『風流つまみ道場』の“芋煮のチーズ焼き”を再現!

 実を言うと当管理人は夜型な方で、休日の深夜にぶらりと近所を散歩してコンビニや深夜営業の本屋まで遊びに行ったり、明け方近くまで部屋飲みしつつゲームや読書をしたりするのが大好きだという根っからの不健康人間です;(あまり健康的な趣味ではないので、周囲に話す度ドン引きされてますorz)。そんな中でも最近一番のお気に入りは、PS3ソフト『キャサリン』のサントラをえんえんと聞きつつラムコークやスクリュードライバーを飲んでのんびりする事で、中でも「ルウ」「R30の憂鬱」「ブルックスはかく語りき」は休日の夜にぴったりな空気にしてくれるのでお気に入りです(^^)。
 どうも、つい油断して鏡の方を向いてしまうと真っ赤に酔っ払った老け顔が目に入って瞬時に酔いが冷めるので、極力目をそらすようにしている管理人・あんこです;。

 今回再現する漫画料理は、『風流つまみ道場』にて錦ちゃんが居酒屋<WINE Napa BEER>のマスターを助ける為に教えたアレンジ料理“芋煮のチーズ焼き”です!
芋煮のチーズ焼き図
 九~十月頃のある秋の日、錦ちゃんがアメリカ西海岸をイメージした毎度お馴染みな居酒屋・<WINE Napa BEER>へ遊びに行くと、マスターが突き出しとして例の如く洋風なお店の雰囲気から浮いてしまっている純和風メニュー・芋煮を提供してきた為、怪訝とした錦ちゃんはつい興味をひかれて「何これ?」と尋ねます。すると、何でもマスターは休日を利用して山形県へ立ち寄った際に地元の芋煮会に参加したとの事で、その時に教わったレシピがあまりにもおいしかった為、お店でも大量に作ってやって来るお客さん全員に<WINE Napa BEER>特製の芋煮を最低でも一杯は振舞いようにしているのが原因だとマスターは得意気に語っていました(「マイブームを堂々と店内に持ち込む」のは、マスターの困った癖の一つです;。けれども、探せば案外そういう店主ってゴロゴロいそうな気がします^^;)。マスター曰く、今では東北全域にて秋の風物詩として知られている芋煮ですが、どうやら元祖は山形県で作られている牛肉を使った醤油味がベースとなった芋煮みたいで、錦ちゃんが言うには「シンプルな材料と味付けだけに、一つ一つの素材の味が生きてるね(・∀・)」という昔懐かしい美味しさとの事でした。この他にも、味噌味の芋煮・豚肉の芋煮・ごぼうやきのこを入れた具沢山な芋煮など多種多様な味の芋煮が東北各地に存在すると作中でご紹介されており、芋煮の主役である煮込んだ里芋が大好きな当管理人は「全部食べてみたい…(´Д`*)」と内心ワクワクがとまらなかったです。
東北地方で昔から伝わっている秋の風物詩・芋煮会
 しかし、ルミちゃんは「マスターったら調子に乗って、こんなに作っちゃったんです」と寸胴鍋を目の前にして呆れ半分困り半分の表情で、錦ちゃんにこの芋煮を使ったアレンジ料理は何かないかと相談します。ちなみにこの時、マスターは図々しい事にルミちゃんがそう言うやいなやすかさず「出来ればワインにも合うようなのがいいんだけど…(´∀`)」という難しい注文も、しれっとした顔で追加しています;。どうやら、一時のハイテンションで大量に作ったはいいもののいささか持て余し気味だった模様で、相変わらずの行き当たりバッタリな性格についつい苦笑してしまいました。まあ、何だかんだ言いつつもどうにも憎めない、逆に手伝ってあげたくなるような愛嬌をこのマスターには感じますので、こういう人徳を持つ方は得だよな~としみじみ感じます。
 案の定、錦ちゃんも「わかったわかった」と苦笑いしており、すぐにワイシャツの袖を腕まくりして手早くアレンジ料理を作っています。その際、錦ちゃんが用意したのが、この“芋煮のチーズ焼き”です!作り方は山形県風芋煮さえあれば大変簡単で、にんにくと赤唐辛子と共に汁気をきった芋煮を入れて炒め、それをバターをぬっておいたグラタン皿に盛りつけてチーズとパセリを散らしてオーブントースターで焼いたらもう出来上がりです。この料理には赤ワインがとにかく合うそうですが、豚肉&味噌味の芋煮で作った場合は白ワインにも合うみたいですので、色々な芋煮で試してみると新たな発見があって面白いかもしれません。あと、作中では“芋煮のチーズ焼き”を作る時にたっぷり余ってしまう煮汁を使った再利用料理・“芋煮の煮汁雑炊”のレシピもちゃんと用意されているため、まさに一石二鳥です(作り方はこれまたすごく簡単で、芋煮の汁にご飯と粉チーズを入れて煮込んだところへ溶き卵をタラ~ッと回しかけて半熟にし、仕上げに刻みネギを散らしたら完成です^^)。
 その後、試食中にマスターは「おお!こいつはいける!」「ありがとう錦ちゃん、これからはこのメニューをお店で出すよ」と大喜びして錦ちゃんに御礼を言うのですが、数日後に何とあまりに美味しかったからという理由で寸胴鍋いっぱいの芋煮を全てマスターが平らげていた事が判明し、「天高く、マスター肥ゆる秋か…」と錦ちゃんから思いっきり呆れられてしまうのでした;。
マスターの悪い癖・作りすぎが芋煮に対しても発動してしまってました;
 芋煮のシーズンは大分前に過ぎ去ってしまっていた為、時期はずれな再現は辞めておくべきか…と大いに悩みましたが、何度も読み返しているうちに辛抱出来なくなってきた為、自分の食い意地を恥じつつも遅まきながら再現する事に致しました。作中に載っているレシピ通り、早速作ってみようと思います。

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、作中でご紹介されていた山形県風芋煮作り。油を中火で熱したお鍋に牛肉の薄切り肉を入れて炒め、段々牛肉に焼き色が着いてきたら水、一口大にちぎって塩もみをした後下茹でを済ませたこんにゃく、皮をむいて塩もみをして流水で洗っておいた里芋を投入し、アクを丁寧に取り除きながらしばらく煮込みます。この時、鍋の底にこびりついている牛肉の焦げ跡は煮物のいいお出汁になりますので、最初の内に一旦木ベラでこそぐようにして水に溶かし込んでおく事をお勧めします。
芋煮のチーズ焼き1
芋煮のチーズ焼き2
 アク取りが大体終わり、里芋が中まで煮えて柔らかくなってきたら醤油、砂糖、お酒を加えて混ぜ、さらに煮込みます。数十分後、食材に味がしみこんできたのを確認できたら斜め切りにした長ネギを入れ、ひと煮立ちさせます。やがて、長ネギがしんなり煮えてきたら山形県風芋煮の出来上がりです。すぐさま食べてもおいしいですが、一日寝かせて味をじっくり含ませてもまた美味です。
芋煮のチーズ焼き3
芋煮のチーズ焼き4
 次は、いよいよ“芋煮のチーズ焼き”作り。味をしっかり煮含ませた山形県風芋煮が入っているお鍋から芋煮の具をザルに取り出し、汁気を十分きっておきます。この作業をしておかないままだと中途半端な出来になりますので、数分間放置しておいた方が無難です。
 ※残った煮汁は、“芋煮の煮汁雑炊”として一味違った旨さに生まれ変わりますので、捨てずに大事にお鍋に取っておきます。
芋煮のチーズ焼き5
芋煮のチーズ焼き6
 フライパンに多めのオリーブ油、つぶしたにんにく、種を取った赤唐辛子を入れて弱火でじっくり熱を通し、時間が経ってにんにくがキツネ色になって赤唐辛子の辛味がオリーブ油に溶け出してきたら、両方ともフライパンから取り出します。そこへ、先程汁気をきっておいた芋煮の具を投入してザッと軽く炒め、こしょうを振って味付けしなおしたら適度なところで火を止めます(もう十分火が通っている食材なので、本当にサッとでOKです)。
芋煮のチーズ焼き7
芋煮のチーズ焼き8
芋煮のチーズ焼き9
 炒め終えた芋煮の具を、バターを薄く塗っておいたグラタン皿へ好きな量だけ盛り付け、ピザ用チーズと刻んだパセリを乗せてオーブントースターに入れて約十五分前後(トースターの個性によって時間は変わってきますので、最初はちょくちょく除いた方がいいです)かけて焼き上げます。
芋煮のチーズ焼き10
芋煮のチーズ焼き11
 チーズの表面に程よい焦げ目がついてきたらオーブントースターから取り出し、そのまま赤ワインの入ったグラスと一緒に食卓へ運べば“芋煮のチーズ焼き”の完成です!
芋煮のチーズ焼き12
 こんがりキツネ色に焼きあがったチーズの下に、見るからにほこほこしてそうな山芋や香ばしく焦げ目がついている牛肉がチラリと見え隠れしているのが食欲をそそります(^^*)。芋煮ならではの醤油の香り、にんにくのガツンとくる香り、チーズのとろけるような香りが渾然となった匂いが食卓に強く漂い、どういう風に美味しいのか期待が高まります。
芋煮のチーズ焼き13
 それでは、焼きたて熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
芋煮のチーズ焼き14

 さて、味はと言いますと…赤ワインにぴったりな洒落た味で旨し!ごく平凡な芋煮が一転して重厚なおつまみに変身しており、食べ応えがあります!
芋煮を作ったマスターもお気に入りのアレンジ食
 にんにくのがっつりした風味と赤唐辛子のピリッとくる辛さが溶け込んだオリーブ油が全体になじんでいるせいか、どことなくイタリアンっぽい印象を受けました。基本的には牛肉のお出汁が効いた醤油ベースの和風あっさり味ですが、チーズの濃厚なコクや時折舌を程よく刺激してくるピリ辛味がプラスされている為、メリハリのある味わいへと変化していてまた違った美味しさが楽しめるのがよかったです。
 正直、こんなに手を加えたらそれぞれの食材の個性をシンプルに引き出している芋煮の良さを殺してしまうのではと冷や冷やしていましたがそんな事はなく、逆にその利点を残しつつ旨味を底上げしていたので感心しました。例えるとするならば「ペペロンチーノ風焼きチーズ芋煮」って感じで、和食でも洋食でもない不思議な無国籍料理です。
 作中でマスターが言っていた通り「ねっとりした里芋ととろけたチーズの食感がいい」感じで、里芋のホコホコした意外に力のある味をチーズのまろやかな塩気ががっちり受け止めていたのが大変美味でした。にんにく醤油炒め煮っぽい味付けになった牛肉も、すっかりクタクタに甘くなった長ネギも全部美味しかったですが、驚くべき事にこんにゃくがこの辛旨な味わいと一番よくマッチしており、一回煮た後に焼いたおかげで雷こんにゃくみたいな味になっていたのが美味だったです。

 後々、芋煮の汁を使って作中にてご紹介されていた雑炊を作ってみましたがこちらも大層美味で(画像は後日アップいたします)、粉チーズのコクと芋煮の奥深い旨みが凝縮された味わいがシメとしてぴったりでした。応用編として、芋煮を肉じゃがや筑前煮に代えて調理してみても何だかいけそうな予感がするので、近い内に試してみたいと思います。

●出典)『風流つまみ道場』 ラズウェル細木/芳文社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.11.30 Wed 08:46  |  芋煮の残った汁

いつも楽しみに見ています。初めてコメントします。

私は山形人で、いまはアメリカに住んでいますが、こちらでも毎年芋煮をやっています。山形県人は呪われていて、秋になると芋煮をしないといけないという強迫観念にとらわれているのです。

で、残った汁ですが、おすすめは「うどん」です。それも加ト吉の冷凍麺指定で、これを放りこむだけです。これなら河原でやっても汁も無駄になりませんし、なによりおいしい!牛肉と里芋のダシと、甘辛醤油の味つけで、たいていの人は「もう食べられないけど、うどんは別腹」とばかりにまた箸が進むのです。

まああまりに当たり前かもしれませんが、芋煮ときいてついお知らせしたくなりました。

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2011.12.18 Sun 18:10  |  おすすめのおつまみ

あんこさん、こんばんは。いつも楽しく拝見させていただいております。

今回の記事とは関係ないのですが、同じくラズゥエル細木先生の
『酒の細道』の最新30巻が発売になりましたね。この巻に収録されて
いる、「家ワイン白」「家ワイン赤」の話はそれぞれ、家で白赤のワイン
を楽しむのに最適なおつまみのレシピが多数紹介されていておすすめ
です。ゴラク掲載時にも「いいな~」と思い何品かのレシピを再現した
のですが、今回も作って赤ワインと共に食しました。美味しかった!

僕個人としては「野沢菜ピザトースト」「長芋とスライスチーズの磯辺焼
き」、「たこやきポモドーロ」などがおすすめです。どんな料理かは件の
話を見て頂くとして…。出来たてを炬燵で食べるとたまりませんよ~。

最近急に冬めいてきましたが、あんこさんもお体にお気を付けてお過ご
し下さい。長々失礼しました。では、また~。

  • #SFo5/nok
  • kawajun
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プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

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