『クッキングパパ』の“鯛ラーメン”を再現!

 最近発売されたマルちゃん正麺シリーズが想像をはるかに上回る美味しさだった為、初めて食べた時からすっかり虜になってはまっています。インスタントラーメン業界では「まるで本物の生麺みたいな食感」という表現はもはやすっかり使い古された表現なのですが、このマルちゃん正麺は本当に生麺みたいなので、最初疑い半分になりつつ一口すすった時は衝撃を受けました。どれもおいしいんですが、とんこつ味は細麺な分一番リアルなのでお勧めです。
 どうも、今度は味噌味を試したいと思いつつ何故か未だに扱っているスーパーが少ない為なかなか入手出来ず涙目になっている管理人・あんこです。

 今回再現する漫画料理は、『クッキングパパ』にて荒岩主任が知人のトラック運転手・田村さんの為に考え出した“鯛ラーメン”です!
鯛ラーメン図
 荒岩主任が新卒時から勤めている金丸産業には昔から色々な業者さんやトラック運転手の方が出入りしているのですが、中でも荒岩主任が懇意にしている方の一人に壱岐運送の田村さんがいます。田村さんは長崎県壱岐出身で両さんマユゲがトレードマークな気風のいい方で、生まれたときから海に親しんでいるせいか趣味は釣りなのですが、余程才能があるのか漁師顔負けの腕を持っていて一度も魚を取り逃がした事がない程。おかげで必要に迫られて作るようになった魚料理の腕は荒岩主任が感心するくらいで、中でも鯛茶漬けは鯛の食べすぎでうんざりしていた社内一のグルメ・東山常務をも感嘆させていました(この鯛茶漬けはその回のレシピで紹介されていますが、確かにクッキングパパで一、二を争う程絶品です!)。
 ある日、一日の仕事を終えた東山常務は以前「今度こっちにきたら、是非またあの鯛茶漬けを作ってくれ!」という約束を交わしていた田村さんを呼んで荒岩主任と一緒に鯛茶漬けをご馳走になり、帰り際には何と大瓶に入った鯛茶漬けの素まで田村さんから頂いてしまいます。感動した東山専務は、御礼にほんの気持ちとして現金入りの封筒を渡そうとするのですが、「やめてくれよ、金ならいらんって!」「し、しかし無料で鯛をこんなにもらう訳には…;」「そげな事するならもう作ってやらんぞ(`Д´)!」「いやいや…」というまるでダチョウ倶楽部みたいなちょっとしたミニコントをしちゃいます(ここまで極端ではなくても、ご馳走になった御礼の仕方ってデリケートなのですごく難しい為、東山常務の気持ちも少々分かる気がします;)。しかし、田村さん曰く「鯛なら今、腐る程あるったい!」との事で、その言葉が気になった荒岩主任と東山専務は、田村さんの言葉に甘えて自宅へ遊びに行くことになります。
 そして数十分後、田村さんの自宅に着いた荒岩主任と東山専務はゆうにニ十尾を越える鯛だらけの冷蔵庫を目の当たりにして度肝を抜かれ、さらに「知り合いや親戚に配って回ってうちでも結構食べたんだが、まだこんなに残っている。良かったら全部持って帰ってくれないか?持って帰らないなら、いっそ捨てる」と田村さんから言われて「ぜ、全部?!そんなもったいない!」「冷凍すればまだ持ちますよ;」と動揺します。けれども、田村さんが鯛を捨てる気になった理由は鯛の消費方法に困ったからでも量の多さに躊躇したからでもなく、実は娘・ももこちゃんが大の魚嫌いになってしまった事が一番の原因。何でも、小さい頃から釣りに出かけば必ず豊漁で帰宅するのが常になっていた田村さんはももこちゃんが生まれた頃からも毎度のようにいっぱい魚を釣っては毎日魚料理尽くしにして育ててきたらしく、幼い頃は「おいしい」と喜んでいたももこちゃんも最近では段々嫌がるようになってしまい、最終的にこの度の鯛の大漁で「もういや~!」「ももこお魚嫌い~!お魚食べさせるパパも嫌~い!」とすっかり魚嫌いになってしまったとの事。その為、愛娘を気の毒に思った&娘さんから嫌われてしまうのを恐れた田村さんは、釣りをするのを今後やめるつもりだとがっくりした様子で荒岩主任達に語っていました。正直、三~四歳くらいの可愛い盛りの娘さんに一度だけとはいえ嫌いと言われてしまったのは相当に堪えたと思いますので、唯一の趣味とはいえやめたくもなるだろうな~と田村さんに同情しました(´・ω・`)。
毎日魚ばっかりな生活で、すっかり魚嫌いになったももこちゃん;
 そんな時、田村さんの落ち込みようを案じた荒岩主任はももこちゃんの大好物であるラーメンと魚を合体させた料理を作ってももこちゃんにまた魚料理を好きになってもらおうと考え、田村さんと協力してもらいながら台所でラーメン作りをする事にします(ちなみに、東山常務はその間「ハゲおじちゃん」とももこちゃんから気に入られ、何と居間でおままごとをしていました;。お人形と一緒に夕飯ごっこやおねんねごっこを笑顔でしていた東山常務の姿はまるでキューピー人形のようでなかなかシュールでしたが、ほのぼのした感じで基本微笑ましかったです^^;)。その際、荒岩主任が鯛を使って田村さんとももこちゃんの為に作り上げたのがこの“鯛ラーメン”です!
 作り方はそこそこ手が込んでおり、鯛のアラ・タコ・しょうが・バターを炒めた所へ昆布と干ししいたけのお出汁、太ネギ、鯛の頭、調味料などを加えて煮込んだスープを用意し、茹でた中華麺や具と合わせて器に盛りつけたら出来上がりです。荒岩主任が言うには「タコをスープに使うと風味やコクが出る」「家庭でラーメンのスープを作るのは大変だが、魚介類を使うとあっさりとしながらコクのあるスープを短時間で作れるぞ」だそうで、比較的簡単かつ本格的に作れるラーメンだとの事でした。確かに、とんこつスープや鶏がらスープに比べるとかなり作業がお手軽に見えるので、家庭向きな料理だと感じました。
ももこちゃんに再び魚好きになってもらう為協力する荒岩主任達
 その後、“鯛ラーメン”は東山常務からは「うまい!茶漬けもうまかったが、ラーメンもまたうまい!」、ももこちゃんからは「お魚が入っているけどおいし~い!これ、パパが作ってくれたの!?」「パパ、好き好き~!」と大好評で、無事ももこちゃんはお魚嫌いからお魚好きへと戻ってました(^^*)。おかげで、ももこちゃんから「パパ、また魚を釣ってきてね」と言われた田村さんは、また元通りの元気を取り戻し、荒岩主任に感謝していました。それにしても、食後にすっかりももこちゃんと仲良くなった東山常務がにこやかにあやとりをしていた様子を見ると、案外ももこちゃんの気持ちをいい方向に解きほぐした東山常務は、目立たないものの状況をうまくいきやすいように整えた影の立役者なのではないかな~と荒岩主任同様改めて見直しました。
ほとんど荒岩主任が作ったんですが、田村さんのお手柄にしていました
 鯛のアラとタコ(最近、どういう訳か高騰してますorz)がスーパーで大安売りしていたのを見た時、真っ先にこの料理を思い出してすかさず買いました。せっかくですので、作中のレシピ通り再現してみようと思います!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、スープ作り。鯛の頭とアラは熱湯で湯通ししてしっかり水気をきり、荒熱をとります。一方、大鍋には昆布と水を入れて少々沸騰させたらぬるま湯で戻しておいた干ししいたけを戻し汁ごと投入し、お出汁を取って漉します。この時、干ししいたけはラーメンの具として使うので別皿に取っておきます(昆布はラーメンには使いませんが、佃煮に再利用したらおいしく頂けます)。
鯛ラーメン1
鯛ラーメン2
 別の厚手の鍋へ鯛のアラ、茹でタコ、しょうがのスライス、バターを入れて中火にかけ、鯛のアラの身をほぐすようにして炒めます。材料全体に火が通って焦げ目がついてきたら太ネギと先程の混合お出汁を加え、二十分程度アクを丁寧に取りつつコトコト煮込みます。
鯛ラーメン3
鯛ラーメン4
 やがてアクが出てこなくなったら一旦ザルで漉し(タコは具になるので別皿に取っておきます)、塩、こしょう、醤油、日本酒で味付けをします。自分好みに味が整ってきたら、鯛の頭をそっと入れてさらに煮込み、しばらくして鯛の頭にスープの味が染みてきたらメインの具とスープは準備OKです。
 ※五~十分前後煮てから火を消して数時間放置し、食べる直前にまた火にかけて温めなおした方が身がパサパサにならず尚且つ味がよく染みやすいのでおすすめです。
鯛ラーメン5
鯛ラーメン6
 その間、具を食べやすく切っておいたり、中華麺をやや硬めに茹でてしっかり湯きりして丼に投入しておいたりし(中華麺の太さはお好みで大丈夫ですが、個人的にこのスープは細め~中太麺くらいが一番相性がいいように思いました)、熱く温めた先程のスープを注ぎます。
鯛ラーメン7
鯛ラーメン8
 スープと麺が入っている丼の上へ鯛の頭、スライスしておいたタコ、刻んだ細ネギ、食べやすく切った干ししいたけを乗せて飾り付ければ“鯛ラーメン”の完成です!
鯛ラーメン9
 干ししいたけと鯛とバターの香りが湯気となって漂い、嗅ぐだけでうっとりさせられます。鯛の頭がドドーン!と真ん中にある上見た目はどう見てもラーメンな為如何にも和風っぽいですが、匂いはバターが混じっているので予想以上に洋風っぽい印象を持ちました。どういう味なのか全く分からないので、味が非常に楽しみでワクワクします。
鯛ラーメン10
 それでは、麺がのびない内にいざ実食!いっただっきまーす!
鯛ラーメン11
鯛ラーメン12

 さて、味の感想ですが…お店で出されてもおかしくない程クオリティの高い旨さ!様々なお出汁が複雑に交差し、一言ではとても表現出来ない味になっています。
 当初はアサリの汁物にそっくりな濃い潮の香りがするのでこってりそうなイメージを持っていましたが、いざ食べてみると非常に上品かつあっさりしており、まるでタイのすまし汁をさらに奥深くして洗練させたようなまったり穏やかな塩味が印象的でした。
 タイの骨と身から煮出した濃密かつさっぱりなスープへ、干ししいたけの熟成された味わい、昆布の磯の風味、太ネギやしょうがのすっきりした香りが溶け込んで混然となり、最後にバターのふくよかなコクがまったりとした余韻となってわずかに舌に残りますその為、和風というよりはタイのムニエルやバター焼きに似た和洋折衷風の味わいがするラーメンだと思いました)。魚介類にありがたな臭みが全くなく、純粋な鯛の旨味だけを楽しめる所がよかったです。
 噛めば噛む程味が出てくる干ししいたけ、さっくり歯が通るのに弾力十分なタコ、シャキシャキ感がいいアクセントになっているあさつきもこのラーメンにぴったりな相性でしたが、中でも一番食べ応えがあったのはやはり鯛の頭!お出汁をたっぷり煮含んでしっとりと口の中でほどける鯛の頭の身はとてもジューシーで、スープ全体にキリリと効いているキレのある日本酒の風味が鯛の酒蒸しっぽい味わいへと仕立てていました。細めの中華麺がとろみのあるラーメンスープをよく絡ませていて格別に美味ですし、満足度の高い一品だったです。

 こんな身近な材料だけで本格的なスープが出来るとは思っても見なかった為、少々驚きました(特に、干ししいたけの香りは近所でよく食べるラーメン屋さんのスープの香りと酷似していてびっくりです)。鯛の頭はほじるのが少し面倒ですが、安い割りに味は鯛の身に負けるとも劣らない部位なので、今後も何かと使いたい食材だと思いました(^^)。

●出典)『クッキングパパ』 うえやまとち/講談社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

Comment

2014.10.10 Fri 09:20  |  

これはすごく美味しそう…作ってみます!!
いつも、更新を楽しみにしています。おもしろくておもいやりを感じる文章が大好きです

  • #-
  • あき
  • URL
(編集・削除用)
管理者にだけ表示を許可

Trackback

URL
http://luckyclover7.blog27.fc2.com/tb.php/781-155ddc03
この記事にトラックバック(FC2Blog User)

プロフィール

あんこ

Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
 …『銀の匙』
 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
 …『旅のグ(2)月は知っていた』
 …『テルマエ・ロマエ』
 …『土曜日ランチ!』
 …『BAR・レモンハート』
 …『百姓貴族』
 …『ぶたぶた』シリーズ
 …『ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~』
 …『飯盛り侍』
 …『夢色パティシエール』


○当ブログについて
 このブログで使用されている記事の画像、一部文章は、それぞれの出版物等から引用しております。
 引用物の著作権は全て作者様、出版社様等に準拠致します。
 もしご関係者様に問題のある画像及び記事がございましたら、御連絡頂ければ速やかに修正、削除等の対処を致します。

○お知らせ
・当ブログでは作品のネタバレを含んだレビューも同時に行なっておりますので、作品を未見の方はご注意をお願いいたします。
・各作品に掲載されているレシピの分量は、例外なく全て非公開にする方針を取っておりますので、ご了承の程をお願いいたします(←この件についてご質問頂いた場合、誠に失礼ながら下記の理由でご返信しない方針にしております)。

※現在、公私の多忙と、再現記事のペース維持を理由に、コメント欄へのご返信が出来ない状態が続いております。
 こういう場合、コメント欄は停止するべきなのかもしれませんが、励ましのお言葉やアドバイスを頂く度、ブログのモチベーションアップや心の支えとなったこと、そして率直なご意見や情報を聞けてとても嬉しかったこともあり、誠に自分勝手ながらこのままコメント欄は継続する事に致しました。
 図々しい姿勢で恐縮ですが、ご返信をこまめに出来なくて余裕がある分、ブログ内容を充実&長期的に続けられるよう力をいれる事で皆様のご厚意にお応えし、感謝の気持ちをお返ししていきたいと考えております。
※ただ、ご質問を頂いた際はなるべくお力になれるよう、すぐご返答できるように対処致します。

 応援して下さる方々に少しでも楽しんでご利用して頂けるよう、沢山の作品に触れるちょっとしたきっかけになれるよう、これまで以上に心掛けていきます。
 恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

Copyright © あんこ