『セイシュンの食卓』の“アフタークリスマス・メン”を再現!

 最近、母が作るレトロなナポリタンに中毒的にはまり、そのレシピをマスターしようと悪戦苦闘しています。母が言うには、昔お茶とお花の教室の帰りによく友達と立ち寄っていた下関の某喫茶店で食べた鉄板ナポリタンを再現した物なんだそうですが、正直乾麺で作ったナポリタンが物足りなくなるほど美味です。熱々のステーキ皿っぽい鉄板に、甘酸っぱいケチャップ味でグニグニ柔らかくてコシがないように思えるのに不思議とシコシコしている麺、ローストハム、ピーマン、玉ねぎで構成されたナポリタンが乗せられてジュージュー煙を立て、その上へさらに卵が飾られているだけなんですがこれが妙においしく、昔の喫茶店のメニューは侮れないな~と感心しました。
 どうも、高校時代は芋天が定番のおやつだったと語る母に「似た者親子だ…!」と遺伝の凄さを実感させられた管理人・あんこです(←当管理人の場合、ふかし芋が冬場のおやつでした)。

 今回再現する漫画料理は、『セイシュンの食卓』にてイブの夜にややキザっぽい男性が頂き物のフライドチキンの骨を煮込んで作った“アフタークリスマス・メン”です!
アフタークリスマス・メン図
 これからご紹介するエピソードは、恋人になるまであともう少しっぽい雰囲気の男性がクリスマスをどう過ごすのか気になって仕方がない、見るからに気が強そうでツンデレ系な美人女性のお話。クリスマス・イブの夜、ダンディで一見男前風なものの少々変わった男性と一緒にクリスマスを過ごしたくなった女性(残念ながら、両者共に名前が登場しません;)は、フライドチキンを片手に男性が住んでいるアパートへ訪問します。しかし、それだけの行動力と勇気をもっているにも関わらず素直になれない彼女は、思わず「誤解しないでっ。あたしはただ、クリスマス・イブを一人で過ごすかわいそうな男にチキンの差し入れをしに来ただけよ!」というもうバレバレな強がりを言い、フライドチキンの箱を男性に差し出して部屋にあがりこみます;。正直、この言葉を発してしまうと逆に「そういうお前こそ、寂しく一人だからここに来れたんじゃないのか(´ー`)?」という鋭い突込みがブーメランの如く即座に返ってきそうなので個人的には大変恐ろしいのですが、この男性は見た目同様中身も大人っぽい方だった模様で、「ほう…君から来てくれるとはね」という意味深な発言をするだけで終らせていました。うーん、紳士です。リアルで紳士な男性に出会う事が全く無いだけに、余計その紳士さが際立って見えます(何故か周囲は、こういう時に必ずはやし立てるであろう自称・永遠の少年タイプばかりですorz)。
クリスマスにツンデレ美人がチキンを持ってたずねてくるの巻
 こうして見ると、ごく普通の漫画だったらトントン拍子に恋人になれそうなお二人ですが、残念ながらギャグ系料理漫画・『セイシュンの食卓』が舞台だった為、大幅にズレた展開になってしまいました(^^;)。実はこの男性、フライドチキンは必ず骨まで楽しむ事に情熱をかけているという奇癖を持つ方で、女性が持ってきたフライドチキンの骨ももちろんその対象だった為「フッ、相変わらず(フライドチキンは)骨っぽいな…。まあ、僕はそこが好きなんだけどね」という如何にも思わせぶりな台詞を口走ってしまいます。当然、女性は大いに勘違いして「あたし…骨まで愛してくれる男じゃなきゃ、嫌よっ!」と言うのですが、誤解したままの男性は「初めからそのつもりだよ…」とフライドチキンの骨に対する熱意を主張して火に油を注いでしまい、最終的には「今夜、チキンを食べた後でたっぷり時間をかけて証明させてもらうよ」「まあ…」という、お互い激しく行き違ったまま会話が一旦終了していました(´∀`;)。ここまで思惑が食い違っているのに、会話が成立してしまうのはある意味奇跡的だと思いますので、読んでいて「もう、いっそ付き合っちゃえ!」とかなり歯がゆかったのを覚えています。
 その後、男性が食べ終えた後のフライドチキンの骨を使ってざっと約二時間近く煮込んで作ったのが、この“アフタークリスマス・メン”!作り方はものすごく簡単で、肉を食べ終えた後のフライドチキンの骨を水と一緒に鍋へ入れて強火で煮込み、沸騰した後中火にして一時間前後煮込んで漉したスープで市販の袋ラーメンを作ったら出来上がりです。男性曰く「たっぷり時間をかけて出したコクのあるスープは、甘~いクリスマスのしめくくりにぴったり」「いい出汁が出るんだ、これがまたぁ」だそうで、全ての誤解に気付いた女性は半ば呆れ顔・半ばがっかり顔になって「何やってんのよ…orz」ともっともな突込みを入れていました(なお、女性はスタンバイOKな状態で待っていた時に気付いたご様子なので、一層悲壮感が出ています;)。
フライドチキンの骨の方に興味しんしんだった男性;
 以前、『シルシルミシル』という番組で非常に似たレシピ・“ケンタッキーラーメン”を拝見して大変美味しそうだったのもあり、大分前から再現を決意していました。その為、今年のクリスマスでは例年よりも多めにフライドチキンを買ってたらふく食べ、骨を確保していましたd(・∀・)。この骨を使い、早速レシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、フライドチキンの骨の準備。フライドチキン(手作りの物・ケン○ッキーの物・スーパーの物のどれでも大丈夫です)の肉部分を食べきり、大雑把に骨だけの状態にして置きます。衣は後々漉す時にちゃんと取れるので、そのままにしておいてOKです。
 ※その際、普通に食べたものを使用することに抵抗がある方は、包丁か手で肉を骨から剥がす事を推奨いたします。特に、手だと以外に隅々まで肉が取れやすいのでいい感じです。
アフタークリスマス・メン1
 次は、スープ作り。大き目のお鍋へ先程のフライドチキンの骨、たっぷりのお水を投入し、最初は強火でグラグラ煮立てます(なお、これは原作にはない手順なので恐縮なのですが、この段階でお酒を加えておいた方が匂いが和らぐのでおすすめです)。沸騰してきたら火力を中火に下げ、水の量が減るまでコトコト煮込みます。この時、アクを丁寧に取り除くのがコツです。ちなみに、沸騰時間を長くすればする程コクは強まります。
アフタークリスマス・メン2
アフタークリスマス・メン3
 一~二時間後、水の量が当初の四分の一程度になってきたら火を止めて一旦冷まして骨を取り出し、キッチンペーパーとザルできっちり漉します。これで、特製・フライドチキンの骨のスープの出来上がりです。たったこれだけの手順なのに、まるで売り物みたいな見た目だったので衝撃を受けました;。恐るべし、フライドチキンの骨!
アフタークリスマス・メン4
アフタークリスマス・メン5
 ここまできたら、後は簡単!このスープをお水代わりとして、インスタントの袋ラーメンを通常通り作るだけです。作中の記述によると、「ラーメンはあっさり味のを選ぼう」との事で醤油味や塩味がおすすめされていた為、今回はサッポロ一番の塩ラーメンでスープの味をシンプルに味わってみる事にしました。
アフタークリスマス・メン6
アフタークリスマス・メン7
 ラーメンが出来上がったらすぐに火からおろし、丼容器へスープごと麺を盛りつけてその上から付属の切りゴマと刻みネギをパラリと散らせば“アフタークリスマス・メン”の完成です!
アフタークリスマス・メン8
 数々のサッポロ一番塩ラーメン画像と比べてみても、飛びぬけて白濁したスープなのが一瞬で分かります。一見とんこつスープみたいに見えますが、ほのかに漂う香りは鶏がらスープとそっくりなので鶏で取ったスープだとすぐに判別がつきました。香りといい色合いといい、袋ラーメンとは思えないほど凝った出来栄えですので、一体どんな味なのか非常にワクワクします。
アフタークリスマス・メン9
 それでは、冷めないうちにいざ実食!いただきま~す!
アフタークリスマス・メン10

 さて、味の感想はと言いますと…かなり本格的な味で旨し!フライドチキンの骨をさっと煮込んだだけとはとても思えないです!
 サッポロ一番塩ラーメンは野菜系の甘さがどことなく効いた塩味のさっぱりスープが特徴的ですが、このラーメンは普通に作った場合とは違ってかなり深みのある白湯スープに仕上がっています。まろやかでとろみのあるスープに、鶏骨特有のあっさりしたコクが舌にビビッと響く限りなくお店に近い味わいで、一言で表現するなら「マイルドなコク塩味」って感じでした(鶏の水炊きに使うスープの塩気をぐっと強めた味わい、と言った方が一番近い例えかもしれません)。
 博多系豚骨スープに近い濃い旨味が楽しめるのですがそれよりもずっと癖のない後味で、しつこくないのにこってりめなスープが堪能出来る為、豚骨系が苦手な方にもお勧めしたい簡易ラーメンです。豚骨スープががっつり濃ゆい男性的なスープとするなら、この鶏骨スープはまったりかつ繊細な印象を受ける女性的なスープだと思いました。
 白濁したスープにありがちな独特な匂いはお酒で結構緩和されている上、切りゴマの香ばしい匂いが組み合わさる事によって何とも言えない香りへと変化しているので全く気になりませんでした。長ネギの鮮やかな風味やシャキシャキ感も濃厚鶏骨ラーメンにぴったりでしたし、文句なしの出来栄えです。

 ご馳走を食べてお腹一杯の時や飲んだ後のシメに向いていそうな、乙な味のラーメンです。まさかフライドチキンの骨という副産物でこんな本格っぽいラーメンを作れるとは予想もしていなかった為、感心させられました。当分、フライドチキンを食べるたびについつい作っちゃいそうな一品です。

●出典)『セイシュンの食卓』 たけだみりこと東京ブリタニアン/リクルート出版
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2011.12.29 Thu 22:11  |  ナポリタン美味しそうです

初めまして!
いつも楽しく拝見しています。

昔仕事していた沖縄の料理屋さんで、鉄板の上にナポリタンを乗せて
下にふわふわのスクランブルエッグが敷いてあるのを食べてました。

冒頭のナポリタンのレシピ、コンテンツで公開してほしいです!
マンガじゃないけど、再現料理ってことで、どうでしょう?
どうぞよろしくお願いいたします!!!!

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
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 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


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