『高杉さん家のおべんとう』の“小坂さんの簡単サンマご飯”を再現!

 人の生きられる時間や、出来る事には限りがありますし、全部が全部自分で決められる訳では決してない…というより自分で選べる道のほうが少ないですが、それでも諦めないという意思は大切にしたいです。不本意の連続が多々あっても、諦めなければおのずと道は開けるはずだと信じています。
 どうも、ただ気をつけなければ「独りよがりな一方的妄想」にも通じてしまう考えだから注意が必要だな~と苦笑もしている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『高杉さん家のおべんとう』にて主人公・高杉温巳さんが久留里ちゃんの焼いたサンマを再利用して作った“小坂さんの簡単サンマご飯”です!
小坂さんの簡単サンマご飯図
 最初はぎこちなかった温巳さんと久留里ちゃんの間も段々ほぐれ始めてきた同居生活二年目の秋の日、あるプロジェクトの話し合いの為に出張していた温巳さんの同期兼悪友・香山さんは帰ってくるなりいきなり三重県土産の松坂牛を突き出し、「高杉君ちで焼き肉しよ!」と研究室のメンバーで焼き肉会をする事を提案します。唐突な申し出であった事から当初はあまり気分が乗らない様子だった温巳さんでしたが、香山先生が「グラム千五百円の松阪牛…」と呟いたのを聞くや否や、すぐに家にいる久留里ちゃんに連絡して焼き肉会の承諾をもらいます(やっぱり、肉の力は偉大だな~と痛感です^^;)。
 実を言いますとこの時、久留里ちゃんはスーパーの特売コーナーにてお得価格で手に入れた新鮮なサンマを焼いて「秋の味覚!」と上機嫌だったのですが、色んな意味で王者の松坂牛がお家にやって来ると聞いてとてもサンマを夕食用として焼いたとは言えなくなってしまい、ウキウキ気分から一転してがっくり気分になってせっかくの焼きたてサンマにラップをかぶせ、寂しそうに冷蔵庫にしまっていました(´・ω・`)。悪気が全く無いとは言え、香山先生が電話で明るく「やっほー、久留里ちゃん?秋だからってちまちまサンマばっかり食べてないー?今日はお姉さんががっつりお肉食べさせてあげるわよー(´∀`*)」とストライクな発言をした直後だっただけに、余計ラップをひく時の「ピッ」という音が読んでて切なく見えました;。ちなみに、温巳さんは焼き肉会の用意中に冷蔵庫にしまわれたサンマを見て初めて「しまった!」と気付き、激しく後悔するというダメダメっぷりで、さすが巻末コーナーで柳原先生のご友人の方々に「残念な人」だと表現されるだけはある、とちょっと納得です;。…ついでに暴露すると、このエピソードを読むたび当管理人自身の「学校にホットケーキミックスで作った手作りお菓子を持っていく→別の友達が持ってきていた完全手作りのオシャレなお菓子が先に振舞われて好評→出そうにも出せず、家に持ち帰って大量のお菓子を自分一人で黙々食べて消費」という暗い思い出が蘇ってきて、より久留里ちゃんに共感してしまうというおまけがもれなくついてきますorz。
久々に「やってしまった」温巳さん;
 焼き肉会後、せっかく久留里ちゃんが焼いてくれていたサンマをそのまま次の日の夕食に出すorお弁当に入れる事はしたくないと考えた温巳さんは、何かいいリサイクル方法はないかと密かに片思い中の女性・小坂さんにメールでさりげなく相談してみます。実は小坂さんはこの焼き肉会に参加していたのですが、材料の準備を手伝おうと台所に入っていた時に見つけたおろしたての大根おろしを見て薄々「久留里ちゃん、本当は今日サンマを焼いていたのかな?」という勘が働いていてずっと気にかかっていたのもあり(正直、このエピソードを読むたび小坂さんの鋭さを尊敬します。恐らく私が同じ場面に遭遇しても、香山先生同様「焼き肉にポン酢おろしって最高よね!久留里ちゃん気を利かしてくれてありがとう!」と解釈しちゃいそうです;)、家に帰り次第すぐに温巳さんへ塩焼きに調理済みのサンマを使った炊き込みご飯のレシピをPCメールで送ります。そして翌日、温巳さんが小坂さんから教わったとおり作って久留里ちゃんのお弁当に詰めておいたのが、この“小坂さんの簡単サンマご飯”です!
 作り方はかなりお手軽で、ワタを抜いた焼きサンマ・しょうが・麺つゆ・お米・水を入れてご飯を炊き、炊けたらサンマの骨や頭を取って白ゴマと梅干しを混ぜ合わせたらもう出来上がりです。小坂さんによると、お弁当に入れずすぐに食べきってしまうなら混ぜご飯バージョン(麺つゆの代わりに醤油とみりんでご飯に味付けし、梅干しと大葉を飾るのがポイント)もお勧めとの事で、焼いた後のサンマも工夫次第でこんなに美味しそうに生まれ変われるものなんだな~と読んでいて感心しました。その後、久留里ちゃんは見事に生まれ変わった焼きサンマを見てやや興奮気味に「何?どーして?どーやって?!」と大喜びしていました(^^)。よくよく考えてみると、私自身も「どうやったらこんなに美味しくなるんだろう?」という好奇心がきっかけで料理に関心を持つようになり、その結果急速に大好きになっていった事を思い出しました。猛烈な感動と探究心を感じる事柄は人それぞれですが、少なくとも私にとってそれが料理と本であって本当に良かったと思います。
サンマを炊き込みご飯へリサイクルするアイディアは、小坂さんから
 もうサンマの季節は終ってしまった観があるので躊躇したのですが、今年はなぜかあまりサンマを食べる機会がなくて無性に食べたくなってきた為、早速巻末のレシピ通り作ってこの空虚感を解消してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、サンマの用意。サンマは水洗いをした後に水気をキッチンペーパーでとって振り塩をし、身に塩がなじんだら焼き網(七輪だったら最高ですが、難しい場合はコンロでもOKです)か高温のグリルで焼き上げます。中まで火が通って表面がこんがりしてきたら火からおろして一旦冷まし、胴を真っ二つに切ってワタを取り出しておきます。ワタがもったいないと感じる方は、当管理人のようにこの段階で捨てずに醤油を垂らして食べちゃって可です;。
小坂さんの簡単サンマご飯1
小坂さんの簡単サンマご飯2
 次は、炊き込み作業。鍋(または炊飯器)にお米、水、麺つゆ、千切りしょうが、先程の焼きサンマを入れてフタをし、そのまま通常通り炊きます。その際、しょうがは惜しげなく大量に投入しちゃった方が味のバランスがいいので個人的に推奨いたします。
小坂さんの簡単サンマご飯3
小坂さんの簡単サンマご飯4
 ご飯が炊き上がったら、今度は混ぜ作業。焼きサンマから頭と骨と尻尾を丁寧に取り除いたら(なるべく隅々まで取った方がいいですが、小さすぎる骨は食べてもそこまで気にならないので放っておいても大丈夫です)さっくり混ぜ、そこへ種を取って細かく叩いた梅干し、軽く炒っておいた白ゴマをたっぷり加えて切るようにして混ぜ合わせます。
小坂さんの簡単サンマご飯5
小坂さんの簡単サンマご飯6
小坂さんの簡単サンマご飯7
 梅干しと白ゴマがご飯全体に行き渡ったら少し蒸らし、お茶碗に食べる量だけよそえば“小坂さんの簡単サンマご飯”の完成です!
小坂さんの簡単サンマご飯8
 うっすらと茶色に炊き上がったご飯に梅干しの紅色としょうがの黄色が映え、如何にも美味しそうです。一回焼いたせいか数段芳しく香ばしくなったサンマの香りとしょうがのすっきり爽やかな匂いが合わさり、食欲をそそられます。見た目に寄らずがっつり系なご飯っぽいので、果たしてどんな味がするのか非常に楽しみです。
小坂さんの簡単サンマご飯9
 それでは、炊きたてほやほやの内にいざ実食!いただきま~すっ!
小坂さんの簡単サンマご飯10

 さて、味の感想ですが…サンマの旨味がギュッと凝縮された魚好きにはたまらない一品!魚のエキスがしっかり染み込んだ炊き込みご飯ってイメージです!
 一口食してまず感じたのは、とにかく味のバランスがいい!という事。サンマのくどくないのにガツンとくる濃厚な脂の旨味がご飯粒の中心にまで染み込んでいるのを、しょうがのくっきり爽やかな風味と梅干しの程よい酸っぱさがキリッと引き締めている為病み付きになる美味さで、そのせいか結構濃ゆい味なのにも関わらずバクバクいけちゃいました。白ゴマのプチプチ感と香ばしさが合間合間でいいアクセントになっていて飽きを防いでいますし、まさにこってりかつあっさりを地でいく一品って印象です。サンマの頭や骨を一緒に入れて炊き込むせいか単に身だけ入れて炊くよりもぐっと奥深いおいしさになっていて、ワタを取り除いているのが功を成して比較的魚料理にありがちな癖が少ない味なのがいい感じでした。
 ご飯自体の味付けは出汁の効いたこっくり醤油味で、噛み締めると徐々に梅干しのさっぱりした酸味がジワジワ溢れてきて包み込んでくのが何ともちょうどいいバランスで感心させられます。初めて食べる割にはどこかで既に出会っていたような懐かしい味だと食事中ずっと疑問だったんですが、書いていてようやく「サンマの梅煮だ!」とピンときました。もちろん、あれ程サンマの身は硬めではないですし梅味が強い訳ではないのですが、それっぽい旨さをご飯に染み込ませたイメージの、冷めても美味な炊き込みご飯です。

 梅肉とサンマの相性の良さを再確認させられた再現でした。秋の季節はもちろん、サンマの第二の旬の季節とも呼べる夏の時期に梅干しとしょうがを思い切りきかせたり、青じそを刻んで入れてみても美味しいのではないかな~と思いました。冷めてもおいしいので、お弁当やおにぎり向きの炊き込みご飯です。

○追記(2011.12.19)
 コメントのご返信が大変遅れてしまっており、誠に申し訳ございません。頂いたコメントは全て目を通し、日々感謝の気持ちでいっぱいになっております。いつになるかははっきり明言できませんが、折を見て全てにご返信コメントを返したいと思っております。
 また、つい先日、非常に遅くなってしまいましたが『高杉さん家のおべんとう』の“赤味噌ハンバーグのお弁当”を再現!記事に再現のやりなおし&文章追加をさせて頂きました。恐縮ですが、ご縁がありましたら一度ご覧になって頂けますと幸いです。

●出典)『高杉さん家のおべんとう』 柳原望/メディアファクトリー
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
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