『丼なモンダイ!』の“米粉のビーフドリア丼”を再現!

 最近、うちの近所では鶯が鳴いたかと思えば吹雪が吹き荒れるというような極めて激しい気候の変化が襲ってきているのですが;、近頃ようやくピークの寒さが過ぎ去ったせいか雪を楽しむ余裕が出てきました(九州はそこまで豪雪に襲われる事はないという事情も関係しています)。空が暗い時に雪が降ると「水墨画みたいな風景になるな~」、空が明るい内に雪が降ると「キツネの嫁入りならぬ、タヌキの嫁入りとでも呼ぼうかな?」という感じで紛らわせていると、その内本当に気分が和らいでくるので不思議な物です。
 どうも、駅前に小さな手乗りサイズの雪だるまがちょこんと佇んでいたのを見て思わず頬が緩んだお気楽人間な管理人・あんこです。

 本日再現する漫画料理は、『丼なモンダイ!』にて主人公・米野国嵩さんの良きライバルである湯浅さんが米粉料理コンテストで出品した“米粉のビーフドリア丼”です!
米粉のビーフドリア図
 『丼なモンダイ!』とは、現役公務員であるものの農林水産省初の試みとして米余り問題を解決する為に開店させた国営の丼専門店・<丼ぶり一丁>に配置され、料理人として腕を振るうようになった米野国嵩さんと及川栞さんがW主人公として活躍するお役人系丼料理漫画。当初、<丼ぶり一丁>は職員達の中でも実質上の左遷用として作られた部署だとすっかり信じ込まれており、同様に閑職だと思い込んでいた上司によって半ば厄介払いであるかのように飛ばされた米野さんと及川さんでしたが、元々料理人を夢見ていた経緯があった米野さんの手によって<丼ぶり一丁>がどんどん評価され、最終的に一年で閉店予定だったのが無期限で存続される事が決定するまでの過程がなかなか小気味よいです。丼漫画と言えば、ユニークな丼が次から次へと紹介される『旬~味彩の匠~』の存在も忘れられないところですが、『丼なモンダイ!』は各お客様のニーズに合わせた戦略的な丼を多々生み出している所が特徴ですので、違った視点から楽しめるのが面白いです(´∀`)。
 今回ご紹介するのは、そんな凄腕の料理人である米野さんとよきライバルである大手牛丼チェーン店<吉田亭>の料理人・湯浅さんが考え出した、何と米粉を有効活用した創作丼(湯浅さん初登場のお話はこちら)。ある日、米野さんと及川さんは農林水産省が米粉利用拡大の為に大手外食産業をターゲットにして開く事にした米粉料理コンテスト・「Komeko-1グランプリ」(国家開催企画にしては随分可愛らしい大会名だな~と少し微笑ましかったです^^;)のお手伝いとして細々とした雑用に参加する事となったのですが、参加申し込み手続きの場で偶然湯浅さんと再会し、湯浅さんがグランプリに参加する意思のある事を確認して大いに盛り上がります。
 実を言いますとこの時、湯浅さんは米粉を片栗粉代わりに使ってとろみをつける中華丼のアイディアを既に頭の中で練っていて構想がやや固まりかけていたものの、それを聞いた米野さんから「もっと味わいを強調し、米粉ならではの強みを引き出せればいいのですがね…」というアドバイスをもらって逆に焦りを深める結果となっていたのですが、逆にそれがヒントとなって「米粉ならではの強みを一番活かすことが出来れば、この大会は勝てる!」という事実に気付く事ができます。ちなみにその際、湯浅さんは一方的に逆恨みをしてきていたイタリアンチェーン店<サングリア>の代表シェフ・町田さんから「米飯の上に米粉を振りかけたところで、米の味しかしませんよ」という痛烈な皮肉を言われて言葉に詰まっているのですが、正直当管理人も初見時「確かに…」と町田さんの意見よりでした;。炭水化物に炭水化物を組み合わせるというのは最近ようやく世間で認知されてきた観がありますが(例:焼きそばパン、ポテサラサンド、ソバ飯、ラーメン&チャーハン定食など)、それでも未だに抵抗感を抱く方は少なくないですし、実際にその組み合わせを食べてみると結構おなかにずっしりきたり、体調によってはまるで重いボディーブローを叩き込まれたようなダメージを食らった感覚に陥る為、全面的に肯定しづらいというのが本音ですorz。
komekoグランプリは、当初から波乱の予感がぷんぷんしていました;
 けれども、湯浅さんはそんな固定観念を打ち砕くような素晴らしい丼を出して一大センセーションを巻き起こします。それが、この“米粉のビーフドリア丼”!作り方はそこそこお手軽で、バターを溶かした鍋に米粉入りの牛乳を注いで煮詰めて作ったホワイトソースをグラタン皿にひいたガーリック風味の牛肉やご飯の上にかけ、その上からさらにチーズを乗せてオーブンで焼き上げるだけでもう出来上がりです。作中での米野さんの説明によると、米粉は粒子が小さいのでホワイトソースに使ったり何かに混ぜ込んだりしても非常にダマになりにくいのだそうで、おまけに火にかけると独特のとろみがつくので料理をする側にとってはとても助かる便利な食材との事でした。その上、牛乳の量に対して使う米粉の量はほんのわずかで済むので炭水化物の組み合わせにありがちなしつこさも感じにくいそうですし、最初にこの米粉ホワイトソースを考え付いた方は金一封を贈られてもいいんじゃないかと初めて読んだときは感動したのを覚えています。
何と、米粉でものすごく簡単なホワイトソースが作れちゃいます!
 実は、こんなにも簡単な米粉ホワイトソースを各有名外食産業が集う「Komeko-1グランプリ」で湯浅さんが出したのには、ちゃんとした理由があります。それは、家庭でも是非この米粉ホワイトソースを気軽に作っていただき、米粉のよさを一般家庭の間に広めて着実に根付かせたいという狙いがあったから。確かにプロが腕によりをかけて作った米粉料理はおいしいでしょうし、家では味わえない味を求めてお店に来るお客様の間で米粉の価値を高めるのも米粉普及の為には効果的な一手段ではありますが、湯浅さんは「米粉のよさを広めるには単に店舗で美味しいメニューを出すだけでは不十分だと考えたのです」という逆転の発想で米粉を普及させようと思い、あえて不利になりかねない“米粉のビーフドリア丼”を出したようでした。結果、審査員達や一般審査員の間で湯浅さんの開放的な考え方に賛同する声が相次ぎ、見事に湯浅さんは第一回「Komeko-1グランプリ」のチャンピオンの座に輝くのでした(尚、イタリアンの町田さんはモチモチ美味そうな米粉のピザを出してましたが、今ひとつ目立てず敗退していました;。気の毒です)。
わざと簡単に家で作れる物を紹介し、米粉の普及を目指します
 米粉のパンやお菓子は数年前から好んで食べている為、最初に読んだときから絶対再現しようと考えていました。近所のスーパーでも米粉はいろんな種類の物が取り扱われるようになって入手しやすくなったので、早速作中の描写を元に再現してみようと思います(詳しいレシピがない為、多分に想像が入ります;)!

 という事で、レッツ再現調理!
 まずは、ドリアの具作り。にんにくと油を入れて香りが出るまで熱したフライパンに牛薄切り肉を投入し、表面に焦げ目がつくまで炒めます。牛肉全体の色が変わったら、炒め過ぎない内にデミグラスソース、ケチャップ、醤油、塩、こしょうをお好みで加えて味付けします。ソースが煮詰まってきたら、ガーリック風味の牛肉は出来上がりです。その間、別のフライパンではエリンギを軽く焼いて冷ましておきます(作中では言及されていませんでしたが、完成図を見るとそれっぽい具が入っていたので用意してみました;)。なお、エリンギから出た汁気はガーリック風味の牛肉にあわせておくと旨味がさらに倍増します。
米粉のビーフドリア1
米粉のビーフドリア2
米粉のビーフドリア3
 次は、米粉のホワイトソース作り。ボウルに牛乳と米粉を入れて泡だて器でよ~く混ぜ合わせておき(米粉は小麦粉よりもずっと粒子が細かいので、特にふるいにかけなくても大丈夫です)、混ざってきたら中火にかけてバターを溶かしておいた小鍋へ一気に注ぎ、気ベラか泡だて器で丹念に混ぜながら熱を通します。時間がたつにつれ、火が通ってきた米粉にとろみがついてくるので塩、こしょうで調味し、絶えずかき混ぜてソース状になるまで火にかけたら米粉のホワイトソースは準備OKです。
 ※米粉の量が多すぎてしまったらごく稀にダマっぽくなることもありますが、ザルで一回漉したら信じられないほどあっけなく滑らかなソースに変身するので大丈夫です。粒子が細かいせいか、やり直しがききやすいのがこのホワイトソースのメリットです(^^)。
米粉のビーフドリア4
米粉のビーフドリア5
米粉のビーフドリア6
 ここまできたら、いよいよ焼き作業。耐熱皿(又はグラタン皿)にバターをぬり、そこへ白いご飯→ガーリック風味の牛肉→焼きエリンギ→米粉のホワイトソース→ピザ用チーズの順に具を重ねていき、そのまま二百度くらいに熱したオーブンで十分~二十分前後焼きます。
米粉のビーフドリア7
米粉のビーフドリア8
米粉のビーフドリア9
 チーズの表面がこんがり焼きあがってきたらオーブンからだし、上からみじん切りにしたパセリをバラリと散らせば“米粉のビーフドリア丼”の完成です!
米粉のビーフドリア10
 個人的に「ドリアはこってりした茶色」というイメージがあったんですが、このドリアはチーズとホワイトソースが主体な為グラタンを連想させるような白っぽい色が特徴的です(^^*)。こんもり盛り上がった見た目やコンガリした焼き目が食欲をそそる感じで、早くスプーンを突き立てたい衝動に駆られました。香り自体はごく普通のホワイトソースとほぼ同じなので、どういう違いがあるのかとても楽しみです。
米粉のビーフドリア11
 それでは、焼き立て熱々の内にいざ実食!いっただっきま~す!
米粉のビーフドリア12

 さて、味の感想ですが…ほっと安らぐ、どことなく和を感じる旨さ!ボリュームがあるのに重くない為、スイスイスプーンが進んでしまいます!
 普通のホワイトソースが「トロトロ」とするならこの米粉ホワイトソースは「モチトロ」って感じのまったりマイルドな舌触りで、尚且つ粉っぽさが皆無でよりサラッと滑らかな口溶けなのが特徴的です。同じお米同士なせいか白ご飯とのなじみがよく、そのせいかバターのコクが程よく効いているにも関わらずあっさりと頂く事が出来ました。口に含んだばかりの時はぽってりもっちりした口当たりですが、徐々に淡く優しいお米の滋味がすっと溶けていき、安らかな気持ちになります。また、ドリアというと大抵はバターライスなどの味付きご飯が使われるのでこってりした料理だと思われがちですが、このレシピだと白ご飯&淡泊な味わいの米粉ホワイトソースを使用しているので、胃への負担が軽めなのに感心しました。
 にんにくがガツンと効いたこっくりと奥深いデミグラスソース味をまとった牛肉(甘さをぐっと抑えた大人向きのハヤシライスに入っていそうなイメージ)、旨味たっぷりのおつゆとシコシココリコリした小気味良い歯応えが堪えられないエリンギ、表面が香ばしく焼けてとろ~り糸を引く濃厚なコクを持ったチーズがこの米粉ホワイトソースと相性抜群です。牛肉は重厚な味わいで結構濃いめなのですが、米粉ホワイトソースが後からまったりと包み込んで味を緩和させていく為、見た目よりも後口がすっきりしていました。

 正直、当初は「米粉でホワイトソースを作ったら、しつこくなりそう」「米と米の組み合わせは、反発しあわないだろうか…」と不安だったんですが、実際に食べてみると拍子抜けするくらい軽い仕上がりで尚且つ本物のホワイトソースに似た旨さだった為、ちょっとした感動を味わいました。濃いのに素材の味わいを引き立てるソースですので、鶏肉や白身魚、野菜のグラタンなどに使っても相性がよさそうです(^^)。

●出典)『丼なモンダイ!』 原作:花形怜 作画:吉開寛二/日本文芸社
※この記事も含め、当ブログの再現料理記事は全てこちらの「再現料理のまとめリンク」に載せています。

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2012.02.22 Wed 23:00  |  管理人のみ閲覧できます

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Author:あんこ
・性別:女
・趣味:読書、料理、ゲーム
・一言:食と本をこよなく愛してます。
・特に意欲的に再現中の漫画:
 …『姉のおなかをふくらませるのは僕』
 …『美味しんぼ』
 …『クッキングパパ』
 …『紺田照の合法レシピ』
 …『酒のほそ道』
 …『じったんの時短レシピ』
 …『鉄鍋のジャン!』
 …『なんちゃって駅弁』
 …『華中華』
 …『花のズボラ飯』
 …『まかない君』
 …『ママの味♥魔法のおかわりレシピ』
 …『みをつくし料理帖』
・再現料理を予定中の漫画:
 …『浅草人~あさくさびと~』
 …『鬼平犯科帖』シリーズ
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 …『拳闘暗黒伝セスタス』
 …『スイーツ本部長一ノ瀬櫂』
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