『華中華』の“鰹チャーハンの素”を再現!

 ファミリーマートで発売されているスライム肉まんが気になってネット検索したところ、様々なスライムへのイタズラ画像がみつかり、「みんなスライムが好きなんだな~」としみじみしました。中でも、スライム肉まんの下にポテトフライを突き刺して「ホイミスライム!」というのは、見た目にも味的にも秀逸だったので感心しました。
 そうも、何故かファミリーマートへ行ってもスライム肉まんはいつも売り切れ&温め中にしか遭遇した事がない管理人・あんこですorz。

 本日作ってみる再現料理は、『華中華』にてハナちゃんが上海へ帰る玉環さんにお土産として渡した“鰹チャーハンの素”です!
鰹チャーハンの素図
 前回、上海万博に向けて玉環さんが新しく出店予定のチャーハン専門店の総料理長になって欲しいと懇願されたハナちゃんは、<上海亭>と<満点大飯店>での修行や夫・康彦さんとの結婚生活を続ける為に「それは出来ません」と必死に断るのですが、ハナちゃんの天才的な料理の腕をどうしても借りたい玉環さんは「これ以上断り続けるなら、<満点大飯店>のマダム達にあの日遅刻した本当の理由をばらして、強制的にでも上海へきてもらうわ」と半ば脅しのような口調で迫ります。正直、ハナちゃんほど調理技術・発想力・仕事に対する真面目な姿勢を兼ね備えた料理人はそうそういないので、経営者として何としてでも連れ帰りたい玉環さんの気持ちは全く分からないでもないですが、ここまで強引だと完全に逆効果なんじゃないのかな~と思いました;。もしかしたら、財閥出身のお嬢様育ちでこれまで願いは何でも叶ってきた玉環さんにとって、相手に譲りつつ妥協案を模索していくという発想自体がそもそも存在せず、もはや「一方的に相手に押し付ける」という形でしかお願いをする方法が分からないのかもしれません。そう考えると、何だか玉環さんが憎めない当管理人です(´・ω・`)。
 しかし、ハナちゃんは思いがけない形でこの窮地を救われる事になります。それは、新婚ほやほやの夫・康彦さんの乱入。ハナちゃんの身を心配した<上海亭>のおばあさんから電話で一部始終を聞いた康彦さんは当然の如く仰天し、何とか妻であるハナちゃんを日本に留めるよう頼む為にはるばる三浦半島から横浜中華街へ駆けつけ、人目を気にせず「どうか、俺の妻を上海に連れて行くのはやめて下さい!満点大飯店をクビにするのも勘弁してください!お願いします!!」と叫ぶようにして懇願し、何と往来で土下座までします。人前で土下座をすると言うと一見かっこ悪く見えてしまうかもしれませんが、不器用ながらも全力で自分の妻を精一杯守ろうとするその姿には、胸が熱くなるものがあります。それにしても、ここまで旦那さんから愛されているハナちゃんは女房冥利に尽きるだろうな~と、少々羨ましくなりました(^^;)。
ハナちゃんを上海へ連れ去ってしまわないで欲しいと懇願する夫・康彦さん
 実は、玉環さんはハナちゃんが結婚している事実をこの時初めて知った為大いに驚愕し(一年前に玉環さんが上海に帰る時には、ハナちゃんには恋人どころか片思いの相手すらいなかったので当然ですね;)、それが原因で話は一時中断するのですが、結局婚約者を持つ事によって人を想う温かな気持ちに目覚め始めた玉環さんがハナちゃんの気持ちに共感した為、無事ハナちゃんの上海行き&<満点大飯店>息は立ち帰依となりました。とりあえず、一件落着です;。
 その後、玉環さんは「私のダーリンに、ハナちゃんのチャーハンをお土産に持って帰りたいの…作ってくれる?」「昨日の戻り鰹のチャーハンを持って帰りたい!」とハナちゃんにおねだりし、ハナちゃんは快くOKするのですが、その時一つの問題が持ち上がります。それは、生鰹の足の速さ。鰹は魚の中でも特に腐敗や鮮度の低下が早い事で有名で、上海へ持って帰るためには冷凍するかなまり節(生鰹を蒸して保存性を高めた食材)にするかしないと持ち帰るのは難しいと、<上海亭>のおばあさんはアドバイスします。通常、こういう場合は「じゃあ、他の食材を使ったチャーハンを…」と話は進みがちですが、そこはさすがハナちゃんで、なまり節の説明を聞いている内に突如新しいチャーハンのレシピが頭の中で閃きます。そして、ハナちゃんが「これなら冷凍しなくても、中国へ持って帰れます!」と言って玉環さんの目の前で作ったのが、この“鰹チャーハンの素”です!
なまり節の存在を知り、突如新しい鰹チャーハンが閃いたハナちゃん
 作り方は“戻り鰹チャーハン”よりもぐっと簡単で、にんにくで作った香味油に蒸して作った手作りなまり節・カリカリにんにく・白ゴマを入れてよく炒め塩・こしょう・醤油で味付けしたらもう出来上がりです。この“鰹チャーハンの素”を基本チャーハンの仕上げ時に加えてザッと混ぜ合わせればあっという間に“鰹チャーハンの素”のチャーハンは完成で、これならばしっかり火を通しているので冷蔵庫に入れて約二週間は持つとのことでした。それにしても、なまり節の存在を知るだけでここまで優れたチャーハンの素を考え出せるハナちゃんは、やはり只者ではないと思います。
 その後、基本チャーハンの作り方をハナちゃんからみっちり教わり、試食で“鰹チャーハンの素で作ったチャーハン”の美味しさを実感した玉環さんは意気揚々とハナちゃん達に別れを告げて空港へ向かうのですが、その帰途で玉環さんは“鰹チャーハンの素”を見つめつつ「ハナちゃんには悪いけど、これを使ってダーリンにチャーハンを作るより、これを商品化した方が儲かるわ…。上海に帰ってパパに相談しよう!ウフフ(^^*)」と、早くも次の商売のアイディアに胸を躍らせていました;。全く、転んでもタダでは起きないタフネスでやり手なお嬢様です(´∀`;)。
ハナちゃんから直に基本チャーハンを教わりつつ鍋を振る玉環さん
 “戻り鰹チャーハン”との違いは一体どれくらいあるのだろうかと前々から非常に気になっていた為、前回の再現をした際にはすぐにこの料理の再現を決意していました。早速、巻末のレシピ通り忠実に再現してみようと想います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、“鰹チャーハンの素”作り。蒸篭(簡易的な蒸し器でも可)で生鰹のブロックを蒸して余分な水分を抜き、ザルに乗せてしばらく冷ましておきます。これで、なまり節の出来上がりです。なまり節が冷めたら包丁で約一センチ幅に切り、菜箸か素手で大雑把にほぐしておきます。その際、鰹の身に骨が残ってないかきっちり確認します。
鰹チャーハンの素1
鰹チャーハンの素2
 その間、フライパンにゴマ油と薄くスライスして芯を取り除いたにんにくを投入して弱火にかけ、油にいい匂いがつくまでゆっくり火を通します。にんにくに火が通ってカリカリっとしたキツネ色に仕上がったら、後で具にする為キッチンペーパーへ引き上げておきます(あんまり長く火にかけるor火が強すぎると黒焦げになって台無しなので、要注意です)。
鰹チャーハンの素3
鰹チャーハンの素4
 このにんにくの香味油へ、ほぐしておいたなまり節を加えてよ~く炒め、全体的にパラパラになってきたら先程のカリカリにんにくを入れてさっと混ぜます。そこへ塩、こしょうを入れて濃い目に味付けします。
 ※なまり節はそのまま混ぜるだけだとほぐれにくいので、木ベラで切るようにして丁寧に香味油へ馴染ませることを意識して合わせていくとうまくいきます。
鰹チャーハンの素5
鰹チャーハンの素6
 味見をして濃い味付けになったのを確認したら、醤油を鍋肌に沿わせるようにしてかけ回してさらに混ぜ合わせ、最後に白ゴマをやや多めにふりかけて混ぜます。焦がし醤油となまり節が混ざりきったら火を止めて冷まし、そのまま瓶詰めにしたら“鰹チャーハンの素”の出来上がりです!この“鰹チャーハンの素”はチャーハンに混ぜ込むのはもちろん、白ご飯に混ぜ込んだり、卵焼きの具にしたりしてもおいしいので、チャーハン作り以外でも色々と重宝します(^^)。
鰹チャーハンの素7
鰹チャーハンの素8
 次は、いよいよチャーハン作り。中華鍋(又はフライパン)を用意し、以前に作り方をご紹介したハナちゃん流基本チャーハンのレシピ通りに、少し塩気を控えめにした基本チャーハンをさっと作っておきます。この基本チャーハンへ“鰹チャーハンの素”を投入し、ざっくり混ぜ合わせます。
鰹チャーハンの素9
鰹チャーハンの素10
 チャーハン全域に“鰹チャーハンの素”が行き渡ったのを確認したら火を止め、お皿の上に丸く盛りつければ“鰹チャーハンの素で作ったチャーハン”の完成です
鰹チャーハンの素11
 “戻り鰹チャーハン”とは違ってしょうがや青じそが入っていないせいか、にんにくのぐっとくる濃厚な匂いがより一層強まっています。あと、ゴマがたっぷり加えられて香ばしく炒められている為とても香り高い感じで、湯気をひと嗅ぎするだけで猛烈にお腹がすいてきます(^^;)。色味は乏しいですが、味のほうは十分期待が持てます!
鰹チャーハンの素12
 それでは、出来立てほやほやの内にいざ実食!いただきま~す!
鰹チャーハンの素13

 さて、味の感想ですが…戻り鰹の味わいがガツンと舌に響いて美味し!ビールのおつまみにもナイスな大人向けの一皿です!
混ぜるだけなのに、こんなにもおいしいと大評判な鰹チャーハン
 “戻り鰹チャーハン”は薬味の香りが移ったあっさり醤油味でしたが、この“鰹チャーハンの素”を使ったなまり節のチャーハンは力強いにんにく風味の焦がし醤油味が印象的なパンチのきいた味で、一口食べると白ゴマや香味ゴマ油の香ばしい匂いが口の中に広がります。
 水分が抜けている分、“戻り鰹チャーハン”に入っている戻り鰹のような瑞々しさや舌触りの良さはほとんど消えていますが、その分戻り鰹の特徴である濃密な旨味エキスがギュッと凝縮されている為、より味わい深い仕上がりになっていました。フレーク状になった戻り鰹を噛み締めるたびに強烈な磯の香りがプ~ンと漂い、どことなくカツオ節を連想させるのがやや驚きだったです。あと、なまり節の食感は「油っ気のないツナ」っぽいんですが、さっぱりしていて味付けが中までよく染みているので結構食べやすいのが気に入りました。
 戻り鰹に含まれている脂分が蒸す工程の際にかなり抜けている為、“戻り鰹チャーハン”のような溢れんばかりのコクはあまり残っていないですが、鰹の身の味わい自体はむしろくっきり際立っている為鰹が好物な方には堪えられないと思います(直感ですが、霜降り肉のステーキよりもフィレ肉のステーキが好きだと感じる方向きそうでした)。戻り鰹の違った良さが発見出来る和風チャーハンです。

 材料自体はほとんど同じなので、“戻り鰹チャーハン”とほぼ同じ味わいなのではないかと再現前は考えていたのですが、実際に食べてみるとかなり違っていたので驚きました。ガツンとくるにんにくとなまり節の旨さがビールとよく合う上、チャーハンの素さえ作ってしまえば基本チャーハンに混ぜるだけでいつでも手軽に作れるというところが気に入りました。白いご飯の上にそのまま乗せて食べるだけでも美味なので、常備菜としてもお勧めです!

●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.12.04 Sun 03:28  |  はじめまして

料理マンガが小説が大好きなので、とても楽しいブログで見つけることができて嬉しいです!
感想もわかりやすいので、想像が膨らみます。

かぎばあさんと料理少年Kタローは今でも大好きな児童書です。
再現料理楽しみにしています!

  • #XoIiB8mM
  • cannna
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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
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 …『夢色パティシエール』


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※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
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 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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