『華中華』の“新ニラ玉チャーハン”を再現!

 実は、当管理人はここ数年クリスマスにあまりいい思い出がない為、クリスマスソングを聴くとどんどん気分が暗くなるという非常に損な性分になっていますorz。特に、巷にてよく流れている某曲の「クリスマスが今年もやって来る~♪」という一節は、私にとってサンタがやってくるというよりは死神がやってくるようなイメージの方がより近い感じです。
 どうも、毎年我が家にはサンタさんが煙突から入ってきてプレゼントを持ってきてくれているという夢物語を小学六年生くらいまで信じていたという恥ずかしい過去がある管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『華中華』にてハナちゃんが前回の失敗を反省してリベンジする為に作った“新ニラ玉チャーハン”です!
新ニラ玉チャーハン図
 楊玉環さんが去ってようやく一段落ついたかと思いきや、一難さってまた一難という感じで、またハナちゃんの前に厄介な新キャラが立ちふさがる事になります;。その方の名前は、島野敏郎さん。ハナちゃんの修行する横浜中華街では、料理人が腕を磨く効果的な方法の一つとして「色々なお店の厨房を渡り歩く」というのがあるらしいのですがこの島野さんもそんな渡り料理人の一人で、陳料理長曰く銀座・赤坂・神戸・麻布にある超一級の中華料理店で修行しては着実に腕を磨いてきた腕利きの料理人との事でした。実を言うとこの島野さん、初登場時は人格者であるハナちゃんですら気に入らなくていびってしまう程大の女性嫌いなオネエキャラだったのですが、回を重ねるごとに味のあるいいオネエキャラへと変化していき、最終的にはハナちゃんの第二の師匠のような存在になっています(オネエである事に一切変わりはありませんが;)。普段は「もう、いけず!」「あたし」「きいっ!」「おほほほほ!」などの言葉遣いやクネクネした派手な動作が目立つので忘れられがちですが、料理に関する情熱とこだわりだけはハナちゃんに負けるとも劣らない素晴らしい料理人ですので、個人的には結構お気に入りなお方です(^^)。
今回初登場のおねえ言葉の凄腕料理人・島野敏郎さん
 そんな島野さんが上海亭と出会ったのは相当に早く、初登場した数ページ後にはもうハナちゃんの作ったオリジナルチャーハンを食しています。当初は、「隠れた名店でランチの研究→優れた技術を発見→食べて自分の物にする(・∀・)b!」という黄金パターンで即座に技術を盗み取る予定だった島野さんでしたが、路地裏にある小さなお店の料理とは思えないほど細部にこだわって作られているハナちゃんのチャーハンに一口食べてすっかり感服した島野さんは猛烈にライバル心&好奇心が刺激され、長い間ずっと好敵手として意識することになります。ただ、それはハナちゃんも同じことで、島野さんの技術や料理への真摯な姿勢がきっかけとなって生まれたチャーハンはかなり数で存在する為、ある意味この二人は料理人として理想的な関係なのではないかな~と感じました。
 今回ご紹介するチャーハンも、島野さんがハナちゃんにいい刺激を与えたからこそ誕生した一品。ある日、島野さんから習ったばかりの太白ごま油を使って作る本格的なネギ油とニラを組み合わせたニラ玉チャーハンをお店で出してみたくなったハナちゃんは、早速上海亭のお客さん達や島野さんに振舞ってみたのですが、一口食べた島野さんの「ニラ玉チャーハンって言ってるけど、大嘘じゃない。これは失敗作よ!」という一言によってお店はざわつき、結果お客さんが少し減ってしまいます。島野さんの主張によると、太白ごま油を使用してネギの香りが数段際立ったネギ油が逆にニラの味も香りも台無しにしてしまっているのだそうで、ニラが主役でなくなっている以上これは偽物のダメなチャーハンだとの事。上海亭のおじいさんや楊貴妃さんが言うにはチャーハンの味自体はおいしかったようなので、正直ニラが活きていないからと言って失敗とするのはどうだろう…と個人的には感じるのですが、確かに堂々と「ニラ玉チャーハン」と銘打ったからには、食べた人のイメージを損なわないようニラの美味しさを第一に考えなければいけないのかもしれません。ここのくだりを読むと、料理の定義は本当に難しいな~とため息をついてしまいます;。
店内でニラ玉チャーハンを酷評していました;
 その後、「味はよかったのに、あんなひどい事を…」と憤る楊貴妃さんとは正反対にハナちゃんは「つい調子に乗り過ぎて、料理人としての基本を忘れていた…私が悪いんです!」と謙虚に反省し、島野さんへの仕返しとしてではなく、自分への戒めとする為のリベンジとして新しいニラ玉チャーハンを考え出す事を決意します。こういう時、マイナス思考のまま留まらずにすぐ前向きに解決案を見つけて立ち直れるのは、ハナちゃんの美点の一つだと思います(^^*)。
 その結果、横浜中華街を歩いていた時に通りかかったニラチヂミの屋台をヒントにしてハナちゃんが改良した新しいチャーハンが、この“新ニラ玉チャーハン”!作り方はいたってシンプルで、塩と油で炒めたニラに溶き卵をかけてトロトロにした物の上へ基本チャーハンを乗せてさらに溶き卵をかけ、ひっくりかえして火を通したらお皿に移して醤油とラー油を混ぜた物を刷毛で塗ったらもう出来上がりです。ハナちゃん曰く醤油とラー油が味の決め手だそうで、それがきっかけで上海亭のおじいさんと「なるほど、醤油とラー油ね!」「しょーゆーこと!」などという親父ギャグを飛ばしあって爆笑していました;。このチャーハンの最大の利点はニラと卵の旨さを最大限まで活かせる事で、おかげで“新ニラ玉チャーハン”はお客さん達から大好評で受け入れられ、かつての常連客を完全に取り戻すことに成功します。ちなみに、“新ニラ玉チャーハン”は偶然上海亭の傍を通りかかって「今日の上海亭のチャーハンうまかったな~!」「変な噂もあったけど、あれはガセだな!」という井戸端会議を聞いていてもたってもいられなくなった島野さんも食べており、ますます上海亭への対抗心を熱く燃やすのでした(^^;)。
中華街で売られていたニラのチヂミがいいヒントに!
 ニラ玉が大好物な当管理人にとって、このチャーハンは長らく憧れの一品でした(´Д`*)。特売でニラがお得なお値段で手に入ったことですし、早速試してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、食材の下ごしらえ。ニラは流水で汚れをさっと洗い流した後水気をきり、三センチくらいの長さに切り揃えてザルに入れておきます。一方、小さい器の中には醤油とラー油を入れてよ~く混ぜ合わせ、チャーハンに塗るタレも用意しておきます(ラー油の量はお好みでOKですが、やや多めにした方が味に強いアクセントがついておいしいです^^)。
新ニラ玉チャーハン1
新ニラ玉チャーハン2
 次は、炒め作業。中華鍋(又はフライパン)へ油を加えて熱し、先程のニラを投入して軽く炒めます。塩で適度に味付けしている内にシンナリしてきたら、塩で少々調味した溶き卵をニラの上にかけます。この時、あんまり強火ですと卵が焦げたり、かと言って弱火過ぎてもべしゃべしゃになってしまいますので、中火~強火の間くらいで慎重に火加減を調節しつつ火入れした方がいいです。
新ニラ玉チャーハン3
新ニラ玉チャーハン4
 やがて卵に火が通ってきてトロリとしてきたら、その上へ以前にご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りにあらかじめ作っておいた基本チャーハンを薄く広げながら置き、その上から残りの溶き卵を回しかけて焼きます。
新ニラ玉チャーハン5
新ニラ玉チャーハン6
新ニラ玉チャーハン7
 卵が固まりかけてきたらひっくり返し、さらに一~二分程火を通して焼き固めます。両面の卵がこんがりと固まってきたらお皿へ取り出し、醤油とラー油を混ぜて作ったタレを刷毛で塗ります。
 ※ひっくり返す時、半熟っぽい硬さがお好きな方はぱぱっと手早く返し、反対に硬めがお好きな方はじっくり焼いてから返すのがベストです。なお、硬めに焼くとよりチヂミっぽさが跳ね上がります。
新ニラ玉チャーハン8
新ニラ玉チャーハン9
 タレが程よい加減に塗れたら机へ運び、傍らにレンゲを添えれば“新ニラ玉チャーハン”の完成です!
新ニラ玉チャーハン10
 ラー油と醤油で表面に何ともいえないツヤが出ているのが食欲をそそります。外側をレンゲでさっくり割ってみると、中からふんわり卵に包まれたチャーハンとしなっとしたニラが見え、確かにチヂミ風チャーハンといえなくもない感じでした。ニラの香りがすきっ腹にたまらなく、どんな味なのか一刻も早く食べたい気持ちにさせられます。
新ニラ玉チャーハン11
新ニラ玉チャーハン12
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いただきま~すっ!
新ニラ玉チャーハン13

 さて、味ですが…ニラの良さが前面に出てて、これは美味!ニラ玉チャーハンと似ているようで全く異なる、面白い味わいです!
 ニラのジャキジャキザクザクした歯触りが口の中で心地よく、にんにくの匂いにそっくりな野趣溢れる強い風味が噛むごとにどんどん溢れ出すのがニラ好きにはたまらない一品です。作中でハナちゃんが言っている通り、どことなくチヂミを連想させる美味しさで、全体に回しかけた卵がニラやチャーハンの旨味をしっかり封じ込めて一体感を増すのに成功していました。チャーハンと一緒にしっかり噛み締めるせいか、ニラ玉にした時よりもずっとニラの存在感が際立っている感じで、軽く炒めるだけに止めたニラの食感の良さがとにかく印象に残ります。また、ひっくり返す直前にかけた溶き卵がプルプルした半熟状になってチャーハンに絡んでいるのが予想以上に美味で、外側のまるでオムレツみたいにしっかりかつふんわりした食感とは対照的な、とろフワッとした優しい舌触りが印象的でした。
 ニラやチャーハン自体への味付けは意外にも控え目な為、そのままだとよく言えばほんのり塩味のややあっさりめな優しい味わい、悪く言えば淡泊でインパクトに欠ける味つけになっていた可能性がありますが、表面に塗られた醤油の塩気とラー油のピリ辛さがニラと卵の旨さを倍増させており、ニラの旨味を殺さず深みだけプラスさせているという絶妙なバランスに感心しました。チヂミとニラ玉のいい所取りをした、素晴らしいチャーハンだと思います。

 正直、今までに食べてきたどのニラ玉チャーハンよりも美味しいと感じました。ニラも卵も両方の良さがちゃんと活きていますし、何より簡単かつかなり安く作れるので当分はまりそうです。また、見た目よりずっとあっさりしているので食欲がないときでも軽くぺろりといけるのが嬉しかったです。

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.12.16 Fri 19:21  |  

ニラ玉が好きなのに加えて、ちょうどおなかが減る頃にお邪魔したので(笑)、作って食べられたあんこさんがうらやましい!の一言です。

いつもおいしそうな料理をありがとうございます。全然料理できないのですが、これはぜひ作りたいと思いました!「華中華」も、いっぱい刊行されていて読むのがためらわれるのですが、あんこさんのあらすじ紹介で読んだ気分になって、1度の記事でいつも何粒分も楽しい思いをさせていただいています。応援しています。

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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