『美味しんぼ』の“ペナン風お好み焼き”を再現!

 その昔、ユーミンが某ラジオで「いつ見てもお若いです」というハガキが読まれて嬉しそうにしている女性芸能人に対し、「でも、本当に若い人はそんな事言われないわよね」と無邪気に言ったというエピソードがあったと最近知り、なんて天然な方なんだ…と思いました;。もし自分がその場に居たらと考えただけで、胃が痛くなります。
 どうも、園児だった時に小学校低学年と間違われ、遊園地であやうく入園料ごまかし疑惑が浮上して大変な目にあった事がある程老け顔人生絶好調な管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『美味しんぼ』にて山岡さんが二つの問題を一挙解決する為に作った“ペナン風お好み焼き”です!
ペナン風お好み焼き図
 山岡さんと栗田さんは、ご夫婦揃って何故か人の相談事の聞き役に回ることが非常に多いのですが、ある日二人とも同時に同じような悩みを抱える友人の話を各々聞くことになります。山岡さんの方は大学時代の同級生・畑山さん、栗田さんの方は高校時代の同級生・すわ子さんで、お互い立場や状況は少々違えども「縁遠くていい相手に出会えず、同級生の中では唯一の独身。このまま結婚出来ないんだろうか」という共通の悩みを持っており、山岡さんと栗田さんはおいしい物を食べて元気を出させようと土曜日に家へ来てもらうようにそれぞれ誘い、偶然四人で飲み会をする事になります。
 当初は「似た境遇の二人が一緒だとまずいかな?」と少し心配になっていたお二人でしたが、これが幸運にもいい出会いの場となり、畑山さんとすわ子さんはなかなか良さ気な雰囲気になります。ちなみに、意気投合したきっかけは畑山さんとすわ子さんの過去の失恋話がとても似ていて共感したから。何でも、畑山さんの方は美人の完璧なお嬢様と高級レストランに行った際「生カキに白ワインの組み合わせって、口中に生臭さが広がっておいしくないよ」と言った瞬間「この味が分からない無教養な人とは、お付き合いできません!」と怒られて振られ、すわ子さんの方はいわゆる三高なエリート男性に自分で焼くスタイルのお好み焼き屋さんで張り切ってブタ玉やイカ玉を焼いていた時に「こんな貧乏臭い下品な食べ物を喜んでガツガツ食べるような女性とは、一緒にいたくない」と冷静に拒否反応を示されて去られたとの事で、相変わらず『美味しんぼ』界の上流階級の方々は怒りの沸点が低いな~と苦笑してしまいました(^^;)。それにしても、お好み焼きを食べるだけで「下品」とみなすとは、すわ子さんの元恋人男性はこのご時勢では結構ハードル高すぎだと思います;。この分だと、路上でも平気でコンビニの肉まんに付属の酢醤油と辛子をかけて歩き食いする当管理人を目撃したら、未開地の原人として思いっきり引かれそうな気がします(って、他の方にも引かれそうなくらいお行儀悪いですね、すみませんorz)。
はげますお食事会のつもりが、擬似お見合いに
 しかし、過去に散々な恋愛をしていた畑山さんとすわ子さんはお互い惹かれつつも「こんな自分では、どうせ去られてしまう…」と臆病になってしまい、そのままこう着状態に陥ってしまいます。山岡さんと栗田さんはそれぞれの本音を知っている為、何とかしようと考えるのですが、いい案が浮かばず途方に暮れます。
 が、ちょうどその頃会社の先輩である松川さん・メリーさん夫妻から「俺達が住んでいる団地では毎年秋祭りがあるんだが、棟ごとに分かれて出す屋台が目玉出し物なんだ」「私達のいる七号棟は去年東京風お好み焼きで売り上げ一番だったんだけど、今年は三号棟が広島風お好み焼き、八号棟が純大阪風お好み焼きを出すから、東京風だけだと負けちゃうかもしれない」「そういう訳で、何かいい他のお好み焼きを考えてくれ(゜Д゜)クワッ!」という若干脅迫も入ったお願いを受けていた事もあり、山岡さんは突如一気に二つの相談を解決する名案&お好み焼きを思いつきます。その際に山岡さんが一押ししたのがお好み焼きが、この“ペナン風お好み焼き”です!
 作り方はそこまで難しいものではなく、にんにく・チリソース・植物性の油を熱した鉄板に緩く溶いた米粉を広げて刻みネギ・溶き卵・生カキを乗せたら半分にたたみ、焼けたらヌクマムを表面にぬって出来上がりというそこそこお手軽なお好み焼きです。大阪風お好み焼きや広島風お好み焼きはうまく焼けるようになるのに経験とコツが必要になりますが、この“ペナン風お好み焼き”は技術が無くてもさっと作れるのが利点との事で、おまけにビールなどのお酒類にも合う為屋台向きな好み焼きだと作中では説明されていました。山岡さん曰く、「東南アジアは米食の文化だ。だから、麺も米の粉で作ったものが多い。当然、お好み焼きも米の粉で作ることになるんだな」だそうで、所変わればお好み焼きの材料もやはり変わってくるのだな~と感心しました。
新鮮なカキをふんだんに使うのがポイント
 山岡さんの一石二鳥作戦とは、「団地の秋祭りで、この“ペナン風お好み焼き”を畑山さんとすわ子さんに紹介し製造&販売してもらう→お好み焼きを一緒に食べてもらって再び気持ちを確かめ合わせ、同行動してもらったら二人の仲はうまくいく→畑山さんとすわ子さんの問題解決!」「目新しくておいしい“ペナン風お好み焼き”を東京風お好み焼きと共に売り出す→味もいいしビールに合うから、お好み焼きとアルコールが同時にさばけて売り上げ倍増→松川さん夫婦の問題解決!」というかなりポジティブなものでしたが、奇をてらわなかったのが帰ってよかったのか、本当に両問題ともに解決しちゃってました;。単純かもしれませんが、ともあれみんながホクホク顔になれて一件落着なお話でした。
友人の恋と団地祭りの優勝を、この異国風お好み焼きで一挙解決!
 やっとカキが出回る季節になってきた為、再現可能になりました。マレーシアのペナンで実際に食されているお好み焼きにどれ程近づけるかちょっと自信がないですが、早速再現しようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下準備。太ネギは大雑把に刻んでから生卵に加えて一緒にかき混ぜてネギ入り溶き卵にし、カキはザルに中の水ごとあけて流水にさっとさらした後水気をきり、米粉は水でゆるく溶いておきます。実は米粉は非常にダマになりにくく、粉をふるい器へかけずに水を入れたとしてもすぐに混ざる為、ある意味小麦粉よりも扱いやすい粉です。
ペナン風お好み焼き‏3
ペナン風お好み焼き‏4
 次は、焼き作業。鉄板(ない場合はホットプレートで代用)にゴマ油以外の植物性の油をやや多めにひき、みじん切りにしたにんにくをたっぷりと、チリソースを自分のお好みの量だけ入れてじっくり火を通します。この時あんまり高温すぎるとにんにくがあっという間に焦げてしまうため、最初は弱めの火を使うことをお勧めします。
 ※一般によく知られているチリソースと、スイート・チリソースのどちらを使用するのか書いていませんでしたので、今回は試しにスイートチリソースを使ってみました;。本来はチリソースを使うべきだったのかもしれません…すみませんでしたorz。 
ペナン風お好み焼き1
ペナン風お好み焼き2
 にんにくとチリソースがいい具合に火が通ってきたら、先程用意しておいた水溶き米粉をお玉で丸くなるよう流し込み、その真ん中めがけて刻みネギ入り溶き卵を入れます(あまり生地から溶き卵がはみ出さない方がいいです)。そこへ、生食用生カキを好きなだけ並べながら乗せていきます。
 ※生食用生カキではなく加熱用カキを使う場合は、この時点でフタをして全体を少々蒸らすと、衛生的に安心なふっくら蒸し焼きカキで“ペナン風お好み焼き”を楽しむ事が出来ます。
ペナン風お好み焼き‏5
ペナン風お好み焼き‏7
 生地に熱が通ってきて半透明になり、焼いた部分の生地がカリッとしてきたらフライ反しかコテを使って端から丸めて半月型に折りたたみます。そして、表面に刷毛でヌクマム(又はナンプラーでもOK)をぬって軽く味付けします。この時つけ過ぎるといっぺんに焦げやすくなってしまいますので、要注意。
ペナン風お好み焼き‏8
ペナン風お好み焼き9
ペナン風お好み焼き10
 中の具に十分火が通ったか確認したらホットプレートから取り出し、素早くお皿へ乗せれば“ペナン風お好み焼き”の完成です!
ペナン風お好み焼き11
 火が通ることによって独特の癖が弱まり、逆に風味が増したヌクマムの異国風な香りが食欲をかきたてます。残念ながら、当管理人の腕が未熟だったせいで本場ペナンのお好み焼きのように透明な美しい仕上がりにはなりませんでしたがorz、焦げ目がついてパリッとした米粉の生地は十分に美味しそうで安心しました。生地を切り分けると、中から溢れんばかりの半熟カキが出てくるのがたまらない感じで、どんな味が非常に楽しみです。
ペナン風お好み焼き12
ペナン風お好み焼き13
 それでは、焼きたて熱々の内にいざ実食っ!いただきま~す!
ペナン風お好み焼き14

 さて、味はと言いますと…普通のお好み焼きとは全然違う味わいで美味し!おやつ感覚でペロッと平らげられます!
試食したメリーさん達は、勝利を確認!
 にんにくのカ~ッと力が湧いてくるような濃厚な風味と、チリソースのエスニック風で甘辛い味が米粉100%の優しい口当たりの生地に程よい刺激をプラスしており、不思議と癖になるおいしさです。内側はふんわりもちもち、外側はちょっぴり焦げ目がついてカリッとした食感な為とても食べ応えがあるのに、薄いせいか大変軽くて胃にもたれない食後感で、ある意味小麦粉で作ったお好み焼きよりもヘルシーなのでは…と思いました。意外にも生地は予想していたよりもそこまで弾力が強くありませんでしたが、噛んだ時にまるでクタクタになるまで煮込まれたおもちに似た歯触りと、米由来の懐かしいほのかな甘味を楽しめるので物足りなさは全く感じません。一言で例えるならば「東南アジアの屋台風海鮮甘辛お好み焼き」というイメージで、バラバラなようでちゃんと一つにまとまっているのに感心しました。
 長ネギのシャリシャリシャキッとした小気味良い食感、半ば蒸し焼きにされてフワっと仕上がった半熟卵、ジューシーかつプリプリツルンとした舌触りに仕上がったカキの身が、ヌクマムの魚醤特有の深みある塩気が染みた米粉の生地と絶妙に合っており、より複雑な味わいになっています。カキが加わっているのでどことなく贅沢な印象を受ける一品で、実際お味の方も カキから出る海鮮出汁や磯の香りで数ランクアップしている感じでした。果実系チューハイやビールにもぴったりなので、お酒の席で喜ばれそうなお好み焼きです。

 意外にもこのお好み焼きには、ソースやマヨネーズといったこってり系の調味料は合わない代わりに、何故かポン酢がぴったり合います。タイのがっつり赤色なチリソースを使ってもさらに辛旨味になって美味ですし、チリソース自体を控えても米粉の甘みがもっと際立ってしみじみおいしいのでおすすめです(^^)。

●出典)『美味しんぼ』 原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.10.16 Sun 21:59  |  

あんこさん、こんにちは。

アジア屋台の定番メニュー「カキのお好み焼き」。
台湾の夜市やタイの路上で食べたときに
「こんな美味いものがあるなんて!」と感動したものでした。

で、先日大久保にタイの食材を買いに行って様々作った際に
「カキのお好み焼きもやろう!」と思い立ったのはいいのですが。
何となくしっくりこない。原因は・・・ヨメの本格タイ料理レシピ本。
「上品過ぎる」のです。屋台料理っぽくないんです。
と思っていたところにあんこさんのこのレシピ。
これぞあの味!美味し!

いつもお世話になってます。

  • #-
  • コイキント
  • URL

2011.10.17 Mon 11:01  |  

相変わらず美味しんぼはアジアは滅茶苦茶ですね。
他は詳しく無いので、他も滅茶苦茶なのかもしれませんが。
今回の記事の料理はオイスターオムレツとも呼ばれ、タイの物は魚醤を使いますが、ペナンの物は使いません。
むしろ小エビやアミを発酵させ、チリと混ぜたサンバルと共に頂きます。
管理人さんに非はありません。
原作者のいい加減な知識で大声で語る姿勢が許せ無いだけです。

  • #-
  • 東南アジア在留邦人
  • URL

2011.10.20 Thu 22:55  |  なんというか・・。

所変われば品変わるの好例ですねぇ。
「クイズ地球丸かじり」を思い出しました。
(昔々そういう世にも珍しい「グルメ系クイズ番組」があったのです。)
米粉だとまた普段のお好み焼きとは違う食感がありそうですねぇ。
でもなんだか、「岡山の牡蠣おこ」に似ているなぁ。では。

  • #-
  • 波多野鵡鯨
  • URL

2012.05.20 Sun 23:13  |  ペナン在住

ペナンに住んでます。フライドオイスターですね。
だいたいRM 4(約110円)くらいで屋台で食べることができます。
端っこはカリカリでおいしいです。カキは凄く小さいので水分が出ず、よりカリカリに仕上がるのかも。ただパクチーがのってるので食べれない人はダメかも。ジョージタウンの消防署の前の店がおいしいですよ!!

  • #c25PVKvg
  • けい
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あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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