『花のズボラ飯』の“花さん&ミズキさんのけんちん汁”を再現!

 ちょっと前からラスク系のお菓子が再ブームの兆しを見せており、その中でも『ガトーフェスタ・ハラダ』のグーテ・デ・ロワが一際美味しいとしてすっかり有名になっていますが、個人的にはこれと同じくらい『グレープストーン』のシュガーバターサンドの木が大好きです。実を言いますと、当管理人はホワイトチョコレートがやや苦手な方だったんですが、こちらのお菓子のおかげで好きになれたので思い出深い一品です。
 どうも、大晦日特有の空気に少々感傷気味になっているのをお菓子の馬鹿食いで紛らわせているという色んな意味でズレている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『花のズボラ飯』にて花さんとミズキさんがある冬の夜に合同製作した“花さん&ミズキさんのけんちん汁”です!
花さん&ミズキさんのけんちん汁図
 夫・ゴローさんが単身赴任先から花さんの待つお家へ遊びに来て、また慌しく帰ったばかりだったある日の事。ミズキさんから電話で「明日、花んちに行ってもいい?けんちん汁作るよ」というお誘いの連絡を受けた花さんは、ゴローさんが帰ったばかりで部屋がきちんと整理整頓されたままだったのもあってすぐにOKするのですが、その際に「話がある」とあらたまって言われた為、ちょっと面食らいます。気になった花さんは、電話口で「何なに?ついに彼氏とケッキョン(←結婚の意;)するとか?」など質問責めにしますが結局その時には内容は語られず、花さんは色んな仮説を考えては頭の中で妄想します。ちなみにその妄想は様々で、「もしかして、別れるとか?」「彼氏の浮気に気付いてしまったとか」というもっともらしいものから「…何か、恐ろしい事件に巻きこまれたとか!」という突拍子も無いものまであり、おかげで花さんの脳内では一時「宇宙人にさらわれるミズキさんの図」やら「黒服の男に拉致されかけるミズキさんの図」やらで埋め尽くされていました;。しかし翌日、話を聞いたミズキさんは愉快そうに「んなわけないじゃん」と笑い飛ばしていました。
 思い返せば当管理人自身、友達から「話がある」と言われた直後は毎回「え、え、一体何(・∀・;)?」とハラハラしつつも、一瞬で花さんのように色々な憶測で頭の中がバーッと埋め尽くされた物ですが、ピタリと当たった事はただの一度もございませんorz。昔から<事実は小説より奇なり>と言いますがまさにその通りで、実家の母が言うように「歳を取ったら、大抵の事には動じなくなるから大丈夫」という心境にはまだまだ至れずにいます。
ミズキさんから大事な話があるといわれ、様々な予想をする花さん;
 そんなこんなで、久々に再会したお二人が見事な連携プレーをみせながら手際よく作っていったのが、この“花さん&ミズキさんのけんちん汁”です!具や作り方はWikipediaで紹介されているオーソドックスなけんちん汁とほぼ同じですが、ミズキさんのこだわりでみりんを加えなかったり(ミズキさん曰く「あたし、あんまりみりん好きじゃない。何かごまかしてるようで」との事)、しょうがをすりおろして入れたりと要所でオリジナリティが見えるのが興味深いです。おまけに、今回はズボラ主婦な事で定評のある花さんを思いやったミズキさんが下茹で済の里芋とそのまま使えるタイプのこんにゃくを買ってきたり、豆腐の水切りを省略したりと気配りしてくれた為、根菜を多用した料理にしてはかなり簡単に作れるレシピになっていました。省略大好き(by花さん)!!
 ちなみに、花さんは別のエピソードで「わらわは下ごしらえではく、料理がしたいのじゃ」という台詞をふざけ半分で語っていた事があるのですが、個人的には至言だと思います。確かに下準備も地味~に楽しかったりするのですが、TVに映る中華の料理人さんがよくやっているように、あらかじめ用意された下ごしらえ済の食材でパパッと調理してみたいという願望は未だに根強いです;。
餃子の時同様、ワイワイ言いながら仲良く調理しているハナミズコンビ;
 その後お二人はけんちん汁と、「けんちん汁に白いご飯だけじゃさみしいと思って」と気を利かせてくれたミズキさんが持参した手作りおにぎり(それも焼きたらこ牛肉のしぐれ煮葉唐辛子の三種類という豪華さ!)でにぎやかな食卓を囲みます。花さんは美味しい物を食べるとさらに騒がしくなるという性質がある為、この日も「あーっ、汁だけで激ウマ!」「タラコおにぎりもサイコーッ!あ~、アタシシアワセ!」とまるで子どものように大ハシャギしていたのですが、それを見つめるミズキさんの様子がいつもと違ってほっとしている感じなのが何やら意味深で、初見時は「一体どうしたのかな~?」と不思議だったのですが、数コマ後にその理由と話の内容が同時に発覚します。それは、ミズキさんのおめでた。どうやら、最近はキスすらも間遠になっていたという微妙な交際中の彼氏さんとの間に赤ちゃんを身ごもったミズキさんは不安と動揺でどうしたらいいのか分からなくなった模様で、それが原因で急に花さんの顔を見たくてたまらなくなったようでした。
 日頃のしっかりした様子からは想像も出来ないほど弱気になったミズキさんと、目に涙を浮かべて「よかったじゃん!おめでとう!」とわが事のように大喜びする花さんが対照的で、今後どういった展開になるのか非常に気になります。女性にとって妊娠と出産は人生が180度変わる一大事ですし、個人的にも他人事ではないテーマですので、ますます『花のズボラ飯』から目が離せません!
いつも通りの花さんの様子を見て、安らぎを得ているように見えたミズキさん
 今年の終わりを飾る再現料理記事は『花のズボラ飯』の中から必ず取り上げようと半年以上前から考えていた為、本日の記事を書く時に迷いはありませんでした。作中にて詳細に説明されているレシピ通り、早速再現してみようと思います。

 という事で、レッツ再現料理!
 まずは、食材の下ごしらえ。大根とにんじんは皮をむいてイチョウ切り(大根はにんじんよりも厚めに切るのがポイント)、ゴボウは包丁の背で泥と薄皮を落とした後ささがきにして水にあまりさらさず水切りし、豆腐は大きめのサイコロ状に切ります。里芋はパックの下茹で済の物か冷凍物を用意し、しめじは軸を切り落として大ざっぱにほぐし、こんにゃくは指でちぎったら塩で揉んで水洗いしておきます。
 面倒ですが、この作業さえ終われば後は簡単なので辛抱します(^^;)。
花さん&ミズキさんのけんちん汁1
花さん&ミズキさんのけんちん汁2
 次は、炒め煮作業。大きめのお鍋にごま油を引いて熱したら大根とゴボウを入れてざっと炒め、少し遅れてにんじんを加え、ゴボウのいい香りが立ってくるまでさらに炒めます。大根とにんじんは結構火が通ってきた後でも硬くて混ぜにくいので閉口しがちですが、根気強く崩さぬよう混ぜた方がおいしくなります。
花さん&ミズキさんのけんちん汁3
花さん&ミズキさんのけんちん汁4
 大根が段々透き通ってきたら里芋、しめじ、こんにゃくを投入してジャーッとごま油を馴染ませるようにして炒め合わせ、全体的に「表面に火が通ったかな~?」という感じになったらすりおろしたしょうが、お水、出汁の素を入れて煮ます。やがて煮立ってきたら弱火にし、アクを丁寧にすくっていきます。
 根菜とゴボウを使った汁物はとにかくアクがしつこく出てくるので面倒ですが、ここでちゃんと取っておかないとくどくてエグミの強い味になってしまうので、「アク軍団撲滅!」をスローガンにガシガシすくいまくる事をおすすめします。
花さん&ミズキさんのけんちん汁5
花さん&ミズキさんのけんちん汁6
花さん&ミズキさんのけんちん汁7
 汁にアクが浮かばなくなってきたら豆腐(絹ごしでも木綿でもOKです)を加えてそっと沈ませ、最後に醤油、お酒、塩で自分好みの濃さに味付けして煮込みます。塩と醤油の濃度は、一口すすって「ちょっと物足りない」と感じるくらいがちょうどいいので、入れすぎに要注意です。
花さん&ミズキさんのけんちん汁8
花さん&ミズキさんのけんちん汁9
 味の微調整を終えて具に火が通ったのを確認出来たら一旦火を止め、器へ盛りつけ仕上げに刻みネギをパラッと散らせば“花さん&ミズキさんのけんちん汁”の完成です!
花さん&ミズキさんのけんちん汁10
 刻みネギとしょうがの爽やかな香りが柔らかな湯気となって漂い、心がなごみます(´∀`*)。けんちん汁だけでも勿論よかったのですが、やはり作中の設定通り忠実に再現したかったので、急遽三種のおにぎりも用意しました;。ミズキさんの言っていた通り、普通の白ご飯よりもおにぎりの方が手の込んだ食卓に感じられてちょっぴり華やいだ気分になれるので、これは便利なテクだな~と思います。
花さん&ミズキさんのけんちん汁11
 それでは、湯気がもうもうと立ちのぼっているうちにいざ実食!いただきます!
花さん&ミズキさんのけんちん汁12

 さて、味の感想ですが…ほっと癒される、しみじみ温かなお味。五臓六腑に染み渡る、寒さが吹き飛ぶ美味しさです。
 汁はしょうがのすっきり爽やかな風味が優しく香るほんのり醤油味で、根菜類からにじみ出た奥深い旨味エキスが効いたあっさりしつつも力強い味わいが印象的です。ごぼうの土を連想させる野趣溢れる香りが汁に複雑な旨さをプラスしており、確かに花さんとミズキさんが言うように「ゴボウくんがいないとけんちん汁にならない」って感じでした。ごま油の香ばしさがいいアクセントになっている上、野菜だけではさっぱりし過ぎてしまう所をちょうどいい具合にコクを足しているのがよかったです。しょうがのおかげで体がホカホカに温まりますし、まさに冬の定番すまし汁というイメージでした。
 噛んだ途端に甘苦いおつゆがジュワッと溢れ出す大根、サクサク感と淡い甘さが特徴的なにんじん、ザクザク感が小気味良いゴボウ、ねっとりホコホコした食感の里芋、シコシコキュッとした歯触りがたまらないしめじ、ブルブルした歯応えが心地よいこんにゃく、ツルリと滑るようになめらかな舌触りや優しい味が堪えられない豆腐などの具がこの汁にぴったりで、肉が全く入っていない為すごくヘルシーな仕上がりです。特に大根がいい出来栄えで、一回ごま油で炒めたので外はしっかり、中はホロリとしたまるで焼き大根っぽい味わいなのが個人的にはかなりお気に入りだったです。

 ちょっと塩気のきいたおにぎりがほんわりしたけんちん汁にぴったりで、交互に食べるともう止まらなかったです;。おにぎりとの相性が抜群で腹の底からあったまるので、凍えるような天気の日にすすりこむとあっという間に体がぽかぽかしてきて、寒さなんか一気に吹っ飛びます!ご飯にかけて猫まんま風にしたり、うどんを入れてけんちんうどんにしたり、もしくはミズキさん推奨の食べるラー油をお好みでたらしてみたりなど、それぞれ違った旨さでいけました。お好みでお味噌を溶きいれてもこれまた郷愁を誘う味ですので、おすすめです(^^)。

●出典)『花のズボラ飯』 原作:久住昌之 作画:水沢悦子/秋田書店
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2011.12.31 Sat 23:30  |  良いお年を

今年は沢山の美味しそうな再現料理をありがとうございます。
最近は、コメントをする事も少ないですけれど、記事は全て読んでいますので。
来年も更新を楽しみにしたいと思っています。
自分のペースで更新して下さい。

  • #-
  • oguogu
  • URL

2012.01.01 Sun 08:11  |  美味しそうですネ(*^o^*)

あけましておめでとうございますm(_ _)m
お久しぶりです。
桜海 咲空(おうみ さくら)ですm(_ _)m

先ほど朝から素敵な番組やってました。
マンガ料理再現コーナー!

ピザトーストのシャンチョビ味やドボン鍋、パイナップルカレー、味平ライスと色々ありました(*^o^*)

いつも美味しそうな料理をありがとうございますo(^▽^)o

  • #/2CD/BNk
  • 桜海 咲空
  • URL
  • Edit
(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/777-2ec9711d
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ