『華中華』の“大根チャーハン”を再現!
- Sun
- 21:30
- 再現料理
どうも、国内産のビールではやはりエビスビールが一番だと思う管理人・あんこです。
今回再現してみる再現料理は、『華中華』にてハナちゃんがお客さん達の為を考えて出す事を決めた三百円チャーハンシリーズ第一弾・“大根チャーハン”です!

“新ニラ玉チャーハン”で上海亭の客足がやっと元通りになった頃、横浜中華街では熾烈なランチ戦争が繰り広げられ、どのお店でもお値段千円前後でお得に食べられる中華ランチが出されるようになります。最初はどこも似たりよったりなランチばかりで特に人気のあるお店がなかったようですが、一見ばりばりのオネエキャラであるものの腕は抜群にいい料理人・島野さんを「二十一世紀のカリスマ料理人・島野敏郎」として大々的に売り出す事を決めたマダム奈可子さんによってTV番組や雑誌で宣伝されまくった結果、島野さん目当てにやって来るランチのお客さん(主に奥様方に人気のようでした;)が急増する事でランチ戦争を大きくリードします。事実、作中に出てくる島野さんの美容にいい中華ランチは結構おいしそうで、特に気仙沼産のフカひれあんをかけたおこげを島野さんが目の前で調理して振舞ってくれる場面は「これは人気が出るだろうな~」と感心しました。正直、マスコミによって一気に知名度を高めるのは利点と難点があるので何ともいえないのですが、『味っ子Ⅱ』のある一場面にて「いくらいいものを作ったって、人に知られなきゃ何の意味もねえよ」「企業が高い金を出してCMを流すのだって、大勢の人間に商品を知ってもらったら商品がより売れ、それによって原価を安く抑えて材料の無駄もなくなるからだ」「宣伝する気ゼロでも客の方から勝手に来てくれりゃあ、商売なんて簡単なもんだ!」と語られている通り、まずはお客さんに存在自体を知ってもらわないと話にならない場合も多々あるので、マダム奈可子の取った行動はまずまず正しかったのだと思います。
しかし、地元に住む方々にとっては千円もするランチはお高めでとても日常的には食べられない様子で、ある日ハナちゃんは偶然道端で「この辺で飯を食う俺達には高いなあ!」「そうっすね!だから、上海亭の五百円チャーハンはありがたいっす!」という会話を耳にし、思わず顔がほころびます。けれども、そのすぐ後に「五百円だって高えよ!毎日は無理だろうが!この不況のご時世、百円でも十円でも切り詰めねぇと」という言葉が飛んできたのに胸を痛めたハナちゃんは、心優しい事にそういうお客さん達の為にももっと安いチャーハンを提供したいと考え、その日のお昼に上海亭のおじいさんとおばあさんに「一週間に一回だけでもいいので、三百円のチャーハンを出したんです!」とお願いします。
タイミングのいい事に、その時期上海亭のおじいさんとおばあさんも店内で時々「五百円でも最近きつくなってきたから、毎日は無理」という意見を聞くようになって悲しい気持ちになっていたようで(中でも、上海亭の前で「今日のチャーハンもおいしそう…。でも、今日は牛乳とパンで我慢、我慢!」と話していたOL三人組の会話が胸に染みて共感しましたorz。当管理人も、お店の前でメニュー表とお財布の状態を頭の中で計算しながら葛藤する癖があるので尚更です;)、おかげで「時々三百円チャーハンを出そう」案は無事受け入れられます。

実は当初、ハナちゃんは「お客様はきっと、安くて元気が出るチャーハンに期待しているはずです!」というサービス精神と、おばあさんの「お金の事なら気にしなくていいよ」というおばあさんの申し出から儲けを度外視したチャーハンを作ろうと考えていた様子でしたが、その動きはすぐに商売を長年してきたおじいさんから待ったがかけられます。おじいさん曰く、「確かに、うちは金儲けでやってる訳じゃねぇ。やろうと思えば、今日一日だけでも百円でやってもいいくらいだ。材料費も全て赤字でお客さんにご奉仕もできる!」「でも、俺達がやっているのは商売だ!遊びじゃねぇ。だから、あくまで俺達が損をしない範囲で三百円のチャーハンをやっていくべきだ」だそうで、三百円でも採算が取れる安い材料を使って味もクオリティも五百円チャーハンに劣らないチャーハンを作る経験を積む事は、ハナちゃんが将来一流の料理人になる為には欠かせない貴重な体験になるはずだと熱く語っていました。確かに、お客さんに安くて美味しい料理を食べてもらうという理想自体は素晴らしい物ですが、行き過ぎた理想で経営を成り立たせ続けるのは至難の業ですし、それが原因で閉店になってしまえば最終的にお客さん達自身が損をするという本末転倒な結末になってしまいます。難しい事ですが、ここら辺の問題はお店側とお客さん側が最低限の妥協点を出し合いながらお互いが納得し合えるよう、少しずつすりあわせをしていくしかないのかもしれません。それにしても、何だかんだで結局はハナちゃんのためになる事をしてやりたいというおじいさんの隠れた擬似親心が垣間見えるのが微笑ましいシーンです(^^)。

そしてこの日、三百円内で収まる満足度の高いチャーハンとしてハナちゃんが婚家からお土産としてもらった規格外の大根を手にして色々考えながら作ったのが、“大根チャーハン”です!作り方はいつもの創作チャーハンや基本チャーハンと大分違っており、大根・大根の葉・鶏ひき肉・赤唐辛子・日本酒・醤油・こしょうを油で炒めた物にご飯を入れて混ぜ合わせたらもう出来上がりというかなりシンプルなレシピとなっています。ハナちゃんが言うには「規格外の大根ならすごく安いですし、消化がよくて疲労回復、肥満防止の効果があります」「大根と鶏ひき肉は淡白なので、赤唐辛子でパンチをきかせます!」「卵と長ネギを使わないのはコストダウンの目的もありますが、何より大根を楽しんでいただきたいからです!」との事で、三百円という縛りの中でも何とかしてお客さんに満足して頂こうという誠意を感じられたのが印象強かったです。当然、お客さん達からは「うまい!こんなに美味しいチャーハンなのに三百円とはありがたい!」と大好評で、この三百円チャーハンの試みはその後も続く事になりました(^^)。

大根を安く仕入れることが出来た時、真っ先に思い出したのがこの料理でした。切り干し大根のチャーハンはともかく、生の大根を使ったチャーハンは初めてで興味津々ですので、早速巻末レシピ通り作ってみようと思います。
という事で、レッツ再現調理!
まずは、食材の下準備から。大根は流水で汚れをよく洗い流した後に葉の部分を本体から切り分け、大根は皮ごと賽の目切りにし、大根の葉は約三センチ幅に刻みます。赤唐辛子は水に浸けて戻したら種を取り、小口切りにして油の入っているフライパン(又は中華鍋)へ入れてごく弱火で熱して辛味油を作っておきます。


赤唐辛子の辛味が油になじんだら強火にして鶏ひき肉を投入し、火が通るまで炒めます。鶏ひき肉に軽く焦げ目がついて肉汁がにじみ出てきたら先程の大根を加えてしっかり炒め合わせます。今回、大根は作中の表記通り皮ごと豪快に炒める分火が少し通りにくくなっていますので、生焼けにならぬよう要注意です。


大根の中まで火が通ってきたら醤油、お酒、こしょうで濃い目に味付けし、全体的に味がなじんできたら大根の葉を投入してざっと混ぜ合わせます。これで、チャーハンの具の出来上がりです!
※大根の葉の炒め加減は、各々の好みで大丈夫です。ちなみに当管理人は、大根の葉のシャキシャキ感が好きなのでほんのり日が入ったくらいで火を止めました。



このチャーハンの具に白ご飯を加え、具とご飯が一体になるまで気べらかお玉でよーく炒め合わせます。その際、白ご飯は炊き立てのものや保温したご飯ではなく、冷凍するか冷蔵するかしてパラパラになった物を使った方が成功しやすいです。


ご飯と具がまんべんなく合わさってご飯にも味付けが行き渡ったら火を止め、そのままお皿へ盛りつければ“大根チャーハン”の完成です!

ほんのり醤油色に染まったチャーハンに、大根の葉の緑色と赤唐辛子の赤色が混ざりこんでいるのがきれいで、思わず食欲がわいてきます。ちょっぴり焦げた大根の香りと、醤油の香ばしい匂いがいい感じでした。卵がなくてもちゃんとご飯はパラっとなっているのがびっくりで、一体どういう味がするのかワクワクします。

それでは、出来たての内にいざ実食!いっただっきまーす!

さて、味の感想は…中華というよりは和風っぽい味わいで旨し!香りといい味といい、郷愁を誘われる冬向けの乙なチャーハンです!
チャーハンというよりはまるで混ぜご飯のような落ち着いた味で、大根からにじみ出た素朴で優しい甘味がご飯全域に染みている為しみじみおいしいです。ハナちゃんの狙い通り、胡椒と鷹の爪のピリピリッとくる辛味が淡泊な鶏ひき肉をパンチの効いた味わいに仕立てており、それがまた大根と殊更よく合っていました。
表面は焼き目がついてこんがり、中身はしんなりジューシーに仕上がった大根と、シャキシャキッと鮮やかな大根の葉の歯触りがチャーハンに絶妙なアクセントを与えており、食べていて飽きのこない一皿です(大根は一言で例えるなら「こっくり深い醤油風味の焼き大根」って感じで、香ばしい焦がし醤油がいい仕事をしていました)。
大根の皮のクキコキしたちょうどいい歯応えと、大根の身自体のホクホクシャグッとした汁気の多い食感の対比が面白く、病み付きになります。当初は「卵や刻みネギが入っていないと物足りないのでは…」と心配でしたがそんな事はなく、むしろ大根本来の何とも言えない甘苦い味わいを純粋に楽しむ事が出来た為満足でした。パラパラチャーハンというよりはふんわり焼き飯というイメージで、じっくり噛み締めると全く砂糖を入れていないはずなのに大根の甘味エキスをたっぷり取り込んだ醤油味の炒め汁のおかげでわずかに甘辛くすら感じてしまう、まさに大根を丸ごと堪能出来る料理でした。
卵を使わないチャーハンだと知った時は一体どんなチャーハンになるんだろうと思っていましたが、意外とまとまりのある味わいだったのでほっとしました。鶏ひき肉はもちろん豚ひき肉で作ってみたり、赤唐辛子ではなく七味唐辛子で炒めてみてもより和風になっておいしそうだと思います。
●出典)『華中華』 原作:西ゆうじ 作画:ひきの真二/小学館
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。
Comment
2012.01.10 Tue 23:35 | ビールといえば
あんこさん、こんばんは。遅まきながら明けましておめでとうございます。
今年もブログ、楽しみにさせていただきます。
さて、僕もビールといえばヱビスビール派です。あの苦味が小さい頃
大人に無理矢理飲まされた昔のビールを思い出させるんですよね~。
今もヱビスで一杯やりながら書いてます。
これからもブログ頑張ってください。では、また~。
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