが、荒岩流の場合ゆで卵にチーズを巻いてとろけるような味わいにするのがポイントのようで、ご馳走度がさらにアップしているのが特徴です。根子田さんが言うには、お二人がまだ知り合った頃によく洋食屋さんで食べた料理がスコッチエッグだったとの事で、当時まだまだかっこつけていた根子田さんは何と「ミッちゃんが卵で、わいが回りの挽き肉になってミッちゃんをすっぽり包んだる」というこっぱずかしい台詞をよく言っていたそうです;。恋愛初期だからこそ言えた恥ずかしい言葉だと思いますが、決まっているよう決まっていないユーモラスな迷言なのが如何にも根子田さんらしいですね。
 実はその頃、実家ではカツ代さんがわざと根子田さんの悪口を言ってあおり、味知さんから「バ、バカタレとは何よ。あの人は仕事に関することはくそがつくくらい真面目よ。空悟の面倒だってよく見てくれるし…」という本音を引き出して味知さんの気持ちを落ち着かせる事に成功していた為、割とすんなり“荒岩流スコッチーズエッグ”を食べてくれていました(ちなみに、カツ代さんはこの時わざと「ふん、あたしら年寄りは油っこう料理は見たくもなかけん、隣の部屋へ行くバイ」とツンデレ発言をして席をはずし、根子田さんと味知さんを二人っきりにさせていました。GJ!)。
 そして、根子田さんから「わい、いつもミッちゃんと空悟の事ばかり考えて仕事してるんやで」という言葉を聞いてからは味知さんはさらに穏やかな気持ちになり、「うち…育児と家事に追われて、自分の仕事が思うように出来ない事にイラついていたのかもしれない」と素直に反省して無事仲直りしました。それにしても、アシスタント女性が根子田さんと味知さんが仲直りした際に「ホッペにチュ♪ケンカの後はほっぺにチュ♪でも、ちょっと恥ずかしい~♪」となおも歌っていたのには「ちょ、せっかく落ち着いたんだから自重ー!」と思いつつ、ここまで陽気だとある意味清々しいな~と感心しました;。
独身時代はキザなようなかわいいような事をいってた根子田さん;
 スコッチエッグは子どもの頃から大好きな料理だったので、「ただでさえおいしいスコッチエッグへさらにチーズを足してしまうなんて…(´Д`;)ハアハア!」と、初めて読んだ時からすごく気になっていました。ようやく揚げ油を使う料理が苦にならない季節になってきたことですし、早速レシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、回りを包むハンバーグのタネの用意。ボウルへ合挽き肉、ほんのりキツネ色になって中が透明っぽくなるまで炒めたみじん切りの玉ねぎ、生卵、パン粉、牛乳、塩、こしょう、ナツメグの粉末を入れ、粘りが出るまでよ~く練り混ぜます。その間、ゆで卵を作って殻をむいておきます。
 ※これは『おい、ピータン!!』でもあったネタですが、ゆで卵を作る時は最初の数分間お箸でコロコロ転がしながら茹でると、黄身が真ん中にきてきれいな見た目になるのでおすすめです。
スコッチーズエッグ1
スコッチーズエッグ2
 途中、タネの中に隠し味としてケチャップを投入してさらに混ぜ合わせ、約十~十五分かけて念入りに練ります。最終的に、挽き肉が重たい感じからふわふわ軽い感じになったら練り終わりです(ケチャップは挽き肉ともゆで卵とも相性抜群ですので、やや多めに加えちゃってもOKです)。これで、ハンバーグのタネは出来上がりです。
スコッチーズエッグ3
スコッチーズエッグ4
 次は、揚げ作業。殻をむいておいたゆで卵をとろけるスライスチーズ二枚を使用してクルリと包み、小麦粉をまんべんなくまぶします。その際、スライスチーズは非常にはがれやすいので常温に戻したり、おにぎりを握るような手つきでキュッキュッと軽く優しく、それでいてしっかり握る手つきでひっつけたりするとうまくいきやすいです。
スコッチーズエッグ5
スコッチーズエッグ6
 この小麦粉まぶしチーズゆで卵の回りにハンバーグのタネで包み込んでいき、厚すぎず薄すぎずゆで卵が真ん中にくるようにしてすっぽりくるみます。そして小麦粉→溶き卵→パン粉の順に衣をつけます。ちなみに、実際に作ってみると想像以上に大きかった為、「爆弾揚げ」「砲丸」という単語が頭に浮かびました;(野球ボールよりも二~三回りデカイ感じです)。
スコッチーズエッグ7
スコッチーズエッグ8
 この衣つきのタネを160度くらいに熱した揚げ油の中に形を崩さぬようそっと入れ、弱火にしてじっくり五分以上転がしながら揚げていきます。揚がったらざるを使って引き上げ、キッチンペーパーの上で油をきります。
 ※入れたばかりの時にお箸でつつくと衣に穴が開いてすぐにパンク&チーズ漏れ&油っこく仕上がる為、最初の一分間はじっと我慢して触らず、時間が経過してからそろそろ転がすことを推奨します。衣に穴が開くと「バチバチバチッ!」と油が跳ねて危険な状態になるので、要注意です。
スコッチーズエッグ9
スコッチーズエッグ10
 揚がったタネを包丁でチーズがこぼれ出ないよう慎重に真っ二つに割り、キャベツの千切りやトマトのくし切りが飾られた皿へ乗せれば“荒岩流スコッチーズエッグ”の完成です!
スコッチーズエッグ11
 チーズから出てきた油分と合挽き肉から染み出てきた肉汁とが中からあふれ出てくる感じで、見るからに濃厚そうな一品です。黄身の黄色、白身の白、トマトの赤、キャベツの緑色、衣のキツネ色の組み合わせには不思議な力でもあるのか、眺めているだけでもワクワク楽しい気持ちになりました(^^*)。揚げ物特有の辛抱たまらん香りと、糸を引くチーズのとろけ具合が、食欲をそそります。
スコッチーズエッグ12
 それでは、揚げたてほやほやの内にいざ実食!いただきまーすっ!
スコッチーズエッグ13

 さて、味の感想ですが…こってりした味でとてもおいしい!ボリューム満点で、これ一個だけでも大満足しちゃいます!
 トロットロにとろけたコク旨チーズと、甘くて刺激的なナツメグ特有の香りが効いたひき肉の相性が抜群で、熱々の内に食べると思わずうっとりしてしまう美味しさです。さっくり揚がったパン粉の衣と、ジューシーな肉汁が溢れ出すひき肉の対比が絶妙で、ちょっとメンチカツに似ている気がしました。茹で卵の黄身のホクホクした食感と白身のツルンとした舌触りがひき肉にもチーズにもぴったりで、噛めば噛む程濃いひき肉と淡泊な茹で卵の味のバランスがちょうどよくなっていき、調和していくのがよかったです。あと、ついでに言うとスコッチエッグというよりはチーズハンバーグにもそっくりな旨さな為、勝手に例えるとするなら「チーズ入りメンチカツ風茹で卵乗せハンバーグ」ってイメージでした。一度に二種類の味が楽しめてなかなか賑やかな印象を受ける一品なので、お子さん向けな料理だと思います。
 塩こしょうだけではなく隠し味のケチャップのフルーティな甘酸っぱさがひき肉に程よく効いており、おかげでソースなしでもおいしく頂けました。しんなりシャクシャクした歯触りの炒め玉ネギがいいアクセントになっており、全体に優しい甘味をプラスしていたのが嬉しかったです。チーズのふくよかな風味が移った茹で卵の白身の味わいがまた格別なので、一食の価値ありだと感じました。

 見た目がかわいらしく、味も一口食べて「おいしい~(゜∀゜)!」とすぐに反応できる美味しさですので、がっつり料理好きや小さなお子さん向けの肉料理だと思いました。もっと濃い味がお好きな場合は、ケチャップ、ウスターソース、トンカツソース、中濃ソース、醤油などをかけてもぴったりです。チーズがトロトロの内が一番美味ですので、できたてをすぐにバクリとやるのがおすすめです(大人の場合、ビールか赤ワインのおつまみにしても乙な感じです)!

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『夢色パティシエール』


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